セリア防草シートの口コミ検証！100均で買うなら2枚重ねが正解

毎週末、庭の雑草処理に追われて、貴重な休日を草むしりだけで浪費していませんか。

業者に依頼すると高額な費用がかかりますし、ホームセンターで本格的な資材を揃えると予算オーバーになりがちです。

そんな時、私たちの強い味方となるのが100均のアイテムで、特に最近、セリアの防草シートが、手軽に試せるDIYグッズとして評判なのをご存じでしょうか。

しかし、「100円の商品ですぐ破れないか」「遮光性や水はけは十分か」と不安に思う口コミも少なくありません。

そこで本記事では、セリアの防草シートを実際に使用し、その効果や評判を徹底検証しました。

また、ダイソーやキャンドゥといった他社製品の種類とも比較し、それぞれの特徴を詳しく明らかにしています。

結論から言うと、100均のシートでも工夫次第で十分な効果を発揮し、その秘訣こそが、記事タイトルにもある「2枚重ね」という敷き方です。

不織布タイプなどの薄手のものでも、重ねて施工することで遮光性が高まり、耐久性も大幅に向上します。

さらに、風で飛ばされないための防草シートピンの選び方や、隙間なく設置するコツも解説します。

これからお庭の手入れを始める方や、コスパ良く雑草対策をしたい方は必見です！正しい知識と裏技を知れば、低予算でも綺麗なお庭を維持できます。

ぜひこの記事を参考に、セリアの商品を賢く活用してください。

ザクッ、ザクッ。

夏の朝、まだ日が昇りきらないうちから、私は庭の土と格闘していました。もう30年以上も前の話です。当時の私は、造園の世界に飛び込んだばかりの若造で、先輩の職人に怒鳴られながら、ひたすら雑草を抜く毎日を送っていました。腰は悲鳴を上げ、爪の間には黒い土が染み込み、洗っても落ちない。あの時の、草いきれの強烈な匂いと、終わりの見えない徒労感は、今でも昨日のことのように思い出せます。

「雑草魂」なんて言葉がありますが、現場の人間からすれば、あれはただの厄介者です。抜いても抜いても、次の雨上がりには涼しい顔をして生えてくる。

皆さんの中にも、せっかくの休日を草むしりに奪われ、「もう庭なんてコンクリートで埋めてしまいたい」と溜め息をついている方がいるのではないでしょうか。あるいは、定年退職してようやく手に入れたガーデニングの時間が、スギナやドクダミとの戦いに変わってしまったという方もいるかもしれません。

プロとして独立してからも、多くのお客様から「安く、でも確実に雑草を止めたい」という相談を数えきれないほど受けてきました。もちろん、予算があれば、デュポン社のザバーンのような高耐久のプロ用シートをお勧めします。しかし、すべての人が庭の裏側に数万円もかけられるわけではありません。

「100均のシートってどうなんですか？」

最近、この質問をよく受けます。セリアやダイソーで売られている100円の黒い布。あれで本当にあの忌々しい雑草が止まるのか。

結論から申し上げましょう。

そのまま敷けば、半年でゴミになります。しかし、「ある工夫」を凝らせば、それは最強のコスパを誇る資材に化けるのです。

今日は、私が現場で培った30年の経験と、数え切れないほどの失敗から導き出した、セリアの防草シートを使い倒すための「2枚重ね」という極意について、包み隠さずお話しします。泥臭い話も出てきますが、どうぞ最後までお付き合いください。

現場仕事をしていると、資材の進化には驚かされます。昔はホームセンターですら防草シートの取り扱いは少なく、農業用の黒マルチで代用しては、すぐに破れてクレームになったものです。それが今や、100均のセリアに行けば、園芸コーナーにずらりと専用のシートが並んでいるのですから、いい時代になったと言うべきでしょうか。

しかし、プロの視点で見ると、100均のシートは「諸刃の剣」です。

なぜなら、圧倒的に「薄い」からです。

ここで、少し数字を使って考えてみましょう。私が普段業務で使用する高耐久シートは、1平方メートルあたりの単価が約400円から600円ほどします。対して、セリアの防草シートは、サイズにもよりますが、1平方メートルあたり約100円前後。価格差は4倍から6倍です。

この価格差は、そのまま「樹脂の密度」と「紫外線対抗剤の量」に直結します。

私が以前、懇意にしている資材メーカーの担当者と話をした際、彼はこう言いました。「低価格帯の製品は、繊維を固めるバインダー（接着剤）の量を減らすか、繊維そのものを細くするしかないんです」と。

つまり、セリアのシートは、構造的に「隙間ができやすい」宿命を背負っています。

では、全く使えないのか？ いえ、そうではありません。ここで重要なのが「適材適所」という考え方です。

人が頻繁に歩く通路や、砂利の下に敷くのであれば、100均のシート単体では強度不足です。砂利のエッジ（角）がシートに食い込み、そこから穴が空き、光が漏れ、雑草が突き抜けてくる。これは物理現象として避けられません。

しかし、「直接日光が当たらない場所」や「人が歩かない場所」、あるいは「一時的な処置」としてなら、話は別です。

実際に私が実験的に自宅の裏手、隣家との境界にある狭い通路（幅50センチほど）にセリアのシートを施工してみたところ、驚くべき結果が出ました。施工から1年が経過しても、雑草の発生は見られなかったのです。もちろん、そこにはプロならではの「下地処理」と、後述する「2枚重ね」のテクニックがあったからこそですが。

一般的に言われている「100均は安かろう悪かろう」という評価は、半分正解で、半分間違いです。正しい知識を持って使えば、これほどコストパフォーマンスに優れた資材はありません。

ネット上の口コミを見ていると、セリアの防草シートに対して賛否両論が渦巻いています。「素晴らしい！庭が綺麗になった」と喜ぶ声もあれば、「一ヶ月で草が生えてきた、金の無駄だ」と憤る声もある。

この温度差はどこから来るのでしょうか。長年の経験から分析すると、失敗している人の9割は「種類の選択ミス」か「施工ミス」を犯しています。

よくある悪い口コミに、「すぐに破れた」というものがあります。

これは、シートの上に直接レンガを置いたり、鋭利な石を取り除かずに敷いてしまったりしているケースがほとんどです。100均のシート、特に不織布タイプは、引っ張り強度はそれなりにありますが、突き刺し強度にはめっぽう弱い。地面に小さな小石が一つ残っているだけで、そこを踏んだ瞬間にピンホール（小さな穴）が開きます。

植物の生命力を甘く見てはいけません。雑草、特にスギナやチガヤといった地下茎で増えるタイプは、その針の穴ほどの隙間を見逃しません。光を求めてそこから芽を出し、一度顔を出せば、あとはシートを押し広げて成長するのみです。

逆に、良い口コミを書いている人たちの写真をよく観察すると、ある共通点が見えてきます。それは「ピンを細かく打っている」こと、そして「重ね代（しろ）をたっぷりとっている」ことです。

風によるバタつきは、シート劣化の最大の原因の一つです。バタつくことで繊維が摩耗し、薄くなり、やがて破れます。評判が良い施工例は、例外なくピンをケチらず、地面に密着させています。

また、意外に見落とされがちなのが「施工時期」です。

真夏、すでに雑草が背丈ほどに伸びている時期に、草刈りもそこそこにシートを被せても、下から突き上げられて終わりです。冬の枯れている時期か、春先の芽が出る前に、徹底的に根を除去してから敷いている人だけが、良い口コミを残す資格を得ていると言っても過言ではありません。

セリアの園芸コーナーに立つと、パッケージが似ていて混乱するかもしれませんが、大きく分けて2つの種類が存在することに気づくはずです。「不織布（ふしょくふ）」タイプと、「織布（おりふ／クロス）」タイプです。

この違いを理解せずに購入するのは、目隠しをして車を運転するようなものです。

まず、織布タイプ。これはレジャーシートのように、細いテープ状の繊維を縦横に編み込んだものです。
メリットは、引っ張り強度が高いこと。多少引っ張っても破れません。
しかし、デメリットが致命的です。編み目があるため、どうしても微細な隙間が存在します。時間が経つと繊維がズレて隙間が広がり、そこから細い雑草が貫通してくるのです。また、カットした端からホツレてくるのも厄介です。

一方、不織布タイプ。これは繊維をランダムに絡み合わせて、熱や接着剤で固めたフェルト状のものです。
セリアで売られている防草シートの中で、私が推したいのはこちらです。
構造上、隙間がほとんどないため、遮光性が高く、隙間から雑草が生えてくるリスクが低い。また、ハサミで切ってもホツレません。

ただし、100均の不織布は薄い。ペラペラです。向こう側の景色が透けて見えるほど薄いものもあります。

ここで少し専門的な話をしましょう。植物が光合成を行うためには、可視光線が必要です。防草シートの役割は、この光を遮断すること、つまり「遮光率」が命です。
一般的に、スギナなどの強害雑草を抑えるには、遮光率99.5%以上が必要と言われています。99%ではダメなのです。残りの1%の光で、彼らは生き延びます。

セリアの不織布シートの遮光率は、パッケージに記載がない場合も多いですが、私の目視とライトを使った透過テストの感覚では、一層の状態でおよそ90%から95%といったところでしょうか。
これでは、イネ科の雑草やスギナには勝てません。だからこそ、後述する「2枚重ね」が必要不可欠になるのです。

植物の生態については、以下の農研機構の研究データなどが参考になります。彼らの生命力のメカニズムを知れば、なぜ「たかが1%」の光が命取りになるかが理解できるでしょう。

農研機構 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

農研機構は食料・農業・農村に関する研究開発を行う機関です。

www.naro.go.jp

「ダイソーの方が店が大きいから、いいものがあるんじゃないか？」

そう考える方も多いでしょう。私も職業柄、新しい100均を見つけるたびに園芸コーナーをパトロールしますが、各社には微妙な個性の違いがあります。

項目	セリア	ダイソー	キャンドゥ
主力タイプ	不織布・厚手タイプあり	織布・サイズ展開豊富	バランス型
質感	しっとり・フェルト寄り	パリパリ・ビニール寄り	セリアに近い
サイズ	小ぶり(1m×1mなど)	大判(1m×5mなどもあり)	小ぶり
強み	密度と遮光性	コスト当たりの面積	デザイン性

ダイソーの強みは、なんと言っても「サイズ」です。広い面積を覆いたい場合、ダイソーの大判シートはコストパフォーマンスで他を圧倒します。しかし、ダイソーの主力商品は織布（クロス）タイプが多く、目が粗い傾向にあります。水はけは良いのですが、先ほど申し上げた通り、編み目の隙間からの雑草発生リスクは高いです。

一方、セリアは「質」で勝負している印象を受けます。サイズはやや小さめですが、不織布の繊維が比較的密で、手触りもしっかりしています。特に「厚手」と銘打たれた商品は、100均の中では頭一つ抜けています。

キャンドゥは店舗規模によりますが、セリアに近いラインナップです。

私がセリアを推す理由は、この「繊維の密度」にあります。防草シートの目的が「草を抑えること」である以上、面積あたりの単価よりも、遮光性能（密度の高さ）を優先すべきだからです。どんなに安く広く敷けても、草が生えてきたら全てやり直しですから。

さて、実際の現場での使用感についてお話ししましょう。

ここで一つ、私の恥ずかしい失敗談を披露します。
20年ほど前、あるお客様の庭で、コスト削減のために安価なシート（当時のホームセンターの特売品、今の100均レベルの品質）を使用しました。その庭は粘土質で、もともと水はけが悪い場所でした。

施工から一週間後、お客様から電話がありました。
「庭がプールになっているんだけど」

駆けつけると、雨上がりの庭に巨大な水たまりができていました。安価なシートの中には、繊維を固めすぎて通水性が極端に悪いものがあります。水が地面に浸透せず、シートの上に溜まってしまったのです。結果、湿気を好む苔（コケ）がシートの上に繁殖し、ヌルヌルの悲惨な状態になりました。

この教訓から、私は必ず「通水テスト」を行います。

セリアの不織布シートに関しては、この点は合格点です。水を垂らすと、最初は表面張力で弾くことがありますが、数秒から数十秒でじわじわと染み込んでいきます。織布タイプほどスカスカ抜けるわけではありませんが、適度な保水性と透水性を兼ね備えています。これにより、土中の水分蒸発を防ぎつつ、雨水は通すという理想的な環境が作れます。

遮光性に関しては、先述の通り、1枚では不安が残ります。
晴れた日にセリアのシートを太陽にかざしてみてください。無数の小さな光の点が見えるはずです。その一つ一つが、雑草にとっては希望の光です。
しかし、これを2枚重ねてみてください。光の点は完全に消滅し、漆黒の闇が生まれます。

この「物理的な厚み」と「完全な遮光」こそが、防草シートの真髄です。

ここからが本題です。私が推奨する「セリア防草シート・2枚重ね工法」について詳しく解説します。

「2枚も買ったら200円（税抜）じゃないか、高いよ」と思いましたか？
いいえ、違います。耐久性は単純な足し算ではありません。1年でダメになるものを毎年張り替える労力と、最初から2枚重ねて3年、4年持たせるのとでは、どちらが賢い選択でしょうか。

1. 下地処理（整地）

ここが全工程の8割を決める最も重要なパートです。
鎌で草を刈るだけでは不十分です。根こそぎ抜いてください。そして、地面を平らにならします。小石、木の枝、尖ったものは全て取り除きます。
地面が凸凹だと、シートと地面の間に隙間ができ、風でバタついたり、種が入り込んで発芽したりします。

2. 1枚目を敷く

まず1枚目を敷きます。この時、ピンは仮止め程度で構いません。

3. 2枚目を敷く（重要：位置をずらす）

ここがポイントです。1枚目のシートの継ぎ目（合わせ目）の上に、2枚目のシートの中心が来るように敷きます。つまり、継ぎ目を互い違いにするのです。
こうすることで、継ぎ目からの光漏れや雑草の突き抜けを物理的にブロックします。

4. 本固定

2枚まとめて、防草シートピンで地面に打ち込みます。

この工法であれば、仮に上の1枚が紫外線で劣化して破れても、下の1枚は新品同様の状態を保っています。紫外線は上のシートでほぼ100%カットされるからです。

2枚重ねのメリットは、単に遮光性が上がるだけではありません。

「摩擦」による強度の向上があります。
シートが1枚だけだと、地面との摩擦、あるいは上を歩いた時の摩擦で、薄い生地はすぐに磨り減ります。しかし2枚重ねることで、シート同士がクッションとなり、衝撃や摩擦を分散してくれるのです。

また、保温・保湿効果も高まります。
冬場、霜柱が立つような寒冷地では、霜柱が土を持ち上げ、シートを突き破ることがあります。2枚重ねにすることで断熱効果が生まれ、土壌の温度変化を緩やかにし、霜柱の発生を抑制する効果も期待できます。

さらに、これは裏技的な視点ですが、種類の違うシートを重ねるのも有効です。
例えば、下（地面側）にはセリアの不織布タイプを敷き、上（太陽側）にはダイソーの織布タイプを敷く。
こうすると、下の不織布が完璧な遮光と隙間の密閉を行い、上の織布が紫外線と物理的な摩擦を受け止める。織布は紫外線に強い傾向があるので、この「ハイブリッド敷き」は非常に理にかなっています。

ここでは、失敗しないための具体的な手順と注意点を、Q&A形式でまとめておきましょう。

環境省の特定外来生物に関する情報などを見ると、植物の繁殖力の凄まじさがわかります。敵を知ることは、防草対策の第一歩です。
https://www.env.go.jp/nature/intro/

「シートを押さえるのなんて、石でも置いておけばいいだろう」

そう思っていませんか？ これもまた、よくある失敗です。
以前、台風の翌日に相談を受けたお宅では、レンガで押さえていただけのシートがめくれ上がり、隣家のフェンスに絡まっていました。賠償問題になりかねない事態です。

必ず「防草シートピン（固定ピン）」を使ってください。
セリアにも防草シートピンは売っています。U字型や平型など種類がありますが、基本はU字型を選んでください。釘のような一本足タイプ（ネイルタイプ）は、柔らかい地面だとすぐに抜けてしまいます。

ピンを打つ間隔ですが、プロの基準では通常50センチから1メートル間隔です。
しかし、100均のシートは軽いため、風の影響を受けやすい。ですから、私は50センチ間隔、風が強い場所や端の部分では30センチ間隔で打つことを強く推奨します。

「そんなにピンを買ったら金がかかる！」
その通りです。実は防草シート施工において、最もコストがかかるのはシート本体ではなく、このピンと粘着テープなのです。
しかし、ここをケチると、全ての努力が水泡に帰します。ピンだけは、ホームセンターで50本入りや100本入りの箱買い（1本あたりの単価が下がる）をするのも賢い選択です。

ピンを打つ際は、金槌で垂直に打ち込みます。もし石に当たって入らない場合は、無理に打ち込まず、少し位置をずらしてください。曲がったピンは保持力が落ちます。

地盤の種類	推奨ピン	備考
普通の土	U字ピン(15cm)	標準的な長さ。100均でも入手可。
柔らかい土	U字ピン(20cm以上)	短いと抜ける。長いものが必要。
硬い土・砂利混じり	釘タイプ・平型	U字だと刺さりにくい場合に使用。

ここまで、セリアの防草シートを使い倒すためのテクニックをお話ししてきました。

「たかが100円のシートに、そこまで手間をかけるのか」と呆れられたかもしれません。
しかし、手間をかけた分だけ、庭は必ず応えてくれます。

プロとして数え切れないほどの庭を見てきましたが、最も美しい庭とは、高価な資材を使った庭ではなく、持ち主の「愛情」と「知恵」が注がれた庭です。

セリアの防草シートを2枚重ねて、汗を流してピンを打ち込み、整地をする。そのプロセス自体が、あなたの庭への愛着を深めてくれるはずです。そして、来年の夏、窓から庭を眺めたとき、「あぁ、今年は草むしりをしなくていいんだ」という解放感と、青々とした雑草のない地面を見たときの達成感は、何物にも代えがたい喜びとなるでしょう。

さあ、今度の週末はセリアへ行って、防草シートを束で買い込んでみませんか？
あなたの庭作りが、雑草との戦いから、創造的な時間へと変わることを、心から願っています。

道具は使い手次第。100均のシートも、あなたの手にかかれば、最強の防草資材になるのです。