水撃ポンプを自作すれば川から電気を使わないで水をくみ上げる永久機関を作る事が出来ます。
何故電気を使わないで水を永遠に組み上げられるのか不思議ですが、水撃作用を利用して水をくみ上げる事で実現できます。
このポンプは水撃ポンプの他にラムポンプ(ram pump)とも呼ばれています。
個人で水撃ポンプ(ラムポンプ)を自作する方法から仕組み、全て揃えるのが面倒な方の為にキットの販売について解説します。
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水撃ポンプ自作!仕組みが簡単な電気を使わない永久機関のキット販売のポイント
- 電気を使わないで水をくみ上げるには水撃ポンプを作れば実現可能だが、湖などの静止した水では汲みだす事が出来ない。(水の流れが発生する高低差のある川が条件)
- 水撃作用とは流れる水を急激に止めた時に流体エネルギーが圧力エネルギーに変換された時に起こる現象である。
- 水撃ポンプは自作可能だが、100均レベルの材料で全て揃えるのは無理があるし、実用レベルで稼働させることはできない。(塩ビ管が必要な為)
水撃ポンプの自作は簡単!電気を使わない永久機関の仕組みを解説
水撃ポンプは個人でも自作出来ますが、それなりの知識も必要です。
まずはしっかり動作原理を理解した上で必要な道具と材料を揃えて行きましょう。
![フリーエネルギーのイメージ](https://jpprepper.com/wp-content/uploads/2024/03/free-energy-water-pump-ico-1024x1024.webp)
水撃ポンプ(ラムポンプ:ram pump)を動かすのに必要な原理は水撃作用ですが、この水撃作用は急激なバルブの開閉で生じた内部の流体エネルギーが圧力エネルギーに変換された時に起こる水撃作用で別名ウォーターハンマーとも言います。
![水撃ポンプの動作イメージ](https://jpprepper.com/wp-content/uploads/2024/03/water-ram-pump-work-image-1024x260.webp)
一般家庭で確認できる事例としては、洗濯機の電磁弁が急に閉じた時にドンっという音や、急激に開閉が可能なボールバルブを使用して水道の開閉動作を行った時に発生しやすい現象です。
この水撃作用であるウォーターハンマーは、流体エネルギーを圧力エネルギーに変換して水をくみ上げるほどのエネルギーを発生させられるメリットもありますが、日常生活においてはこのような利用方法で水撃作用を利用する事はないので、圧力エネルギーは単に配管を傷めたり電磁弁の故障につながるデメリットの方が大きいのです。
図の解説でもあるように、高低差のある川から落差を利用して勢いよく配管内を流れた水(流体)はいきなり流れを止められると、その一部のエネルギーが逆流して元の流れとぶつかります。
これが水撃作用:ウォーターハンマーの基本原理です。
水撃ポンプを自作する時に必要な道具や材料を解説:基本塩ビパイプ
下記で解説しているパーツと道具が揃えられれば個人でも十分に水撃ポンプの自作をすることは可能ですが、塩ビ管の用意がかなり曲者です。
塩ビ管は極力長いものが欲しいので、4m級のものになるとハイエースでも入りませんし、長すぎて軽トラックに積むのも怖いです。
私は近くに工務店がありましたので、工務店さんで購入して自宅まで運んできてもらいました。
水撃ポンプを動作させる為に必要な材料や概略図
![水撃ポンプ(ラムポンプ)の基本動作](https://jpprepper.com/wp-content/uploads/2024/03/free-energy-ram-pump-working-1024x864.webp)
では、続いて図を見ながら水撃ポンプの基本動作について解説します。
1番と4番のボールバルブを閉じた状態で開始します。
落差のある川から引いてきた水は、勢いをつけてINに流れ込みますが、1番のボールバルブが閉まっているので、水が流れ込む事はありません。
1番のボールバルブを全開にすると、ある程度勢いのついた水は3番のチャッキバルブを押し上げて4番のボールバルブが閉じている為水は流れていきませんし、2番のチャッキバルブは水を妨げる方向で取り付けてあるのでこのままでは開きません。
続いて2番のチャッキバルブを指で何度か押したり話したりすると、次第にチャンパー内に圧力が蓄積されていきます。
この動作を暫く繰り返していると今度は自動で2番のチャッキバルブが開いたり閉じたりを繰り返しますので、2番のチャッキバルブの動作が停止しない事を確認しながらゆっくりと4番のバルブを開放します。
最終的に4番のボールバルブを全開にする頃にはチャンパー内に蓄えられた圧力で水を川より高い位置へ押し上げる事が出来ます。
図で解説しているパーツの詳細を表にしてみました。
No | パーツ | 数量 | 備考 |
1 | チャッキ弁 | 2 | 125用 |
2 | ボールバルブ | 2 | 25A用・1/2用 |
3 | VP13/VU65 | 1 | 配管 |
4 | チーズ | 2 | VP25用 |
5 | 異形継ぎ手 | 2 | VP25からVP13変換 |
6 | TSバルブソケット | 3 | VP25用 |
7 | 塩ビ管 | 1 | VU65 |
8 | 継ぎ手 | 1 | VUDS65 |
9 | 蓋 | 1 | VU65 |
10 | 掃除口 | 1 | DV継手65 |
実際に商品のリンクを張り付けておきますので、現物と確認用の参考にしてください。
チャッキバルブです。
チャッキバルブは他の名称を逆止弁・チェックバルブとも呼ばれており、水道用に関わらず様々な用途の物が存在します。
空圧用のチェックバルブもありますし、電子回路だとダイオードが電流を一方方向にしか通さない役割をしますので、流れるのは電流ですが水のチャッキバルブと似た働きをします。
ホームセンターで同様のチャッキバルブを購入する事も出来ますが、大抵とても高価ですのでインターネットをキーワード『チャッキバルブ・チェックバルブ・逆止弁』を駆使して探すと、中華性の安価なチェックバルブを購入する事が出来ます。
リスクはありますが、最近だとアリエクスプレスなどでも安価なチェックバルブを購入する事が出来ますので、探してみるのも良いかもしれません。
パイプの外径と同じ径のチャッキバルブであればどんなものでも構いません。
水圧がそれほど高くないので、安価なもので十分です。
画像の製品だとKITZという安価なメーカーのものを利用しています。
鋳物製のものの他にアメリカだとプラスチックのものも販売しているようですが、衝撃などを考えるとチェックバルブは鋳物製のものが良いと思います。
このボールバルブはプラスチック製品で、図で言うと一番の水流制御用のバルブとして使用しています。
何故、一番のバルブを25Aのプラスチック製品にしたかというと鋳物製で25Aとなると、それだけで制作コストが相当高くなってしまうので、安価な塩ビパイプ製のものにしました。
このバルブはネットで購入しなくても大抵はホームセンターに置いてありますので、ポイントやカードをお持ちであればホームセンターで調達するのも良いでしょう。
仕組みは他のボールバルブと変わりありませんし、プラスチック製品ですが肉厚で強度もなかなかのものだったので採用しました。
接続にはネジが切ってないので、25Aのストレート塩ビ管をそのまま接続する必要がありますので、最終的な固定は塩ビパイプ専用の接着剤であるエスロンを使用して接着します。
ちなみに、図の商品リンクのバルブはネジが切ってありますので接続するには、ストレートの塩ビ管に25A用のバルブソケットを取り付けた上で、シールテープを巻きつけて固定する必要があります。
図の商品のボールバルブは2個セットで700円前後とホームセンターで購入するより相当お買い得な商品です。(ホームセンターで購入すると1個で数千円はする)
バルブ類は他にも色々な場所で使う事の多い材料ですので、セールなどを利用して数個まとめ買いしておくのをお勧めします。
こちらは4番のボールバルブですが、鋳物製を選択しました。
一応、水撃ポンプでは最も圧力のかかる部分ですので、後々の事を考えると鋳物製が最適だと思います。
流入してきた水のエネルギーはチャンパーに圧力エネルギーとして蓄えられますがそのエネルギーをダイレクトに保持しているのが4番のボールバルブです。
水を汲み上げる時は、通常全開にしておくので抵抗は発生しませんので、プラスチックのものでも問題はありません。
鋳物製のボールバルブを使用する時の注意点があります。
ボールバルブにはいくつかの種類がありますので、種類を間違えると折角得たエネルギーがボールバルブの径が狭いことで抵抗になり効率も低下します。
さて、そのボールバルブの種類ですが、ボールバルブにはフルボア・レデューストボアの2つのタイプがあります。(実際には他にもあるが)
レデューストボアは管内径よりも狭いボールバルブの事を言います。
なんでわざわざ流体抵抗の発生しやすい管内径よりも狭いボールバルブが存在するのかというと、管内径が同径のフルボアと違い、大きさをコンパクトに出来るからです。
狭い部分や機器を小型化したい場合はレデューストボアを選択する事もありますが、殆どは管内径と同様のフルボアタイプが選択されます。
ホームセンターで商品をチェックしていると、フルボアタイプよりレデューストボアの方が価格が安いのでついついそちらを選択してしまいがちですが、ボールバルブはフルボアタイプを購入しましょう!
塩ビ管には大きく二種類が存在します。
それがVP管とVU管です。(詳しくは下記リンクを参考にしてください。VP・VUの違いについて詳しく書かれています)
VP管は主に水道配管に使用される肉厚で灰色の塩ビ管です。
水道配管とは水道局から来ている圧力のある水を流すための配管の事です。
他にもVP管には高温に耐えられる茶色のHT管や耐衝撃性のある黒色のHI管があります。
耐衝撃性のある黒色のHI管は、山水の引き込みや、衝撃のかかる可能性のある場所に使用されます。
カットなどの基本的な施工方法は同じですが、接着剤はそれぞれ専用の接着剤を用意しないといけません。(専用のものでないと温度で外れたり、衝撃で外れたりしますので注意が必要な配管でもあります)
排水・排気用の圧力のかからない排水に使用される肉薄の塩ビ管をVU管と言います。
VU管というと一般的にはトイレの排水管や台所や風呂場の水回りの排水用途としての使用をイメージしますが、ガラリ(室外の換気口)と室内の換気口を接続するのに使用します。
VU管にはVP管のようなHI・HTといった種類はありませんので、接着剤もVPの時に使ったエスロンで問題ありません。
ただ、この塩ビ管は施工時の工具に注意が必要です。
というのも、VU100などの大口径の塩ビ管もあるので、塩ビ管カッターでは対応しきれないので、切断する時はゼットソーなどの塩ビ管専用ののこぎりを使用するか、チップソー切断機を使用します。
私は自宅にチップソー切断機がありますので、作業性の問題からもチップソー切断機を使用する事が殆どです。
チップソー切断機は角度も正確に切断できるほか、カット部分が非常にきれいなのでバリを気にする必要が殆どありません。
VP管もそうですが、VU管も4mの長いものを配送してしまうと、商品価格以上の配送料がかかってしまいますので、軽トラが借りられる場合はホームセンターの軽トラを予め予約してから購入しましょう。
4mだと長すぎてハイエースにも入りきりません。
配管を分岐する時の定番チーズです。
エルボーと同じく塩ビパイプの配管パーツとしてはよく使う材料です。
水撃ポンプでは排水用とチャンパーへの流入用の分岐として使用しています。
チーズも種類がいくつかあり、一か所ネジが切ってあるものもあります。(これは沢山蛇口のついた水道を思い浮かべると分かりやすいですが、学校などの沢山蛇口のついたシンクは内部の配管が一部メスネジの切ってあるチーズを使用しています)
テーパーのメスネジが切ってある場合は、オスネジに時計周りにシールテープをまいて固定します。
このチーズにはネジが切っていないので、全方向ストレートの塩ビ管をエスロンを使って接着・固定して使います。
チーズは他にも一か所径の異なる商品も販売されています例えばVP30からVP20への分岐をするといった具合です。(今回の水撃ポンプでは使用しません)
以降で紹介するTSバルブソケットと同様に、このチーズもHI(耐衝撃)・HT(高温用)などの種類があり、色分けされています。
チーズもよく使う材料ですので、私は安いときにまとめ買いしています。
VP管用の異形継手です。
こちらもVP30からVP20といった具合に、大きな口径の配管から小径の配管へ変更する時に使われる継手です。
ここでは紹介しきれませんが、径のパターンも様々な種類がありますので、一度ホームセンターで確認してみると良いでしょう。
VP管用の異形継ぎ手でネジのきってあるものは存在しない様です。
基本的には全てストレートの塩ビパイプをエスロンを使用して接続するのが基本となります。
こちらも他のパーツで紹介したように、HI・HTなどの種類があるので、用途にあったものを選ぶ必要があります。
当然ですが、異形継手を使用するという事は流体抵抗が発生するので、一般家庭でこの継手が使われる事はあまりありません。
TS継手:バルブソケットです。
このバルブソケットはネジの切ってあるボールバルブやゲートバルブをVP塩ビ管と接続する時に使用します。
このバルブソケットもHI・HTなどの種類がありますし、加えて蛇口付近で圧力のかかる部分にねじ部分が黄銅製品のものも存在します。
ネジはテーパーネジで、奥に行くほど径が大きくなるネジです。
テーパーネジを使用する時は、シールテープを時計方向に巻きつけてねじ込むことで完全に密閉できます。
余談ですが、何らかの原因でネジが馬鹿になってしまった場合はヘルメチックを利用して補修する事もあります。
その詳細に関しては下記のリンクで詳しく解説しています。
塩ビ管と接続する部分は勿論、VP管の種類に合わせたエスロンで接着します。
VU管に取り付けるDV掃除口です。
これを使うか使わないかで水撃ポンプのメンテナンスのしやすさは変わってきます。
チャンパーにはゴミも貯まりますが、掃除口ではない蓋を使って完全に接着剤で閉じてしまうと中がブラックボックスになってしまいますので、掃除口は必要です。
この掃除口にはちゃんとパッキンがついて居ますので、継手の部分をしっかりとエスロンで接着して蓋をねじ込めば圧力が逃げ出す心配はありません。
これがペットボトルだとだめになるたびに取り換えないといけないので、在庫が無い場合は非常に面倒です。
ペットボトルは透明なので、直ぐに内部に藻が発生して抵抗の原因になりますし、それほど影響はないかもしれませんが、ペットボトルの湾曲した構造も水の流れにいいとは言えません。
これに限らず、DV掃除口には様々なタイプがありますが、筆者はこのタイプのDV継手をお勧めします。
何故このタイプのDV掃除口が水撃ポンプに最適なのかというと、溝に適当な木材を挟んで力いっぱい締めこめるからです。
こちらもホームセンターに行けば大抵購入できますので気になる方は一度現物を確認してお好みのものを購入しましょう。
今回の制作の肝になるのがとにかくチャッキ弁と塩ビパイプをどうするかにかかっています。
まずは最大の難関である塩ビパイプを入手する方法を考えます。
勿論、コメリやカインズに行けばどこでも手に入るのは当然ですが、4mの長さのパイプを運ぶとなると軽トラが必要です。
ホームセンターで配送をお願いすると、こういう材料は配送料だけで販売価格を超えてしまう事が殆どで、コスパが悪すぎるので近くに工務店さんがある場合は工務店にお願いするのが確実です。
チャッキバルブ(チェックバルブ:逆止弁)はこのDIYで最も高価な部品です。
こちらもホームセンターで入手する事は可能ですが、とにかく高価ですので楽天やアマゾンで中国製の物を見つけて購入するのが良いと思います。
中国製ぼチャッキバルブは日本のホームセンターで販売されているものと比べるとかなり作りが雑ですが、水撃の圧力がそれほど高くないので中国製品の簡易的で安価なもので十分動作します。
実際に購入する時は『チャッキバルブ』『逆止弁』『チェックバルブ』等の別名キーワードで検索すると安価な製品がヒットする場合がありますのでセールの時にまとめ買いしてしまいましょう。
水撃ポンプの自作に必要な基本工具
それでは水撃ポンプの自作に必要な工具についても解説します。
No | 工具/パーツ | 数量 | 備考 |
1 | のこぎり | 1 | – |
2 | 塩ビパイプカッター | 1 | – |
3 | エスロン | 1 | 接着剤 |
4 | シールテープ | 1 | – |
5 | リーマー | 1 | 蓋の穴開け |
6 | インパクトドライバー | 2 | リーマーに使用 |
塩ビ管専用ののこぎりで私が普段愛用しているゼットーになります。
切れ味もよく長持ちするのでゼットーを使い続けて居ます。グリップのにぎりごごちもなかなか良く、力を入れやすく、細かいカットも操作しやすいです。
ただ、私は殆どの場合塩ビ管のカットにはチップソー切断機を使用しています。
パイプカッターでは大口径のVU管には対応しきれませんし、のこぎりだとどうしても切り口にバリが多く、斜めにカットされてしまう事もあるので、カットの正確なチップソー切断機を使用しています。
カットの効率・正確さ・スピードも速いですし、切り口の綺麗さものこぎりとはくらべものになりません。
私はチップソー切断機の使用できない場所に限りゼットソーを使用しています。
ゼットソーは刃もだめになったら交換できるのも良い点です。(ただ、交換時にどの刃を買ったか忘れていつもグリップ事買いなおすw)
塩ビ管のこぎりは様々なメーカーが出していますので、自分の好みののこぎりを使いましょう。
ゼットソーは他のメーカに比べてコスパもよくおススメです。
水道配管のDIYをするなら絶対に欲しい商品が、上記の塩ビ管カッターです。
こちらも様々なメーカーが出していますので、商品リンクはあくまで私のおすすめですのでホームセンターでお気に入りのものを買えば良いと思います。
塩ビ管カッターは一本は持っておきましょう!私は最初安いからと回して切るタイプの塩ビ管カッターを購入したことがありますが、狭い場所のカットには不向きですし切るときの力加減や工夫も必要でめんどくさくなって使わなくなりました。
回して切るタイプの塩ビ管カッターは構造が簡単で小型でコスパも良いですが作業効率的な観点から考えると全く役に立ちません。
買うなとは言いませんが、本当にお勧めできません。(何本も切っていると本当に手が疲れます)
これに対し、塩ビ管カッターを始めて使った時の感動と言ったらありません。
ハサミと同じような間隔で簡単に硬い塩ビ管をカットできるのですから、しかも先の工具の何倍ものスピードでカットできます。
VU管は径が大きいので、パイプカッターでも対応出来ませんがVP管を切るときにはめちゃくちゃ効率がいいですし、楽に切れおまけに切り口も綺麗なので一度使うと回して切るタイプのカッターには戻れません。
塩ビ管接着用の専用接着剤エスロンです。
塩ビ管の接着剤にはエスロンが便利です。内部に刷毛がついて居るので、塩ビ管に塗りやすいです。
使い方は適量を塩ビ管のオス側とメス側にまんべんなく塗って塩ビ管同士を接続したら1分ほど数えてそのまま固定するとくっつきます。
この接着剤エスロンにはいくつか注意点があります。
一つ目の注意点は接着剤が可燃物なので火気厳禁という事で、二点目はVP管の種類によって接着剤が違います。
塩ビ管には耐衝撃用の黒色のHI管と普通の灰色の塩ビ管と高温を流す事が出来る茶色のHT管がありますが、それぞれ接着剤が違います。
ホームセンターに行くと分かりやすく色分けされているので間違える事は無いと思います。
間違えてHT管用の接着剤に灰色の塩ビ管のエスロンを使用すると、熱で接着剤が剥がれて配管が破裂する原因となり危険ですので、必ず接着剤は用途に合わせた専用のものを使用しましょう。
シールテープは水道配管のDIYで必須の材料です。
配管を行っていると必ずシールテープが必要なシーンが出てきます。
例えば、水道の蛇口はテーパーネジが切ってあるので、シールテープが必要ですし、今回の水撃ポンプでも、ボールバルブと接続するのにバルブソケットを使用します。
このバルブソケットにもテーパーネジが切ってあるのでシールテープが必要です。
シールテープの巻き方は、時計回りにシールテープを六回ほどしわなく巻きつけます。
シールテープは手でも簡単にちぎる事ができるのではさみなどのカット工具は必要ありません。
今回は出てきませんが、配管にはGネジである並行ネジも存在します。
並行ネジは主にトイレのフレキシブル配管で使用されていますが、テーパーのRネジとの違いはシールテープを必要としない点です。
代わりにゴムパッキンを使ってシールするので、ゴムパッキンが無いと水漏れします。(テーパーネジもシールテープなしにそのままねじ込んだけでは止水できません)
シールテープは意外に直ぐになくなるので数個在庫を用意しておくといいと思います。
今回の水撃ポンプDIYで必ずしも必要ではない工具ですが、DIYでは様々なシーンで最も使用頻度の高い工具だと思いますのでいつかは揃える必要がある電動工具です。
マキタなら互換部品もどこのホームセンターでも手に入りますし、性能や信頼性は折り紙付きです。
私も何度か脚立から落としたり、電池が無くなるまでドライバーを回し続けるなど酷使した使い方をしていますが、落としてネジの部分をぶつけても偏心はありませんし、限界まで回してもモーターが焼け付く事もありませんでした。
充電スピードも速いので、同じバッテリーを最低二つ用意して、片方を充電しながら使うのが最も効率的でおすすめの使用方法です。
今回は下記のステップドリルを使って塩ビ管の蓋に穴を開けてTSバルブソケットを取り付けるのに使いました。
手動のリーマーもありますが、塩ビ管の蓋は固いのでなかなか自力ではTSバルブソケットが入るまで穴の拡張に時間がかかります。
18Vの電動ドライバーは正直言うとプロ用ですので、もっと電圧の低い安価なもので良いかもしれません。
ホームセンターではたまーにマキタの電動ドライバセールをやっている事があるので、それを見つけたらねらい目です。
型落ちの製品でもDIYでは十分すぎる位ですので、そろえておきましょう。
のこぎりは普通ののこぎりではなく、塩ビ管専用ののこぎりがありますので、それを使用してください。(有名所だとゼットソー)
小径のパイプのカットには塩ビパイプカッターが便利です!ハサミと同じ感覚で塩ビ管を切断できるので、作業の効率化に重宝します。(水撃ポンプを製作しなくても一本は欲しい工具です)
エスロンは塩ビ管専用の接着剤で、シールテープは水道配管用ですが、ホームセンターで購入するよりアマゾンとか楽天のセールでまとめ買いした方がお買い得です。
インパクトドライバーは専用のリーマーを取り付けて使用します。
ホームセンターに行けばインパクトドライバー用のリーマーが売っていますので、それを購入します。
手動のリーマーもありますが、手も痛くなるし日が暮れるのでお勧めしません。
水撃ポンプを100均材料やペットボトルを使って自作する事は可能?
結論から言って全て100均の材料を使って実用レベルで水撃ポンプを稼働させることは不可能に近いです。
![井戸ポンプ](https://jpprepper.com/wp-content/uploads/2024/03/free-energy-water-pump-img-1024x1024.webp)
エアータンクにペットボトルを使用する方法も一部では行われていますが、ペットボトルは透明な為、内部に藻が発生しやすいですし、材質も薄いので強度や耐久性に難があります。
私がおススメする方法としてはエアータンクも含めて全て塩ビパイプで制作するのが一番確実かと思います。(ペットボトルは大きさや形が不定期でデータを測定するには向きませんが、塩ビ管なら寸法規格が決まっており、長さを変更したり変更時のデータも収集しやすいです)
エアータンクを塩ビパイプで制作する時は、異形継ぎ手を使う方法やVU管のエンドキャップにドリルで穴を開けてTSバルブソケットをねじ込むなどの工夫が出来ます。
ソケットや塩ビ管の接続方法に関する知識はこちらが参考になりますので、作業方法に疑問のある方は是非一度ご覧ください。
ボールバルブ・チャッキバルブは100均で出に入れる事は不可能ですしチェッキバルブならまだしもボールバルブ類を個人で自作するのはちょっと無理がありますね。
私はチャッキバルブ等は作るのが面倒ですのでできるだけ既製品を利用するようにしています。
水撃ポンプの自作ができない時にキット販売を考えてみた
ちょっとまだ商品リンクは作ってないのですが、何を用意したらよいか分からない方の為に全て材料を揃えてセット販売をしたいと考えています。(水の導入用の長い塩ビパイプに関してはご自身で調達して頂きます)
43000円で全て材料と、難しいチャンパー部分の加工を含めた商品を販売します。
商品について興味のある方はこちらからお問い合わせください。
▼水撃ポンプキット
・商品価格43000円(送料全国一律1500円:大和運輸)
※ご注文いただいてから材料を用意するのでお申込みから配送まで1週間程お時間を頂きます。
補足:水撃ポンプの歴史
水撃ポンプは、18世紀後半にフランスで開発された無動力の揚水ポンプです。水の流れを利用して圧力を発生させ、水を高所に揚げる仕組みです。
1772年: イギリスのジョン・ホワイトハーストが水撃ポンプの前身となる装置を発明。
1796年: フランスのジョゼフ・ミシェル・モンゴルフィエが最初の自律型水撃ポンプを発明。
19世紀: 水撃ポンプはヨーロッパ各地で広く普及。灌漑、排水、給水など様々な用途で使用される。
20世紀: 電気モーターやガソリンエンジンの普及により、水撃ポンプの使用が減少。
21世紀: 環境への配慮から、再び注目を集め始める。
水撃ポンプの歴史における重要な人物
- ジョン・ホワイトハースト (イギリス): 水撃ポンプの前身となる装置を発明
- ジョゼフ・ミシェル・モンゴルフィエ (フランス): 最初の自律型水撃ポンプを発明
- ジョージ・アダムズ (イギリス): 水撃ポンプの理論を研究し、改良
- ジェームズ・ワット (イギリス): 水撃ポンプの効率を高めるための改良
水撃ポンプの用途
- 灌漑
- 排水
- 給水
- 発電
- 災害時の復旧
水撃ポンプの利点
- 動力源を必要としない
- 構造がシンプルでメンテナンスが容易
- 環境負荷が少ない
水撃ポンプの欠点
- 揚水量が少ない
- 設置場所が限られる
- 騒音が大きい
水撃ポンプの未来
水撃ポンプは、環境への配慮から再び注目を集めています。今後、技術革新により、揚水量や効率が向上し、より広く利用されるようになる可能性があります。
参考資料
- 水撃ポンプの歴史: http://www.marut.co.jp/gyumu_pdf/pump-info01.pdf
- 水撃ポンプの仕組み: https://waterhammer.jimdofree.com/%E6%B0%B4%E6%92%83%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%97%E3%81%AE%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%BF/
- 水撃ポンプの用途: https://waterhammer.jimdofree.com/%E6%B0%B4%E6%92%83%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%97%E3%81%AE%E3%81%97%E3%81%8F%E3%81%BF/
水撃ポンプ自作!仕組みが簡単な電気を使わない永久機関のキット販売まとめ
水撃ポンプとは勢いよく流れる水を急に停止した時に生じる圧力エネルギーを利用したポンプです。
この水撃ポンプを利用すると、ウォーターハンマー作用で水を低い所から高い所へ永久に組み上げる事が出来ます。
水撃ポンプは実際に現在も僻地の水供給等で活躍していますが、その動作原理から湖などの静止した水では水をくみ上げる事は出来ません。
水撃ポンプ自作の鍵はなんといっても塩ビ管の調達とチャッキバルブの調達がキモです。
塩ビ管は短い物よりもとにかく長いものが必要ですが、殆どの方が軽トラなんて持っていないと思いますし、ホームセンターで購入して配送料を考えたら工務店さんに頼んで運んでもらうのが一番です。
チャッキバルブはホームセンターで購入できますが、とにかく高いです。(一個で7000円位。2個必要)
アマゾンや楽天のセールや中国製品の安価な物を狙って購入するのがおススメです。
水の豊かな環境で付近に川が流れているなら水撃ポンプで川から水をくみ上げて、菜園やプールに利用するのもおすすめです。
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