平行ネジ・テーパーネジの見分け方と組み合せ!どこまでシールテープを巻くか解説

蛇口配管例 趣味のDIY
並行ネジ・テーパーネジの見分け方は?

水道配管には平行ネジ・テーパーネジを使用したものが使われており、見分け方は、平行ネジが同径のネジでパッキンを使用してシールしますが、テーパーネジは先細りのネジでシールテープを巻いてシールします。

平行ネジとテーパーネジの組合せは可能な場合もありますが、先細りのネジと平行のネジではかみ合わせが中途半端になるので推奨されていません。

平行ネジとテーパーネジをどこまで締めこむかに関しては、パッキンやシールテープを巻いて、工具で締めて動かなくなる位まで締めこみます。

仕組みは、平行ネジがパッキンを押し付けてシールするのに対し、テーパーネジは先細りのネジとシールテープを巻いて密着させます。

また、平行ネジはGネジとも呼ばれ、テーパーネジはR(おネジ)・Rc(メネジ)・Rp(平行めすねじ)の3種類で給水管オスネジ(Pj)といった規格も存在します。

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平行ネジ・テーパーネジの見分け方と組み合せ!どこまでシールテープを巻くか解説ポイント

  • 見分け方は、先端が先細りのネジがテーパーネジで、ネジが同径のものは平行ネジと呼ばれる。
  • 平行ネジとテーパーネジの組み合わせは原則不可だが、可能な場合もある。(仕組み上、かみ合わせが中途半端になる)
  • 平行ネジにはシール材にパッキンを使用し、テーパーネジにはシールテープを巻いてシールします。
  • どこまで締めれば良いかは、各シール材を適切に施工した後、工具で止まるまで締めこみます。
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平行ネジとテーパーネジの見分け方!どこまで締める?仕組みは?

平行ネジとテーパーネジの見分け方や、ネジやナットをどこまで締めこめばよいのか、平行ネジとテーパーネジの水漏れ防止の仕組みについて、仕事やDIYで数々の水道配管を施工してきた筆者が解説します。

平行ネジの仕組みと構造!施工時にどこまで締めこめば水漏れしない?

パッキンを強く合わせる事で止水する仕組みの水栓パーツが平行ネジで、施工時にはパッキンを入れて止まるまで強く締めこみますが、どこまで締めるかの目安は、あまりにきつく締めすぎると内部のパッキンが変形、断裂してしまう原因になるので、腕の力70%位で締めこむのが丁度良いです。

並行ネジとナット
パッキンを入れずに施工するとどんなに締めても漏れてくる
並行ネジバルブ
珍しい平行ネジタイプのボールバルブ

平行ネジとはこのような外観・構造になっており、仕組みはフリーの袋ナットが配管・バルブに通されて、パイプのフランジのツバの部分にパッキンを当ててそのまま締めこむと、パッキンが押し付けられてシールされます。

※尚、フレキ管を適当な長さにカットして施工するには別途下記のフレキ管つばだし工具が必須です。

平行ネジにはのおネジにシールテープは使用せず、付属のパッキンを使用します。

このゴムパッキンは古くなるとかなり劣化して、触ると崩れてくる事が良くありますので、平行ネジ部分から水漏れする場合は、パッキンの劣化を疑いましょう。

並行ネジのパイプとバルブ
両方とも平行ネジでパッキンでシールする

上記の画像は平行ネジを使用した配管とバルブの一例です。

上段の白いつまみが付いたものは水道用のボールバルブで、左がテーパーネジでTSソケットとVP13の塩ビ管で接続されています。

テーパーネジ側の部分は、シールテープを巻いてシールする必要があります。

右側は袋ナット付の平行ネジで、パッキンを挿入して締めこみます。

並行ネジとフレキパイプ
蛇口とフレキパイプは平行ネジで接続されている

元々、ガス配管がついて居たものでしたが使わないので取り外し、代わりに山水を引っ張ってきました。

今は完全に流しっぱなしにしてネコの水飲み場になっています。

平行ネジで取り付けたフレキパイプは、ネコの顔の高さに合わせて吐出位置を調整できるので、ネコ達には大変好評です。

一般的には、給湯器の様に配管の形状が複雑になる部分や、トイレの手洗い水栓の部分にフレキパイプが多様されています。

テーパーネジの仕組みと構造!施工時にどこまで締めこめば水漏れしない?

平行ネジはオネジもメネジも径は変わりませんでしたが、テーパーネジの構造は、画像の様に先端が先細りのネジで、めねじは入り口が広く奥に行くに従って狭くなります。

テーパーネジが止水する仕組みは、径の違うネジを閉め込み、しっかりとネジ同士を密着させて止水します。

テーパーネジだけを密着させれば止水可能ではなく、テーパーネジをどこまで締めこむかの目安は、シールテープを根元までしっかり巻いた上で工具で締めこみます。

テーパーネジの外観
ストレート継ぎ手のテーパーネジ。先端が細い
テーパーネジ水道配管例
普通の蛇口とゲートバルブが接続されたシンク

画像左の部品は、テーパーおネジでストレートの継手です。

水道配管において、継手は主にTS継手とDV継手が存在し、継手の詳しい違いや規格表はこちらの記事でまとめています。

水道配管におけるTS継手やDV継手の違いや種類を解説!

シールテープを巻いてTSソケット側に閉め込みますが、水道配管の様に人間が力いっぱい操作する部分は応力がかかりますので、稀にシールテープを巻いてTSソケットに閉め込んでも止水出来ない場合があります。

シールテープでも止水できない場合は、前回ガス配管の時にも紹介したヘルメチックを塗布してから締めこむと完全に止水が可能です

右は山水の配管例で、一部ボールバルブを使用していますが、たまたま手元にあったのでボールバルブを使いましたが、バルブなら何でも良いです。

ただ私個人の好みとして、バルブはフルボアタイプのボールバルブがお気に入りです。(管の内径が同径の為)

水道配管の具体的な施工例、必要な道具や材料を網羅的に解説!

テーパーネジと平行ネジにシールテープはどこまで何回巻く?

テーパーネジと平行ネジにシールテープは必要で、どこまで何回まけば完全に止水できるのでしょうか?

先ほども少し触れましたが、平行ネジはパッキンで止水するのでシールテープは使いません。

平行ネジはただパッキンを入れて、締めこめば止水可能な仕組みなので、特別な技術や知識は不要ですが、テーパーネジは逆にパッキンが不要でシールテープを巻く必要があります。

シール材各種
シールテープ・エスロン・パッキン

画像上段の材料がシールテープと塩ビ管用のエスロンで、水道配管工事において平行ネジは使わない事も多々ありますが、テーパーネジは水道配管で必ず使うものなので、シールテープとエスロンは必須です。

下の補修パーツと書かれているのはパッキンで、平行ネジ用のパッキンではありませんが、外観は同じです。

テーパーネジにシールテープを巻く時に必ず知って居なければいけない事が、シールテープを巻く方向と巻く回数です。

どこまでシールテープを巻くかに関しては、ネジが切ってあるところ全てにシールテープを巻くのが望ましいです。

巻く方向と回数ですが、締めこむ方向と同じ方向にシールテープを6回程巻きつけます。

この時に、シールテープの偏りが無いように注意しながら巻いていきます。

シールテープを巻く回数には諸説あり、それぞれ職人さんによって意見が変わってくることもありますが、私の考えは、必要最低限の回数だけ巻けば良いと考えています。

シールテープは多すぎればいいというものではないですし、余計に巻けばそれだけ材料費が無駄になり、少なすぎれば止水できず本来の性能を発揮できません。

経験上、6回程度が最低ラインかなと考えていますし、それで今まで問題になったことはありません。

シールテープを専門に取り扱っている『シールテープ.com』さんのサイトでは、シールテープは2,3巻きで十分だという意見もありますが、個人的に2,3回巻は流石に不安というのが正直な感想です。

因みに、シールテープは多い人で12回というのを見たことがありますが、多すぎると失敗した時や経年劣化した場合の清掃が面倒なので、個人的に多すぎも如何なものかと。

VP13伸縮継手(ユニオン)
内部は平行ネジと先細りのパッキンで構成されている

最後に特殊なパーツについて紹介します。

画像は伸縮継手と呼ばれているもので、配管を取り外して清掃する時に非常に便利な継手です。

例えば、私は頻繁に配管内が汚れ清掃の必要がある山水の配管の途中や、自作した山水の浄化フィルターの途中に取り付けて、何時でも浄化装置や配管が清掃できるように工夫しています。

この伸縮継手は、内部に平行ネジが使われており、パッキンも平行ネジのような平パッキンではなく、配管が抜けないように締めこむため、特殊な先細りのパッキンを使用しています。

外観的には水道蛇口内部に使用されている三角パッキンに似ています。

伸縮継手の構造や用途について様々なサイトを調べましたが、工藤建材さんのサイトが1ページに必要な事が集約されていて最も分かり易かったです。

ビニールパイプ補修用バルブ MK HI-RVA - 水道資材の工藤建材
当店は、配管材料を中心に、広く建築材料、電動工具等を販売し、地域の工事店さまを対象にきめ細やかな、サービスをモットーといたしております。

平行ネジとテーパーネジを組み合わせて配管できる?一応可能!

平行ネジとテーパーネジは一応組合せ可能ですが、本来推奨されるやり方ではありませんので、極力避けるべき施工です。

良くない配管例
平行めねじにテーパーネジ。入らないわけではないけど、本来の使い方ではない

今までの解説からも判ると思いますが、ネジ内径が同径の平行のめねじに、テーパーネジを入れたら一部しかかみ合わずに止水が中途半端になる事は言うまでもありません。

シールテープを巻いて強引に止水出来ない事もありませんが、締め付け具合によってはネジ同士を傷める原因にもなるので、これも推奨されない理由の一つです。

画像の様に付けられない事はないですが、左のボールバルブは前の画像でお見せした通り、平行ネジが切ってあるのに、そこに強引にテーパーネジでプラスチックのTSバルブソケットをねじ込んだら、ネジが潰れるのが何となく想像できると思います。

一応、R+Rp(PS)という組み合わせで実現可能ではありますが、接触面積が少なくなる為、仕組み上漏れやすいことは想像に難くありません。

もし、今回の様にテーパーネジと平行ネジを繋ぎたい場合は変換プラグが販売されていますので、変換プラグを一段噛ませてから正しく取り付けるようにしましょう。

ねじの種類呼び径ねじ山数ピッチ呼び径記号用途
R1/8271.127R1/8小径配管
R1/4181.588R1/4中径配管
R3/8162.032R3/8中径配管
R1/2142.540R1/2中径配管
R3/4143.048R3/4中径配管
R1113.810R1大径配管
R1 1/4114.572R1 1/4大径配管
R1 1/2115.334R1 1/2大径配管
R286.350R2大径配管
Rc1/8271.127Rc1/8高圧用小径配管
Rc1/4181.588Rc1/4高圧用中径配管
Rc3/8162.032Rc3/8高圧用中径配管
Rc1/2142.540Rc1/2高圧用中径配管
Rc3/4143.048Rc3/4高圧用中径配管
Rc1113.810Rc1高圧用大径配管
Rc1 1/4114.572Rc1 1/4高圧用大径配管
Rc1 1/2115.334Rc1 1/2高圧用大径配管
Rc286.350Rc2高圧用大径配管
テーパーネジのピッチ

テーパーネジの組合せ

  • RねじとRcねじは、ねじ山数とピッチが同じであれば、互いに組み合わせて使用することができます。
  • ただし、Rねじは低圧用、Rcねじは高圧用なので、使用圧力に応じて適切なねじを選択する必要があります。
  • また、ねじの呼び径と呼び径記号は、必ず一致する必要があります。

テーパーネジの組合せ注意事項

  • R1/2のRねじとR1/2のRcねじは、互いに組み合わせて使用することができます。
  • ただし、R1/2のRねじは低圧用、R1/2のRcねじは高圧用なので、使用圧力に応じて適切なねじを選択する必要があります。
  • 管用ネジ以外にも、さまざまな種類のネジがあります。
  • ネジを選ぶ際には、用途や使用条件に合わせて、適切な種類と規格のネジを選択することが重要です。
  • ネジの締め付けトルクについても、適切なトルクで締め付ける必要があります。
ねじの種類呼び径ねじ山数ピッチ呼び径記号用途
G1/8271.127G1/8流体漏れ防止
G1/4181.588G1/4流体漏れ防止
G3/8162.032G3/8流体漏れ防止
G1/2142.540G1/2流体漏れ防止
G3/4143.048G3/4流体漏れ防止
G1113.810G1流体漏れ防止
G1 1/4114.572G1 1/4流体漏れ防止
G1 1/2115.334G1 1/2流体漏れ防止
G286.350G2流体漏れ防止
平行ネジのピッチ

平行ネジの組合せ

  • Gねじ同士は、ねじ山数とピッチが同じであれば、互いに組み合わせて使用することができます。
  • Gねじは流体漏れ防止用なので、使用圧力は低めです。
  • また、ねじの呼び径と呼び径記号は、必ず一致する必要があります。
  • G1/2のGねじとG1/2のGねじは、互いに組み合わせて使用することができます。
  • Gねじは流体漏れ防止用なので、使用圧力は低めです。

平行ネジ・テーパーネジの見分け方と組み合せ!どこまでシールテープを巻くか解説まとめ

平行ネジとテーパーネジの見分け方と、組み合わせや止水の仕組み、テーパーネジにはシールテープをどこまで巻けば良いかについて解説した事を纏めます。

平行ネジはGネジとも呼ばれ、オネジもメネジもネジの径が一定で、止水にはパッキンを使用します。

パッキンを入れ忘れたまま締めこんでも止水できず、水漏れを起こすので、直ぐにパッキンを入れ忘れたことに気が付くでしょう。

平行ネジ:Gネジは流体用の止水方法なので、使用圧力は低めに設定されています。

用途としては、給湯器・蛇口・トイレやシンク周りの配管の曲がりが複雑な箇所で、フレキ管と共に併用されることが殆どです。

テーパーネジのおネジは、先端に行くほど径の細いねじで、めねじは入り口の径が大きく、奥に進むにつれて径が狭くなっていきます。

ガスや流体どちらでも使用する一般的な管用ネジで、Rネジとも呼ばれる事があります。

テーパーネジの止水の仕組みは、先細りの配管をシールテープで密着させて止水し、シールテープの巻く回数には諸説あり、人に寄りますが、少ない人で2,3回、多い人で12回も巻く人も居るそうです。

私はその中間の6回くらいが経験上適当な回数かと考えています。

テーパーネジにシールテープを巻くときに重要な事についても解説しました。

シールテープをテーパーオネジに巻きつける時に、偏りがない事と、もう一つ重要なのが巻く方向で、ナットを締めこむときと同じ方向に巻きつけます。

なぜ反対巻ではダメなのかについての解説が漏れていましたが、ナットを締めこむ方向と逆にシールテープを巻きつけると、ナットを締めこんだ時にシールテープがヨレてしまい正しくシール出来ない為です。

平行ネジとテーパーネジの組合せは基本的に不可能で、出来なくはありませんが、前述した通り、平行のネジに角度の付いたねじを無理やりねじ込んだら、どちらのネジもつぶれるのは当たり前です。

わざわざ配管やネジをダメにして、水漏れ・ガス漏れのリスクが上がる施工を行う必要は無いので、もし平行ネジとテーパーネジを繋ぐ必要がある場合は、変換プラグを一段噛ませて完全に施工しましょう。

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