コンクリートを溶かす?サンポールの酸でコンクリートが溶ける危険!

サンポールとコンクリートの関係 田舎暮らしを楽しむ
サンポールはコンクリートを溶かすのか?実際に検証して解説!

コンクリートを溶かす薬剤は主に酸性で、溶かすというよりは中和反応によってコンクリートがもろくなり強度が低下します。

同じアルカリ性の液体も、コンクリート内部のアルカリ性のバランスが崩れてコンクリートを溶かしたり劣化させる原因になるので注意が必要です。

実際の所、サンポールではコンクリートがボロボロになるほどの深刻なダメージになるとは思えません。

サンポールの主成分である塩酸は、常温で気体の為、硫酸のように長くとどまる事が出来ないからです。

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コンクリートを溶かす?サンポールの酸でコンクリートが溶ける危険!ポイント

  • コンクリートを溶かすのは、サンポールの主成分の塩酸だけではなく、アルカリ性の液体でもコンクリートは脆くなる。
  • コンクリートが溶ける温度は、一般的に1300℃~1400℃と言われており水和物が溶解しはじめる限界温度。
  • 固まったコンクリートを剥がすモルタルセメントはがし剤は主に強酸性の物質+界面活性剤が主成分。
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コンクリートはサンポールの成分塩酸で溶けてしまう?結果は!?

結論からお話しすると、サンポールをコンクリートやタイルの掃除に使用する事は出来ますが、原液のままコンクリートの掃除に使用する事はお勧めしません。

サンポールの説明書きを見ると、”タイルには薄めて使用する”と記載されているので、使う事は出来ます。

サンポールの注意書き
一応使用する事は出来るがコンクリートには薄めた上で!

但し、あくまで薄めて使うというのがポイントです!大量に使うと意外と面倒な事になりますのでご注意を!

なぜ、コンクリートにサンポールの使用をおすすめしないのか、まずは科学的根拠から解説します。

コンクリートは元々が強アルカリ性で、酸ポールは強酸性です!二つを混ぜれば化学反応が起きて中和してコンクリート本来の性能を発揮できなくなってしまいますが、これはあくまでコンクリート硬化初期の頃の話です。

コンクリートをDIYで自分で練ったことのある方なら判ると思いますが、コンクリートは水と混ぜると強アルカリ性を発揮し、セメントだけではなく、砂と砂利や他の鉄筋を混ぜる事で最高の強度を発揮します。

実際に水で練ったセメントを手で触ると皮膚が溶けてヌルヌルしますが、雨でぬれたコンクリートを手でさわってもヌルヌルする事はありませんよね?

硬化が終わったコンクリートは、極めて安定した物質なので、コンクリートとはそう簡単には反応しませんが、実は他に注意が必要な理由があります。

コンクリートは液体を吸収しやすい多孔質な構造なので、一度吸い込んだ酸はなかなか揮発せず長くその場に留まります。

それだけならまだ良いのですが、コンクリート土間の場合には、骨材として大抵鉄筋が使われていますが、中の鉄筋にサンポールがしみ込むと、当然ですが骨材が錆びてボロボロになるので、コンクリートの強度は著しく低下します。

他に注意したい点が、変色です!

コンクリートには様々なカビや汚れが付着していますが、土間のようなコンクリートは広範囲に及びます。

この広範囲のコンクリートにサンポールをかけると、全て掃除しきれない部分が出てきて、色が一部まだらになってしまう可能性もあります。

サンポールの成分は塩酸が主成分ですが、塩酸は常温で気体の性質を持ち、水酸化ナトリウムなどの塩基で中和できることもあり、家庭用の掃除用品としてよく使われていますが、一方、代表的な酸の一つである硫酸は、水に対して脱水作用があり、水で薄めようとすると熱を発生させて飛散する可能性もあるので管理も大変です。

コンクリートに関する一般的な知識や用途に関しては、『コンクリート教会』のウェブサイトがわかりやすいです。

コンクリートとは

コンクリートは酸以外のアルカリ性でも溶ける可能性がある?

先の見出しで、コンクリートは元々強アルカリ性の物質であることを解説し、サンポールのような強酸性の物とは反応して劣化を加速する可能性についても説明しましたが、水和反応の終了したコンクリートにアルカリ性の液体をかけるとどうなるかについて解説します。

酸以外の液体とコンクリート
強アルカリ性もコンクリートの劣化を早める可能性がある

コンクリートは、アルカリ性の液体に弱いというよりは、中性化という現象によって劣化することがあります。

コンクリートは、セメント、水、砂、砂利を混ぜて作られ、セメントと水が化学反応を起こして固まる過程で、水酸化カルシウムというアルカリ性の物質が発生します。

この水酸化カルシウムが、コンクリートのアルカリ性を保ち、鉄筋を錆びから守る役割を果たしています。

しかし、コンクリートに強アルカリ性の液体がかかると、以下の2つのメカニズムで中性化が促進され、コンクリートが劣化することがあります。

1. 水酸化カルシウムの溶解

強アルカリ性の液体は、コンクリート中の水酸化カルシウムを溶解し、カルシウムイオンと水酸化物イオンに変えます。

これらのイオンは水に溶けやすく、コンクリートから流出してしまうため、コンクリートのアルカリ性が低下します。

2. ポゾラン反応の抑制

コンクリート中には、セメントの水和反応で生成されない余剰の水酸化カルシウムと反応して、強度や耐久性を向上させるポゾランと呼ばれる鉱物が含まれています。

しかし、強アルカリ性の液体は、ポゾラン反応を抑制し、コンクリートの強度や耐久性を低下させる可能性があります。

コンクリートの中性化が進むと、以下のような影響が現れます。

鉄筋の腐食が進むことになり、コンクリートのアルカリ性が低下すると、鉄筋が錆びやすくなるので、腐食が進行します。

腐食した鉄筋は体積が膨張し、コンクリートを破損する可能性がありますので、強アルカリ性の液体にも注意が必要です。

腐食した鉄筋により、コンクリートの強度が低下し、ひび割れや剥離などの劣化が起こりやすくなります。

アルカリ性のバランスが崩れ、コンクリートの耐久性が低下し、凍害や塩害などの外的要因に弱くなります。

アルカリ性液体の種類と影響

コンクリートに与える影響は、アルカリ性液体の種類や濃度によって異なります。一般的に、以下のようなアルカリ性液体がコンクリートに悪影響を与えやすいと言われています。

コンクリートをアルカリ性液体から保護するには、以下の対策が有効です。

コンクリートは、強アルカリ性の液体によって中性化が促進され、劣化することがあります。コンクリートをアルカリ性液体から保護するには、適切な対策を講じることが重要です。

もし、コンクリートが何らかの理由でひび割れてしまった場合、簡易的に補修するには、下記の記事が非常に分かりやすいです。

ホームセンターにある材料でコンクリートのひび割れを補修する補法について解説しています。

コンクリートのひび割れを簡易的に補修する方法について解説!家の前の道路のひび割れを直す方法は?

コンクリートが溶ける温度はどれくらい?バーナーで焙ると溶ける?

コンクリートが溶ける温度は、一般的に1300℃~1400℃と言われており、これはコンクリートの主要な構成成分であるセメントの水和物が融解する温度です。

しかし、コンクリートが溶けるかどうかは、温度以外にも以下の要因によって影響を受けます。

バーナーで焙る場合、バーナーの種類や炎の強さ、照射時間などによって、コンクリート表面の温度が大きく異なってきます。

一般家庭用のガスバーナーの場合、炎の温度は1000℃~1300℃程度であり、コンクリートを溶かすほど高温にはなりませんが、業務用の高出力バーナーの場合、炎の温度は2000℃を超えるものもあり、コンクリートを溶かすことができます。

ただし、バーナーでコンクリートを炙ると、ひび割れ・強度低下・有害物質の発生などの問題が発生する可能性があります。

バーナーで焙ると局所的で急激な温度変化によって、コンクリート内部にひび割れが発生しやすくなり、高温にさらされることによって、コンクリートの強度が低下します。

意外に注意したい点が有害物質やガスの発生で、コンクリート中の不純物が高温で分解されて、有害なガスが発生する可能性があります。

結論として、コンクリートが溶ける温度は1300℃~1400℃ですが、バーナーで焙るかどうかは、バーナーの種類や炎の強さ・照射時間・コンクリートの種類などを考慮する必要があります。

また、バーナーでコンクリートを炙る場合は、ひび割れや強度低下・有害物質の発生などのリスクがあることを理解した上で、適切な方法で行うことが重要です。

一旦ここまでの要点を纏めると、コンクリートは熱に弱いというよりは、高温になると強度が低下したり、ひび割れたりしやすいという性質を持っています。

火災の際にコンクリート構造物が倒壊するのは、高温によって強度が低下し、ひび割れや爆裂が発生するためで、高温にさらされることを想定した耐火性の高いコンクリートも開発されています。

固まったコンクリートを溶かすモルタルセメントはがし剤とは?

モルタルセメントはがし剤は、酸性の薬剤を使って、固まったコンクリート、モルタル、タイルなどの付着物を溶かして除去するものです。

主な成分は、塩酸・硫酸・リン酸などの酸と、界面活性剤で、酸がコンクリート中のカルシウムイオンと反応して可溶性の化合物に変換することで、コンクリートを柔らかくし、剥がしやすくします。

コンクリートVSサンポール
垂らした瞬間に目地から泡が出てきた!

用途としては、タイル張替え時の古いタイルやモルタルの除去・コンクリート製の流し台や浴槽の目地の掃除・工具や機械に付着したコンクリートの除去・鉄筋コンクリートの表面処理として利用されています。

種類としては、主に2種類があり、塩酸系は塩酸を主成分としたもので、比較的手軽に使用できますが、金属を腐食させる可能性があるため、注意が必要です。

無機酸系の薬剤は、リン酸などの無機酸を主成分としたもので、塩酸系よりも安全に使用できますが、塩酸系よりも効果が弱い場合があります。

使用方法は、製品によって異なりますが、一般的には以下の手順で行います。

  1. はがし剤をゴム手袋やゴーグルなどを着用して、付着物に塗布します。
  2. 数分から数十分放置して、付着物が軟らかくなるのを待ちます。
  3. ヘラやブラシなどで、軟らかくなった付着物をこすり落とします。
  4. 水で洗い流します。

注意事項としては、以下のような点が挙げられます。

モルタルセメントはがし剤は、強力な薬剤なので、取り扱いには十分注意する必要があり、コンクリートの種類や状態によっては、効果が十分に得られない場合もあります。

モルタルセメントはがし剤以外にも、固まったコンクリートを剥がす方法はいくつかあります。

物理的な方法としては、ハンマーや鑿(のみ)などでコンクリートを砕いて剥がす方法ですが、力仕事が必要な上に、周囲を傷つけてしまう可能性があります。

高圧洗浄機を使用した方法は、高圧の水でコンクリートを削り取る方法ですが、コンクリートによっては効果が十分に得られない場合もありますし、高圧洗浄機程度の水圧でコンクリートを除去することは現実的に難しいです。

ドライアイスをコンクリートに押し当てて凍結させ、破砕してから剥がす方法もありますが、一般的ではなく時間と手間がかかりますし、何より莫大なコストが掛かりますので、家庭レベルでは現実的とは言えません。

どの方法を選ぶかは、コンクリートの種類や状態、剥がしたい面積などを考慮して決める必要があります。

モルタルセメントはがし剤は、固まったコンクリートを溶かして除去する有効な手段ですが、強力な薬剤なので、取り扱いには十分注意する必要があります

また、コンクリートの種類や状態によっては、効果が十分に得られない場合もありますので、他の方法も検討することをおすすめします。

コンクリートを溶かす?サンポールの酸でコンクリートが溶ける危険!まとめ

コンクリートを溶かすのは、サンポールの主成分である強酸だけではなく、アルカリ成分でも、水和物のアルカリ性のバランスが崩れて脆くなる可能性がある事を解説しました。

酸はコンクリート目地には弱い
コンクリート目地は反応性が良い事が確認できる

サンポールの酸は塩酸で、科学的な性質は常温では気体で、水と混ぜると熱を発生させ脱水作用のある硫酸よりも取り扱いが容易であるため、生活の掃除用具として使われる事が多い強酸性の液体です。

サンポールは、主にコンクリートが水和反応を起こし始めた初期の段階で混ぜると反応が大きく、完全に硬化したコンクリートは安定的な物質です。

但し、コンクリート内部には様々な骨材が使われており、特に鉄筋類は酸性の液体に弱く、多孔質であるコンクリートがサンポールを吸収すると、なかなか蒸発されず、いつまでも留まる事で、骨材を酸化させ、構造上の欠陥を引き起こす可能性が高いです。

昔の話ですが、とある罪で逮捕された方が、刑務所内から脱獄する為に、お味噌汁や酢の残りを毎日コンクリートに吹きかけて、もろくなったコンクリートを削って脱獄したのは有名な話です。

コンクリートは高熱を加える事でも溶けだし、おおよそ1300℃前後の熱を加える事でコンクリートの水和物が溶解し始めると言われています。

固まったコンクリートを剥がす方法はいくつかありますが、市販されているモルタルセメントはがし剤を使う事で効果的にコンクリートを剥がす事が期待できますが、コンクリートの種類にもよりますし、強酸性の液体なので、取り扱いには十分注意が必要です。

そのほかにも、高圧の水で剥がす方法や、ドライアイスで冷やして温度変化によるひび割れを利用した方法もありますが、どちらにせよ一般向けの方法ではなく、コストもかかるのでお勧めできる方法ではありません。

コンクリートの清掃目的で酸を使う事は効果的ですが、コンクリートを溶かして壊す用途にはあまり向いていない方法ですので、はつり器を使ってコンクリートをはがすのが最も現実的な方法です。

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