お風呂ブザーおススメの自作方法を徹底解説!【ホームセンターで材料を揃える】

1.5V電子ブザー 趣味のDIY
大分前に購入した廃盤の電子ブザー

お風呂ブザーは壊れた電子部品を使用して自作可能です。ダイソーやヨドバシカメラで購入すると、1000円から2000円前後と機能の割に高価なお風呂ブザー。ホームセンターで揃う材料を使えば圧倒的低価格で制作出来、電子回路の基礎についても学ぶことも出来ます。お子さんの自由研究にもぴったりなテーマですのでDIYとエコ精神を発揮してお風呂ブザーの制作にチャレンジしてみましょう!

半田付けの資格を勤務工場で取得し、電子工作歴20年以上の筆者が詳細に解説します。

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お風呂ブザーおススメの自作方法を徹底解説!【ホームセンターで材料を揃える】ポイント

  • お風呂ブザー(水位センサー)の材料は電子ブザーさえ手に入れば後の部品は家電の分解でなんとか自作できるので、家電を分解するのもおすすめ。
  • 直ぐに動くお風呂ブザー(水位センサー)を自作したいなら最低限、電子ブザー・トランジスタ(2SC1815など)・電池ボックスを揃えよう!
  • 道具はダイソー・100均の半田ごて(はんだごて)とニッパーがあれば十分!ホームセンターならもっと良い温度調整機能付きのものが手に入る!
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お風呂の水位を検知してセットした水位に達したらアラームを鳴らすお風呂ブザーの自作です。
ホームセンターの材料で自作するお風呂ブザーがダイソーやヨドバシ等で販売しているものより低価格で制作できるのは、壊れた家電製品を利用してその部品を再利用可能という理由が一つ。(殆どの電子機器に組み込まれているトランジスターは電子回路を動かす上で基礎的な部品だからです)。一つ目の部品が1個手に入れば後はホームセンターでブザーや電池ボックスを揃えるだけなので数百円で制作出来ます。

同様のものはアマゾン等で1000円位で販売していますが、身近な部品を利用すれば数百円で同じようなものが出来ます。改造次第では電磁弁と組み合わせて水を止めるという動作をさせる事も出来ます。

田舎暮らしを楽しみながら薪で沸かすお風呂は風流な感じがして良いものですが、操作性が悪くふろ水を溢れさせて焚口や周りの縁石にかかってしまうと熱膨張からひび割れの原因となりかねません。
なぜ、こんなものをわざわざ紹介しようとしたかというと、田舎暮らしの古民家では時に五右衛門風呂や薪風呂で水位計を始め温度計や電磁弁も付いていないことが殆どです。
ダイソーやヨドバシで販売しているパナソニック製品を購入すれば早いですが、ここではあえてDIY精神を発揮して故障したパーツから外した部品とホームセンターで揃う材料で低価格でお風呂に取り付ける水位計を自作してみる事にします。(水位が設定値まで達すると、ブザーを鳴らして水の溢れを防止してくれる電子装置です)

自分で制作する事で電気回路の仕組みと応用の方法を身に着けてもらおうという考えです。

お風呂ブザーを自作する前にタイムラインでステップ順に自作する流れを抑えておきましょう。

お風呂ブザー自作の流れ
  • STEP1
    ホームセンターで揃える材料とその他のパーツと工具

    お風呂ブザーは故障した家電製品からトランジスタを探すところから始まります。ブザーや電池ボックスは勿論、工具も全てホームセンターで揃います。

  • STEP2
    お風呂ブザーの自作回路

    電極に水が触れるとブザーが鳴って知らせてくれる仕組みを回路図と画像を使って解説します。

  • STEP3
    自作したお風呂ブザーが動かない時のチェックポイント

    トランジスタの種類によっては動かない場合もありますので、チェックリストを参考にして接続方法や半田付けの方法について確認してください。

  • STEP4
    お風呂ブザーに付加機能を追加する(カスタム)

    電磁弁を付加してカスタムすれば、ダイソーで販売している商品より高機能なお風呂ブザーを自作する事が出来ます。

  • STEP5
    お風呂ブザー自作の要点を纏め

    上記STEP4までのお風呂ブザーの自作ポイントを纏めました。

お風呂ブザーを自作するときにホームセンターで揃える材料やその他のパーツ・工具について

電子お風呂ブザーを自作するに当たり、部品を調達する必要があります。先ずは部品調達の方法からレクチャーします。続いてホームセンターで揃える材料から道具についても解説します。

家電製品からお風呂ブザーに必要な材料をゲットせよ!

必要な部品は生活で要らなくなった家電製品の大抵のものからとる事が出来ます。ただ、スマートフォンやアンドロイド等の本体からはチップ部品しか取れないので、要らなくなったスマホの充電器本体を分解したりテレビやラジオからも同様の部品を取る事が出来ます。

ヒートシンクに固定されたトランジスタ
電源回路のトランジスタはヒートシンクに固定されていることが多い
シャープ・世界の亀山モデルを分解
テレビを分解すると電源基盤にはこのようになっている
トランジスタとトランス
J655はMOSFET

上記の物はシャープ・世界の亀山モデルの電源が入らなくなったテレビを分解して出てきた電源回路基板です。電源周りには大粒のパワートランジスタが使われています。電源基盤を分解するには一点注意点があります。手前のデカいツツのような部品の電解コンデンサーをショートさせるなり、時間をおいて放電してやらないと250Vが蓄電されているので注意しましょう。

電解コンデンサーには高電圧が蓄電されています。作業前に放電して安全に作業しましょう!

トランジスタ

電子お風呂ブザーの肝です。これが無いと始まりません。大抵の電子回路にはトランジスタが組み込まれています。3本足の黒い塊です。表面を見ると2SC・2SA・2SB・2SDから始まる文字がラベルに書かれています。今回は2SC・2SDと書かれているトランジスタを探してください。

トランジスター
パワートランジスター2SC4221

何のトランジスタなら良いか結局正解が分からない方はコレで問題ありません。

電子ブザー

一般の電子機器から電源だけで動く電子ブザーが手に入る機会はほぼありませんので、これに関してはジャンボエンチョーやカインズの電子部品コーナーで購入しましょう。高くても300円位です。(ほとんどの電子機器には安価な圧電ブザーが取り付けられており、動作には別途発振回路が必要)

ブザーの型番
これと同一のものではないがホームセンターで購入できる
1.5V電子ブザー
大分前に購入した廃盤の電子ブザー

電池ボックス

電子ブザーは3Vで動くものが殆どですので、単三電池2本が入るタイプの電池ボックスを探してください。これも電池ボックスは電子機器の躯体の一部として組み込まれていますので、部品として手に入る事はありませんので、こちらもジャンボエンチョーやカインズで購入します。(おそらく1.5V位でも動作すると思います)
トランジスタは即席で手に入るモノを利用しているので、様々なパラメータから必ずしも1.5Vで動作する保証はありません。

単三1.5Vバッテリー
1.5Vもしくは3Vの単三電池2本使用

配線材

配線材は何でも良いです。電子機器を分解した時にできた廃材を利用するのが良いでしょう。(配線材には様々なカラーがありますが特に関係ありません)

上記の部品だけでもお風呂ブザーは制作する事が出来ます。昔は電子工作入門の王道と言った回路でしたが、今は風呂釜に付属する電子回路の高性能化で利用する機会は殆ど無くなりました。
しかし、新たな切り口として川根本町ラボでは指定された回路の指定された部品を購入して電子回路を組む本が100%の電子工作界隈で、故障したものや使わなくなったものから部品を再利用して回路を組むという事を考えます。

こうする事で、部品について考える機会や壊れたりした電子機器の中でも使用できる部品はまだまだ沢山あるんだという事に気が付いて、エコや環境問題の観点からも無駄にお金をかけるのではなく使わなくなった部品を積極的に再利用できるんだという事を実感してもらえたらと思います。

工具や他のパーツはホームセンターで全て調達可能!

ホームセンターで必要なパーツは電池ボックスと電子ブザーだけだと解説しました。では、工具についてはどうでしょう。上記のパーツはホームセンターでも取り扱い店舗に限りがありますが、お風呂ブザー制作に必要な工具はほぼ全てのホームセンターで調達可能と言っていい位一般的な工具ですので、ご安心ください。

半田コテは高温でハンダを溶かす道具です。制作時はやけどに注意してください。

半田コテとハンダ

川根本町ラボ | 半田コテ

半田コテは60W位のものをお勧めします。一般的には40W位のものが電子工作向きとされていますが、私はそうは思いません。40Wの物だと電子部品によっては熱が伝わり辛く、余計な時間部品に熱を加えることになるからです。
半田付けのコツはさっと当ててさっと離す。付ける事も重要ですが、電子部品になるべく余計な負荷をかけないように注意する事が大切です。

ニッパー

ホームセンターで揃えると言いましたが、実は半田コテもニッパーもダイソーで購入する事が出来ます。ホームセンターで高価で本格的な半田コテやニッパーを用意する必要はありません。この程度の電子工作でしたらダイソーの格安商品で十分です。

電子工作に欠かせない半田ごてやニッパー・ラジオペンチなどの詳細はこちらの記事でも解説していますのでご覧ください。

電子工作に必要な半田ごてや周辺道具の紹介

ホームセンターで揃えた材料でダイソーに負けないお風呂ブザーを自作する方法

お風呂ブザーの組み立て
水がセンサーの位置まで来るとブザーが鳴る

さて、前置きが長くなりましたが早速本題です。基本回路と仕組みを載せます。
電子水位センサーの肝であるトランジスタですが、2SC・2SDタイプのトランジスタはNPNトランジスタと呼ばれているものです。ここでは簡単にNPNトランジスタに絞って解説します。
NPN・PNPトランジスタはバイポーラトランジスタとも呼ばれておりN型半導体とP型半導体を組み合わせて作られています。
NPNトランジスタはベースに微弱な信号を与えるとコレクタからエミッタに大電流が流れるのがトランジスタの基本です。小さな電流で大きな電流を制御できるのです。

ベースと乾電池やブザーの+から伸びた電極(センサー)は水に触れると微弱な電気が流れます。その微弱な電気をトランジスターで増幅して電子ブザーを鳴らします。試しに、乾電池と電子ブザーの回路を断線してそのまま水につけても流れる電流が少ないので、ブザーはなりません。

今回の回路を自作する事で、部品の再利用と環境問題、トランジスタの基本動作について直感的に理解して貰えたらと思います。
こんな小さな部品ですが、製造工程はかなり複雑でチリ一つも落とせない超精密・超清潔な環境の中で半導体は作られています。(クリーンルーム)部品一個を作るにも莫大な製造コストが掛かっています。
これを捨ててしまうのはもったいない気もします。

食べ物にも製造には莫大なコストが掛かっていますが、電子部品は食べ物と違って腐ったり劣化したりしない(全てが全く劣化しないわけではないが)ので取り外して適切に保存して規格を守って使えば何度でも繰り返し使える事が殆どです。

今回はC4221を使いました。実際に回路を組んで試してないのでわかりませんが、データシートを見ると動作電圧が1.5Vからとなっているので動作しない場合は乾電池を増やして3Vにするなど工夫されると良いでしょう。(2SC1815はこの手の実験をするのにおススメの代表的なトランジスタです)

下記はトランジスタを使用する上で必要となるデータシートです。

https://j5d2v7d7.stackpathcdn.com/wp-content/uploads/pdfs/2SC4221.pdf

お風呂ブザーの自作が上手くいかない時のチェックポイントは?

お風呂ブザーの端子を見ずに着けてもブザーが鳴らない原因のほとんどが書きの見出し三点に絞られると思います。今回制作に使用したトランジスタはあり合わせなので、動かない場合がありますし、配線方法が間違えている場合もあります。他のチェックポイントとしてはハンダ不良や電池電圧は本当に3Vかも確認しましょう。

取り出したトランジスタを再確認セヨ!

冒頭でもお伝えした通り、トランジスタの種類によっては動かない場合があります。詳しい説明はかなり長くなってしまうので、要点だけお伝えするとトランジスタには最低で動作する電圧があります。その電圧に達していない場合は1.5Vでは動作しません。これはトランジスタを見つけたらデータシートを見ながら一つ一つ確認するしかありません。データシートを確認してから使用するのが確実な方法ですが、3V程度の電圧で故障する製品は電源回路周りで使用されているトランジスタでは基本無いので、安心して付け替えて取り外したトランジスタを試してください。

電子部品の接続は適切か確認セヨ!

どんなにお風呂ブザーの動作に最適なトランジスタを選んだとしても、配線ががたがたでは動作する回路も動作しません。『半田付け 方法』等のサジェストキーワードを含めて検索すると、画像付きで詳しい半田付けのポイントが乗っているので確認してください。勿論、配線方法が画像と一致していることが前提です。

お風呂ブザーが動かない時 | その他のチェック

トランジスタの選別が適切で、半田付けや回路図通りに接続しても動かない場合は電池残量が原因かもしれません。これをやる人はあまりいないと思いますが、純水での水位チェックは出来ません。
純水は本来水に含まれているミネラル分等が取り除かれているので、そもそも電気を流すことが出来ません。

自作したお風呂ブザーに機能を付加してカスタムするには?

電磁弁または電磁バルブ

今回の記事ではお風呂ブザーの基礎編ですので、カスタムの概要だけお伝えします。左のような電磁弁というバルブがあります。簡単に解説するとブザーの代わりにこのような電磁弁を接続すると、簡単に水の流れをON・OFFすることが出来ます。勿論、単純に付け替えただけでは動作しませんし、そもそもON・OFFする時のチャタリングを防止しないとバタついてしまいますので、その辺の制御は必要です。

お風呂ブザーをホームセンターの材料で自作するおすすめ方法纏め

故障した家電製品の電源回路等からトランジスタを取り外して、ホームセンターで材料や道具を揃えれば、ダイソーやヨドバシで販売しているパナソニックのお風呂ブザーよりも安価に自作できることを解説しました。

冒頭で書いた通り、お風呂ブザーの制作は電子工作入門の定番と言っていいので、電子回路や電子部品に触れるには良い機会です。最後にお風呂ブザー自作ポイントを箇条書きでまとめます。

お風呂ブザーの自作ポイント纏め

  • トランジスタは故障した家電製品の電源タップなどから取り外し可能!
  • お風呂ブザーを自作すればダイソーで販売されているものより安価に自作可能!
  • 電池ボックス・電子ブザーはホームセンターで揃う!
  • 半田コテ・ニッパー等の工具に関してはダイソーでも十分自作可能!
  • 動かない場合は回路図通りの配線になっているかを確認し、半田付けの部分をチェックした上でトランジスタが動作する物か確認する。

最後に。様々な電子部品で回路を作るに当たり私がいつも利用している秋月電子さんをご紹介します。

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