パイプユニッシュをお湯で流してしまった場合、死亡する可能性はあるのかについては、その可能性は高いと言えます。
高温のお湯でパイプユニッシュを流すと、塩素ガスが発生して大変危険です。
また、パイプユニッシュ時間置きすぎ問題や、2時間放置でどうなるかですが、放置すると逆に溶けたごみでパイプを詰まらせる可能性があるので、推奨されません。
他にも注意が必要で、家庭の知恵風呂を見て雑菌を抑えるアルミホイルとパイプユニッシュが反応して、爆発の危険がある水素ガスを発生させます。
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パイプユニッシュをお湯で流してしまった!死亡する可能性は?ポイント
- パイプユニッシュをお湯で流してしまったら、毒ガスの塩素ガスが発生して死亡する危険性がある!
- パイプユニッシュの時間置きすぎや、2時間など放置してしまうとパイプの奥にゴミが詰まる可能性があります。
- パイプユニッシュが配管を傷める事はありませんが、パイプ廻りの目皿の金属を傷める可能性は十分にあるので注意が必要です。
パイプユニッシュをお湯で流してしまったらどうなる?毒ガスで死亡?
結論から言って、あまりに高温のお湯をかけると、塩素ガスが発生して死亡するというのは本当です!
![パイプユニッシュ毒ガス発生の原因](https://jpprepper.com/wp-content/uploads/2024/06/pipeunish-1024x768.webp)
他にも問題があり、熱湯はパイプの配管の接着剤を溶かしてしまったり、貯まったお湯がパイプを変形させる可能性があるので注意が必要です。
但し、これはあくまで排水管の種類がHT以外のもので、茶色の配管のHTは耐熱用の配管なので、HT管で施工されて専用の接着剤でつないでいるなら配管に対する影響はありません。
配管の種類による耐熱温度は下記の記事でまとめていますので、HT管について気になる方は、パイプユニッシュを使う際に、下記の記事も参考にしてください。
メーカーの指示通り、40~50度のお湯ならば問題ないので、バケツに張ったお湯でボトルを温めてから流すと効果的です。
軽い予備知識を踏まえた上で、なぜパイプユニッシュに熱湯をかけるのが危険なのかを解説します。
水酸化ナトリウムと次亜塩素酸塩を混ぜてお湯をかけると、危険です!塩素ガスが発生し、健康被害を引き起こす可能性があります。
塩素ガスがはっせいする仕組みは、水酸化ナトリウムと次亜塩素酸塩を混ぜると、以下の化学反応が起こります。
NaClO + NaOH → NaCl + NaOCl + H2O
この反応によって生成される次亜塩素酸ナトリウム (NaOCl) は、不安定な物質で、熱や光によって分解されやすく、塩素ガス (Cl2) を発生します。
塩素ガスは危険性のあるガスで、刺激臭のある黄色いガスで、目、鼻、喉などの粘膜を刺激し、咳、呼吸困難、肺炎などの症状を引き起こします。
高濃度の塩素ガスを吸い込むと、死に至ることもあり、お湯をかけることで、反応速度が上がり、より多くの塩素ガスが発生する可能性があります。
水酸化ナトリウムと次亜塩素酸塩を混ぜてお湯をかけることは、非常に危険なので、これらの薬品を扱う際は、十分注意し、安全な取り扱い方法を徹底しましょう。
パイプユニッシュは反応性の高い非常に危険な薬品が入っていますので、取り扱いには注意が必要です。
使い方は本家サイトが参考になりますが、使うときは軽く考えず、換気の良い場所で、なるべくゴム手袋やゴーグルを着用した上で使用する事をおすすめします。
飛散して目にかかった場合、あわてて二次災害に繋がる可能性もあります。
パイプユニッシュ時間置きすぎ?2時間放置で配管を傷める可能性!
公式サイトのQA問題にもある通り、2時間も放置すると詰まりを取るどころか逆に詰まり、配管を傷める可能性があります。
![パイプユニッシュを放置して時間置きすぎるとどうなる](https://jpprepper.com/wp-content/uploads/2024/06/drain-pipe-1024x1024.webp)
それならばまだ、2回にわけてやる方が効果的ですが、パイプユニッシュは安い薬ではないので、コストがかかることになります。
パイプユニッシュ公式サイトでは、時間置きすぎるのは推奨されず、最高でも30分前後で洗い流す事と説明しています。
30分以上の放置は、流れたごみが逆にパイプの奥に詰まってしまう可能性もあり、推奨されないとの事です。
排水配管に代表される配管の材質は塩ビパイプで、主にVU管が使われますが(手洗いのみだと途中までVP管の場合もある)、VU管にしろVP管にしろ塩ビパイプは、パイプユニッシュの薬剤に耐性があるので、長時間放置してもパイプが傷むことはありません。
パイプは痛まなくても、流すときに排水溝廻りのステンレス目皿にかかった場合は、金属を腐食する可能性がありますので、注意が必要です。
この場合、長時間放置すると錆びや腐食などの別の問題が発生するので、パイプユニッシュの2時間放置が推奨されない理由です。
また、田舎の場合は、公共の排水管が整備されておらず、各家庭には浄化槽が設置されています。
私の家も浄化槽が設置されていますが、単独浄化槽で昔のタイプの浄化槽ですが、これも公式サイトに記載がある通り、単独浄化槽や合併浄化槽のバクテリアにパイプユニッシュが与える影響は少ないです。
以降予備知識になりますが、なぜ配管内が詰まるのかというと、排水管には虫の侵入や浄化槽からの匂いを防止する為に、トラップがついて居ます。
このトラップがついている事で、悪臭や虫の侵入を防止できますが、水が貯まっているので、大量にゴミや髪の毛などが混じった排水を流すと、排水管が詰まる事になります。
パイプユニッシュに含まれる強アルカリ性の薬剤は、油分やタンパク質を強力に分解する役割があるので、からまった髪の毛が詰まったりした場合は取る事が出来ますが、プラスチック製のおもちゃや金属製のおもちゃが詰まった場合は、異物自体を取り除く必要があります。
パイプユニッシュで溶けるものは?金属が詰まった場合は危険!
パイプユニッシュで溶けるものは限られており、パイプに詰まった全ての異物を溶かす万能の洗浄剤ではありませんし、溶けるものにも注意が必要です。
溶けるものの一つに金属がありますが、この金属が詰まった状態でパイプユニッシュを流した場合、水素ガスが発生して、最悪爆発する可能性があるので注意が必要です。
![強アルカリ性のパイプユニッシュ](https://jpprepper.com/wp-content/uploads/2024/06/pipeunish-explanation-1024x768.webp)
家庭でよくある知恵袋として、台所のシンクには、アルミホイルを丸めていれておくと、溶けだした金属イオンの働きで、細菌の増殖を抑える効果がありますが、もしこのアルミホイルが詰まった状態でパイプユニッシュを使うと大変危険ですので、絶対にやめて下さい。
パイプユニッシュを締め切った室内で使う人がいるとは思いたくないですが、世の中全ての人が薬剤や製品について深い知識がある訳ではないので、注意が必要です。
シンクの廻りに有るモノと言えば、ガスレンジや電子レンジ、照明器具ですが、これらすべて内部でスパークを発生させる可能性があります。
密室で発生した水素ガスが、ガスレンジや電子機器のスイッチを入れたスパークで爆発する可能性があります。
パイプユニッシュとアルミなどの酸やアルカリにも反応しやすい両性金属が化学反応すると、水素ガスを発生させます。
水酸化ナトリウムとアルミが水素を発生させる時の反応式は、以下の2段階に分けて書くことができます。
1. アルミニウムの溶解
2Al + 6NaOH + 6H2O → 2NaAl(OH)4 + 3H2↑
この反応式では、アルミ (Al) が水酸化ナトリウム (NaOH) と水 (H2O) と反応して、水酸化アルナートナトリウム (NaAl(OH)4) と水素ガス (H2↑) を生成します。
生成する水素ガスの量は、反応式からも分かるように、使用したアルミのモル数に対して3倍のモル数になります。
2. 水酸化アルナートナトリウムの分解
NaAl(OH)4 + 2NaOH → 3Na(OH) + Al(OH)3↓
生成された水酸化アルナートナトリウム (NaAl(OH)4) は、水酸化ナトリウム (NaOH) とさらに反応して、水酸化ナトリウム (NaOH) と水酸化アルミニウム (Al(OH)3↓) を生成します。
この反応では、水素ガスは生成されません。
上記の2つの反応式を組み合わせると、以下の全反応式になります。
2Al + 6NaOH + 6H2O → 2Na(OH)3 + Al(OH)3↓ + 3H2↑
この全反応式では、アルミ (Al) が水酸化ナトリウム (NaOH) と水 (H2O) と反応して、水酸化ナトリウム (NaOH) 、水酸化アルミニウム (Al(OH)3↓) 、そして水素ガス (H2↑) を生成することが分かります。
パイプユニッシュをお湯で流してしまった!死亡する可能性は?まとめ
今までの解説から、パイプユニッシュをお湯で流すと場合によっては塩素ガスが発生して死亡する可能性がある事を解説しました。
![浴室排水溝](https://jpprepper.com/wp-content/uploads/2024/02/drain-1024x1024.webp)
パイプユニッシュは強アルカリ性の液体なので、家庭の知恵袋を見てアルミホイルが排水溝のぬめり防止に効果的だからと、入れたアルミが排水溝に詰まった場合は、パイプユニッシュでアルミを溶かそうとすると、パイプユニッシュにはアルミを溶かす効果はありますが、その結果水素ガスが発生して、電子機器のスイッチを入れた瞬間に爆発する可能性についても解説しました。
パイプユニッシュはそのままでも十分な効果を発揮する薬剤なので、つまりの原因が髪の毛や動物性たんぱく質が原因のものであれば、30分程度の流して放置するだけで、詰まりを取る事が出来ます。
2時間放置するのは、配管を傷める事にはなりませんが、別の部分に注意が必要で、排水管周りの目皿には、大抵の場合ステンレスやアルミの金属が使われていますので、こういった金属と反応して、水素ガスが発生したり、金属を腐食させる原因になりますので、長期間の放置が推奨されない理由です。
排水パイプが良く詰まる原因は、S字トラップにあります。
このトラップは、排水の集合管や、浄化槽から上がってくる悪臭や、虫の侵入を防止してくれる効果がありますが、配管がS字状に曲がっており、内部には水が貯まっているので、この部分が原因で流れた髪の毛やごみが詰まって流れない原因になる事があります。
浴槽は外にあるトラップで詰まりを取る事が出来ますし、S字トラップの場合は大抵分解する事が出来ますので、配管を外して内部を洗浄すれば、パイプユニッシュが無くてもより高い効果を期待できます。
その他、排水周りの詰まりや匂い対策についてもまとめた記事がありますので、併せてご覧ください。
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