ネオン管が光る理由や、蛍光灯との色の違いが異なるのはなぜか気になりませんか?
ネオン管とはそもそもなんでしょう?多くの人が光るもの全てをネオンランプ(ネオン管)と誤認しています。
仕組みは、通常真空のガラスチューブにネオンガスが封入されたもののみを指します。
ネオン管が光る理由と、蛍光灯の違いや仕組み、大学の研究テーマでプラズマを選考していた筆者がネオン管を光らせる方法を動作電圧や抵抗の有無について解説します。
蛍光灯との違いは、ネオン管は80V前後で放電を開始するのに対し、蛍光灯は300V前後です。
構造にも決定的な違いがあり、蛍光灯は熱電子を放出する為にフィラメントを持ちますが、ネオン管にはありませんし、蛍光灯のような蛍光塗料も塗布されていません。
使用するガスも異なり、ネオン管は名前の通りネオンガスが封入されていますが、蛍光灯は紫外線を出しやすくするために、内部にアルゴンや水銀蒸気で満たされています。
ネオン管の仕組みは、放電管ですので、光るには約80-100Vの高電圧回路が必要になり、また、定格以上の高電圧や大電流を流さなければ、ほぼ無限と言っていい程長寿命なデバイスです。
大学で放電をテーマに研究していた筆者が、ネオン管や蛍光灯の違いや光る理由について、詳細に解説します。
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記事の要約とポイント
- ネオン管は放電管ですので、光らせるには家庭用のAC100Vか、交流の高電圧回路が必要になります。
- ネオン管は基本的に長寿命な光デバイスです。定格電圧・定格電流を守って使用する分には壊れる心配はほぼありません。(約80-100Vの交流電源)
- ネオン管は本来ネオンガスを使用するものがネオンランプと呼ばれており、放電させるとネオンガスの色はオレンジから赤色に光る。
- 蛍光灯には距離のある放電をさせる為にヒーターがあり、熱電子を飛ばすがネオン管には蛍光灯のようなヒーターは無いし、放電開始電圧も低い。
ネオン管が光る理由とその仕組みを解説
ネオン管は、独特の美しい色合いで多くの場所で使用されている照明デバイスです。
ネオン管が光る理由やその仕組みを理解することは、照明の選択や自作の際に役立つ為、この記事では、ネオン管の基本的な原理から、蛍光灯との違い、寿命について詳しく解説します。
まず、ネオン管とは、内側にネオンガスを封入したガラス管のことです。
ネオンは、希ガスの一種で、無色、無臭の気体で、このガスは電流が流れることで励起状態になり、特有の光を放出します。
この現象を「放電発光」と呼びます。
ネオン管が光る仕組みは、非常にシンプルですが興味深いです。
ネオン管に電圧がかかると、管内のネオンガスが電流によって励起され、電子が高エネルギー状態に達します。
すると、元の状態に戻る際にエネルギーを放出し、これが光として観測されます。
この時、ネオン管からはオレンジ色の光が発生しますが、他のガスや蛍光体を使うことで異なる色の光を得ることも可能です。

たとえば、青色の光を得たい場合は、アルゴンガスを使用することが一般的ですが、管の内面に特定の色の蛍光体を塗布することでも、異なる色を演出できます。
このように、ネオン管はさまざまな色合いを持つことができ、装飾や広告など多くの用途で活用されています。
ネオン管が光る理由と仕組み
ネオン管
光る理由
光る仕組み
ネオン
ガス
ネオン管は、ネオンガスを使用し、放電発光の原理で光ります。電流が流れることでネオンが励起され、特有の色を放出します。寿命は約10,000時間で、蛍光灯と比べると長いです。自作も可能ですが、かなり様々な機器やスペースが必要になります。
- ネオン管とは何か?基本的な特徴と定義
- ネオンが光る仕組みと放電発光の原理
- 色に影響するガスの種類と水銀の役割
- 自作可能?個人レベルでは再現不可能
- ネオンランプを点滅させる回路の具体例
ネオン管とは何か?基本的な特徴と定義
ネオン管を光らせるのに必要な電圧と電流を解説する前に、まずはネオン管がどのようなものなのかを簡単に解説します。
ネオン管とは、主に真空のガラス管に封入されたガスが、ネオンガスであるランプがネオンランプです。
封入されるガスの種類によって、発光色が異なります。
一般的にネオンは赤(オレンジ)・アルゴンは紫色ですが、これらは正式にはガス放電管という名前が付けられていますが、一般的に総称してネオン管と呼ばれています。
ガス放電管には、秋葉原のラジオデパートにしかない今は貴重品の展示品があります。
昔は、ネオンランプ内に水銀を入れて、ガラス管内に塗布した蛍光体に電子が当たる事により緑色や青色に発光する珍しいガス放電管もありました。
ネオンランプを放電させるには、通常数千ボルトの電圧が必要になりますが、ガスに圧力を加える事により動作電圧を低く出来るように設計されています。
これはガス圧と電圧に関係するパッシェンの法則によるものです。
一般的なネオンランプの動作電圧は70-80V前後です。電流は3mA前後です。
ネオンランプは、交流電源でも直流電源でも点灯させることが出来ます。
つまり、ネオンランプに極性はありませんが、片側だけ発光させると、片方の電極のみ劣化が激しくなります。
上記の事からわかるように、ネオンランプを点灯させるには少々高い電圧(80V)が必要です。
乾電池や車の24Vバッテリーを沢山つなげれば光りますが、電池の量が多くなり、現実的ではありません。
ネオンランプは12Vで点灯させることは出来ません。但し、3Vや12V電源でも昇圧回路等を組み合わせれば簡単に点灯させる事が出来ます。
ネオンが光る仕組みと放電発光の原理
冒頭で解説した事のおさらいも含めてもう一度解説します。
ネオン管とは通常、ネオンガスを封入したガラス管の事をさします。
一般的には、そのほかの町の明かりもネオンサインとされることもありますが、本来はネオンガスを使用したもをネオンサインやネオン管と呼んだりマス。
つまり、アルゴンガスを封入して紫や青みを持たせたものは、放電発光ではあるものの、ネオン管とは呼びません。
また、ネオン管とは発行すると独特のオレンジ色の発光色を示します。
ネオン管が光る仕組みは、内部に封入されているネオンガスがカギを握っています。
この真空中のガラス管内に封入されたネオンガスに、電圧をかけると、ネオン原子の外周を回っている原子が叩き出されて、励起状態になります。
励起状態とは、KLMNにある軌道上の外に電子が飛び出すという現象です。
飛び出した電子が元の状態(基底状態)に戻ろうとするときに、余ったエネルギーが光として観測されます。
尚、この励起状態から基底状態にするにはガスの種類や、圧力、電極間距離によって、印可電圧が異なります。
ネオン管は静電気でも光るってホント?
静電気の平均的な電圧をグーグルで調べてみましょう。
静電気の放電は、約3000~3万ボルトと言われています。ネオン管の動作電圧は80V前後ですので、光る事が分かります。これだけの高電圧で故障しないのは、流れる電流が一瞬だからです。
ちなみに、静電気除去グッツで触れると光るものがありますが、初期のものは殆どネオン管を利用しています。
その代表例が以下のような商品です!故障しにくく、嫌な静電気の刺激も防止できるので、冬場に重宝している方も多いでしょう。
他にも面白い実験として、電子ライターのプラズマでも光りますし、ガスコンロなどの放電でも光ります。
余談ですが、ネオン管には次のような性質があります。
電極の回りだけが発光する。マイナス電極だけが発光する。(両方とも光っているように見えるのは交流電源だから)。発光していない時の抵抗は無限大(放電を始めると極端に低下する)。
実験用のネオンランプの部品はサトーパーツさんが有名です。
サトーパーツで販売しているネオン管は、ブラケットと呼ばれ、各パネルにネオン管を装着しやすい構造になっております。
構造の一部には、ネジが使われており、ネオンランプの躯体のフランジと、取り付けるボディーをネジで裏から挟み込むことで固定できるようになります。
また、中には動作電圧に応じた抵抗器が封入されている商品も数多く販売されていますので、基本的に必要な電圧を印加するだけで、ネオン管を点灯させる事が出来ます。
ネオン管を、テスラコイルで発生させた高電圧の静電気で光らせる実験も行っていますので、興味のある方は是非ご覧ください!
制作するのは少々大変ですが、テスラコイルがあるとプラズマ(静電気)を使って、ネオン管を点灯させたり、蛍光灯を点灯させる事が出来てとても面白い実験が出来ます。
ネオン管に抵抗が必要な理由!無いとどうなる?
ネオン管は、仕様に書かれている動作電圧の範囲内であれば抵抗が無くても光ります。
例えば画像で使っているパッケージタイプのものは、最大動作電圧が220Vと書かれていますので、220Vを印加する時に適正な電流を流すために抵抗が接続されます。
適正な範囲内の印加電圧で使用する分には抵抗は必要ないが、100V-220Vのように電圧が大きくなれば、流れる電流が増大して過負荷となるので、適正な電流を流すための抵抗が必要になる。
家庭用電源である100Vでネオンランプを点灯させようとした場合、100KΩ(1/4W)の抵抗を準備しましょう。
100Vで点灯=抵抗は100kΩ(1/4W)を接続。
抵抗器は、下記のようなアマゾンや楽天で、基本数本単位での販売となります。
必要に応じてネオン管に接続する抵抗を計算したい場合は次式で求める事が出来ます。

※数式がはみ出す場合は横スクロール可能です。
式を用いて計算しなくても、普通にパイロットランプで使用する場合は、100Vか海外の220V位しかないので220Vで使用する場合は、220KΩ(1/4W)のどちらかです。
220Vで点灯=抵抗は220KΩ(1/4W)を接続。
検証していないのでわかりませんが、あまりの高電圧で放電させようとした場合、極端に寿命が縮むのは勿論、沿面放電するか内部には高圧ガスが充填されている為、衝撃でガラス管が破裂する可能性がある事は容易に想像がつきます。

ネオン管は電極に極性が無いので、交流の場合でもLEDのようにダイオードを取り付けて保護する必要がありません。
基本的にはたったこれだけでネオン管を点灯させる事が出来ますが、発光ダイオードのLEDとは異なり、動作電圧が高いので、取り扱いには十分注意して実験を行ってください!
高電圧は、取り扱いを間違えると怪我や感電の危険を伴います。
ネオン管と言えば、上記の回路の実体配線図に記載した外観の物で、動作電圧は80V前後です。
他にも、カメラのフラッシュの部分もいわば放電管ですし、CCFLも似たような放電管ですが、封入されているガスや、電極間距離がネオン管とは全く異なるので、印加電圧は大きくなります。
色に影響するガスの種類と水銀の役割
ネオン管には水銀は入っていません。

水銀を使用する放電発光は、主に内部に蛍光塗料を使用した放電管で使用され、蛍光塗料を使った放電管は、蛍光灯が代表的です。
水銀ガス上記で発生させた紫外線を、ガラス管内壁に塗布した蛍光塗料にぶつける事で、様々な発光色を実現することが出来ます。
蛍光灯は水銀を使用して光を生成します。
水銀は、特定の条件下で紫外線を発生させる特性があります。
蛍光灯内部には水銀ガスが封入されており、電流が流れることで水銀が励起され、紫外線を放出します。
この紫外線が管の内壁に塗布された蛍光体に当たることで、可視光が発生し、蛍光灯は明るく効率的な照明を提供できるのです。
蛍光灯は、一般的に寿命が約7,000時間程度で、ネオン管よりも短いですが、明るさや色の選択肢が豊富です。
蛍光灯は家庭用から業務用まで幅広く利用されており、特に事務所や店舗での使用が一般的です
以下は、ネオンガスやアルゴンガスなどの放電の種類、発生する色、用途、放電開始電圧をまとめたテーブルです。
ガスの種類 | 発生する色 | 用途 | 放電開始電圧 (V) |
---|---|---|---|
ネオン | オレンジ色 | 看板、装飾照明 | 約 60 – 90 |
アルゴン | 青色 | 照明、装飾、標識 | 約 80 – 120 |
クリプトン | ピンク色 | 特殊照明、信号灯 | 約 70 – 100 |
ヘリウム | 黄色 | アート、装飾照明 | 約 100 – 140 |
水素 | 赤色 | 科学実験、特殊照明 | 約 200 – 300 |
酸素 | 青白色 | 実験、科学機器 | 約 150 – 200 |
窒素 | 紫色 | 特殊照明、研究用途 | 約 80 – 120 |
自作可能?個人レベルでは再現不可能
私も大学生の時、研究でネオン管を自作したことがありますが、お金と時間をかければそれは自作出来ない事もありませんが、まぁ無理でしょうね。
ネオン管を作るには様々な工程や、資格、資金、設備が必要になります。
個人でやるにはなかなかハードルの高い作業と言えます。
ネオンガスも少量のガスタンクに入ったものが、最低でも1万円以上しますし、ネオンガスを封入するには、ガラス管内部を真空にしなければなりません。
これには、ターボ分子ポンプなどの高額な真空ポンプが必要です。
さらに、ガラスと電極を付ける為の、ガスバーナーや電極材料も必要になりますし、例えネオン管が出来たとしても、まだまだハードルがあります。
ネオン管は交流の100Vで点灯させることが一般的で、そうなってくると、今度は配線に電気工事士の資格が必要になります。
そこで、最近の流行は有機ELを使用したネオンサインです。
ここでは記事の趣旨とは異なるので解説はしませんが、以下の画像のようなネオンサインが個人でも簡単に自作することが出来ます。

ネオン管は、独特の光を放つ美しい装飾品として広く知られていますが、その仕組みや製造過程は意外にも複雑です。
この記事では、ネオン管について詳しく解説し、個人レベルでの自作が本当に可能なのかを考察します。
ネオン管とは、ネオンガスを使用して光を発する管状の装置です。
ネオンガスは、希ガスの一種であり、通常は無色無臭ですが、高電圧をかけることで、放電発光を引き起こし、特徴的なオレンジ色の光を放ちます。
この光る理由は、ネオンガス内の原子が電気エネルギーを受け取ることで、エネルギー準位が上昇し、元の状態に戻る際に光を放出するためです。
この仕組みは、蛍光灯とは異なり、蛍光灯が水銀を使用しているのに対し、ネオン管はネオンガスそのものが光るのです。
ネオン管の色は、主にガスの種類や管内のコーティングによって変わります。
例えば、ネオン以外の希ガス(アルゴンやクリプトンなど)を使用すると、異なる色の光を得ることができます。
これに対して、蛍光灯は内部のリンを利用して色を生成するため、同じ原理ではありません。
ネオン管の寿命は、適切に使用された場合、数万時間にも及ぶことがありますが、高温や湿気、過度の振動などの条件下では、寿命が短くなることがあります。
個人がネオン管を自作することは、技術的には可能ですが、非常に高い専門知識と技術が要求されます。
まず、ネオンガスを扱うためには特別な設備が必要です。
ガスの取り扱いや高電圧の管理は、専門の技術者が行うべき作業であり、素人が行うには危険が伴います。
また、ガスを充填するためには、真空状態を作り出す必要があり、これもまた高度な技術が求められます。
結論として、ネオン管の魅力はその美しさと独特な光にありますが、その背後には高度な技術と知識があることを理解することが重要です。
個人レベルでの自作は非常に難しく、専門家に任せるのが賢明です。
ネオン管の美しい光を楽しむためには、専門業者からの購入や修理を検討することが最も安全であり、効果的な方法です。
ネオンランプを点滅させる回路の具体例
ネオン管は、パイロットランプの様に常に点灯させる基本回路から、応用としてクリスマスツリーでおなじみの点滅させる動作が一般的です。
ネオン管を点滅させるには、抵抗とコンデンサーで構成された充放電回路を用いる必要があります。
電子回路において、通常何かの点滅動作をさせる回路を製作する場合、マルチバイブレーター回路やタイマーICを用いて制作するのが一般的です。
交流電源の場合は、そのような複雑な回路を用いなくても、単にコンデンサーと抵抗の基本的な組み合わせだけで再現する事が出来ます。

基本回路構成をご覧ください。
100Vと記載のある部分は、100V電源でRは抵抗です。
Cはコンデンサーで、Neはネオンランプの図記号を表しています。
点滅の基本原理はとてもシンプルで、抵抗Rを通じてCに交流電圧が印加されると、コンデンサーは徐々に印加電圧付近まで電圧を上げていきます。
ネオンランプの放電開始電圧80V前後になると、コンデンサーが放電し、ネオン管に放電電圧が与えられます。
コンデンサーは放電すると、電圧が0V付近まで低下するので、放電終止電圧付近になるとネオン管の放電が止まります。
ネオン管の放電が終了すると、再び抵抗Rを通じてコンデンサーが印加電圧付近まで充電され始め、その手前のネオン管の放電開始電圧付近でコンデンサーが放電する。
この繰り返しで、ネオン管ベースのクリスマスツリーは点滅しています。
RとCの値を適当に変えてやれば、点滅の間隔をずらすことも出来ます。
回路図上の部品には、プラスマイナスは存在せず、部品の配置させ間違えなければ、問題なくネオンランプを点滅させる事が出来ます。
ネオン管と蛍光灯の光る理由の違いと寿命を解説
ネオン管と蛍光灯は、どちらも広く使用される照明器具ですが、その光り方や寿命には大きな違いがあります。
見出しでは、ネオン管と蛍光灯の光る理由や仕組み、寿命について詳しく解説し、それぞれの特徴を明らかにしていきます。
ネオン管とは、ネオンガスを封入したガラス管で、高電圧をかけることによって光を発する照明器具という事を何度も解説してきました。
ネオンガスは、希ガスの一種で、無色無臭の気体です。ネオン管の光る理由は、管内のネオンガスが放電発光することで、オレンジ色の光を放つことにあります。
具体的には、電流が流れることによってネオン原子が励起状態になり、元のエネルギー準位に戻る際に光を放出します。
この光る仕組みは、非常にシンプルでありながら、美しい装飾効果を生み出します。
対して、蛍光灯は、水銀蒸気を使用した照明器具です。
蛍光灯の内部には水銀ガスが封入されており、電流が流れると水銀が蒸発し、紫外線を発生させます。
この紫外線が内部の蛍光体に当たることで、可視光が放出されるので、つまり、蛍光灯の光る理由は、水銀ガスの放電によって生成される紫外線が、蛍光体を励起することにあります。
これにより、蛍光灯は通常、白色や黄色の光を発することができます。
ここで注目すべき点は、ネオン管と蛍光灯では使用されるガスが異なることです。
ネオン管はネオンガスを使用しますが、蛍光灯は水銀を使用しており、この違いが、光の色や仕組みにも影響を与えています。
ネオン管はその名の通り、ネオン特有のオレンジ色の光を発するのに対し、蛍光灯は色の選択肢が広く、さまざまな色温度の光を提供することが可能です。
ただし、蛍光灯内部に入っている水銀は、水銀のガスで無いことに注意が必要です。
点灯前の蛍光灯を振ってみてください!そうすると、中でカラカラ音がしますが、これは内部に水銀の玉が入っているのです。
蛍光灯は、内部に熱電子を放出するためのヒーターが内蔵されています。
点灯するとこのヒーターが水銀を溶かし、水銀蒸気を発生させ、この水銀蒸気によって紫外線が発生するというわけです。
寿命についても、両者には顕著な違いがあります。
一般的に、ネオン管の寿命は約25,000時間から50,000時間とされていますが、蛍光灯の寿命は約7,000時間から15,000時間程度です。
このため、長期間にわたって使用する場合には、ネオン管の方が経済的であると言えるでしょう。
しかし、蛍光灯はそのコストが比較的安価であるため、初期投資を抑えたい場合には魅力的な選択肢となります。
このように、ネオン管と蛍光灯は、光る理由や仕組み、寿命において大きな違いがあります。
ネオン管はその美しい光と長寿命が魅力ですが、修理や自作が難しい点がデメリットですが、蛍光灯は手軽に交換できる利点がありますが、寿命が短く、光の質も異なります。
この違いを理解することで、用途に応じた照明器具を選ぶための参考になるでしょう。
ネオン管と蛍光灯の違いと寿命
蛍光灯
ネオン管
違い
寿命
水銀
ネオン管と蛍光灯は、光る理由が異なります。蛍光灯は水銀ガスを用い、紫外線を発生させて蛍光体が光ります。寿命は蛍光灯が約7,000時間、ネオン管は約10,000時間です。この違いを理解することで、適切な選択が可能になります。
- ネオン管と蛍光灯の仕組みの違いを徹底比較
- 寿命に影響する要因と耐久性はどれくらい?
- 修理やメンテナンス方法のポイントを解説
- ネオンランプ製品取り扱いの注意点は?
- ネオン管が光る理由まとめ
ネオン管と蛍光灯の仕組みの違いを徹底比較
ネオン管と蛍光灯は、どちらも照明の一形態ですが、それぞれの光る仕組みや性能には大きな違いがあります。
このブログでは、ネオン管と蛍光灯の仕組みの違いを徹底的に比較し、それぞれの特性や利点、欠点について詳しく解説します。
まず、ネオン管とは、ネオンガスを封入したガラス管で構成されており、内部に高電圧をかけることにより、ネオンガスが放電発光を起こし、特有のオレンジ色の光を放ちます。
この光る理由は、ネオン原子が電圧によって励起され、元のエネルギー状態に戻る際に光を放出することにあります。
ネオン管の光る仕組みは非常にシンプルでありながら、独特の美しさを持つため、看板や装飾用の照明として人気があります。
一方、蛍光灯は、水銀蒸気を使用して光を発生させる照明器具です。
蛍光灯の内部には水銀ガスが封入されており、電流が流れると水銀が蒸発し、紫外線を生成します。
この紫外線が内部の蛍光体に当たることで、可視光が放出されるのです。
蛍光灯の光る理由は、紫外線が蛍光体を励起することにあり、この仕組みは、ネオン管とは根本的に異なり、蛍光灯はさまざまな色温度の光を提供することが可能です。
ここまでは、いままで解説してきた光る原理の違いについてですが、続いては構造について着目してみましょう。

画像の様に、蛍光灯は端子が四本ありますし、ネオン管には存在しないフィラメントも、蛍光体もついている事が分かります。
これは、蛍光灯の両端に取り付けられたフィラメントを加熱し、画像でも書かれている水銀を蒸気にして、紫外線を出しやすい状態にするための余熱の役割をしています。
ここでは回路まではかかれていませんが、余熱後は安定器から高電圧が印加され、一気に放電が安定します。
蛍光灯の点灯をよく確認すると、最初は両端がオレンジ色に光りますよね?これは、個体の水銀を蒸気化する役割があります。

続いてネオン管はというと、構造が非常にシンプルですね。
蛍光灯とは異なり、電極も二つしかありませんし、蛍光体もフィラメントも存在しない事がわかります。
ネオン管はシンプルに、ネオン原子の励起作用だけでオレンジの色を出しているのです。
前述した通り、ネオン管には紫外線を必要としない為、水銀は入っていません。
余談ですが、水銀が入った状態で蛍光塗料が塗布されていない物は、UVランプで殺菌灯として使われます。
寿命に影響する要因と耐久性はどれくらい?
ネオンランプの寿命は、一般的に25,000時間から50,000時間とされています。
これは、適切な使用条件下での目安であり、実際の寿命は使用状況や環境によって異なることがあります。
例えば、ネオンランプが常に高温や湿度の高い場所で使用される場合、寿命が短くなる可能性があります。
ネオンランプは、内部に封入されたネオンガスを利用して光を発します。
電流が流れることでガスが励起され、光を放つ仕組みですが、このプロセスは蛍光灯やLEDに比べて比較的安定しており、長時間使用しても劣化しにくいのが特徴です。
ネオンランプの耐久性は、主にその構造に依存しています。
ネオンランプはガラス製であり、物理的な衝撃や振動には弱いですが、内部のガスは高い耐久性を持っています。
通常の使用条件下では、ネオンランプは非常に安定しており、長期間にわたり正常に機能します。
ただし、ネオンランプは外部からの衝撃や圧力に対して脆弱であるため、取り扱いには注意が必要です。
落下や強い衝撃を受けると、ガラスが割れる可能性があり、長期間の使用による熱の影響も考慮しなければなりません。
過熱が続くと、内部の部品が劣化し、寿命が短くなることがあります。

ネオン管の寿命は数万時間と言われています。基本的に殆ど無限です。
続いて、ネオン管と似たようなデバイスについて紹介します。
ネオン管と似たようなデバイスは、写真のようにグローランプがあります。
これも放電管の一種で、ネオン管と似ていますが、仕組みが異なります。
放電色は紫ですので、中に入っているガスはアルゴンガスですし、グローランプにはバイメタルという熱で変形する金属がついて居ます。
放電の熱で接点がくっついたり離れたりを繰り返します。
他にも放電管には蛍光灯がありますが、これは仕組みが全く異なります。
蛍光灯は、放電させる距離が長いことや、放電しやすくさせる為に水銀が入っています。
また、放電をしやすくするために、電極部分には電子をより飛ばしやすくするためのヒーターがついて居ます。
他にも、蛍光灯には水銀で発生させた紫外線を可視光に変換する為の蛍光塗料が、管内壁に塗布されています。
ネオン管とかなり似たデバイスに、CCFL(冷陰極管蛍光ランプ)があります。
これは初期のガラゲーの照明(バックライト)として使われていましたが、蛍光灯のように熱電子放出機構を持たない照明で、熱電子を放出しない代わりに超高電圧300V前後での印加電圧が必要です。
ネオン管は現在では低消費電力のLEDに代わり、過去の遺物となりつつありますが、制作コストが安いので、パイロットランプなどとして家庭用のスイッチのON・OFF確認用に使用されています。
以下は、サトーパーツで販売されているネオンブラケットという製品で、見た目はネオン管ぽくないですが、しっかり内部にはネオン管が入っています。
このようなブラケットには、ネオン管だけではなく、内部に電流制御用の抵抗器も内蔵されています。
修理やメンテナンス方法のポイントを解説
結論から言って、割れたネオン管やガラス管を修理したりメンテナンスする事は出来ません!いちから作り直しが基本です。
もしくは、新しいものを購入した方が合理的です。
ネオン管を修理する事は出来ませんが、メンテナンスのポイントは、やはりガラス管の清掃でしょう。
ホコリが溜まったりすると、当然ホコリが光を遮るので、ウエスなどで定期的に清掃する必要があります。
ただし、ネオン管は非常に繊細で割れやすいので、最新の注意が必要です。
ネオンサインは、基本的に特注で、職人にかなりの金額をかけて制作してもらう事が殆どです。
その為、割れたりした場合は、もう一度作り直しが必要な為、かなりの出費を覚悟する必要があります。
メンテナンスや修理が出来る部分は、放電管の制御回路のみで、配線がはずれたり、汚れた場合は半田ごてを使ってメンテナンスすることが出来ます。
道具や接続の方法については、下記の記事が詳しく書かれていますので、ダイソーで必要な道具を揃えて実際に組み立ててみましょう。
ネオン管の放電に使うネオントランスは、放電しているときに数千ボルトの電圧を発生させ、人を即死させるだけのパワーは十分に備えています。
その為、万が一配線周りのメンテナンスを行う際は、必ず電源がOFFになっているか確認してから作業する必要があります。
ネオンランプ製品取り扱いの注意点は?
ネオン管は、ほぼ無限ともいえる長寿命のランプですが、扱う上での基本的な注意点を確認する必要があります。
ネオン管は、全てガラス管で出来ていますので、取り扱い方法を間違えると割れますし、今では製造されていませんが、水銀入りのランプは有毒です。
動作電圧を守って使用する分には問題ありませんが、仕様を超えての電圧で動作させる場合は、電圧に見合った抵抗を選別する必要があります。
抵抗を選別しないで抵抗なしで点灯させた場合、寿命低下の原因となるが商用電源の場合はそこまで神経質になる必要もない。
また、ネオン管は動作電圧が高いため、100Vでの電圧が基本となりますが、家庭用の100V電源は感電やショートなどの危険があります。
その為、絶縁スリーブを利用したり、基盤に固定するなどの十分な配慮が必要です。
ひとつ前の見出しでも書きましたが、ネオン管の修理は基本的に不可能です!特注品でも割れてしまった場合は、再度作り直しが必要な為、高額な出費を覚悟しましょう。
ただ、最近は殆どのネオンサインが安価な有機ELで作られています。
ネオン管が光る理由まとめ
ネオン管は、その美しい光と独特の色合いで多くの場所で使用されていますが、その光る理由や仕組みについてはあまり知られていないかもしれません。
総括では、ネオン管がどのように光り、蛍光灯との違いは何か、そしてそれぞれの寿命について再度解説します。
まず、ネオン管とは、ネオンガスを封入したガラス管です。
内部に高電圧をかけることで、ネオンガスが放電発光を起こし、特有のオレンジ色の光を発します。
ネオン管の光る理由は、電流が流れることでネオン原子が励起され、元のエネルギー状態に戻る際に光を放出することにあります。
この光る仕組みは非常にシンプルで、他の照明器具とは異なる独自の魅力を持っています。
一方、蛍光灯は水銀を使用した照明器具で、内部に封入された水銀ガスが電流によって紫外線を発生させ、それが内部の蛍光体を励起して光を放つ仕組みです。
蛍光灯はさまざまな色温度の光を提供できるため、用途に応じて選択されることが多く、ネオン管と蛍光灯の違いは、使用するガスや光の発生方法にあります。
寿命についても両者には大きな違いがあります。
ネオン管の寿命は、一般的に25,000時間から50,000時間とされ、非常に長持ちします。
これは、ネオン管が安定した動作を続けるため、経済的にも優れた選択肢となり、一方、蛍光灯の寿命は約7,000時間から15,000時間程度で、ネオン管に比べると短いです。
このため、長期間の使用を考えると、ネオン管が有利です。
また、ネオン管は自作が難しいという特徴もあります。
ガスの取り扱いや高電圧の管理が必要なため、専門的な知識が求められます。
一方、蛍光灯は比較的簡単に交換できるため、手軽さを求めるユーザーには魅力的です。
修理についても、ネオン管は壊れた場合、専門的な技術が必要で、通常は新しいものに交換されます。
まとめると、ネオン管はその美しい光と長寿命が特徴であり、特に装飾用としての利用が多く、光る理由や仕組みはシンプルでありながら、他の照明器具にはない魅力を持っています。
一方で、蛍光灯は多様な色を提供し、手軽に交換できる点が魅力です。
両者の違いを理解することで、用途に応じた最適な照明器具を選ぶことができるでしょう。
ネオン管と蛍光灯、それぞれの特性を考慮し、より良い照明環境を整えていくことが重要です。
最後にネオン管の動作電圧と、抵抗が必要な理由を纏めます。
ネオン管は、内部にネオンガスを利用していますが、ネオンガスの放電はオレンジまたは赤色の光で発光します。
ネオン管の動作電圧は約80V前後で点灯しますが、100Vや220Vの電圧で点灯させる場合は、電流を安定させるために抵抗が必要です。
100Vで点灯させる場合は、100kΩ(1/4W)。220Vで点灯させる場合は220KΩ(1/4W)の抵抗が必要になります。
抵抗を無くして高電圧で放電させ続けた場合は、極端な寿命の低下を招く原因となりますので必ず抵抗は入れましょう。
ネオン管を点滅させる回路は、抵抗とコンデンサーの充放電回路で実現できます。
今回紹介した回路内容では、全ての部品の極性がありませんので、部品のプラスマイナスを気にすることなくハンダ付けする事が出来ます。
お勧めは、少々高価ですがフィルムコンデンサーなどが容量が大きく、コンデンサーの点滅をフレキシブルに操作可能です。
自分で抵抗とコンデンサーの値を色々工夫して、どのように点滅するのか確認してみるのも、電子工作の醍醐味です。
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