結論から言って海外で購入した超高出力のレーザーポインターを所持する事は、現時点で違法性はありません。
強力なレーザーポインターは、国内で消費生活安全法で製造販売が輸入販売を含めて禁止されていますので、国内で1mWのレーザーポインターを販売している業者は全て違法業者です。
追記すると、100000mw(100W)等のレーザーポインターは詐欺商品で、100均の5mW以下のレーザーポインターでもカメラに照射すると内部の素子が故障する可能性があるので注意しましょう。
国内では上記の様な詐欺商品や違法販売が横行しており、取り締まりもされていない状況なので、レーザーポインターの購入には注意が必要です。
本記事では、100均で手に入るレーザーポインターから、強力なレーザーポインターを手に入れる方法や、所持が違法になるレーザーポインターについても解説します。
他にも、レーザーポインターの仕組みや作り方、カメラに対する影響についても言及していますので、是非最後までご覧ください。
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レーザーポインター所持は違法?強力なレーザーポインターを手に入れる方法ポイント
- レーザーポインターの所持自体に違法性はありませんが、輸入して販売すると消費生活安全法で違法になります。
- 上記の理由から、強力なレーザーポインターを手に入れる方法は、タイなどの海外で購入して持ち込むか、既存のレーザーを分解して組み立てる方法があります。
- レーザーポインターはカメラに当てると内部のCMOSやCCDセンサーが熱で完全に故障する。
- 100均で手に入るレーザーポインターは出力が5mWの低出力な物。
レーザーポインターの所持はどこまで違法?入手と詐欺商品の見分け方
前述した通り、レーザーポインターの所持は違法ではありませんが、取り扱いには注意が必要です。
しかし、日本国内では、消費生活用製品安全法に基づき、出力1mW以上のレーザーポインター(電池駆動の携帯用レーザー応用装置)の製造販売及び輸入販売が禁止されています。
つまり、以下のようなレーザーポインターは、国内で販売・購入することはできません。
出力1mW以上のレーザーポインターかつ、クラス3B、クラス4のレーザーポインター
しかし、海外で購入したレーザーポインターを個人輸入で持ち込むことは、現時点では違法ではありません。
ただし、以下の点に注意する必要があります。
レーザーポインターは、使い方を誤ると大変危険なものです。
所有・使用にあたっては、十分に注意し、以下の点を守りましょう。
レーザーポインターの所持自体に違法性が無くても、使い方によっては迷惑防止条例違反や、航空機全般に照射すると、航空法で違法になる可能性が高いです。
後述する見出しで詳しく解説していますが、100000mWと記載してあるレーザーポインターは、極めて違法性が高く、詐欺商品である可能性が高いです。
レーザーポインターは、出力を計測する方法が一般人には無いため、上記のような詐欺商品が蔓延しています。
詐欺商品に引っかからないように注意しましょう。
レーザーポインターの所持は違法?
1mW以上
100000mW
輸入販売
クラス3B
クラス4B
1mW以上の出力のレーザーポインターを販売していると違法になります。
しかし、購入したものを所持した事による違法性については、現在のところ確認されていません。
100000mW等のレーザーポインターは基本的には出力詐欺である事が殆どです。
- レーザーポインター100000mwは詐欺商品!情報弱者はカモられる
- レーザーポインターは100均で入手可だが昔に比べてかなり低出力
- 強力なレーザーポインターを手に入れる方法は?海外がねらい目
レーザーポインター100000mwは詐欺商品!情報弱者はカモられる
こういったレーザーポインターは、強力さを煽る目的でやたらと数値を盛って書かれている事が多いので、外箱に書かれた数値は殆どあてにならないことを覚えておきましょう。
ネット上では100000mw(100W)のレーザーポインターも販売されていますが、既に違法商品です。
本当に、ネット上で購入できるレーザーポインターは出力詐欺が多いです。
例え安心できる業者でも、レーザーや光源の専門家ではありませんので、勘違いしておかしな出力のレーザーポインターを販売している事が多々あります。
100Wのレーザーポインターなんて相当ヤバいですよw
因みに、100000mw(100W)の出力と書いてあるレーザーポインターですが、乱反射した光ですらゴーグルが無いと危険なレベルで、もはや完全に工業用です。
このクラスの出力になると、さび落としや汚れ落としに使われるレベルの出力です。
さび落としのレーザーは広範囲に照射する為拡散光ですが、指向性のあるレーザーポインターで100Wレベルなら最悪手に穴が開く可能性もあります。
というか、穴が開きますし、カスっただけでもタダではすみません。
これだけの出力をバッテリーから放出するのは非常に困難で、私の持っているパナソニック製品の18650電池が3500mAhです。
18650電池一本ではパワーが足りず、容量の大きな26650の6000mAhを2本並列に接続してようやく1時間程度の照射が可能と思われます。
しかし、バッテリー容量があるからと言って、レーザーが連続して一時間照射できるわけではありません。
レーザーを安定して出力するには、電流のフィードバック回路や、放熱設計が適切でなければなりません。
これだけの出力のレーザーを出力しようとすると、放熱板だけでは間に合わず、ファンを内蔵して空冷する必要も出てくるでしょう。
そうなってくると、今回私が所持しているようなレーザーポインターの外観では、とても実現できないわけです。
レーザーポインターのクラスについて解説します。
レーザーポインターは、目や皮膚への危険度に応じて、以下の8つのクラスに分けられています。
クラス | 最大出力 | 主な用途 | 安全性 |
---|---|---|---|
1 | 0.4mW以下 | プレゼンテーション | 本質的に安全 |
1M | 0.4mW以下 | 医療用 | 本質的に安全 |
2 | 1mW以下 | プレゼンテーション | 通常使用で安全 |
2M | 1mW以下 | 視覚障害補助 | 通常使用で安全 |
3R | 5mW以下 | プレゼンテーション、測定 | 保護メガネ推奨 |
3B | 5mW~500mW | レーザー加工 | 保護メガネ、皮膚保護具推奨 |
4 | 500mW以上 | レーザー加工、研究 | 厳格な安全対策が必要 |
重要なので何度も伝えますが、日本では、消費生活用製品安全法に基づき、出力1mW以上のレーザーポインター(電池駆動の携帯用レーザー応用装置)の製造販売及び輸入販売が禁止されています。
つまり、クラス3B、クラス4のレーザーポインターは、国内で販売・購入することはできません。
一方、クラス1、クラス1M、クラス2、クラス2M、クラス3Rのレーザーポインターは、購入や使用が可能です。
ただし、クラス3Rレーザーポインターであっても、目に直接照射すると、一時的な視力障害や網膜損傷などの危険性があります。
レーザーポインターを使用する際は、必ずクラスに合った安全対策を講じましょう。
レーザーポインターは100均で入手可だが昔に比べてかなり低出力
先ほどの説明画像の件でも触れましたが、100均のレーザーポインターに限らず、使われているレーザーの出力はどこまでが本当か、実際の所分かりません。
100均で販売されているレーザーポインターは、安全性を満たしていると信じたいですが、確実なチェックを行っているとは到底思えません。
ネット上の違法販売業者が野放しになっている事からも、消費生活安全法が上手く機能していないと感じます。
日本では、レーザーポインターに関する事件が至る所で発生した為、出力の規制が強化された背景がありますので、その事件について少し解説します。
レーザーポインター遊びで起こった事故について、大阪眼科医が解説しています。
生徒がいたずらで、教師の目にレーザーポインターを1秒照射した所、網膜に炎症を起こし視力が0.2に低下してしまったという事です。
1997年には野球選手を狙ったレーザーポインターの照射事件が問題になりました。
この事件に関しては、犯人の特定は出来なかったようですが、他にもレーザーを使った事件は探すと沢山出てきます。
低出力のレーザーポインターでも、指向性がある光を一瞬でも見ると、一時的な視界不良や網膜に影響を与える可能性があるので注意が必要です。
強力なレーザーポインターを手に入れる方法は?海外がねらい目
強力なレーザーポインターがどの程度の物かというと、実際に実験した画像がありますのでご覧ください。
これは購入当時実験した結果になりますが、レーザー光をスポンジに当てたところ、光源で焼けて穴が開いてしまいました。
マッチで実験しても、一瞬でマッチに火が着く程の強力な光源です。
延ばして垂らしたビニールテープも簡単に切断してしまう出力ですので、手に長時間当て続ければ、火傷する事は明らかです。
海外で購入したものを、個人使用のみで持ち込むことは可能ですが、海外で手に入れる以外で強力なレーザーポインターを手に入れる事は不可能ではありません。
物を焦がしたり、マッチに火を着ける位の出力の強力なレーザーポインターを手に入れたいなら、工業用のレーザーモジュールを購入して組み立てる方法もあります。
出力は、500mW以上の出力があると物を焦がしたり火を着けるエネルギーがあると言われています。
但し、実際に自分でレーザーをドライブするには専門知識がある程度必要ですので、ポイントだけお伝えすると、レーザーは単に電源を繋げれば光るという代物ではありません。
プラスマイナスも存在し、間違えて結線すると高価なレーザーダイオードを一瞬で破壊する事にも繋がります。
仕様書に書かれている電流や電圧と放熱処理を適切に行い、初めてレーザーとして出力させることが出来るのです。
一般的には、小型のレギュレターICで仕様書通りの電圧と電流を与えます。
所持が違法級のレーザーポインターの作り方と悪用厳禁な使い方
出力が1mWのレーザーポインターを販売していると、生活消費法で違法となります。
海外で手に入れた強力なレーザーポインターを持ち込む以外に、購入方法はないのでしょうか?
ひとつ前の見出しで解説した通り、モジュール単体で販売しているレーザーを加工すれば、強力なレーザーポインターを手に入れることが出来ます。
初心者であれば、中に点灯回路が内蔵されているレーザーモジュールの購入をお勧めします。
少々高価ではありますが、自分で電圧や電流をコントロールする必要がないので、電池をつなげるだけで簡単にレーザーポインターを駆動させることが出来ます。
また、DVDやCDに内蔵されているLDを取り出して光らせると、少々光が弱く感じる場合があります。
これは、波長の問題で、長い波長のLDになると、光ってはいるものの肉眼では視認しずらいという現象が起きます。
視認しずらい波長とは780nm前後の光源です。
冒頭でも解説した通り、収束させた光をカメラに照射すると、故障する可能性が高いため、注意が必要です。
強力なレーザーポインターを手に入れる方法
LD:レーザーダイオード
電圧
電流
手っ取り早く、強力なLDを手に入れたいなら、CDやDVD、ブルーレイに内蔵されているLDを取り外すのが簡単だ。
ただし、LDは乾電池をつないだだけでは動かない!適切な電流と電圧を制御して与えないと一瞬で故障してしまう。
- 強力なレーザーポインターを安く自作する方法
- レーザーポインターを作る為にレーザーの仕組みを知ろう
- レーザーポインターをカメラに当てると故障する!?悪用厳禁
強力なレーザーポインターを安く自作する方法
手元に、故障したDVDやCDがあれば、実際に回路を組んで実演しても良かったのですが、なかったので、動画を基に解説します。
上記の動画では、DVDから取り出した強力な250mWのレーザーを使用して、マッチに火を着けるまでを実演しています。
ポイントを要約します。
取り出したLD:レーザーダイオードには足が三本あります。
そのうち、ケースと接続された端子がプラス端子になり、残り2本のどちらかがマイナス端子で、もう一方が、モニター用のフォトダイオードが接続されています。
画像の最後を見ると、大体電流を0.1A流し電圧は2Vで出力は0.2W程度になります。
動画では安定化電源を使っていますが、三端子レギュレターICを使えば、電流と電圧を自在にコントロールすることが出来ます。
具体的には、LM317を使用し、60Ωの抵抗を接続すると、1.25Vで20mA程度の出力が取り出せます。
LM317を使った定番の定電流回路については、マルツオンラインでこれ以上ない位、詳しく解説されています。
定電流回路の作り方は、電子工作の基本なので、ここでマスターしましょう。
この回路図で言うと、120Ωと書いてある抵抗を、60Ωの抵抗に交換すればよいだけです。
簡単ですね。
レーザーポインターを作る為にレーザーの仕組みを知ろう
レーザーポインターの鮮やかな光は、小さな半導体であるレーザーダイオード(LD)によって生み出されています。
LDは、その構造と働き方によって、指向性の高い単色の光を発生させることができます。
誘導放出と共振という現象が、レーザー光の特徴を生み出しています。
LDの小型軽量、低消費電力、長寿命といった特徴は、レーザーポインターに最適な光源となっています。
LDが光を出す理由
LDでは、自然放出された光が他の電子を刺激し、同じ性質の光を大量に発生させる誘導放出が起きます。
これにより、指向性の高い単色の光が得られます。
また、ミラー面によって光が閉じ込められ、特定の波長の光だけが強め合い、レーザー光は非常に強い光となります。
LDに電流を流すと、以下の過程でレーザー光が発生します。
- 励起
電流によって電子が励起状態になります。 - 自然放出
励起状態の電子が基底状態に戻る際に、自然に光を放出します。 - 誘導放出
自然放出された光が、他の励起状態の電子を刺激し、同じ位相・方向の光を誘導放出させます。 - 共振
ミラー面の間を光が何度も往復することで、特定の波長の光だけが強め合い、レーザー光として出力されます。
レーザーポインターをカメラに当てると故障する!?悪用厳禁
見出しタイトルの通り、レーザーポインターをカメラに当てると、完全に故障します!
この知識は悪用厳禁ですが、不可視光の強力なレーザーを監視カメラに当てられたら・・・!?想像しただけで恐ろしいですね。
この場合カメラの故障は、完全に故障してしまうので交換以外の方法はありませんが、あくまで予備知識として、カメラに当ててはいけないという事をお伝えします。
悪戯に監視カメラに照射して破壊する行為は違法ですし、反射したレーザー光が通行人に当たると非常に危険なので絶対にやめましょう。
カメラについて少しお話しすると、カメラには光を捉える細かいセンサーがついて居ます。
レーザーを当てると、このセンサーが内部で蒸発してしまい、完全に使い物にならなくなります。
ただ、実際の所、レーザーはその指向性の高さと、カメラのレンズの穴の大きさから合せて当てる事は非常に困難です。
遠くから、監視カメラを故障させようとしてもそう簡単に上手くいくとは思いませんが、理論上はレーザーポインターでカメラを破壊する事は十分に可能です。
カメラ以外にも、CDSやフォトトランジスタなどの工学デバイスに当てても、リモコンの操作が出来なくなったり、受光できなくなる可能性も十分にありますので、注意が必要です。
何度もお伝えしますが、この知識は犯罪を助長する目的ではありません。あくまでレーザー光をカメラに照射すると故障するという注意喚起の目的です。
海外で興味本位で購入したこのレーザーポインターは、あまりの出力の高さと危険性から、危険すぎて何の用途にも使う事が出来ません。
正直、点灯するのすら恐ろしく、一瞬でも光源が目に当たったら失明程度では済まないからです。
写真の強力なレーザーポインターの値段は、当時の価格で1000Bしたのを記憶しています。(1000Bは当時のレートで日本円で約3000円程度です)
レーザーポインター所持は違法?強力なレーザーポインターを手に入れる方法まとめ
レーザーポインターの所持は違法ではありません!
実際の所、レーザーは様々なものに使用されており、レーザーポインター以外のレーザー迄出力規制すると、生活用品で使われているあらゆるレーザー光源に影響を与えます。
今後、法改正されたとしても、レーザーポインター以外のレーザーモジュールが規制されることはおそらくないと思います。
強力なレーザーポインターを手に入れたいなら、日本国内で販売している商品を購入すると違法行為に当たる可能性があります。
その為、海外で購入したものを個人使用目的で日本に持ち込むしかありません。
しかし、既製品で無ければ、他にも強力なレーザーポインターを手に入れる方法は存在します。
工業用で使用されるレーザーは、モジュール単体で販売されています。
自分でドライブする専門知識があるならDIY精神を発揮して、販売しているレーザーポインターとはくらべものにならない位強力なレーザーポインターを製作する事も可能です。
昔のレーザー光源はルビーで作られていました。
現代では、レーザーダイオードというLEDに似たデバイスで光源を作っていますので、レーザーダイオードの駆動方法が理解できれば自作する事も可能です。
仕組みは、LEDの点灯方法と殆ど変わらないので、専門知識とは言っても難しい事は無く、電子工作でLEDを点灯させたことのある方なら十分に制作可能なレベルと言えます。
他にも良くある日用品で、ブルーレイの光源やCD・DVDを読み込み書き込みする時の光源もレーザーなので、この素子を分解して改造するのもありかもしれません。
レーザーポインターは、いたずらでカメラに照射すると、故障する事についても解説しました。
いたずら目的で監視カメラに照射するのは違法行為ですし、反射した光源が跳ね返ってくる可能性もありますので、絶対にやってはいけない行為です。
レーザーポインター100000mwという商品については、出力詐欺の商品で、実際にレーザーポインターレベルでは存在しない出力です。
100均で入手可能なレーザーポインターは、安全基準を満たすものと思われます。
それでも、指向性のある光源を見ると、一瞬でも視界が奪われ大変危険ですので、人や動物に当てるのは勿論、興味本位で覗き込むことも絶対にやめましょう。
また、人は勿論、安易にいたずら目的で動物、航空機や船舶、公共機関に照射した場合は被害が出なくても、捕まる可能性があります。
レーザーは、指向性が高い為、意図した方向へ照射する事が簡単ですが、レーザーポインターとなると、話は別です。
不意になんらかの原因で、一瞬でも光源を見ると大変危険です。
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