LEDに抵抗が必要な理由は?抵抗計算と繋ぎ方の基本を説明

LED 3Vでの点灯回路 電気電子・情報工学
3VでLEDを点灯させるためには抵抗が必要!

LEDに抵抗を付けると様々な電圧で光らせる事が出来ます。(全て一律ではない。電圧にあった抵抗計算が必要)必要な部品はたった2点!

道具は全てダイソーで揃う3点のみで、電子工作好きな筆者が失敗しないLEDの抵抗計算が必要な理由と方法と繋ぎ方を解説します。

LEDの実験をしたい場合、おもちゃやテーブルタップにはほぼ間違えなくLEDが使われています。ダイソーの安い電子機器を分解する事でも手に入れる事が出来ます。

LED単体で手に入れたい場合は、最近ではホームセンターの電気部品コーナーでも、抵抗付きで販売しているのをよく見かけます。

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LEDに抵抗が必要な理由は?抵抗計算と繋ぎ方の基本を説明ポイント

  • LEDは電流制御なので、抵抗が必ず必要。(但し、安定化電源等常に安定した電源を供給できる場合は不要)
  • LEDは実はダイソーでもテーブルタップなどを分解すると手に入る場合がある。(その場合は100Vで点灯させる為の抵抗も一緒に手に入る)
  • 世に出回っている砲弾型タイプのLEDの電流は約20mAで電圧は3Vが標準。20mA流れるように抵抗を選ぼう!
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ただ電池を繋げれば光る豆電球とは異なり、LEDは流す電流に決まりがあり、一般的なLEDは大体20mA前後の電流で、3Vの決まった電圧を印加する必要があります。

ホームセンターの、電子部品コーナーに売られている砲弾型の一般的な高輝度LEDの場合は、流す電流を20mA(ミリアンペア)前後に制御してやる必要がありますが、LEDは物によっては流す電流や電圧が全て一律ではないので、その辺は仕様書を見て抵抗を決定する必要があります。

この電流の値については、購入時にしっかり記されていますので、今回は20mA前後の商品を選択したものとして抵抗の計算方法を解説します。

冒頭で解説した通り、最近では、LEDもホームセンターなどの電気部品の棚に売っている事が多くなりました。

ジャンボエンチョーや、カインズでLEDの単体販売を確認済みですが、他の電子部品専門店と比べると、少々割高感があります。

上記のホームセンターで購入した一般的なLEDでしたら、電流を20mA流せるように抵抗を選択すればよいのです。

カインズで販売しているLEDだと、既に電流制御用の抵抗もセットで販売している親切さです!下記の様に、きちんと定格の電流や電圧が記載してあるものが望ましいです。

ちょっと気になるのがLEDと抵抗のお値段です。

赤色の物は198円で、白色は600円近くして倍以上の値段差がありますが、これは、使用している半導体のガリウムによるものです。

主な資源保有国がウクライナや中国ですので、現状を考えると値段が高いのも頷けますし、ガリウムは希少金属なので、そもそもの値段が高価です。

LEDに抵抗を付けて光らせるまでの手順
  • STEP1
    必要な部品を確認する

    直流電源でLEDを点灯させるなら、必要な部品はLEDと抵抗のたった二つだけ!両方ともまとめ買いがおススメです。
    LEDの種類にもよりますが、これだけで100円から200円前後です。

    交流100Vで実験する時は、絶縁スリーブも揃えるとショートしにくいです。

  • STEP2
    必要な道具を確認する

    必要な道具はたったの3種類!全てダイソーで揃える事が可能です。はじめは安いもので十分で、半田ごて・ニッパー・ハンダが必要になります。

    本格的に電子工作をする段階に入ったら、ダイソーの商品では少し不便ですので温度調整機能付きの本格的な半田ごての購入をおすすめします。

  • STEP3
    電圧に応じた抵抗計算

    LEDに取り付ける抵抗は、電圧に応じて変化しますが、計算の公式は簡単です。

    不安な方は電卓を用意しましょう。

  • STEP4
    LEDと抵抗の結線

    LEDに抵抗を半田ごてを使い、ハンダで結線しますが、ポイントは、先に半田ごてをあてて部品を温めたら、ハンダを適量流し込み、ハンダから離します。

  • STEP5
    LED点灯 動作チェック

    3Vなら安全ですが、100Vでの動作は感電や漏電に十分注意してチェックしてください。(後ほどポイントを纏めます)

上記のフローでも解説しましたが、ざっとまとめて説明します。

必要な部品は、LEDと抵抗と電池を揃えてください。

抵抗の計算方法は、下記に具体的な計算方法を記しているので参考にしてください。(再三警告しますが、100Vは商用電源ですので、100VでLEDを点灯させるときは十分注意してください)

抵抗は、計算値で出たものと同じものが販売されているわけではないので、LEDの電流値が適正値となる近い値の物を選びましょう。

適正値より低い値の抵抗を選べばその分電流が多く流れ、LEDは明るく点灯しますが、適正値より高い値の抵抗値を選べば、その分LEDに流れる電流は少なくなり暗く点灯します。

但し、ここで重要な事は、抵抗で点灯させるLEDはその全てを抵抗で熱に変えて無駄にしている事に等しく、抵抗値を高くしてLEDに安全な電流値を確保するという事は、熱になって無駄になるという事です。

余談ですが、簡易的なテーブルタップは、殆ど抵抗やダイオードを使って電圧を落としていますが、他にもコンデンサーを使った方法やトランスを使って電圧を下げる方法、他にもレギュレターICを使った電圧制御方法もあります。

\[\displaystyle \text{電流設定抵抗値(R)}=\frac{\text{回路の印加電圧(V) – LED順方向電圧降下(V)}}{\text{LEDに流す電流(A)}}\]

抵抗器を選ぶ時のポイントですが、抵抗はそれぞれ細かな値の物が販売しているわけではないので、その値の前後のものを選びましょう。

値は、計算値でした値の中で、低いよりも高め寄りで選ぶとLEDに対する負荷が少なく安全に点灯させる事が出来ます。

\[\displaystyle \frac{\text{9(V) – 1.7(V)}}{\text{0.02(A)}}=\text{365(Ω)ほぼ360(Ω)}\]

抵抗器には、カラーコードが記されており、360Ωの抵抗器は[橙青茶金]のカラーが印字されていますので、下記の模型屋さんの一覧表でも判る通り、360Ωの抵抗器は[橙青茶金]です。

抵抗値とカラーコードの一覧表 - もけいや松原
\[\displaystyle \text{抵抗の消費電力(P)}=\frac{\text{(回路の印加電圧(V) – LED順方向電圧降下(V))}^2}{\text{抵抗(Ω)}}\] \[\displaystyle =\frac{\text{(7.3(V))}^2}{\text{360(Ω)}}=0.144[W]\]

正確には0.144[W]ではないですが、ほぼ1/4Wの抵抗器です。

抵抗のワット数も必ず同じものがある訳ではないので、これも計算した値の前後のものを選びましょう。(抵抗の値を選んだ時と同様に、ワット数も高い値を選ぶと、余裕がありLEDと抵抗に負荷の少ない回路を組む事が出来ます)

余談ですが、カインズで販売されているLEDと抵抗のセットですが、仕様を見ると最大の印加電圧が3.4Vとなっています。

電流は同じく20mAで制御します。

上記の公式に当てはめて計算すると大体85Ω位ですが、茶黒茶金のカラーコードがついて居るので100Ωの抵抗であることが分かります。

今回実験で使用した抵抗はこちらです。

LEDと抵抗の実際の配線図を見てみよう

LED 3Vでの点灯回路
3VでLEDを点灯させるためには抵抗が必要!

画像だと切れてしまっていますが、新品のLEDは足が2本あり、片方の足が長くなっている事がわかります。

これは、LEDには極性があり、プラスマイナスを間違えないようにする為で、長い足がプラス極で短い足がマイナス極となっています。

抵抗は、回路図中ならLEDのプラス極に取り付けてもマイナス極に取り付けてもOKです!

また、このLEDの足の長さと極性の関係は、どのタイプのLEDを選んだとしても変わりありませんが、大型のLEDやモジュールタイプのLEDだと、廃線がされており、その場合は赤線が+端子で、黒や青の端子が-極という事になります。

3V程度の電圧なら問題ありませんが、規定より高い電圧を間違えて接続すると、一瞬でLEDを故障させる原因になるので、注意が必要です。

電池は分かりやすく実体配線図にしましたが、本来は電池ボックスに入れると良いでしょう。

単三乾電池が2本入るタイプの電池ボックスも、殆どのホームセンターで販売しています。

配線の色も、分かりやすくプラス極を赤でマイナス極を黒としていますが、単に色の違いですので赤線をマイナス極に使っても問題ありません。

ただ、前述した通り、本来は+は赤-は黒を使うと覚えておきましょう!各接点の部分を半田付けすれば繋がります。

初めて自分で設計した電気回路ですね!うまく動きましたか?(´・ω・)単にLEDと抵抗を接続するだけですが、初めての方にとっては分からないことだらけだと思います。

工夫してみよう!LEDが様々な電圧で点灯するか確かめてみよう

実験も工夫してみましょう!LEDを一本壊すつもりで様々な実験をします。

実験① 抵抗なしで過剰な電圧と電流を与える

LEDの定格は、3.4V前後とカインズで購入したLEDの仕様に説明がありました。

では、9Vの四角い電池を使い、LEDに過剰な電圧を加えたらどうなるか試してみましょう。(実験は乾電池を何本かつなげて電圧を上げ下げする事は可能ですが、本格的な電圧に対応するには、安定化電源の購入をおすすめします)

実験➁ プラスとマイナスの向きを変えてみる

乾電池や、配線の向きを変えてLEDに逆電圧を加えてどうなるか試してみましょう。

また、ダイオードという保護用の部品を入れた時の動きも試せると良いと思います。

このように、電子工作や電気の知識が無い方には、上記のテストの結果は予想もつかないものだと思います。

LEDやダイオードは、電気回路や電子部品の基礎になりますので、実際に様々な方法で動かして試して、肌で体感してみましょう。

LEDの寿命が長い理由は何故?【LEDは長寿妙な照明デバイス】

LEDは半導体素子で、豆電球や蛍光灯と比べると、無限ともいえるほど長寿妙なデバイスですが、LEDの寿命が長い理由は、以下の2つが挙げられます。

  1. LEDの構造上、消耗部分がない

LEDは、電流を流すと半導体内の電子と正孔が再結合して光を発する仕組みです。

このため、白熱電球や蛍光灯のように、光を発するためにフィラメントや蛍光体などの消耗部分がありません。

  1. 熱によるダメージを受けにくい

白熱電球や蛍光灯は、光を発するために熱を利用しています。

そのため高温になりやすく、熱によるダメージを受けやすくなります。

一方、LEDは、電気を直接光に変換するため、熱によるダメージを受けにくいという特徴がありますが、全く熱によるダメージを受けないかと言えばそうではなく、大型で大電流のLEDともなると、放熱板が必須です。

ただし、LEDの寿命は、使用環境や使用条件によっても異なります。

例えば、高温や多湿の環境では、LED本体よりも端子のショートや腐食により寿命が短くなる傾向があります。

また、電圧や電流の過大な入力も、寿命を短くする原因となりますし、規定の電圧や電流を印加した場合も、放熱処理をしないばかりに極端に寿命が低下する事もあります。

一般的に、LED照明の寿命は、30,000時間から50,000時間程度とされています。

これは、白熱電球の約100倍、蛍光灯の約3倍の寿命です。

LED照明は、寿命が長いだけでなく、省エネ性や光質の良さなどのメリットがあり、近年では、白熱電球や蛍光灯からLED照明への置き換えが進んでいます。

熱によるダメージは受けにくいとは言っても、100Vで点灯するLED照明は、長時間の使用でかなりの高熱を発生させますので、使用状況によっては放熱が上手くいかずに火災の原因となる事があるので注意が必要です。

LEDは低消費電力のデバイスだが、熱を全く発生させないという訳ではない!使用環境によっては火災の危険性も!

LEDに抵抗を使うときの注意点は?100Vでも使えるの?

抵抗があれば、100V電源で動作させることは出来ます。

基本的に、100VのDIYに関しては、何度も解説している通り、感電や漏電に注意して行ってください。

また、ショートしないように、絶縁スリーブがあった方がより安全です。

絶縁スリーブもそうですが、実際に100Vで動作させるには、コンセントの中に組み込むのが良いかもしれません。

また、LEDを100Vで点灯させるには、他の工夫も必要です。

今までのおさらいですが、LEDには電球と違って+と-の向きがあり、長い足が+電極で短い足は-電極になっています。

これは、半導体の性質に起因するもので、逆向きに高電圧をかけると、LEDは簡単に破損しますので、注意が必要になります。

家庭用の電源は、交流の100Vです。

交流とは、オシロスコープで波形を見てもらうとわかる通り、sin波で、この波は一定時間ごとにプラスとマイナスの向きが逆転します。

つまり、一定時間ごとにLEDに逆向きの電圧が印加されるという事で、静岡なら60Hzですので、一秒間に60回もLEDに逆向きの負荷を与える事になります。

この逆向きの負荷を回避する為に、LEDに似た性質のダイオードを使用します。

ダイオードは、一定の向きにしか電流を流さない性質があるので、不要な向きの電圧をカットする事が出来ますが、これを半波整流作用と言います。

ダイオードは単に電流の向きを制御するための部品ですが、発光ダイオードは整流作用と共に光を放つ性質のあるデバイスです。

LEDの接続に使う工具を紹介!必要な工具はたったこれだけ!?

LEDの接続には半田付けが必要です。

半田付けをするには、半田ごてやハンダがなければ作業出来ません。

他にも、最低限ニッパーの3点があれば問題なく、全てダイソーで手に入ります。

下記の記事で、工具の使い方について詳しく説明していますので、制作前にチェックしてください。