電磁波が体に悪いのは、嘘でもあり本当でもあります。
それは、電磁波の波長や距離、ワット数や照射時間に依存するので、一概には電磁波が体に悪いのは嘘と言い切れない部分があるからです。
私たちが普段使っているスマホは、寝る時に機内モードにして、どのくらい離すと電磁波の影響を受けにくいのでしょうか?
今回の記事では、工学部を卒業した筆者が、電磁波が体に悪いのは嘘?スマホは寝る時に機内モードにすると良いかもしれない理由や、機内モードで電磁波を測定する簡易的な方法について解説します。
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電磁波が体に悪いは嘘!スマホは寝るとき機内モードがおすすめ?ポイント
- スマホの電磁波が体に悪いというのは殆ど迷信に近い!常に電波が出続けて居るわけではない。
- 電磁波の人体影響が心配なら、スマホは寝るときに機内モードにして距離を置いて寝ればOK。
- スマホの電磁波はどのくらい離すと安全か?という考え自体がナンセンス。なぜなら電磁波あらゆる方向から常に浴び続けて居るから。
- 寝るときに携帯電話からの影響がない電磁波の距離を考えてもあまり意味がない。
電磁波が体に悪いのは嘘ではないが安全基準は満たされている
冒頭でもお伝えした通り、電磁波が体に悪いというのは本当でもあり嘘でもあります。
今回は、スマホや携帯の電磁波の影響について、不安がある読者が殆どだと思います。
スマホや携帯電話に限ってお話しすると、スマホや携帯の電磁波が人体に与える影響はほとんどないと言っていいと思います。
その為、スマホをどのくらい離すと電磁波の影響がないと考えるのはあまり意味があります。
電磁波の影響が余程気になるのであれば、スマホの電源をOFFにして寝ればよい話です。
そもそも常識的に考えて、携帯各社も当然のことながら、普段生活で使用するスマホや携帯電話から、即座に人体に影響が出る強い電磁波を発生させる機器を販売している訳がありません。
スマホに限っては5G電波が影響を与える!?
という噂は殆ど都市伝説と言って良いと思いますが、電磁波にも種類があります。
電磁波とは光もその一種ですが、可視光や目に見えない不可視光の有害な電磁波が存在します。
例えば、電磁波でもレーザーのように指向性を持たせるとエネルギーが一点に集中し、ワット数によっては、指や人体など簡単に一瞬で切断してしまうレベルの高エネルギーの電磁波と言えます。
他にも、危険な電磁波は沢山存在します。
医療でレントゲン・CTスキャンに使うX線も危険な電磁波の一種です。
原子力発電所から出るγ線(ガンマ線)も細胞やDNAを傷つけ、がんや白血病などの病気を引き起こす可能性がある電磁波です。
光が電磁波の一種という事を解説しましたが、実は私たちが普段浴びている太陽光からも、危険な電磁波が出続けて居ます。
UVA、UVB、UVCに代表される紫外線は、私たちの皮膚を焦がし健康的なレベルでは日焼けを起こし、過剰に浴びると火傷や発がん性を引き起こす原因になります。
今までの解説で、何となくわかったと思いますが、私たちの身の回りには、安全・危険も含めて様々な電磁波が飛び交っていますので、防ぎようがありません。
電磁波が人体に与える影響は、電磁波の種類にもよります。
X線やガンマ線レベルの危険な電磁波であれば体に悪いのは本当で、スマホや携帯から出る人工的な電磁波は、殆ど影響がなく、電磁波が体に悪いというのは嘘とも言えます。
電磁波が体に悪いのは嘘?安全な距離は?
ワット数
周波数
X線
ガンマ線
収束光
X線やガンマ線は医療や化学技術分野にも使用されている危険な電磁波で、透過力が高く細胞に与える影響が大きいです。
また、レーザーのような収束光も、エネルギーが一点に集中するので危険な電磁波です。
上記の強さは、機器の出力『ワット数』に依存します。
- スマホの電磁波を避ける為?寝るときは機内モードが良いの?
- 負荷や消費電力の目線から考えると寝るときは機内モードがおすすめ
スマホの電磁波を避ける為?寝るときは機内モードが良いの?
一つ前の見出しの内容で、スマホの電磁波は寝る時に機内モードにしてもあまり意味が無いという事が理解できたと思います。
スマホの電磁波避けられても、他の電磁波は避けようがないからです。
スマホを機内モードにして寝る事は、人体にとってあまり意味がありませんが、スマホの機器本体にはよい影響を与えます。
それは、バッテリーの劣化や電子機器の劣化が少なくなるからです。
必ずしも、無意味という訳ではありませんので、寝る時は機内モードが良い理由について以降で詳しく解説します。
負荷や消費電力の目線から考えると寝るときは機内モードがおすすめ
スマホや携帯電話の電磁波を別の目線から考えると、寝るときの機内モードには大きな意味があります。
スマホから電磁波を出すという事は、スマホの負荷になります。
”電磁波=通信”をするという事は、スマホや携帯の消費電力が大きくなり、電池の消耗を早める事に繋がります。
スマホの負荷という目線からもう少し詳しく話すと、電子機器は電源がON状態の時より、OFF状態の方が電子部品にかかる負荷も少ないです。
昨今では、スマホや携帯電話にリチウムイオン電池が積極的に使われるようになりました。
メモリー効果も大分抑えられた電源ですが、それでもスマホや携帯で一番消耗が激しいのはバッテリーです。
バッテリーは使えば使う程、確実に消耗して寿命が近づきます。
大切で愛着のあるモバイルを、一日でも長く使う為には、スマホの負荷を抑える事がポイントです。
スマホを寝るときに機内モードにして、”電磁波=通信”をしないようにするのがおすすめの理由です。
医療機器を着けている場合はスマホの電磁波は体に悪いは嘘?
電磁波への影響が大きのが、心臓ペースメーカーをつけている場合です。
私たちが、健康かつ素の状態で電磁波を浴びるのと、心臓ペースメーカーなどの医療機器を着けて電磁波を浴びるのでは、スマホの電磁波でも体に悪いというのは嘘ではなく本当です。
心臓ペースメーカーに代表される医療機器は、電磁波の影響を大変受けやすいので、例えスマホから出る電磁波とは言え、注意が必要です。
スマホからは、常に絶えず電磁波が出ている訳ではありません。
一定間隔で、常に近くの基地局と通信しています。
状態によっては、強い電磁波がスマホから出る事がありますので、医療機器を着けている場合は、寝るときにスマホを機内モードにするのは、十分意味のある事です。
続いては各小見出しで、心臓ペースメーカーを装着している場合に、スマホは寝るときどのくらい離すのが安全か?
電磁波の測定方法についても解説します。
医療機器を着けていると電磁波は体に悪いのは嘘?
心臓ペースメーカー
マナーモード
誤作動
距離
心臓ペースメーカーやその他医療機器を着けている場合は、スマホの電磁波が体に悪いのは、嘘ではなく本当です。
距離は離せば離すほどよく、誤作動の原因を抑制できます。
- スマホの電磁波はどのくらい離すと安全?寝るときに適切な距離
- 機内モードの電磁波を測定する方法はある?簡易的な安全確認方法
スマホの電磁波はどのくらい離すと安全?寝るときに適切な距離
今までの解説から、スマホに限らず私たちの身の回りには多くの電磁波で溢れている事を解説しました。
スマホをどのくらい離すと安全か?と、考えるのがナンセンスですが、一応最適な距離について考えてみました。
医療機器を取り付けている場合は、電磁波がノイズとなり誤作動を起こす原因になりますので、注意が必要です。
スマホをどのくらい離すか考える前に、スマホや携帯電話がどのように通信されるかを知る必要があります。
スマホや携帯から出る電磁波は、現在では5GHz帯が一般的で、この電波は放射状に広がり、迂回・反射を繰り返しながら多方向へ進んでいきます。
発射された電磁波は、近くの基地局と通信する事になるのですが、この基地局からもスマホへの返事として電磁波が照射されています。
スマホから基地局へ電波が届く距離ですが、調査した所、以下の様に分類されているようです。
2G:約10km 3G:約1km 4G:約10km 5G:約1km
この調査結果から判る通り、5Gですら1Kmの距離があるのに、寝るときに”どのくらい離す?”とか、”電磁波の影響を受けない安全距離は?”を考えたところで無意味な事が分ります。
電波に関する記事は、やはりドコモさんがわかりやすいですね。
この記事を読むと、電波の表面的な部分だけ理解する事が出来ます。(一般向けに分かりやすく書かれているが、実際はめちゃくちゃ複雑)
スマホから発せられる電磁波は、国際機関である IARC(国際がん研究機関)によっても「発がん性のおそれがない(グループ3)」と評価されており、日常生活で浴びる程度の量であれば人体への影響は ないとされています。
少し記事の本題とは逸れます。
以前書いた記事でも紹介した通り、電磁波の目に見えないのをいいことに、無知なユーザーをカモにする悪徳業者が居る事も事実ですので、注意喚起の目的で再び前回の記事を上げておきます。
こういった電磁波防止グッツについては全く無意味ですので、絶対に購入しないように注意してください。
高いお金を払って購入しても、期待できるのはプラシーボ効果だけで、シール自体はタダのそれっぽいかみっぺらと変わりありません。
ちょっと誤解を招くタイトルだったので、もう少し補足すると、全ての電磁波防止グッツが詐欺というわけではありません。
どういう事かというと、電子機器内部で高周波回路は他の回路に影響を与えやすいため、実際にシールドで保護していますので、そういった機器目的目線での電磁シールドは効果があります。
ただ、電子機器の誤作動防止目的の電磁波シールドを、人体への影響目的で使用しも意味がありません。
機内モードの電磁波を測定する方法はある?簡易的な安全確認方法
スマホや携帯電話から出ている電磁波は、基本的に国際機関のIARCの発がん性が起きない電磁波出力を基準に設計されています。
その為、過剰にスマホから出る電磁波を気にする事はないというのが、今までの解説でご理解頂けたと思います。
しかし、それでも心臓ペースメーカーや”電磁波=通信”時におけるスマホの過負荷が気になり、機内モードにすると、本当に電磁波が抑えられているのか?
測定する簡易的な方法についてお話しします。
簡易的に機内モードで電磁波が遮断されているか測定する方法は、昔はやったスマホの光るアンテナを利用する事です。
これを取り付けると、リアルタイムでスマホや携帯電話が通信しているのを確認する事が出来ます。
スマホの光るアンテナに関する制作方法は、別の記事でもまとめていますので、こちらをご覧ください。
一つ解説し忘れていましたが、何も通信する時に出る電波がスマホの電磁波の全てではありませんので、電磁波を嫌う方はご注意ください。
以前にも解説した通り、光も電磁波の一種です。
スマホの画面から出る光も電磁波ですし、スマホの簡易的なライトも点灯した瞬間に電磁波を浴びている事になります。
スマホの画面から出る電磁波は、私たちのDNAや細胞を破壊する事はありません。
しかし、長期間見続ける事で、目がかすんだり、見え辛くなったりする事は十分起こります。
スマホに映し出される、SNSやユーチューブの映像は、私たちに興奮を与え、神経を過剰に刺激する原因となる事もあります。
余談ですが、電車に乗ると心臓ペースメーカーを装着した方の為にマナーモードのスペースを見かけます。
マナーモードは、あまり意味のない行為だと思っています。
繰り返しますが、電磁波はあらゆる方向から、様々な種類のものが照射されています。
最近では、スマホを一人一台持つのは当たり前の世の中ですし、マナーモードの席に着く前に、混雑で通りすがりの人の携帯電話が医療機器の近くにある何てことはざらにあります。
それだけではなく、スマホよりさらに強力な電磁波を発射するトラックのCB無線や、WiFiの電波、数えたらキリがありません。
電車の躯体は金属ですし、電車内部にいれば見えてないだけで電磁波は反射してまたぶつかってきます。
その為、マナーモード???なんの意味がある?
もし、医療機器の誤動作を気にするなら現実的に乗車しない、外出しないのが一番です。
皮肉や意地悪で言っているわけではなく、技術的、仕組み的な側面から考えて、マナーモードは無意味と感じます。
電磁波が体に悪いは嘘!スマホは寝るとき機内モードがおすすめ?まとめ
今までの全ての見出し内の記事内容から、電磁波が体に悪いのは嘘でもあり、本当でもあるという事がわかりました。
スマホから出ている電磁波は、過剰に気にする必要はありません。
それでなくても私たちは、常に電磁波を浴び続けています。
その為、『スマホは寝るとき機内モードがおすすめ?』とか『電磁波は体に悪い!』『寝るときどのくらい離す?距離は?』と、考えたところで殆ど無意味な事が分ったと思います。
スマホから出る電磁波に関する影響は、この程度で修まりますが、人体に危険な体に悪い電磁波が存在する事もまた事実です。
X線やガンマ線に代表される、強力な透過力の高い電磁波は、医療現場で使用され、有効活用される一方、過剰に浴びればDNAや細胞を破壊しガンになる可能性は極めて高いです。
可視光のUV光にも注意が必要です。
紫外線もまた、私たちに健康的な日焼けを齎す一方で、過剰に浴びれば目の角膜を損傷したり、火傷や皮膚がんになる可能性も十分にあります。
肝心な事は、過剰に電磁波を恐れるのではなく、電磁波の仕組みや性質・種類などを知り、適切に対応する事が重要です。
スマホに限って言えば、通信している時だけに電磁波が発生していると思いがちですが、画面からは常に光という形で電磁波が出ています。
形を変えると、人体に与える影響は変わってきますので、スマホを長期間見続けない、疲れたら一旦作業を止めるなどの基本的な工夫も必要です。
スマホの電磁波は、比較的安全性の高い電磁波ですが、それでも医療機器を着けている方にはかなりのリスクとなります。
その為、寝るときに機内モードにして、通信しない状態にすることは意味のある行為です。
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