プラズマボール自作は危ない?事故が起きたり手で触ると健康被害が?

プラズマボールの自作は危ないのか? 電気電子・情報工学
プラズマボールは高電圧を発生させる回路なので、自作実験は事故が起きる可能性もあります

プラズマボールは高電圧の回路で、ガラス管内部には放電に必要なアルゴンガスなどが封入されていますので、自作では感電や事故が起きたり手で触ると危ない可能性があります。

プラズマボールは6kV/35KHzという高電圧高周波で動作しているので、心臓ペースメーカーや補聴器を使用している人が手で触ると、機器が故障して健康被害が出る可能性もあるので注意が必要です。

プラズマボールの寿命は長く、ガラス管さえ無事であれば、先に寿命を迎え故障するのは放電回路です。

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プラズマボール自作は危ない?事故が起きたり手で触ると健康被害が?ポイント

  • プラズマボールの放電電圧はおおよそ6kV前後で周波数も35KHz前後で乾電池から100Vで動作する物まであります。
  • プラズマボールは高電圧を扱う回路なので、心臓ペースメーカーを使用している場合は健康被害が出る可能性があるので、自作も手で触る事も危ない。
  • プラズマボールの楽しみ方は、手で触ったり蛍光灯を付けたりが一般的だが、他にもLEDを光らせたり、電源を取ったりと様々な実験が出来る。
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プラズマボールの自作は確かに危ない!事故が起きる可能性もある

プラズマボールは、真空中のガラスボール内に高電圧をかけて放電させるのが基本動作なので、回路が故障してショートすれば感電や火災の原因になる事もあります。

特に自作では、下記のような既製品を使用した自作では問題ありませんが、トランス周りの絶縁破壊による異常な放電などにより事故が起きる可能性もあります。

放電とは、思わぬ方向に放電する事があるので、それが原因で感電したり、他の電子機器に誤動作を与える原因になります。

プラズマボールの寿命が縮まるので、あまりやらない方が良い実験もあります。

プラズマボールをアルミ伯で覆って、放電をさせやすくした状態で、ティッシュペーパーやコピー用紙を置きます。

その上から先端の細い針やナイフでつつくとどうなるでしょうか?

原理はプラズマライターと同じで、何と紙に着火してしまいます!火のついたものをガラスの上にのせていると、プラズマボールが割れたり寿命を縮める原因になります。

プラズマボールは手で触ると危ないの?健康被害や寿命が縮む?

結論から言ってプラズマボールで寿命が縮む可能性は限りなく低いですが、手で触ると危ない可能性は十分にあります。

そもそもプラズマボールは高電圧で高周波なので、何の体調不良も病気も無い方なら問題ありませんが、心臓ペースメーカーを付けている体の弱い方には大問題です。

補聴器なども、プラズマの放電や高周波がノイズの原因で故障する可能性がありますので、身体になんらかの医療電子機器を取り付けている方が手で触る事のないよに十分に注意が必要です。
プラズマボールは誰でも触って遊べるおもちゃではありません!

プラズマボールはおもちゃな事には変わりないですし、電気や放電の仕組みを知るには最高の教材ではありますが、使用方法を間違えると事故につながる危険があるという事です。

プラズマボール自体の寿命はどのくらい?故障しやすいって本当?

プラズマボールの寿命はガラスボールが割れた時点で終了ですが、他にも以下の原因で故障する事もあります。

内部には高電圧を発生させるための回路が入っていますが、回路がショートして内部のMOSFETに高電圧が加わり故障する可能性があります。

MOSFETは他のトランジスターに比べて、静電気に弱い部品なので、ショートによって故障する可能性があります。

プラズマボールが故障してしまった時の原因調査・問題の切り分けとして、プラズマボールのガラス球体部分と放電回路が故障したパターンがあります。

プラズマボール本体のガス抜けやひび割れで故障していないのなら、プラズマライターや降圧モジュールを代わりに繋ぐとわずかばかり放電します。

放電すれば内部の真空状態は保たれているので、プラズマボール自体の故障ではなく、放電回路部分の故障だという事です。

プラズマボールの放電電圧は、6kV/35kHzの高電圧・高周波なので、これに近い電源を探して接続すれば再びプラズマが蘇ります。

自作プラズマボールで楽しめる実験!蛍光灯・電線を使った変圧実験

プラズマボールは自作して遊ぶことが出来るので、その方法について紹介します。

黒化したグローランプ
使えなくなったグローランプをプラズマボールの代わりにして遊べる
プラズマボールをグローランプで自作する

放電は小規模ですが、蛍光灯の内部に入っている点灯管であるグローランプを使用する方法です。

これを、アマゾン等で販売している既製品のモジュールに繋ぐと、プラズマボールの世に派手に放電してみているだけでも面白いです。

完全に線を接続しないで、どこかにスパークギャップを設けると様々な状態で放電して楽します。

高圧モジュールとCFL蛍光灯
既製品のインバータを付けたのかと思うほど、明るく点灯する
CCFL冷陰極管
CCFL冷陰極管を高圧モジュールに繋いで点灯

プラズマボールを自作して遊ぶという内容ですが、プラズマボールを自作して遊ぶ醍醐味は、他のデバイスを動かせる事でもあります。

自作ではなく既製品のプラズマボールの場合、端子等は出ていませんし、最初から放電管しか取り付けられていないので、このような実験をする事は出来ません。

左は普通のどこにでも売っている4Wの蛍光灯ですが、回路だけ懐中電灯から外して来たのかと思えるほどまぶしく明るく点灯します。

右は、画像でも説明がある通り、元々は液晶テレビのバックライト用冷陰極管CCFLから取り外したものです。

アマゾンンの高圧モジュールで冷陰極管を点灯する実験

冷陰極管は、放電管で仕組みは蛍光灯と似ていますが、蛍光灯のように内部にフィラメントがありません。

淡いピンクで点灯して非常にきれいでした。

令和現在、照明の殆どはLEDにとって代わってしまいましたが、放電管はLEDにはない魅力があります。

他にも面白い実験があります。

夏の雨の降った日や、朝露で地面が湿った日に柔らかい土に電極を指し、反対側の電極を軽く土に当てて放電させます。

そうすると、中で眠っているミミズや虫が放電にびっくりして土のなかから出てくるという実験です。

最後にもう一つ面白い実験を紹介します。

この、高圧モジュールに、20回くらいわっかにした電線を取り付け、回路中にギャップを設けます。

これを電子機器の近くで動作させるとどうなるでしょうか?例えば、スマホやwi-fiの近くで使用した場合、ノイズで電波を遮断する事が出来ます。

これは、発生したノイズ中にスマホやWi-Fiで使用する周波数成分の一部が含まれる事が原因で起きる電波障害の一種です。

プラズマボールの動作回路や原理・仕組みはどのようになっている?

プラズマボールの基本は高電圧高周波で、ガラス管内部に封入されたアルゴンガスを励起させて紫の光にしています。

簡易プラズマボール実験装置
プラズマボールの電圧似た特性の高圧モジュール

放電回路は様々な種類がありますし、プラズマボールを分解したことが無いので、内部の昇圧回路については不明ですが、おそらく製品のコストから考えて、1石のトランジスターを使用してテスラコイルで昇圧した高電圧を放電管へ繋げているものと思われます。

ところで、放電現象にはパッシェンの法則というものがあるのはご存じですか?

真空中で封入したあるガスに対し、電極間距離を変更した時に放電する時の現象をパッシェンの法則と言います。

高電圧の発生においては、発振回路やテスラコイルの電磁誘導の仕組みが関わってきますが、真空中のガラスボールの内部にはこのパッシェンの法則が深くかかわっています。

パッシェンの法則とは - ULVAC
火花放電が起こる電圧に関する法則のこと。 気体中に強い電界を印加すると、やがて絶縁破壊に至り、火花放電が生じる

プラズマボール自作は危ない?事故が起きたり手で触ると健康被害が?まとめ

健康な人がプラズマボールを自作し、手で触った程度では寿命が縮んだり、健康被害が発生する可能性はほぼゼロですが、心臓ペースメーカーや補聴器のような体に何らかの医療機器を取り付けている方の場合は注意が必要です。

プラズマボールは高電圧高周波なので、繊細な電子機器には悪影響を及ぼす可能性があります。

プラズマボール自体の寿命は長く、ガラス管さえ無事であれば先に故障するのは放電回路である事も解説しました。

プラズマボールを自作したい場合は、簡単に自作する方法もあります。

本来のプラズマボールとは若干異なる放電の仕方ですが、同じようなアルゴンガスが封入されているグローランプは紫色に派手に放電します。

電極間距離を変える事で放電の仕方も変わるので、色々実験してみるのも楽しいです。

また、自作のプラズマボールの放電実験の醍醐味は、放電デバイスを取り換えられることにあります。

グローランプだけではなく、蛍光灯を繋いでみたり、仕組みが似た冷陰極管も点灯しますし、コイルを繋げば電子機器を誤動作させることが出来るEMPジェネレーターとしても使用する事が出来ます。

ほぼ手抜きで既製品を使用した単純な回路ですが、これだけでも様々な電気現象や電磁波の仕組みを学ぶには十分です。

プラズマボールの放電は交流ですが、下記では自作電撃殺虫器で直流の高電圧を発生させる方法について解説しています。

ダイオードとコンデンサーで直流の高電圧を発生させる実験

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