コンセントにさすとき光るのは、一瞬絶縁破壊が起きてスパークする現象ですが、特に問題はありません。
ただし、負荷の流れる電流の大きさによってはスパークが大きくなり、ホコリが貯まっているとトラッキング現象で、火災の可能性があるので危険です。
火花が起きないように対策する方法としては、負荷側の電源をOFFにしてからコンセントを差し込むようにしましょう。
今回の記事では、電気電子工学の専門家で、電気工事にも従事した経験のある筆者が、一瞬、白やオレンジにコンセントさすとき光る時の原因と対策の知恵袋について解説します。
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コンセントさすとき光る!白やオレンジに光る時の原因と対策の知恵袋ポイント
- コンセントにさすとき光るのは、絶縁破壊によるもの!白やオレンジは絶縁破壊が起きた時に出る光。
- 抜くときもさすときも、同様の現象は起きるので、対策として負荷側の電源はかならずOFFにしてからコンセントの抜き差しをする事。
- 充電器<炊飯器でスパークの大きさは異なる原因は、流れる電流の大きさが異なるから。
コンセントさすとき光るのは一瞬起きる絶縁破壊が原因!対策知恵袋
前述した通り、コンセントをさすとき光るのは絶縁破壊が原因で、光るときの色も様々で、オレンジや白、緑などが一般的で、コンセントをさすとき光るだけではなく、コンセントを抜くときにもスパークが発生します。
コンセント抜き差しにおける、一瞬光る原因と対策の知恵袋について解説します。
コンセントのプラグは通常、銅が含まれている事が多いので、銅が燃焼すると緑色に光りますし、その他、環境に依存して、温度・湿度・不純物の有無にもコンセントさすと光る色は左右されます。
コンセントさすとき光るスパークは主に、接続された負荷の大きさや、過渡現象の大きさに左右されます。
接続された負荷のワット数が大きければ大きい程、発生するコンセントさすとき光るスパークの量も大きくなりますし、接続された負荷のコイル成分がつよいかどうかにもかなり依存します。
特に、モーターはコイルの固まりですし、PC周りの電源も、回路に電圧を下げる為のトランスやコイルがいくつも存在しており、コンセント抜き差しすると、コイルの逆起電力が原因で高いサージ電圧が発生し、半導体を破壊する原因になります。
このように、負荷の電源をON・OFFしたときに、一瞬高い電圧が流れて定常状態に戻る現象を過渡現象とも言い、電気回路的には負荷となり、頻繁なコンセントの抜き差しは家電製品の寿命を縮める原因にもなります。
サージによる高い電圧で起きるスパークは、私たちが常に負荷の電源をOFFにした状態で、コンセント抜き差しすれば防止する事が出来ます。
他にも注意が必要なのが、コンセントやプラグの端子の劣化です!古いコンセントやプラグは劣化して錆びている事もありますので、表面のでこぼこや、頻繁な抜き差しによる傷による表面の凹凸は、コンセントさすと光る原因になります。
充電器や炊飯器がコンセントさすとき光る!負荷によって異なる光量
充電器や炊飯器は勿論、コンセントにさすとき光る強さがあるって知ってました?コンセントを抜き差しすると、どの機器も同じ量のスパークをするわけではなく、負荷の状態や、コンセントの状態によっても変わってきますので、負荷やコンセント目線でみた、コンセントさすとき光る現象について、知恵袋を解説します。
先に、一般的な家電製品に置いてスパークの大きさについて解説したいと思います。
家電製品 | スパークの大きさ | ワット数 |
充電器 | 1 | 5W |
炊飯器 | 2 | 1000W |
ドライヤー | 3 | 1100W |
洗濯機 | 4 | 1190W |
エアコン | 5 | 1390W |
この表をご覧いただきたいのですが、ワット数が大きい程、コンセントさすとき光るスパークの量も大きい事が分ります。
加えて、もう少し家電製品について表を観察すると、コンセントさすと光る家電は、断トツでモーター系が多い事が分ります。
モーターって、要するに線をぐるぐるまいたコイルで、トランスと似たような役割を果たす事がありますので、流れる電流が大きくコイルの巻き数も多いと、発生するサージ電圧も大きくなります。
余談ですが、モーターは、ブラシレスモーターとブラシモーターがある事を他の記事でも解説しましたが、コンセントさすとき光る以前に、ブラシモーターは、電源を入れて回すと常に内部でスパークが発生しています。
扇風機から熱が出る原因の殆どは、このブラシモーターのスパークが原因ですので、興味のある方はリンクの記事を参考にしてください。
他にも、コンセントをさすとき光る絶縁破壊をし易くする原因の一つが、コンセントやプラグの劣化です。
スパークは先端がとがっている程起きやすくなりますので、古くなったコンセントや、コンセントプラグは、樹脂や銅板が劣化して一部が錆びて絶縁不良を起こして居たり、樹脂が劣化して付着している事があります。
コンセントやプラグの劣化も、コンセントさすとき光る原因の要因の一つですので、古くなったコンセントはなるべく早めに取り換える必要があるのです。
余談ですが、私が移住した田舎は、入居当時にそのままあったコタツのコンセント引き抜こうとしたら、窓際にあった為に、常にプラグの樹脂が紫外線を浴びて劣化し、割れてグズグズに崩れてしまいました。
この様な想定外の危険も存在する可能性がある為、古い電気機器には特に注意が必要です。
コンセントさすとき光ると起きる危険性!トラッキング現象で火災
コンセントさすとき光る対策は、通常負荷側の電源を切って、コンセント抜き差しすればスパークが起きる事はありませんが、コンセントの抜き差しで発生したスパークが原因で起きる危険性の知恵袋について解説します。
コンセントを頻繁に抜き差ししても問題が無いと思われがちですし、確かに一般的に問題ない事も多いのも事実ですが、電気的に内部を観察すると、想像以上の事が起こっています。
それが過渡現象で、コンセントを頻繁に抜き差しすると、投入電源よりも大きなサージ電圧が発生して電子部品を破壊する可能性もあります。
この過渡現象で起きたサージ電圧がスパークを大きくし、起きたスパークとトラッキング現象が原因で、火災が発生する可能性は十分に考えられますし、実際に事故が起こっているので注意が必要です。
『東京消防庁』のサイトでは、トラッキング現象における火災の様子を実演して再現していますので、大変参考になります。
画像で見ると分かりますが、かなりの火柱ですね!コンセントからガスバーナーのような火を噴いています。
東京消防庁に書いている事の補足ですが、火災は、火災に対応した消火器が必要です!安易に『火災=水』と考えて消火活動を行うと、今度は漏電の危険が発生するので大変危険です。
コンセントを抜き差しすると過渡現象で家電製品に負荷がかかる
過渡現象は、コンセントを抜き差しすると、一瞬負荷にサージ電圧(高電圧)が流れたりする現象で、頻繁にコンセントを抜き差しすると、電化製品の劣化を早める危険があります。
少し電気の専門的な話になってしまいますが、過渡現象は工学系の学生が、電気回路の勉強をする時に必ず学習する現象の一つです。
家電製品は、内部にコンデンサ・抵抗・コイル成分を持つ電気回路ですが、電気回路において、ある定常状態から別の定常状態に移行するまでの間の、電圧や電流の時間的な変化を過渡現象と呼びます。
特に、コイル成分などが多い電源周りが良く故障するのは、電圧を昇圧、降圧するのが目的のトランスやトロイダルコイルが、コンセントの抜き差し時に一瞬サージ電圧を発生させ、静電気に弱い電子部品を破壊する原因となる事も珍しくありません。
コンセントさすと光るときのスパークとトラッキング現象で起きる火災
コンセントをさすと光るのは、負荷の大きさやコイル成分の大きさで変化する事を解説しましたが、このスパークが原因で起きるのが火災です。
トラッキング現象は、コンセントの隙間に埃がかぶって、そこに湿気が加わる事で、通電したほこりが負荷となり、加熱から燃焼する現象で、電気火災の筆頭に挙げられます。
トラッキング現象については下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
この記事のように、コンセントがぐらぐらして緩くなってもスパークが発生しやすい状態になるので注意が必要です。
ここでは、コンセントさすと光るときに起きるスパークとトラッキング現象について、要約と補足を交えて解説します。
トラッキング現象は、何も湿気だけが原因ではなく、コンセントがぐらぐらしたりして、常にスパークが起きる環境では、乾いたホコリでも、火打石と同じように一瞬のスパークでも直ぐに火が着いてしまう可能性があります。
特に、キッチン周りの換気扇のコンセントは殆ど掃除されず、ホコリと油も貯まったままなので、特に発火時の影響が大きい条件がそろっています。
トラッキング現象は、コンセントに貯まった埃が原因で起きる現象なので、定期的にほこりがないかチェックして、清掃を心がけると事故防止に繋がります。
他にもよく読まれており、似たような現象で延長コードが加熱して焦げる原因についても解説した記事もあります。
電気火災は、私たちが想像している以上におきやすい事故なので、ぐらぐらしたコンセントや、容量が合わない延長コードを使用したまま高負荷の家電製品を利用していると、大変危険なので、今すぐ下記の記事を読んで、原因と対策を行ってください。
コンセントさすとき光る!白やオレンジに光る時の原因と対策の知恵袋まとめ
コンセントさすとき光る原因や対策の知恵袋についてまとめます。
コンセントさすとき光る現象は、主に絶縁破壊で、接続された負荷による流れる電流の大きさや、負荷のコイル成分による過渡現象で発生するスパークの大きさが異なる事を解説しました。
白・オレンジ・緑に光るのは、コンセントの劣化状況と不純物の有無や、湿度・温度・気圧による環境にも左右されるので、一概にどの色で光るとは言えませんが、一般的に色温度の高い白色で光る事が多い印象です。
コンセントをさすとき光る対策としては、負荷側の電源をONにしたままでコンセントの電源を入れないようにすれば、スパークが発生する事はありません。
余談ですが、ACアダプターはスイッチが無く、負荷を繋がない状態でも、コンセントを入れた状態で常に微弱な電気が流れていますので、ACアダプタ等の電源のスパーク対策は、スイッチ付のコンセントに常に刺しっぱなしにして、ON・OFFはスイッチの切り替えで行うと、コンセントやACアダプターへの負荷も少ないです。
また、上記の事からもACアダプターには、コンセントを刺した状態だと常に電気が流れているので、無駄な電気を消費して、電気代もかかる事になるので、使用しない時はなるべくスイッチをOFFにしましょう。
ACアダプターの消費電力は5W程ですが、いくつもあればそれなりの消費電力を消費する事になりますし、コンセントに差し込んでいるだけでも電気代がかかります。
トラッキング現象についても簡単に解説しました。
トラッキング現象は、コンセントとプラグの隙間に貯まった埃と湿気が原因で導通し、発熱から発火する現象ですが、このトラッキング現象は、スパークが原因でも起こる可能性がありますので、注意が必要です。
コンセントやプラグの劣化にも注意が必要で、プラグが劣化して錆びて居たり、錆びて居なくても傷がついて表面がでこぼこしていると、スパークが発生する原因となりますので、古い場合はなるべく早めに新しいものと交換しましょう。
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