エネルギー変換例で身近なものだと、地熱発電を利用して熱を電気に変換したり、ソーラー発電で太陽エネルギーを電気エネルギーに変換。
石油を燃やして水を沸かして蒸気を作り、タービンを回して電気エネルギーに変換する技術が思いつきますが、私たちの身近なところではまだまだ沢山のエネルギー変換が行われています。
今回は身近なエネルギー変換の面白い技術の一例を、中学生にも判るよにレポートしてみました。
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エネルギー変換例を身近で面白い技術で中学生でも判るようにレポートポイント
- 身近なエネルギー変換事例は圧電効果・光電効果・ゼーベック効果・トムソン効果など身近なところで利用されている。
- このほかにも、磁石とコイルを利用して発電する電磁誘導等様々なエネルギー変換例がある。
- 圧電効果は歪を与えると電圧を発生させ、逆に電圧を加えると歪む。光電効果は光を加えると電圧が発生するが、電圧を加えると光る。ゼーベック効果は異なる金属に温度差を与えると発電するが、電圧を加えると吸熱・放熱する。
エネルギー変換の身近な一例!叩くと電気に変換?圧電効果が面白い!
今回のエネルギー変換でお話しするのは、圧電効果でピエゾ素子などを利用しています。
圧電効果を利用したスピーカーについては以下の記事でも解説しておりますので、ご覧ください。
上記の記事では実際に試していませんが、今回は実際に圧電素子であるピエゾ素子とダイオードとLEDの部品3つを使って叩くいたエネルギーが電気に変換されるのか動画と画像を見ながら実験します。
記事内で解説している通り、圧電素子は叩けばひずみが生じそれが電圧としてエネルギー変換されますし、逆に電圧を加えれば素子の歪が音となり、スピーカーの代わりとなります。
圧電効果によるエネルギー変換技術を身近・手軽に体験するための実験回路図です。
回路図詳細について解説します。
ピエゾ素子で発電された電圧は、ダイオードで一方方向に整流しながらセラコンに流れていきます。
なぜ、ここでダイオードが必要になるのでしょうか?ダイオードは無くてもとりあえず動作はしますが、一応保険の為です。
発光ダイオードにはプラスとマイナスの極性があり、逆に電圧をかけると容易に故障してしまう可能性がある為です。
ダイオードを利用してピエゾ素子から発生した電流がプラスの時しか、発光ダイオードのプラス極に電圧がかからないようにしています。
コンデンサーにある程度貯まった電圧は、ダイオードが放電できる電圧まで充電されると放電します。
一工夫として、発光ダイオードを取り外した状態でコンデンサーに充電後、発光ダイオードを取り付けると、明るくそして長ーく光ります。
発光ダイオードを更に長く、明るく点灯するにはどうしたらいいでしょうか?
中学生ではまだ勉強しない範囲ですが、コンデンサーの直列接続と並列接続の仕組みが分かると、コンデンサーを長く明るく点灯するきっかけの一つになります。
内容はタダの掛け算足し算・分数計算ですので、範囲外とはいえ、中学生にも十分理解できる範囲です。
右は使用したパーツ一覧ですが、ダイオードとコンデンサーは無くてもかまいません。
発光ダイオードとピエゾ素子さえあれば実験する事は可能です!また、これらのパーツ類はダイソーなどの100均の安物の音と光を出すおもちゃなら必ず入っているものですので、100均のおもちゃを分解して実験することも出来ます。
結果はどうなるでしょうか?実際に叩いて点灯している動画を撮影しましたのでご覧ください。
動画でも判る通り、発光ダイオードとピエゾ素子の二つしか使っていませんが、一瞬LEDが点灯している事が分かります。
これが、今回紹介する身近な面白いエネルギー変換の一例です。
- 身近なエネルギー変換の秘密:日常生活に隠された科学
- 電気から熱への変換:家電製品のエネルギー利用
- 化学エネルギーから機械エネルギーへ:車のエンジン
- 太陽光から電気エネルギーへ:ソーラーパネルの仕組み
- 運動エネルギーから電気エネルギーへ:自転車のダイナモ
- 食べ物から人体のエネルギーへ:化学エネルギーの変換
身近なエネルギー変換の秘密:日常生活に隠された科学
エネルギーは、物理的な働きをするために必要な力であり、その形は多様です。
日常生活において、私たちはさまざまな形のエネルギーが互いに変換される現象を頻繁に目にしています。
たとえば、電気を使って家電製品を動かしたり、ガソリンで車を運転したりすることがそれに該当します。
このエネルギーの変換がどのようにして起こっているのか、意識することはあまりないかもしれません。
以降では、私たちの日常に隠されたエネルギー変換の身近な例をいくつか取り上げ、その仕組みを探っていきます。
電気から熱への変換:家電製品のエネルギー利用
まず、私たちが最も身近に利用しているエネルギー変換の例として、「電気から熱への変換」が挙げられます。
電気は多くの家電製品で使われていますが、その一部は熱エネルギーに変換されていることをご存知でしょうか?
例えば、電子レンジや電気ケトル、トースターなどの家電は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して食べ物を温めたり、調理したりします。
この過程では、電気抵抗が重要な役割を果たしています。
電子レンジの場合、マイクロ波を使って水分子を振動させ、その摩擦によって熱が発生します。
電気ケトルでは、電流が金属抵抗体を通過する際に抵抗により熱が発生し、水を加熱します。
化学エネルギーから機械エネルギーへ:車のエンジン
次に取り上げるのは、化学エネルギーを機械エネルギーに変換する例です。
これは、車のエンジンで見ることができます。
車が動くためにはガソリンなどの燃料が必要ですが、これは化学エネルギーの一種です。
燃料がエンジン内で燃焼する際に、その化学エネルギーが熱エネルギーに変換され、さらに機械エネルギーへと変換されて車輪が回転します。
内燃機関は、燃料の燃焼によってシリンダー内のガスを膨張させ、その力でピストンを動かします。
ピストンの上下運動がクランクシャフトを回転させることで、車が前進するのです。
このように、ガソリン車のエンジンは、化学エネルギーをまず熱エネルギー、そして機械エネルギーへと変換する複雑なシステムを持っています。
太陽光から電気エネルギーへ:ソーラーパネルの仕組み
再生可能エネルギーの代表例として、ソーラーパネルは注目されています。
太陽光は自然エネルギーの一つで、これを電気エネルギーに変換することで、私たちはクリーンなエネルギーを得ることができます。
太陽光を電気に変換する仕組みは、「光電効果」という物理現象に基づいています。
ソーラーパネルには、シリコンなどの半導体材料が使用されており、太陽光が当たるとその光子が材料の電子を跳ね飛ばします。
このときに生じる電子の移動によって電流が発生し、電気エネルギーとして利用されます。
ソーラーパネルは、太陽のエネルギーを効率的に電気エネルギーに変換することで、家庭やビジネスに電力を供給することができる画期的な技術です。
運動エネルギーから電気エネルギーへ:自転車のダイナモ
自転車のライトが走行中に点灯するのは、運動エネルギーが電気エネルギーに変換されるためです。
自転車のダイナモ(発電機)は、ペダルを漕ぐことでホイールが回転する際に、その回転運動(運動エネルギー)を利用して電気を発生させます。
ダイナモの仕組みは、回転する磁石がコイルの中で電場を作り出し、これによって電流が生じるというものです。
このエネルギー変換は効率が良く、ペダルを漕ぐ速度に応じてライトの明るさが変わる様子を観察することができます。
これは、運動エネルギーが電気エネルギーに変換される一例で、私たちが自らの体力を使って電力を生み出しているという面白い現象です。
食べ物から人体のエネルギーへ:化学エネルギーの変換
私たちが摂取する食べ物も、エネルギーの変換に大きく関わっています。
食物には化学エネルギーが蓄えられており、消化によってこれが体内で利用可能なエネルギーに変換されます。
このエネルギーは、運動や思考、体温の維持など、私たちの日常活動に必要不可欠です。
体内でのエネルギー変換は、主に「代謝」というプロセスを通じて行われます。
摂取された食物は消化器系で分解され、その中に含まれる糖や脂肪が細胞内でエネルギー源として利用されます。
具体的には、これらの栄養素が細胞内のミトコンドリアでATP(アデノシン三リン酸)という分子に変換され、細胞がエネルギーを利用できる形となります。
このATPは、細胞内の化学反応を促進し、生命活動を維持するために不可欠な役割を果たします。
日常生活におけるエネルギー変換の例は、数え切れないほど存在します。
電気から熱、化学エネルギーから機械エネルギー、さらには太陽光から電気へと、私たちが当たり前に利用しているエネルギーには、複雑で巧妙な変換のプロセスが隠されています。
これらの仕組みを理解することで、私たちはエネルギーの利用効率を高め、より持続可能な未来を築くための一歩を踏み出すことができるでしょう。
身近で面白いエネルギー変換例や技術一覧は他にもある?
今回取り上げたエネルギー変換の身近な例の他にも沢山のエネルギー変換技術がありますので、一覧と用途や仕組みについて解説します。
エネルギー変換の方法は以下で紹介するほかにも、一般的な物として『位置エネルギー』『運動エネルギー』など、様々な方法でエネルギーを取り出すことができ、応用事例も様々です。
アルファマガジンでは、今回紹介していない身近なエネルギー変換の事例について、解説しています。
- ゼーベック効果
- 光電効果
- コイルと磁石を使った電磁誘導作用
ゼーベック効果
これは、温度計などで使われる技術ですが、隣り合わせて互いに違う金属を合せ、そこに熱を加えると温度差の違いが電気エネルギーに変換される仕組みがゼーベック効果です。
電気エネルギーの変換効率が良くCPUのクーラーなどにも使用されています。
この二つの金属の電位差を利用したゼーベック効果の面白い所は、先の説明の様に温度差を加えると、電気エネルギーに変換されますが、逆に電圧をかけると面白い事が起こります。
先ほどは電気エネルギーに変換されたゼーベック効果ですが、逆に電圧を加えると片方の金属が廃熱し、もう片方の金属は吸熱します。
これをペルチェ効果といいます。
CPUクーラーではお馴染みペルチェ素子ですね!電圧を加えると、片方が冷えて固まるほど廃熱します。
廃熱と吸熱の温度差が大きくなればなるほど、効率的に冷やしたり温めたりする事が出来ます。
光電効果
光電効果は最近Youtube界隈で真相不明のCDを使った発電実験が話題ですが、あれはおそらく仕組みとしてこの光電効果を狙ったものでしょう。
金属の表面を磨くと、光エネルギーによって普段は原子核内部に閉じ込められた電子が叩き出される現象です。
この光電効果を狙うには、確かにCDに蒸着された薄いアルミの様にレーザー光の反射側を光に当たれば光電効果で発電が出来そうですが、そもそも電圧を取り出す部分が無いので、フリーエネルギー界隈でよくあるフェイク動画だと思います。
上記がその動画の一例で、他にも似たような動画が沢山ありますがこれで本当に動作するのか疑問です。
もし、光電効果を利用して同じような実験をするならソーラーパネルと逆の仕組みを利用したLEDがお勧めです。
ソーラーは光を受けて発電しますが、LEDは電気を流して発光します。
つまり、このLEDを何個かつなげて光に当てれば、別のLEDを発光させることも出来るという事です。
コイルと磁石を使った電磁誘導作用
コイルと磁石を使った電磁誘導作用もエネルギー変換技術として様々な分野で利用されています。
身近なところで言うと、電線の上にある柱上トランスはコイルの巻き数比に応じた電圧に降圧しますし、最近だとスマートホンが置くだけで充電できるのも、互いのコイルを向き合わせた電磁誘導作用を利用して充電していますし、IHIクッキングヒーターはコイルの中に金属を置くと、磁界を妨げる方向に電流が発生しますが、金属内部で電流が発生した時は金属の電気抵抗が熱に変換される仕組みです。
中学生の頃に勉強した右ねじの法則と同じです。
コイルがあり、そこに磁石を近づけたり話したりすると、磁石の磁束とは反対向きの妨げる方向に、コイル内の磁束が発生します。
他にも核分裂を熱エネルギーに変換する原子力発電等様々なエネルギー変換が私たちの身近で起こっています。
エネルギー変換例を身近で面白い技術で中学生でも判るようにレポートまとめ
身近で面白いエネルギー変換の例についてお話ししました。
ゼーベック効果は、向かい合わせた金属に熱を加えると温度変化が電気エネルギーに変換されますし、逆にこの素子に電圧を加えると、一方の金属が吸熱され、もう一方の金属は発熱するという不思議な現象が起こります。
これらは、私たちが普段利用するパソコンのCPUを冷やす素子としても身近です。
光電効果は、金属表面にあるエネルギーの強い波長の光が当たると、本来は原子核内部に束縛されていた電子が叩き出され、電流としてエネルギー変換される仕組みです。
巷ではYouTubeの再生目的かどうか?CDを使ったフリーエネルギー装置が注目を集めていますが、これと似たような事をしたいなら仕組みがソーラーと同じようなLEDを使用する事をお勧めします。
LEDは仕組みがソーラーと非常に似ているので、逆に光に当てれば電気エネルギーとして変換されます。
他にもスマートフォンの充電や、IHIクッキングヒーター、ACアダプター内部に入っているトランスは、コイルの電磁誘導作用を利用した昇圧・降圧を行っており、自在に電圧をエネルギー変換できます。
まだまだエネルギー変換の技術は沢山ありますが、中学生の皆様のレポートの参考になると幸いです。
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