高電圧発生装置自作!電子びっくり箱の原理と回路図を解説

トランス1次側 電気電子・情報工学
トランス1次側:6.3V 0.18A

びっくり箱は通常バネなどで作る飛び出すおもちゃですが、これを電子化して触るとちょっとびっくりする程度にビリッと来る電子びっくり箱の元となる高電圧発生装置を自作してみましょう。

この電子びっくり箱は、高電圧発生装置原理の基礎で、使用部品はたったの2個だけ!トランス+乾電池だけで制作できるおもちゃで、自作できる電子工作入門に最適です。

私の紹介する電子びっくり箱は、小学生や中学生が学校の授業で電気について勉強し始めた時の教材としても最適で、子供と一緒に楽しめる自作電子工作回路です。

今回は、この電子びっくり箱の動作原理と高電圧発生装置の回路図や作り方についてお話しします。

この電子びっくり箱は触ると多少ビリッとする程度で、人体に影響を及ぼす程の高電圧は発生しませんが、びっくりして手を離した拍子に他の所にぶつけたりする可能性もありますので、十分注意して実験してください。
また、人体への影響は無いとは言え、高電圧を発生させる装置ですので、体や心臓の弱い方・装置について理解できない動物に使用しない様お願いいたします。

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記事の要約とポイント

  • トランスが感電する程の高電圧を生み出す原理は誘導起電力が元。100回巻:1000回巻のコイルがあって100回巻のコイルに100Vの電圧をかけると1000Vが発生する。
  • トランス+乾電池だけで発生する電子びっくり箱の電圧はONからOFFに切り替えた時の一瞬だけ!自作高電圧発生装置で持続的にこの電圧を発生させるには別途発振回路が必要。
  • アマゾンで購入できる高電圧発生装置がヤバい!乾電池を繋ぐだけで1万ボルト以上の高電圧を手軽に発生できる。高電圧の実験に最適。
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高電圧発生装置を自作するための回路図や原理を解説!電子びっくり箱

では、早速高電圧発生装置を自作するための回路図や原理についてお話しします。

高電圧発生装置を組み込んだ、自作の電子びっくり箱の基礎的な部品の元になるのがトランスです。

トランスでも、電源トランスよりは、巻き数比が大きな蛍光灯インバーターや、電撃殺虫器・電撃ラケットから取り外したトランスを使用するとよいでしょう。

自作高電圧発生装置の電子びっくり箱の原理はとても簡単で、1次側に電池とスイッチを接続するだけで、2次側に高電圧を発生させることが出来ます。

ただし、2次側に高電圧を発生させるためには、継続的にボタンのON・OFFを繰り返さなければいけません。

通常、スイッチをONにすると、継続的に高電圧が発生する回路は、トランジスタなどの半導体スイッチを使って、スイッチでの手動ON・OFFと同じ動作を高速で実現しています。

自作電子びっくり箱の高電圧発生装置とは?

トランス

スイッチ

高速スイッチング

高電圧

電子びっくり箱

電子びっくり箱を自作するには、電源トランスや昇圧トランスをつかって、スイッチをON/OFFするか、半導体を使って、これらの物理的動作を自動化することで高電圧を発生させる。
これを、高速スイッチングという。

  • 電子びっくり箱の制作に必要な部品を解説!
  • 高電圧発生回路:電子びっくり箱の回路図と動作原理は?
  • コッククロフトウォルトン回路が直流電流の高電圧を生み出す原理

電子びっくり箱の制作に必要な部品を解説!

電源トランス HT-601

これが無くては自作高電圧発生装置は始まりません!大き目の要らないACアダプターを分解しても出てきます。

商品名はHT-601という電源トランスで、一次側が6.3Vで二次側が100Vのトランスです。

下の回路図と原理ではトランスを使うと電圧が昇圧しかできないようなイメージですが、そうではありません。

電子びっくり箱の自作で使うなら、別にHT601でなくても構いませんが、なるべく巻き数比の大きなトランスを探すことが高電圧を発生させるためのポイントです。

このような高電圧を発生させるトランスは、単品での販売はなかなかありません。

自作することも可能ですが、それなりのノウハウと技術や根気が必要で、簡単ではありません。

トランスはこの表記の通り、6.3Vの電圧をかければ100Vが出力されますし、逆に100Vを入力すれば6.3Vの電圧が出力されます。

トランス:2次側
トランス:100Vの出力が見える
トランス1次側
トランス1次側:6.3V 0.18A

電源トランスは下記のようなものです、この画像のトランスは私が中学生位の時に購入したものですが、当時の値段は600円前後でした。

押しボタンスイッチ:モーメンタリー型

押しボタンスイッチには押した時だけONして離すとOFFになる、ゲームセンターによくある大き目の押しやすい押しボタンスイッチを採用しました。

確かアキバでセール品を購入した気がします。

押しボタンスイッチ
これは大きめのゲームセンター用の押しボタンスイッチを使用

押しボタンスイッチは、何でも構いません!

画像のようにかなり大型になると穴を開けるのも大変ですし、端子もついてないので、予め端子がついていて下記のような小型の押しボタンスイッチが安価でおすすめです。

電子びっくり箱を自作する位であれば、押しボタンスイッチは、モーメンタリー型なら何でも構いません。

注意点として、オルタネイト型のスイッチを購入してしまうと、一度押すとおしっぱなしで、もう一度押さないとスイッチがOFFにならないので注意が必要です。

単三乾電池と電池ボックスのセット

電池ボックスなんて何でもいいです。

殆どのホームセンターでは、電池ボックスは勿論、電池も販売しています。

単三電池という所にも意味はありませんので、単四電池でも単5電池でも構いませんが、電圧だけは注意してください。

上記のトランスの場合、最大定格が6.3Vですので、これ以上の電圧をトランスにかけてはいけません。

9Vの角形電池を一瞬だけON・OFFするくらいなら何の影響もありません。

しかし、低電圧でも長時間ONの状態をキープしてしまうと、過電流が流れ続けて、電池にもトランスにもよくありませんので、スイッチオンは一瞬だけにしましょう。

電池ソケットと乾電池
これは何でも構いません。私は単三電池が入る電池ボックスをホームセンターで購入しました。

電池ボックスやスイッチ類は、電子工作をするなら今後沢山必要になってくるパーツの一つですので、まとめ買いをする事をおすすめします。

下記におすすめの電池ボックスのリンクを載せておきます。

ネオン管:ネオン管なら何でもいい

ネオン管には110Vと200Vで動作するものがありますが、どちらでも光るのでどっちでもいいです。

ネオン管と間違えて、内部にLEDが入ったパイロットランプを購入しないようにだけ注意しましょう!最悪LEDが壊れます。

サトーパーツネオン管の仕様
抵抗入りで110Vという表示が見える。つまり、3Vの乾電池では点灯しない

勿論、上記のようなブラケット入りのネオンランプでも問題ありませんが、抵抗なしのネオンランプ単体ならより明るく光る所を観察できます。

ネオンランプ単体が本来どのようなものか、よく観察できるのでおすすめです。