バルサンを一部屋だけ使ったり、一時間だけ使っても問題ありません。
家具・荷物をそのままで置いたまま使っても、大きな影響が出る事はまれですが、幾つか注意点も存在します。
ペットがいても使えるバルサンでも、使用中は人やペットは別の部屋に移動してから使う事が大前提で、中途半端な時間で使うと薬剤耐性のある害虫を増やす事に繋がる為注意が必要です。
そのまま置いた家具や荷物に与える影響は、ピレスロイド系薬剤がエステル化合物故、水や洗剤に溶解しにくく、油のようなベタつきが残る可能性があります。
そうった場合の掃除の仕方は、エステル化合物がエタノールに溶けやすいという性質を利用して、エタノールを含ませた布で優しくふき取りましょう。
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バルサン一部屋だけや家具をそのままでも使える!家にいても大丈夫?ポイント
- バルサンを一部屋だけ・一時間だけという使い方は薬剤耐性を持った害虫を増やす原因になる!使用時間は守ろう。
- バルサンはペットが家にいても大丈夫で、使える商品も存在するが、使用中は人やペットの移動は大前提!使用後は適切な換気を行う事。
- ペットがいてもつかえるバルサンも販売されているので、ペットがいる場合は、ペット専用の無臭タイプのバルサンの使用をお勧めします。
- 家具をそのまま・荷物を置いたままでの使用も問題ないが、エステル化合物というピレスロイド系薬剤の性質上、油に似たようなべた付きが残る可能性がある。ふき取りはエタノールで!
バルサンは一部屋だけ使える?一部屋だけ使うリスクや注意点
バルサンは勿論、一部屋だけ使えるのでとても便利ですが、一部屋だけ使用するとデメリットもあるってご存じですか?
一部屋だけバルサンを使用する事のデメリットは、バルサンを焚いて居ない一部屋以外に害虫が移動してしまう可能性があるからです。
他にも、バルサンを一部屋だけ使うデメリットが存在します。
薬剤を中途半端に使用する事で、薬剤耐性のある害虫が生まれてしまう可能性が高い事です。
特に、近年話題になっている『トコジラミは薬剤耐性が非常に高い』事で知られていますので、中途半端に一部屋だけ殺虫しても、かえって逆効果になる事も十分にありえます。
また、布団の縫い目に紛れ込んだ小さなダニや、トコジラミのような薬剤耐性が強く、隙間に潜り込んで隠れる害虫は、霧状タイプの薬剤では上手く殺虫出来ない事も多いです。
この場合、中途半端に一部屋だけ使えるから大丈夫!と、安易な考えで使用すると、逆効果になります。
近年のトコジラミは、一般的な殺虫成分であるピレスロイド系殺虫剤への耐性も強く、その薬剤耐性の強さから、『別名スーパートコジラミ』と呼ばれる程です。
バルサンを一部屋だけ使う事で、他に懸念される問題として、一部屋だけ使うと薬剤の濃度が高くなりすぎるという問題があります。
勿論、薬剤の濃度が高い=殺虫効果も高い事は確かですが、下記の見出しで解説した通り、薬剤の濃度が高いという事は、家具や他の日用品に与える影響も大きくなるという事です。
特に、ピレスロイド系薬剤は、化学的には「エステル化合物」に分類されますので、油脂(トリグリセリド)とは異なる構造を持ち油ではありませんが、水に溶けにくいという性質を持っていますので、薬剤が手につくと、油の様にベタベタした不快感が残り、ふき取ってもなかなか薬剤が取れません。
↑これ結構重要で、スプレータイプの薬剤が手について、石鹸で洗ってもなかなか落ちない経験をした方もいると思います。
油ではないので、基本的に洗剤でも落ちにくいのがピレスロイド系薬剤です。
この弱点は、他のサイトや公式サイトにも書かれていないバルサンを含め、ピレスロイド系薬剤の意外な盲点なので、注意する必要があります。
鏡やガラスがあると、とてもベタベタしてふき取ってもなかなか落ちません。
エステル化合物にも様々な種類があり、炭素鎖が長いエステルと短いエステルでもエタノールへの溶解度は異なりますが、洗剤や水で落とすよりはエタノールでふき取った方が溶解しやすいです。
もし、バルサンを焚いた後にピレスロイド系薬剤が家具にべたついてしまった場合は、エタノールを含んだ雑巾やウエスで掃除すると落としやすいかもしれません。
ピレスロイド系薬剤の化学構造の詳細は、国立科学研究所さんが分かりやすいです。
バルサンを一部屋だけ使った場合の効果と注意点
火傷注意
薬剤耐性害虫
家具の変色
臭い
べたつき
バルサンを一部屋だけ使った場合、殺虫効果はゼロではないが、他の部屋に害虫が逃げる可能性もある。また、バルサンに使われるピレスロイド系薬剤は、水に溶けずに拭いてもべたつく可能性があり、臭いも多少残る。
火薬タイプの薬剤は、思わぬ火薬の飛び散りで目を怪我しないように注意が必要な製品。
- バルサンは家にいても大丈夫?殺虫成分から考える安全性と危険性
- バルサンの殺虫成分以外の危険性!火薬を使ったタイプは火傷に要注意
- バルサンの主な殺虫成分と殺虫効果を解説!重篤な症状は無いが危険!
バルサンは家にいても大丈夫?殺虫成分から考える安全性と危険性
バルサンは家にいる虫に効果的な一方、火薬タイプはあやうく目を火傷する事態に発展しました。
バルサンは、家にいても大丈夫な殺虫剤ではありません!
使用されている殺虫成分は一般的なもので、人体に重篤な症状が出るほどのものではありませんが、薬剤の噴霧中は刺激が強い煙が出ます。
公式サイトにも記載がある通り、使用中は人は勿論、ペットも避難させることをおすすめします。
バルサンの火薬タイプの殺虫剤で、危うく失明しかけた時の状況について、詳しく解説した記事はこちらになります。
ロットにもよるのかもしれませんが、私が初めて火薬タイプのバルサンを使った時は、燃えた火薬が目に飛び跳ねて、あやうく失明しかけるところでした。
バルサンの殺虫成分以外の危険性!火薬を使ったタイプは火傷に要注意
私は、古民家で隙間が多い家屋なのでバルサンを常用していますが、一度健康被害以外でめちゃくちゃ危険な目にあったことがありますので、お伝えします。
バルサンの効果は高い一方、こんな危険な物を世に出すな!!というクレームに似た怒りも含まれていますので、まずはそこからお伝えします。
バルサンには、火薬を使用して火薬が燃焼した時の熱で薬剤を拡散させるタイプのモノがありますが、これが本当に危険でした。
原理はマッチと同じで側薬をこすって火を着けるのですが、その時に火薬の部分が破裂して目に飛んできたのです!
その時は、数センチずれて目の下あたりに当たって軽く火傷した程度で済みましたが、眼球に当たって居たら確実に致命傷でした。
おまけに、バルサンは室内で使用する事が前提なので、飛び散った火薬で床も傷つきました。
これがマット等があれば、大火災に発展していても不思議ではなく、こんな危険な商品を世に送り出したバルサンは今すぐ商品の改善をすべきでしょう。
バルサンの主な殺虫成分と殺虫効果を解説!重篤な症状は無いが危険!
上記は、リアルな私のバルサン体験談で、危険な面もありましたがデメリットばかりではなく、効果も非常に高い殺虫剤である事は確かです。
バルサンには、主にピレスロイド系殺虫剤・オキサジアゾール系殺虫剤の殺虫成分が含まれています。
代表的な成分として、メトキサジアゾン(ピレスロイド系)・フェノトリン(ピレスロイド系)・d-d-T-シフェノトリン(ピレスロイド系)が主成分です。
バルサンには、上記のような殺虫成分が含まれている製品が販売されている一方、近年では、殺虫成分を一切含まない「バルサン殺虫成分フリー」も販売されています。
こちらは、界面活性剤によって虫の気門を塞ぎ、窒息させて駆除する仕組みです。
この場合は、薬剤を吸入する心配がないので、ペットや子供がいても安心ですが、界面活性剤も人が進んで吸入する物ではないので、やはり使用中は外出・別の部屋に移動する等の工夫は必要です。
前回の記事で紹介した、アースノーマットにはピレスロイド系薬剤が主に使用されており、この商品は電気により薬剤を加熱して拡散させる方式です。
殺虫剤の成分は、ガスに混ぜたりして噴霧する事は勿論、加熱しても変化しない非常に安定性の高い物質である事がわかります。
バルサンは1時間だけでも効果あり?1時間だけで一部屋だけの殺虫
『バルサンは一部屋だけ使える?一部屋だけだと他の部屋に逃げる可能性』でも解説した事でも触れている事をまずはまとめます。
この見出しの記事内容と同様の理由で、”バルサンを一時間だけ”という、規定用法以外の方法で使う事で、薬剤耐性のある害虫を発生させるリスクがあり、おすすめできません。
バルサンの使用時間は、製品の種類や使用場所によって異なりますが、一般的に煙タイプのもので2~3時間、霧タイプのもので1~2時間程度と記載があります。
霧タイプのバルサンなら、1時間だけでも問題ありません。
しかし、薬剤を長く噴射する時間に比例して殺虫効果も高くなる傾向にあると考えられます。
その為、なるべく外出中に締め切った室内で時間をかけて使う事で、最大限の殺虫効果が発揮できると言えます。
ピレスロイド系薬剤で殺虫出来ない害虫や、効果の無かった害虫は、他のアプローチを行う事で駆除できる可能性も高まります。
殺虫剤に拘らず、害虫トラップを作ってみる事も有効かもしれません。
バルサンは家具をそのままで大丈夫?ペットへの影響は?
変色
べたつき
塗料剥がれ
ペットの健康被害
バルサンは、家にいても大丈夫な殺虫成分を使用していますが、最低限ペットと一緒に別の部屋に移動する事が必要です。
家具に対する影響は、含まれている界面活性剤が塗料を浮かせたりして変色の原因になる他、水溶性ではない薬剤成分がべたつきを起こす可能性があります。
- バルサンは家具をそのままにしても大丈夫?荷物を置いたままの使用
- ペットがいても使えるバルサンは?1時間でもペットは避難推奨!
バルサンは家具をそのままにしても大丈夫?荷物を置いたままの使用
バルサンを使用する時、家具をそのままにしても大丈夫か?
という疑問は生じると思いますが、影響が殆どないが、心配なら移動させた方が良い!と感じます。
バルサンの殺虫成分の一つに界面活性剤がありますが、界面活性剤が塗料に含まれる色素と反応し、変色を引き起こす可能性があります。
界面活性剤が塗膜の接着力を低下させ、剥がれやすくなる可能性があります。
家具を初め、日用品の様々な物には表面に塗装が施されていますので、物によっては変色や剥離を促進させる可能性があります。
特に、高級家具はビニールをかける位の養生は効果的です。
但し、これには逆にデメリットともなります。
家具をビニールでカバーすれば、家具の隙間に隠れている話題のトコジラミや、他の害虫を殺虫出来る可能性が低下するからです。
特に、古い塗料や塗装面の状態が不明な場合は、目立たない場所でテストしてから使用することが重要です。
殺虫剤に含まれている成分は、主に酸性と中性の物が存在しますので、界面活性材以外の主成分にも気を配る必要があります。
日用品の中には、酸性に弱い物質やアルカリ性に弱い物質がありますので、特に影響を受けやすい金属に殺虫成分が触れた場合、酸化したり変色・劣化を加速させる原因になります。
下記に、殺虫成分の酸性・アルカリ性の区分について解説します。
ピレスロイド系・ネオニコチノイド系は中性に近い性質を持っており、有機リン系・カルバミン酸エステル系は酸性または中性のものがあります。
家具をそのままにしてバルサンを焚いても大丈夫か気になる場合は、一度殺虫成分という観点から、薬剤に対する家具への影響を考えてみる事をおすすめします。
ペットがいても使えるバルサンは?1時間でもペットは避難推奨!
ペットがいる家庭でも安心なのが、”界面活性剤タイプのバルサン”ですが、ペットに安心だからと言って、ペットが居る室内でバルサンを使えるわけではありませんのでご注意ください!
あくまでペットや人は、他の部屋に移動した上で使用する事が前提です!
ん?それじゃあ他のバルサンと一緒じゃないか?と、感じますが、使用後も低刺激で人やペットに刺激の少ない成分で作られている、という事です。
バルサンは、様々な価格帯のものがありますが、ペット用のバルサンは他の製品に比べ、若干価格設定が高めな所がデメリットです。
また、ペット用のバルサンは、”主にダニ”に効果的な成分で構成されています。
バルサン一部屋だけや家具をそのままでも使える!家にいても大丈夫?まとめ
バルサンは一部屋だけ使っても問題ないですし、殆どの場合家具や荷物はそのままにして置いたまま使っても問題ありませんが、注意点も存在する事を解説しました。
通常、バルサンは家にいても大丈夫です。
ペットがいても使えるバルサンも存在しますが、どのバルサンにも共通して言える事は、薬剤成分は人やペットが進んで吸入する為の物ではありません。
その為、家にいても大丈夫ですが、別の部屋に移動して使う事が大前提です。
バルサンを一部屋だけ使う事に関しては、問題ありません。
薬剤濃度が高くなり殺虫効果が増す一方で、薬剤成分のピレスロイドが家具やそのまま置いたままの荷物に与える影響も無視できません。
解説した通り、ピレスロイド系薬剤はエステル化合物ですので、水に溶解しにくく、洗剤で落とそうとしても、油のようなべとつきが残ります。
そういった場合は、エタノールを少々家具や荷物にかけてふき取ると大変効果的です!
一部屋だけバルサンを使ったり、一時間だけという説明書きに記載されている規定時間より短めに使ったりすることで、虫が別の部屋に移動する可能性があります。
薬剤が届く前に換気してしまうと、中途半端に薬剤耐性のある害虫を増やす原因になりますので、一部屋だけ・一時間だけと言った使い方はリスクも伴います。
ペットがいても使えるバルサン存在します!
但し、前述した通り、ペットがいても使えるバルサン=同じ部屋で使えるわけではないので、バルサンを使用する時は人やペットを移動した上で使用する事をおすすめします。
ペット用のバルサンは、ダニに効果的な一方で、他のバルサンより価格設定が若干高めなことも覚えておきましょう。
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