ACアダプターと充電器の種類や違いについてご存じですか?ACアダプターとは、一般的に電子機器の電源のことを指し、交流から直流へ落とす役目をしています。
ACアダプターと充電器は同じような言葉で、電子機器側にバッテリーがついているなら、単にACアダプターと呼ばれることもありますし、ACアダプター充電器と組み合わせて呼ばれる事もあります。
どちらの呼び方でも間違いではありません。
ACアダプターと充電器の違いのポイントは、電子機器側にバッテリーがあるかどうかが一つの見極めポイントとなります。
どちらにせよ、機器や充電容量に見合ったACアダプターを選択することが肝心で、ACアダプターであれば、何を接続してもOKというわけではありません。
本記事では、ACアダプターと充電器の違いを、元工学部を卒業し、電気会社で勤務経験のある筆者が解説します。
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ACアダプターと充電器の違いを種類や差し込み口で判別!工学部監修ポイント
- ACアダプター・USBアダプターは使用機器側にバッテリーがあれば充電器と呼ばれるが、そうでなければタダのAC電源またはACアダプターと呼ばれる。
- USBアダプターを使うなら充電電流が多いUSB3.0がおすすめ。USBアダプターの電圧は規格統一されているので、基本どのメーカーでも使いまわしが可能!
- ACアダプター・USBアダプターの充電器から出力されない時は、コードの断線・内部部品のコンデンサーの劣化が一つの原因として考えられる。
ACアダプターと充電器・USBアダプターの違いは?簡単に解説
ACアダプター・USBアダプターは主に充電器と呼ばれ、家庭用のコンセントである交流電源100Vから電圧を下げて直流・又は交流を取り出す装置です。
使用機器によって様々な電圧・電流・周波数の物が存在しますので、ACアダプターはどれも共通のものが存在するわけではありません。
使用機器に適切なACアダプターを使用する必要があります。
例え、機器と同様の電圧・電流・周波数のACアダプターが存在したとしても、差込口であるプラグ部分が異なるとこれまた使用する事が出来ませんので注意が必要です。
但し、ここで一つだけ例外があります!それがUSBアダプターです。
USBアダプターの電源の出力は5Vと全ての規格で定められており、電流に関してはUSB2.0と3.0では全く異なり、USB2.0は500mA以下の定格で3.0は900mA以下で統一されています。
ACアダプターの内部にはトランスという部品が使われており、この部品は鉄芯に巻いたコイルで出来ており、交流電源をかけると巻き数比に応じた低電圧が出力できる部品です。
このトランスを使用し、100Vから12V/5V/3V等使用機器に必要な電圧に降圧した上で、コンデンサーとダイオードを用いた整流回路で直流に変換しています。
トランス(変圧器)の仕組みについて動作原理の詳細をもっと知りたい方はこちらの記事が参考になりますので、ぜひご覧ください。
AC100Vを降圧する方法には、様々な手法があり、必ずしもすべてのACアダプター充電器でトランスが使われているとは限りません。
ACアダプター・充電器の違いは?
バッテリーの有無
ACアダプター
充電器
冒頭でも解説した通り、ACアダプター・充電器はどちらも同じような言葉で、バッテリーの有無で充電器と呼ぶか、単にACアダプターと呼ぶかが異なります。
- ACアダプターの充電器はアンドロイドやiPhoneで異なるのか?
- 充電器の差し込み口の種類はスマホや使用機器によりまちまち
- ACアダプターが充電できないときは?チェックポイントを解説
ACアダプターの充電器はアンドロイドやiPhoneで異なるのか?
スマホとACアダプター充電器の関係のお話です。
結論から言って、アンドロイドとiPhoneはUSBからとれる電源を主体としているので、USBアダプター充電器を使用すれば問題ありません。
ちなみに、充電電流はiPhoneの方が高く設定されており、約1Aですが、アンドロイドは半分の0.5Aの充電電流となっています。
iPhoneやアンドロイド端末の電源の取り方として、何もUSBアダプターからとらないといけないという訳ではありません。
USBハブでも電源は取れますし、パソコンのUSBポートから充電用の電源を取る事も出来ます。
早い話がUSBが差し込めるUSB機器であれば、どんなUSBポートからでも電源がとれるという訳です!
ただし、使用するUSBハブやUSBポートによって、充電電流が異なる場合があります。
充電電流が異なるという事は、それだけバッテリーの充電時間に影響を及ぼすという事ですが、体感的には殆ど変わらないでしょう。
充電器の差し込み口の種類はスマホや使用機器によりまちまち
充電器の差し込み口には電圧・電流・周波数と同じくらい種類が沢山あるので注意が必要です。
ちなみに、パソコンに使用されているACアダプターの場合、差し込み口が会社オリジナルのものを採用している場合があり、一度ACアダプターが故障したら、丸ごと交換するしか方法がありません。
その代表的なものがHP(ヒューレットパッカード)のノートパソコンです。
ヒューレットパッカードのパソコンは、電圧も電流も中途半端で汎用性が無く、おまけに差し込み口の形状も一般的な物とは異なる為、コネクタの配線が切れたりした場合でも、ACアダプターを全とっかえするしかありません。
HPのパソコンは安価で誰でも持っているよくあるパソコンですが、修理を頼まれたり、自分で断線してしまった時に、汎用性のあるプラグを探しましたが見つかりませんでした。
ACアダプターが充電できないときは?チェックポイントを解説
ACアダプターが充電できない時のよくある原因とチェックポイントについて解説します。
ACアダプターでよくある症状の一つが断線ですね。
私のパソコンのACアダプターも、根元の部分がぐらついてテープで止めないと使用できない状態になってしまいました。
こうなってしまった場合は、あきらめるか買い替えるか?もう一つ選択があります。
差し込み口のコネクタ部分は個別に販売しているので、自分で修理する事も出来ます。
一見難しそうですが、コンセント側ではない機器側のプラグであれば、電気工事士の免許が必要ないのでDIYでも法律上問題なく修理する事が出来ます。
ACアダプターが使用できないよくある二つ目の原因として内部のコンデンサーの劣化です。
長期使用したACアダプターは、降圧した交流の整流用に使用されている電解コンデンサーが劣化する事があります。
このコンデンサーが劣化してしまうと、ACアダプターは電源を出力せずに動かなくなってしまう事があります。
パッケージ化されて分解して内部を見る事が出来ないACアダプターが正常に動作しているかどうか確認するポイントとして、重要な手掛かりとなるのが音です。
他の見出しでも解説した通り、ACアダプター充電器は、コンセントに差し込むとトランスと呼ばれる部品からわずかにチー・ジーっという動作音がします。
この音が聞こえれば、トランス迄は確実に電源が生きている証拠です。
それでも、プラグのぐらつきもないのに電源が出力されない場合は、単純に機器側の故障という場合も考えられますが、トランスは動作していてもACアダプター内部の整流回路側でダメになっている可能性があります。
整流回路についてかいつまんで説明すると、トランスで作った電圧は交流のままで、直流で使用する機器では使用できないので、整流というステップを経て直流にする必要があります。
トランスから動作音が聞こえても、電圧が出力されない場合は、この整流回路でコンデンサーを始め、何らかの故障が発生した可能性が高いという事です。
修理の参考になると思い、探したUSBアダプターの仕組みについて解説している他の記事を参考に載せておきます。
ユニファイブさんの記事は、ACアダプターの各部動作原理について、直感的にわかるように画像で解説されています。
ACアダプター充電器のおすすめは明確な違いや商品がある訳ではない
他の見出しでも解説した通り、ACアダプターは基本的に使用機器に合せた専門設計となっており、共通するおすすめ商品が存在するわけではありません。
但し、電圧・電流・周波数に加え、差し込み口の形状が同じであれば他メーカーの物を購入してもOKです。
USB充電器・USBアダプターに関しては規格が5Vと統一されており、USB2.0とUSB3.0どちらを使用してもかまいませんが、USB3.0で充電できるスマホや機器にUSB2.0を使用した場合、充電器の性能が発揮できず充電時間が長くなったりする場合があります。
この見出しのまとめとして言える事は、ACアダプターの充電器に関しては基本的にメーカー推奨品を購入する事が最もおすすめです。
もし、廃盤等で同じものが手に入らない場合は、動作電流・電圧・周波数・差込口形状を確認した上で他メーカーのACアダプターを購入しましょう。
ACアダプター・USB充電器のおすすめは?
電圧
電流
周波数
基本は純正品
コネクタ形状
ACアダプターは、USB充電器を除けば、基本的にメーカー純正品のACアダプターを使用します。
もし、他のメーカーでも電圧・電流・周波数が同じで、かつコネクタ形状が一緒であれば代用することは可能です。
- ACアダプターを使用する時に共通する注意点を解説
- ACアダプターを修理する方法!分解して内部を確認する
ACアダプターを使用する時に共通する注意点を解説
充電器の使用時に共通して言える注意点が存在しますので、解説します。
ACアダプター充電器は通常、交流電源で動いており、機器により必要な電流・電圧に合せて専用で設計されている事が殆どです。
従って、上記で解説した通りすべての充電器に共通するような汎用のおすすめ充電器がある訳ではありませんので、充電器を購入する場合は使用機器の定格電流と電圧と周波数の三つを確認した上で購入する事になります。
また、ACアダプターには内部にトランスと呼ばれるコイルが使用されており、このコイルがACアダプターを使用すると微かに音がする原因になります。
これは、コイル鳴きと呼ばれており、電気的に正常な状態ですので、故障や異常ではありません。
ACアダプターからするジーやチーっという異音の正体に解説した記事はこちらがおすすめです。
ACアダプターの種類によっては稀にヒューズが内蔵されているタイプのものもあるかもしれませんが、そういった場合は、ヒューズを交換する前になぜヒューズが切れたのかを調査して原因を取り除いてからヒューズを交換する必要が出てきます。
他にも、オーディオのスピーカーの配線とACアダプターの配線を一緒にまとめる事はオーディオの音質を低下させる原因になりますのでお勧めしません。
ACアダプターの交流電源は、そばにあるだけで電気的ノイズを発生させやすい部品ですので、オーディオの配線とは非常に相性が悪いです。
どうしても配線を一緒にまとめる必要がある場合は、ノイズ除去用のトロイダルコアや、オーディオ側にローパスフィルターを設ける必要があります。
ACアダプターを修理する方法!分解して内部を確認する
先ほどの画像で、ACアダプターの中身をお見せしましたが、ACアダプターは分解して修理することが出来ます。
但し、100V交流電源を扱う性質上、以下の内容は全て自己責任の上で行ってください。
ACアダプターの分解や修理する方法を見て実践したとしても確実に修理可能な保証はありません。
また、ACアダプターの収納ケースは本来、分解や修理する事を想定して作られていない為、接着剤で固定されている事が殆どです。
従って、機能は治ったとしても外装はむき出しのままという状態になります。
ACアダプター本体の差し込み口の端子の変形や、内部部品の劣化、コードの断線は本体を割って分解と修理するしか方法がありません。
タダのプラスチックケースですので、要らないマイナスドライバーとカナヅチがあれば分解する事が出来ます。
分解する時のポイントは、ACアダプターには必ずこのような溝が設けられています。
この溝に合せてドライバーを叩けば次の動画のように簡単にケースを外す事が出来ます。
ACアダプターを修理する方法の一つとして、動画で分解方法をお伝えします。
動画の尺は僅か30秒ほどですが、それくらいの時間でACアダプターのケースを分解する事が出来ます。
分解した後の電解コンデンサーには高電圧が蓄電されている可能性があるので、必ずマイナスドライバー等で端子をショートさせてから基盤を触りましょう!
ACアダプターと充電器の違いを種類や差し込み口で判別!工学部監修まとめ
ACアダプターと充電器の違いは使用機器内部にバッテリーがついて居ればACアダプター充電器になりますし、バッテリーが無ければタダのAC電源という事になります。
USBアダプターも同様で、iPhoneやアンドロイドスマホのように、内部にバッテリーが入っていればUSBアダプター充電器または、USB充電器となりますし、バッテリーがないようならタダの充電器です。
USBアダプターに関しては規格が統一されており、電圧は5Vですので基本使いまわしが出来ます。
あえてお勧めするとしたらiPhoneなどのUSB3.0のUSBアダプターがお勧めです。
その他USB以外のACアダプター充電器に関しては、電圧・電流・周波数の種類が沢山あるので一概におススメという事は言えません。
もし、他メーカーのACアダプターをこうにゅうするのであれば、上記のパラメーターに加えて充電の差し込み口の形状も同じでなければいけません。
汎用性のあるものなら、プラグ変換器などを使えば事足りる事もありますが、そうでないHPのノートパソコンなどは、ACアダプターそのものの純正品を購入するしかありません。
ACアダプターを修理する方法としては、分解修理する事は基本想定外なので、パッケージを割って内部を確認するしか方法はありません。
大抵は内部のコンデンサーが劣化している事が殆どですので、電解コンデンサーが膨らんだり液漏れしていないか確認しましょう。
コンデンサーは容量と耐電圧があっていれば交換可能です。
ACアダプターに関する情報はKAMIDENSHIさんで詳しく解説されていますので、こちらも併せてご覧ください。
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