お部屋の配線、ごちゃごちゃして見栄えが悪いと感じていませんか。
そんな悩みを解決してくれるのが、今話題のダイソーの配線カバーです。
しかし、いざ買ってきて自分で付けようとすると、壁の曲がり部分や部屋の角の処理がうまくいかず、かえって不格好になってしまった、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
特に難しい曲がり部分の付け方を間違えると、せっかくの努力が水の泡になってしまいます。
この記事では、そんなあなたのために、ダイソー配線カバーの失敗しない正しい付け方を、基本から応用まで徹底的に解説します。
人気の黒色や、使いやすい太さ16mm、長さ1mの製品情報はもちろん、床に設置する際のコツや、賃貸住宅でも安心なマスキングテープを使った裏技もご紹介します。
さらに、同じ100均のセリアや、品揃えが豊富なニトリ、専門的な商品が見つかるホームセンターの配線カバーとも比較し、それぞれの特徴を明らかにしていきます。
この記事を最後まで読めば、もう配線カバーの付け方で悩むことはありません。
まるでプロが仕上げたかのように、お部屋の配線をスッキリと美しく整える技術が身につきます。
記事の要約とポイント
- プロ直伝!ダイソー配線カバーの「曲がり」と「角」をキレイに仕上げる付け方のコツを徹底解説。
- 人気の黒・太さ16mm・長さ1mなど、ダイソーで買える配線カバーの全種類と選び方を紹介。
- 賃貸でも原状回復OK!床への設置に便利なマスキングテープを使った驚きの活用アイデア。
- 【徹底比較】100均のセリア、ニトリ、ホームセンターの配線カバー、あなたに合うのはどれ?
スポンサーリンク
ダイソー配線カバーの曲がり・角の正しい付け方と基本
床や壁を這う、あの無機質なケーブルの束。ふとした瞬間に視界に入ると、なんだか部屋全体が雑然として見えてしまうものです。私もこの道に入って30年以上になりますが、キャリアの浅い頃、お客様のオフィスで配線カバーの付け方を失敗し、たった数ミリの隙間を指摘されて顔から火が出るほど恥ずかしい思いをしたことがありました。テレビの裏、パソコンデスクの足元、スマートフォンの充電ケーブル。私たちの生活は便利な配線に支えられている一方で、その存在が美しいインテリアの調和を乱す悩みの種にもなりがちでしょう。そんな時、救世主のように現れるのが、今やDIYの定番アイテムとなったダイソーの配線カバーです。100円という手軽さから、多くの人が手に取りますが、いざ取り付けてみると「角の処理がうまくいかない」「曲がり角でカバーが浮いてしまう」といった壁にぶつかってしまう。実のところ、この配線カバーの取り付けは、シンプルに見えて奥が深い作業なのです。しかし、ご安心ください。この記事では、長年現場で培ってきた私の経験と知識を総動員し、誰でもプロ並みの仕上がりを実現できる、ダイソー配線カバーの基本的な考え方から、難関である曲がりや角の美しい処理方法まで、余すところなくお伝えしていきます。ただ隠すだけでなく、配線をインテリアの一部として美しく見せる。その第一歩を、ここから踏み出してみませんか。配線を整理することは、見た目の美しさだけでなく、足を引っ掛けることによる転倒事故や、ホコリが溜まることによる火災のリスクを軽減する安全対策にも繋がります。東京消防庁の報告によれば、トラッキング現象など電気設備が原因の火災は決して少なくありません。正しい付け方をマスターして、安全で快適な空間を手に入れましょう。
ダイソー配線カバーの付け方!曲がり・角のコツ
ダイソー
配線カバー
付け方
曲がり
角
ダイソーの配線カバーで失敗しないための付け方を解説。人気の黒や太さ16mm、長さ1mといった製品の基本情報から、難しい曲がり部分や部屋の角をキレイに処理するプロの技、さらに賃貸でも安心なマスキングテープを床に使うアイデアまで、写真付きで分かりやすく紹介します。
- これで失敗しない!配線カバーの基本的な付け方の手順
- 最難関!配線カバーの曲がり部分をキレイにカットするコツ
- 部屋の角もスッキリ!ジョイントパーツを使わない処理方法
- 床への設置に便利!マスキングテープを使った賃貸OKのアイデア
これで失敗しない!配線カバーの基本的な付け方の手順
さて、いよいよ実践編です。逸る気持ちを抑えて、まずは基本の付け方から確実にマスターしていきましょう。料理で言えば、火加減や塩加減のようなもの。この基本を疎かにすると、どんなに難しい技に挑戦してもうまくいきません。私が新人だった頃、親方に「段取り八分、仕事二分」と口酸っぱく言われたものです。作業を始める前の準備こそが、成功の8割を決めると言っても過言ではないでしょう。
まず、用意する道具はたったのこれだけです。
- ダイソーの配線カバー
- メジャー
- カッターナイフ(できれば大きめのもの)
- カッターマット
- 鉛筆や細めの油性ペン
- (必要であれば)マスキングテープ、両面テープ
最初にやるべきことは、配線カバーを取り付ける経路の正確な採寸です。ここで手を抜いてはいけません。メジャーを壁にピタリと沿わせ、スタート地点からゴール地点まで、ミリ単位で測ってください。特に、壁の曲がり角や部屋の隅など、経路が折れ曲がる箇所は、それぞれを独立した直線として区切り、一つずつ丁寧に長さを測りましょう。「だいたいこのくらいだろう」という目分量は、後で必ず「数ミリ足りない」「微妙に長い」という悲劇を生みます。
次に、採寸した長さに合わせて配線カバーに印をつけます。この時、鉛筆で薄く印をつけるのがおすすめです。油性ペンでも構いませんが、万が一印が残ってしまうと見栄えが悪くなりますからね。そして、いよいよカットの工程です。カッターマットを下に敷き、印をつけた線に金属製の定規をしっかりと当てます。ここでプラスチックの定規を使うと、カッターの刃で定規自体を削ってしまい、線が曲がる原因になるので避けるべきです。さあ、カッターの刃を新しくしたら、一気に切ろうとせず、まずは軽く刃を当ててスッと筋を入れるような感覚で一度なぞります。焦りは禁物です。2回、3回と、同じ筋の上を繰り返しなぞることで、プラスチックは驚くほど綺麗に、そして安全に切断できます。力を入れすぎると刃が滑って思わぬ怪我をしますから、くれぐれもご注意を。
カットが終われば、いよいよ取り付けです。ダイソーの配線カバーの多くは、裏面に両面テープがついています。この剥離紙を剥がし、壁に貼り付けていくわけですが、ここにも一つコツがあります。一気に全部剥がすのではなく、端から5cmほど剥がして壁にしっかりと固定し、そこを起点に少しずつ剥離紙を剥がしながら、カバー全体をゆっくりと壁に押し付けていくのです。こうすることで、途中で曲がってしまったり、空気が入って浮いてしまったりするのを防げます。まるでシールを貼る時のように、慎重に進めてください。最後に、カバーの蓋(上部パーツ)をパチンと音がするまでしっかりと嵌め込めば、基本的な取り付けは完了です。この一連の流れを体に覚えさせることが、美しい配線処理への確実な一歩となります。
最難関!配線カバーの曲がり部分をキレイにカットするコツ
直線の取り付けがマスターできたら、次はいよいよこの記事の核心、最難関とも言える「曲がり」部分の攻略です。壁に沿って水平に設置していた配線カバーを、床に向かって垂直に下ろす。あるいは、壁の出っ張りを避けて迂回させる。こうした経路の変更点で、多くのDIYチャレンジャーが頭を抱えることになります。私も若い頃は、この「曲がり」で何度も材料を無駄にしました。カットしては合わせ、隙間ができてはまたカットし直し…まるで終わらないパズルのようでした。しかし、いくつかのコツさえ掴めば、この難所は必ず乗り越えられます。
まず、最も重要なのが「角度」です。壁に沿って床に下ろすような90度の曲がり角では、2本の配線カバーの接合部をそれぞれ45度にカットする必要があります。この「45度」をいかに正確に切り出すかが、仕上がりの美しさを決定づけるのです。フリーハンドで45度を切り出すのは至難の業。そこで、ぜひとも導入していただきたいのが「マイターボックス(ソーガイド)」という道具です。これはノコギリやカッターを固定し、正確な角度で材料をカットするためのガイドで、最近では100均やホームセンターで手軽に入手できます。これを使えば、誰でも簡単に正確な45度の切り口を得ることができるでしょう。投資する価値は十分にあります。
マイターボックスがない場合でも、諦める必要はありません。分度器と定規を使って、配線カバーの表面に正確に45度の線を引きます。そして、その線に沿って、先ほど説明したように、焦らず複数回に分けてカッターで切り込みを入れていきます。この時、カバーの側面まで刃が真っ直ぐ入るように意識してください。表面だけ45度でも、断面が垂直でなければ意味がありませんからね。カットが終わったら、切り口の断面を紙ヤスリ(400番程度がおすすめ)で軽く撫でるように研磨します。この一手間が、プラスチックのささくれ(バリ)を取り除き、パーツ同士の密着度を格段に高めてくれるのです。ピタッと隙間なく組み合わさった時の快感は、DIYの醍醐味の一つと言えるでしょう。
ここで、よくある質問にお答えしておきましょう。
-
カッターナイフでうまく切れません。何かコツはありますか?
-
もしかしたら、刃が古くなっていませんか? プラスチックの切断では、刃の切れ味が仕上がりを大きく左右します。作業前には必ず刃を新しいものに交換するか、折って新しい刃先にしてください。また、一度に力を込めて切ろうとすると、素材が割れたり、刃が滑って危険です。前述の通り、最初は軽い力で表面に筋を入れ、その筋をガイドにして数回に分けて切り進めるのが安全で確実な方法です。焦らず、ゆっくりと作業することを心がけてみてください。
失敗を恐れないでください。最初はうまくいかなくても、切れ端などで練習するうちに、必ずコツが掴めてきます。私がそうであったように、失敗こそが最高の教師なのです。完璧な45度カットができた時、あなたの配線カバーはただの目隠しから、部屋のラインを美しく縁取るアートへと昇華するはずです。
部屋の角もスッキリ!ジョイントパーツを使わない処理方法
「曲がり」と並んでDIYユーザーを悩ませるのが、部屋の「角(コーナー)」の処理です。壁の内側に入る「入隅(いりすみ)」と、壁の外側に出っ張った「出隅(ですみ)」。これらの角をどう処理するかで、仕上がりの印象は天と地ほどの差が出ます。もちろん、ダイソーやホームセンターには便利なL字型のジョイントパーツ(マガリ、コーナーパーツとも呼ばれます)が売られており、それを使えば誰でも簡単に角の処理ができます。しかし、真の美しさを追求するならば、あえてジョイントパーツを使わない「留め切り(とめぎり)」という技法に挑戦してみる価値は十分にあります。
留め切りとは、先ほどの「曲がり」で解説した45度カットを応用し、2本の配線カバーを角でピッタリと突き合わせる方法です。なぜ、わざわざそんな手間のかかることをするのか?理由は明快です。ジョイントパーツを使うと、どうしてもその部分だけが少し膨らんでしまい、一体感に欠けるのです。それに対して留め切りで仕上げた角は、まるで一本の材料が滑らかに折れ曲がっているかのように見え、非常にシャープで洗練された印象を与えます。私が手がけるこだわりの強いお客様の現場では、この留め切りでの仕上げが基本でした。
手順は「曲がり」の処理とほとんど同じです。部屋の角が90度であれば、2本の配線カバーの端をそれぞれ45度にカットします。この時、入隅か出隅かでカットする向きが変わるので注意が必要です。簡単な見分け方は、実際にカバーを角に当ててみて、どちら側に刃を入れればピッタリ合うかをイメージすることです。頭で考えるより、現物合わせで確認するのが一番確実でしょう。ここでもマイターボックスが大活躍します。
しかし、ここで一つ、プロならではの注意点をお伝えしなければなりません。それは、「部屋の角は必ずしも90度ではない」という事実です。一見、直角に見える壁でも、古い建物などでは微妙に歪んでいたり、壁紙の厚みで角度が甘くなっていたりすることが珍しくありません。私も若い頃、90度だと思い込んで45度でカットし、いざ合わせてみたら微妙な隙間ができてしまい、親方に「壁を信じるな、メジャーを信じろ」と叱責された苦い記憶があります。
では、どうすれば良いのか。角度が自由に設定できる「自由金(じゆうがね)」や「角度計(プロトラクター)」といった道具があれば理想的ですが、なければ厚紙などを使って角の正確な角度を写し取り、その角度の半分(例えば88度なら44度)でカットする、という方法もあります。ここまでくると少し上級者向けですが、この一手間が「素人仕事」と「プロの仕事」を分ける境界線なのです。ジョイントパーツを使わない処理は、少しの挑戦と手間を伴いますが、その分、完成した時の満足感は計り知れません。スッキリと収まった部屋の角を眺めれば、きっとその苦労も報われるはずです。
床への設置に便利!マスキングテープを使った賃貸OKのアイデア
さて、ここまでは主に壁への取り付けについて話を進めてきましたが、床に配線カバーを設置したいというケースも非常に多いでしょう。特に、スピーカーケーブルや延長コードなど、部屋を横切るように配線せざるを得ない場合、カバーで保護することは見た目のスッキリ感だけでなく、足を引っ掛けて転倒するリスクを減らす安全対策としても極めて重要です。しかし、賃貸住宅にお住まいの方にとっては、床に直接両面テープを貼ることに大きな抵抗があるはずです。「退去時にテープの跡が残ったらどうしよう」「フローリングを傷つけてしまったら修繕費を請求されるかも…」そんな不安が頭をよぎりますよね。
ご安心ください。そんな賃貸住まいの悩みを一発で解決する、魔法のような裏技があります。それが、マスキングテープの活用です。この方法は、私がリフォーム現場で、お客様のデリケートな床材を保護するために編み出したもので、今では多くのDIY好きに知られるようになりました。
手順は驚くほど簡単です。
- まず、配線カバーを設置したい床のラインに沿って、マスキングテープを貼ります。この時、使用するマスキングテープは、配線カバーの幅よりも少しだけ広いものを選ぶのがポイントです。例えば、幅16mmの配線カバーなら、20mm幅程度のマスキングテープが良いでしょう。
- 次に、貼り付けたマスキングテープの上に、強力な両面テープを貼ります。
- 最後に、その両面テープの剥離紙を剥がし、上から配線カバーを圧着すれば完成です。
たったこれだけです。こうすることで、配線カバーの強力な両面テープは床に直接触れることなく、マスキングテープを介して固定されることになります。そして、退去時や模様替えの際には、マスキングテープごと綺麗に剥がすことができるのです。マスキングテープはもともと粘着力が弱く、糊残りしにくいように作られているため、ほとんどの床材で跡を残さずに剥がすことが可能です。
ただし、いくつか注意点もあります。まず、マスキングテープの品質です。あまりに安価なものや古いものは、粘着剤が劣化して床に残りやすくなる場合があります。建築用や車両塗装用など、少し品質の良いものを選ぶとより安心です。また、無垢材のフローリングなど、表面がコーティングされていないデリケートな床材の場合は、念のため目立たない場所で短時間貼り付けてみて、跡が残らないかテストしてから本番に臨むことを強くお勧めします。
以前、あるお客様から「マスキングテープを使ったら、退去時に大家さんから『こんなに綺麗に使ってくれてありがとう』と褒められました」と嬉しい報告をいただいたことがあります。この小さな工夫一つで、あなたは何の心配もなく、床の配線を美しく整理することができるのです。賃貸だからと諦めずに、ぜひこのアイデアを試してみてください。
ダイソー配線カバー曲がり問題を解決!100均・ニトリ・ホームセンター比較
ここまで、ダイソーの配線カバーを使った具体的なテクニックに焦点を当ててきましたが、ここで少し視野を広げてみましょう。実のところ、配線カバーという製品は、ダイソーだけの専売特許ではありません。同じ100均のライバルであるセリア、家具・インテリア大手のニトリ、そして我々プロも御用達のホームセンター。それぞれに特色のある配線カバーが並んでおり、あなたの目的やこだわりに応じて最適な選択肢は変わってきます。
この章からは、いわば「配線カバー選びの探検」です。それぞれの店の特徴を知ることで、あなたはダイソー製品をより深く理解し、あるいは、あなたの部屋にはもっと相応しい別の選択肢があることに気づくかもしれません。30年以上、様々な現場で多種多様な配線モール(プロの現場ではこう呼ぶことが多いです)を扱ってきた私の目から見て、それぞれの店がどのような位置付けにあるのか、比較しながらじっくりと解説していきましょう。
そもそも「モール」という言葉は、建築における装飾的な縁取りを指す言葉が由来とされています。その歴史は古く、配線を保護し美観を整えるという基本的な機能は、今も昔も変わりません。詳しくはWikipediaの「モール (配線)」のページでも概説されていますが、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB_(%E9%85%8D%E7%B7%9A) 近年では材質やデザインが多様化し、我々消費者の選択肢は飛躍的に広がりました。
これから見ていくのは、以下の3つの視点です。
- 手軽さとコストパフォーマンスの100均(ダイソー vs セリア)
- デザイン性とインテリアとの調和を重視するニトリ
- 専門性と圧倒的な品揃えを誇るホームセンター
この比較を通して、あなたの「配線カバー曲がり問題」を根本から解決する最適解がきっと見つかるはずです。単に安いから、近いからという理由で選ぶのではなく、それぞれの強みと弱みを理解した上で、賢い選択をする。それこそが、DIYを成功に導くための重要なステップなのです。さあ、一緒に探検に出かけましょう。
ダイソー配線カバー比較!100均/ニトリ/ホムセン
配線カバー
比較
100均
ニトリ
ホームセンター
ダイソーの配線カバーは本当におすすめ?同じ100均のセリア製品や、品揃え豊富なニトリ、専門的なアイテムが見つかるホームセンターの配線カバーと徹底比較。価格、品質、種類の豊富さなど様々な観点から、あなたの用途に最適な配線カバー選びをサポートします。
- ダイソーで買える配線カバーの種類|太さ16mm・長さ1m・人気の黒も
- 100均対決:セリアの配線カバーとダイソー製品の違いは?
- 品揃えで選ぶならニトリやホームセンターの配線カバーもおすすめ
- ダイソー配線カバー曲がりの付け方まとめ
ダイソーで買える配線カバーの種類|太さ16mm・長さ1m・人気の黒も
比較の旅に出る前に、まずは我々のホームグラウンドであるダイソーの製品ラインナップを改めて詳しく見ていきましょう。「ダイソーの配線カバー」と一括りにしてしまいがちですが、実はいくつかの種類があり、それぞれの特性を理解することが適切な製品選びの第一歩となります。私が現場で材料を選ぶ際も、まずその製品のスペックを徹底的に確認することから始めます。
現在、ダイソーで主に取り扱われている配線カバーは、その「太さ」によって分類できます。最もポピュラーで汎用性が高いのが、今回何度も名前が挙がっている太さ16mm(内寸)のタイプです。これは一般的な電源ケーブルやLANケーブルを2〜3本程度収めるのにちょうど良いサイズ感で、ほとんどの家庭での用途をカバーできるでしょう。長さは基本的に1mで統一されており、これがDIYで扱うには非常に手頃な長さなのです。
そして、忘れてはならないのが色のバリエーションです。定番の「白」はもちろんのこと、最近ではAV機器周りやモダンなインテリアに合わせやすい「黒」も人気を博しています。黒いテレビやパソコンの周りで白いカバーを使うと悪目立ちしてしまいますが、黒いカバーを使えば、機器やケーブルの色と馴染み、存在感をスッと消すことができます。さらに、店舗によってはフローリングの色に合わせやすい「木目調」の配線カバーが置かれていることもあります。壁の色、床の色、そして隠したいケーブルの色。この3つの要素を考慮してカラーを選ぶのが、美しく仕上げるためのセオリーです。
ここで、ダイソーで入手可能な代表的な配線カバーのスペックを一覧表にまとめてみましょう。
| 製品カテゴリ | 太さ(外寸/約) | 長さ | 主なカラー | 価格(税抜) | 特徴 |
| 配線カバー(標準) | 幅16mm x 高さ10mm | 1m | 白、黒、茶 | 100円 | 最も汎用性が高く、基本的な用途に最適。 |
| 配線カバー(木目調) | 幅16mm x 高さ10mm | 1m | ライトブラウン、ダークブラウン | 100円 | フローリングや木製家具との相性が抜群。 |
| 配線カバー(細) | 幅12mm x 高さ7mm | 1m | 白 | 100円 | スピーカーケーブルなど細い配線1本用に。 |
| コーナーパーツ各種 | – | – | 白、茶 | 100円 | 曲がり、入隅、出隅などを簡単に処理できる。 |
(※注:店舗によって在庫状況や取り扱い製品は異なります)
この表を見てわかる通り、100円という価格でありながら、基本的なニーズを満たすための選択肢がしっかりと用意されています。特に、汎用性の高い16mm幅で白・黒・茶の3色が揃っているのは、ダイソーの大きな強みと言えるでしょう。まずはこの基本ラインナップの中から、自分の用途に合った太さと色を選ぶ。それがダイソー配線カバーを使いこなすためのスタートラインです。
100均対決:セリアの配線カバーとダイソー製品の違いは?
さて、同じ100均という土俵で、ダイソーの強力なライバルとなるのがセリアです。DIY好きやインテリアにこだわる層から熱い支持を集めるセリアにも、もちろん配線カバーは存在します。では、ダイソーの製品とセリアの製品、一体何が違うのでしょうか。私も仕事柄、両方の製品を実際に購入し、使い比べてみたことがあります。その経験から言える、両者の微妙で、しかし重要な違いについてお話ししましょう。
結論から言うと、両者の最大の違いは「デザイン性」と「材質のニュアンス」にあります。ダイソーの配線カバーが実用性を重視した、いわば質実剛健な製品であるのに対し、セリアの製品は少しだけデザインに遊び心がある、と感じます。
例えば、セリアの配線カバーは、表面がマットな質感で仕上げられているものがあり、光の反射を抑えることで壁紙などとより自然に馴染むよう工夫されています。ダイソーのものが若干光沢のあるプラスチックらしい質感なのとは対照的です。また、形状もダイソーのものがカマボコ型(半円形)に近い断面であるのに対し、セリアのものはより角が立ったスクエアな形状のものが多く、シャープでモダンな印象を与えます。
材質の面では、セリアの製品の方がわずかに柔軟性が高いように感じます。これは、少しだけカーブした壁面などに追従させやすいというメリットがある一方で、カッターで切断する際にやや歪みやすいというデメリットにもなり得ます。直線の美しさを追求するならダイソー、デザイン性と多少の曲面への対応力を求めるならセリア、といった使い分けができるかもしれません。
両者の製品スペックを比較してみましょう。
| 比較項目 | ダイソー 配線カバー | セリア 配線カバー |
| 主なサイズ | 幅16mm x 長さ1m が主流 | 幅15mm x 長さ1m など、若干細め |
| 材質感 | やや光沢のある硬質プラスチック | マットな質感で、やや柔軟性あり |
| 形状 | 丸みを帯びたカマボコ型 | 角の立ったスクエア型が多い |
| カラー展開 | 白、黒、茶、木目調と実用的 | 白、グレーなど、ニュアンスカラーも |
| 付属品 | ジョイントパーツが豊富 | ジョイントパーツは少なめ |
どちらが良い、悪いという話ではありません。これは完全に「好みの問題」そして「用途との相性」です。例えば、私が以前手がけた北欧風のミニマルな内装のカフェでは、壁紙の質感に合わせてセリアのマットな配線カバーを選んだところ、オーナーに大変喜ばれました。一方で、多数のPCが並ぶオフィスの床配線では、耐久性と直線性を重視してダイソーの製品を選びます。
あなたのお部屋の雰囲気はどちらに近いでしょうか?壁紙はどんな質感ですか?隠したい配線の周りにはどんな家具が置かれていますか?100円という手軽さですから、いっそのこと両方購入してみて、実際に壁に当てて見比べてみるのも一つの手です。この小さな選択が、部屋全体の印象を大きく左右することになるのです。
品揃えで選ぶならニトリやホームセンターの配線カバーもおすすめ
100均の手軽さとコストパフォーマンスは魅力的ですが、もしあなたが「もっとこだわりたい」「特殊な状況に対応したい」と考えるならば、ニトリやホームセンターに足を運んでみることを強くお勧めします。そこには、100均とはまた違った世界が広がっています。
まず、ニトリの配線カバーです。ニトリの強みは、何と言っても「インテリアとの調和」を徹底的に考えている点にあります。自社で販売している家具やカーテン、ラグといった商品と色味や質感を合わせやすいように製品がデザインされているのです。例えば、ニトリの人気の家具シリーズと同じ木目調の配線カバーが見つかったり、絶妙な色合いのグレーやベージュのカバーがあったりします。部屋全体の統一感を何よりも重視する方にとって、ニトリは非常に頼りになる存在でしょう。価格は100均よりも少し上がりますが、その価値は十分にあります。
そして、我々プロフェッショナルの主戦場、ホームセンター。ここはまさに配線カバーのデパートです。サイズ、色、材質、形状、その品揃えは100均やニトリの比ではありません。ダイソーの16mmでは収まりきらないような太いケーブルの束を隠すための幅広タイプ。屋外での使用にも耐える耐候性の高い材質のもの。あるいは、アルミやステンレスといった金属製の、重厚感と高級感を兼ね備えた製品。壁の中の配線工事で使われるような、本格的な電設資材も手に入ります。
私が特にホームセンターで注目するのは、多種多様な「パーツ類」の存在です。T字に分岐させるための「チーズ」、十字に交差させるための「クロス」、配線カバーの終端をきれいに見せる「エンドキャップ」など、100均では見かけないような特殊なジョイントが豊富に揃っています。これらを駆使することで、どんなに複雑な配線経路でも、まるでオーダーメイドのように美しく仕上げることが可能になるのです。
ここで、プロ用のモールと家庭用の配線カバーの違いについて、疑問に思う方もいるかもしれません。
-
ホームセンターにあるプロ用の「モール」と、ダイソーの「配線カバー」の決定的な違いは何ですか?
-
良い質問ですね。一番の違いは「規格」と「耐久性」です。プロが使うモールは、電気設備技術基準などの法令や内線規程に準拠して作られているものが多く、材質の難燃性や絶縁性など、安全に関わる基準が厳しく定められています。そのため、オフィスビルや公共施設など、より高い安全性が求められる場所で使用されます。一方、家庭用の配線カバーは、そこまで厳しい規格はありませんが、家庭内の一般的な用途で安全に使えるよう設計されています。また、プロ用は耐久性が高い分、価格も高価で、切断にも専用の工具が必要な場合があります。DIYで楽しむ範囲であれば、ダイソーなどの家庭用配線カバーで十分な性能を持っていると言えるでしょう。
あなたがもし、「テレビ周りの配線を、まるで壁と一体化しているかのように完璧に隠したい」「部屋の隅から隅まで、一切の妥協なく配線を処理したい」と考えるならば、一度ホームセンターの電設資材コーナーを訪れてみてください。そこにある圧倒的な物量は、あなたのDIY魂に火をつけ、新たな創造のインスピレーションを与えてくれるに違いありません
ダイソー配線カバー曲がりの付け方まとめ
長い道のりでしたが、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。床をのたうつ蛇のようだった配線が、今、あなたの目の前でスッキリと壁に収まっている光景が目に浮かぶようです。この記事では、ダイソーの配線カバーという身近なアイテムを使い、プロ並みの美しい仕上がりを実現するための方法を、私の30年以上の経験を元に、基本から応用、そして製品比較まで、余すところなくお伝えしてきました。
もう一度、大切なポイントを振り返ってみましょう。基本となる直線の付け方では「正確な採寸」と「焦らないカット」が肝心でした。そして、最難関である曲がりや角の処理では、45度に正確にカットするための「留め切り」という技術と、そのための道具の重要性について学びましたね。さらに、賃貸住宅でも安心して床に設置できるマスキングテープを使った裏技は、きっと多くの人の悩みを解決する一助となったはずです。
そして、私たちはダイソーという枠を飛び出し、セリアのデザイン性、ニトリのインテリアとの調和、ホームセンターの圧倒的な専門性という、それぞれの強みを知りました。この知識は、あなたのこれからのDIYライフにおいて、より最適な選択をするための羅針盤となるでしょう。
配線を整理するという行為は、単に見た目を良くするだけではありません。それは、日々の暮らしの中に潜む小さなストレスを取り除き、空間を安全で快適なものへと変える、創造的な活動なのです。今日学んだ技術は、決して難しいものではありません。ほんの少しの知識と、丁寧な作業を心がける気持ちさえあれば、誰にでも実践できることばかりです。
さあ、この記事を閉じたら、メジャーを手に取ってみてください。あなたの部屋は、あなたの手によって、もっと美しく、もっと快適になる可能性を秘めています。失敗を恐れずに、まずは一本、配線カバーを取り付けてみましょう。その一本が、あなたの暮らしを、そしてあなたの心を、きっとスッキリと整えてくれるはずです。あなたの挑戦を、心から応援しています。
参考






コメント