電子レンジを使っていると時々内側からバチバチ音と白く光るスパークが見えて、その後ビリビリ感電しないのか?使えるか不安になる事があります。
料理を温めている時に使用する器や食材によって内側で火花が発生したりビリビリ音がするのは異常ではありませんが、直ちに調理を停止する必要があります。
電子レンジの外側がスパークしている時は漏電している可能性が高い為、電子レンジ本体基盤の故障が疑われます。
電子レンジの仕組みや構造から、調理時に発生するオレンジや白のスパーク現象とビリビリ・バチバチ発火寸前の放電音について探ります。
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記事の要約とポイント
- 電子レンジ内側からバチバチ・ビリビリ等の音や白やオレンジに光るスパークが見える場合は、内部の食品を加熱しすぎか器の金属部分と食品の水分の間で放電している事が殆ど。
- 電子レンジ外側からバチバチ・ビリビリ音や火花が見える場合は直ちにコンセントを抜いてメーカーに修理依頼をする必要がある。(高確率で漏電している可能性があるので使ってはいけない)
- 電子レンジは家庭用の100V電源を数千ボルトに昇圧してマイクロ波を発生させて水分子を叩いている。即ち、食材と器に金属製品が使用されている場合、使用直後から異常な発光や音がする。
電子レンジからバチバチ光や音がする原因は?故障かその後使えるのか
電子レンジからバチバチやビリビリといった異音がすることがありますが、これは状況によって発生原因が少し異なります。

まずは電子レンジの仕組みを知って、発光や異常音の正しい原因を突き止めましょう。
何も見えない空間でいつの間にか食品が温められるのは不思議なものですが、これには理由があります。
電子レンジは家庭用の100Vの交流電源を内部のトランスや高耐圧のダイオードやコンデンサーを使って4000V~5000V程の直流に昇圧しています。
何故これほどまでに高電圧が必要なのかというと、食材を加熱するためにマイクロ波を使用し、そのマイクロ波を発生するマグネトロンにこれだけの駆動電圧が必要だからです。
電子レンジに使用されるマイクロ波は通常2.4GHz帯の電磁波で私たちが普段使用しているWi-Fiと同じ周波数帯の電波を使用しています。
カンの良い方はなんとなくこの周波数帯の一致に違和感を覚えたと思います。
電磁波とWi-Fiには同じ周波数帯の電磁波を使用している為、電波が干渉する事があるのです。
この事からWi-Fiの説明書にも電子レンジの家電製品と同じコンセントを利用するべきではないと記載があります。
Wi-Fiとレンジの関係は余談でしたが、このマグネトロンで発生させた強力な電磁波を導波管を伝って電波が反射し、食品に当たるようになっています。
食品に含まれた水分子とマグネトロンで発生したマイクロ波がぶつかり、水分子が振動します。
振動した水分子はこすれあって加熱するという仕組みで食品を温めています。
電子レンジについて居るファンは、食品を温めるという電子レンジの機能から温度をまんべんなくする為と勘違いしがちですがそうではありません。
高電圧・高圧電流でマグネトロンを駆動するには内部にヒーターがついて居ますし、マグネトロン自体も加熱します。
かなり高温になるので、マグネトロンを冷やすためにファンがついているのです。
電子レンジ内側でビリビリバチバチ音や白やオレンジの発光が見える場合
食品を入れて温めている時に電子レンジの内側でスパーク(発光)や異常音がする場合、主に2つの原因が考えれます。
1.電子レンジで食品の加熱のし過ぎ
食品の加熱をし過ぎた場合もスパークが発生する事がありますが、その原因は食品の炭化です。
鉛筆の芯やシャーペンの芯に高電圧を加えて両端を接触させるとアーク放電が起きます。(とてもまぶしい青白い閃光です。不純物によってはオレンジの光の場合も)
食品を加熱しすぎると、食品は炭化して炭素となります。
そうなると、その炭素同士の間でアーク放電が起きますので、これが青白い光やオレンジの光の原因です。
食品を過剰なまでに加熱しないと炭化は起きないので、電子レンジで温めたことを忘れてしまった場合や時間や温度の設定をミスった時に起こりえる現象で、食品過熱直後には発生しない所がポイントです。
2.使用してはいけない金属製の器を使用している
使用してはいけない金属製の器を使用している場合もスパークの原因となります。
この現象の見極ポイントとして、金属製のものの場合は食品過熱後に直ぐにバチバチ・ビリビリと言った異常音や、青白い光・オレンジの発光が確認できる点がポイントです。
たまにありますね。陶磁器や漆塗りの器でも、金粉があしらわれていたりする事が。
こういった器を使って電子レンジで食品を加熱してしまうと直ぐにスパークが起きます。
危険なのは、このスパークが原因で木製の器なら発火の心配がありますし、陶磁器の器なら急激な温度変化に耐えられずに器が割れる可能性も出てきて非常に危険です。
1と2のどちらのケースにせよスパークや異常なビリビリ音が聞こえた場合は直ぐに調理を停止する必要があります。
炭化するだけなら良いですが、発火しては火災の原因となり非常に危険です。
もし、電子レンジ内で何かを調理する目的がある場合は、普通の器ですと、陶磁器のものでも非常に熱くなる可能性があります。
その為、電子レンジには専用の調理皿を使用する事をお勧めします。
イシガキ産業の電子レンジ調理皿は、シリコンの蓋がセットでついているので、吹きこぼれの心配もなく非常に便利です。
参考までに、電子レンジに最も使用してはいけない器を見つけましたので、引用します。
断っておきますが、この器がダメだとか、そういうんじゃないですよ!そもそも、こんな高価な器を電子レンジに使ったらもったいなさすぎますよね?
この器は、木に金粉のおぼろ月が施してある高価なボールです。
木+金属なので、電子レンジに入れて加熱したら、スパークして火災の原因になりますので、絶対にやめましょう。

上記の物は、木+金粉なので、非常に危険な事が分かりましたが、下記で引用した伝統本舗さんで販売されているような、金粉があしらわれた陶磁器製の茶碗も電子レンジはNGです。
しかも、この金粉の張り方が、また丁度良い電極間距離で恐らく派手にスパークして一瞬でダメになる事でしょう!
こういった高級な陶磁器に関しては、電子レンジは勿論洗い方にも注意が必要です。
ご飯粒がこびりついたからと、カナたわしでごしごし磨くとせっかく美しい金粉がはがれてしまう可能性があるからです。

電子レンジ外側で異常なスパークやビリビリバチバチ音が聞こえる場合
最も注意したいのが電子レンジの外側でのスパーク現象やビリビリ音です。
注意というか危険なレベルなのですぐさまコンセントを引き抜くか、電子レンジ本体と接触の危険があるならブレーカーを落としてコンセントを抜く必要があります。
電子レンジの外側で放電しているなら、内部の高電圧回路の配線がなんらかの原因で外れたりして外装と短絡している危険があります。
電子レンジの内部回路は高電圧・高圧電流が流れているので触れれば即死です。(5000V/6Aの電圧・電流ではひとたまりもありません)
電子レンジの置き場所にはアースの無い家庭も多く、外側でスパークが確認できる場合は100%電子レンジの故障ですのでその電子レンジは処分するかメーカー保証期間内であれば修理を依頼しましょう。
何も入れて無いのに温めボタンを押すと発火(スパーク)は故障なの?
何も入れてないのに温めボタンを押して青白い光やオレンジの光が発生してビリビリ音がする原因を解説します。

電子レンジに何も入れていないのに発火やスパークする場合の殆どは回転皿の汚れが原因です。
電子レンジ内部が粉っぽくなっている場合も粉じん爆発と同じような現象で、内部に舞った粉にマイクロ波が当たって発光している場合があります。
皿や電子レンジ内部を綺麗に清掃してから使用すると発光現象や異常音が収まる場合があります。
また、電子レンジの故障の原因をリストアップしてみましたので、電子レンジに異常が起きた時の参考にしてください。
故障原因 | 説明 |
---|---|
電源供給の問題 | コンセントが抜けている、ブレーカーが落ちているなど。 |
ドアスイッチの不具合 | ドアが正しく閉まらない、スイッチが故障している。 |
マグネトロンの故障 | 食品を加熱するための部品が故障している。 |
回転皿の問題 | 回転皿が正しく回らない、摩耗や破損がある。 |
フィルターの詰まり | フィルターが汚れている、空気の流れが悪くなる。 |
過熱保護機能の作動 | 過熱時に自動的に停止する機能が働いている。 |
制御基板の故障 | 電子回路に問題があり、正常に動作しない。 |
内部の損傷 | 内部部品の摩耗や破損、過去の事故による影響。 |
電子レンジの分解は絶対にするな!最悪命を落とす程危険な行為
電子レンジの分解は絶対にしてはいけませんし、最悪命を落とすほど危険な行為なので知識のない方が興味本位で分解するのは絶対にやめましょう。
電子レンジを分解すると何故危険なのかを電子レンジの仕組みから解説します。

電子レンジには、マグネトロンを駆動するために直流の高電圧が必要ですが、これを実現するために整流用のダイオードとコンデンサーが取り付けられています。
ダイオードは電流を一方方向にしか流さない性質があるので、MOTトランスで発生させた交流の半分をカットし半波整流します。
その後、コンデンサーに蓄電して波形を平滑化するのですが、このコンデンサーが曲者です。
マグネトロンを駆動させるには4000Vから5000Vの高電圧が必要と書きましたが、この高電圧が電源を切った後も蓄電されたままな場合があるからです。
下記で解説している電子レンジのコンデンサーとは、以下のようなものです。
勿論、購入した時点では電荷は溜まっていませんが、電子レンジにとりつけて動作させると、しばらく高電圧がたまったままで、非常に危険です。
1-2年も放置された電子レンジなら自然と放電しているかもしれませんが、それでも5000Vの高電圧は人体に大変危険です。
もし、興味本位で分解するにしても素手などでは行わずゴム手袋を着用した上で電子レンジのコンデンサーの端子にドライバーを当ててすべてのコンデンサーを放電させましょう。

折角コンデンサーの話をしたのに、どれがコンデンサーか分からないのでは危険の回避のしようがありませんので、電子レンジで使われている高耐圧のコンデンサーの画像を紹介します。
上記のアルミパッケージで一見、フリスクの缶のような銀色の部品がコンデンサーです。
この中に高電圧が蓄電されています。(当然ですが、コンデンサーの端子に触れなくてもその端子から伸びている回路に触れれば感電するので注意!)
分解したときはコンデンサーをショートさせて放電させるか、もしくはコンデンサーの端子を引き抜いてしまいましょう。
コンデンサーを安全にショートさせるには、絶縁ドライバーがお勧めです!ただし、かなりのスパークなので、放電させるときは十分な注意が必要です。
電子レンジ以外の高電圧回路についてはこちらでも解説しています。
以下のデンゲキラケットのリミッター解除の記事では、電子レンジに使われている高電圧電源の回路の仕組みについて、本格的に学ぶことが出来ます。
電撃ラケットでは高電圧発生の仕組みや回路についても具体的にかかれていますので、高電圧モジュールについて理解したい方におすすめです。
ここでは極力難しい説明を省いて電子レンジの仕組みについて解説していますが、より具体的に電子レンジの仕組みや内部構造について知りたい方は、関西電力のHPが分かりやすく参考になります。
参考までに、電子レンジの内部構造について、画像にコメント付きで分かりやすいサイトがありましたので、引用させていただきました。
画像で判る通り、マグネトロンと書かれている部分からマイクロ波を発生させます。
マイクロ波は、先に解説した高電圧回路で数千ボルトの高電圧を発生させて、マイクロ波を発生させます。
マグネトロンは熱を持つので、画像右のような冷却ファンが必要で、この冷却ファンが故障するとオーバーヒートします。
通常は、フィードバック回路が内蔵されており、冷却ファンが回らなかったりすれば、安全装置が作動して動作しないでしょうね。


電子レンジからバチバチ音と白く光るのは故障?その後使えるの?まとめ
電子レンジからバチバチ・ビリビリした異音や白やオレンジに光るのは故障のパターンとそうでない場合がある事を解説しました。
電子レンジに何も入れていないのに、これらの異音やスパークが起きる原因はターンテーブルに乗った皿や周辺に飛び散った食品の残骸が原因であることが殆どです。
電子レンジに食品を入れて過熱後、直ぐにスパークが起きた場合は食品が原因である事は少なく、使用してはいけない金属製の装飾が施された器を使用している事が原因です。
電子レンジに入れた食品の加熱時間をミスったり、加熱した事を忘れてしまうと食材が炭化し、炭化した食材はアーク放電の原因となり、炭化で引き起こされたアーク放電で白い光や食品に混じった不純物でオレンジ色の発光と異常音が確認できます。
電子レンジの外装から発光や異音が確認できる場合は大変危険ですので直ちに使用を中止してください。
コンセントを抜くときに本体と接触する危険がある場合はブレーカーを落とすのがおススメです。
この場合、電子レンジは100%内部回路のどこかが外装と接触してショートしているので、食品が温まらないばかりか感電事故の危険があるので、交換するか修理依頼をしましょう。
最後に電子レンジで絶対にやってはいけない行為を改めてお話しします。
電子レンジは食品を温める為に、内部に直流の高圧電流や高電圧が流れています。
内部に取り付けられているコンデンサーを触ると電源を切った直後では高電圧が蓄電されている為、感電する可能性あり電子レンジのDIY修理は大変危険なので絶対にやめましょう。
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