引っ掛けシーリングを自分で天井に取り付けるには、既存の照明器具を外して引っ掛けシーリングにする場合と、天井下地に穴あけと配線を行い引っ掛けシーリングを固定する2通りのパターンがありますが、1から自分で穴あけして取り付ける場合、必要な材料は引っ掛けシーリングのソケットとVVFケーブルで、道具は最低限電動ドリル・カッターナイフ・ニッパーが必要です。
既存の天井照明を外して引っ掛けシーリングを取り付ける場合の材料費は110円です。
手順は下地穴あけを始めに行い、VVFケーブルを通したら被覆を剥いて、引っ掛けシーリングに差し込みビスで固定すれば完了です。
注意点は大きく分けて2つあり、感電に注意する事と、固定は天井間柱に引っ掛けシーリングソケットを固定する事です。
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引っ掛けシーリングを自分で天井に取り付ける手順と固定時の注意点ポイント
- 引っ掛けシーリングを取り付ける手順は大きく分けて三つで、下地への穴あけ・VVFケーブルの配線・引っ掛けシーリングのビス止めです。
- 天井固定時の注意点は大きく分けて二つあり、感電と間柱へ取り付けないとビスが効かない材料があるという事です。(石膏ボード等は通常のビスでは固定でいない)
- 引っ掛けシーリングを天井に固定するとにかかる費用は、業者に頼んだ場合相場は5000~10000円ですが、自分で取り付けた場合、材料費の110円だけです。
引っ掛けシーリングを自分で天井に取り付ける時の材料と手順
引っ掛けシーリングを天井に固定する時の材料は、コーススレッドが2本必要ですが、配線を行うには丸端子が2本と引っ掛けシーリングのソケット本体が最低限必要です。
自分で天井に引っ掛けシーリングを固定したい場合、必要な材料と作業手順について解説します。
天井に引っ掛けシーリングの固定を効率的に行う為に、タイムラインで作業の全体像と各作業におけるポイントを把握しておきましょう。
- START天井下地への穴あけ
天井下地への穴あけは必ず天井間柱がある部分に取り付けを行ってください。特に石膏ボード等は厚みがあるもののビスが効かないので、専用のネジやアンカーが必要です。
古民家のキッチンの石膏ボードの下地はかなり細い木が使われているので、注意しないと天井を踏み抜く可能性が高いです。
- STEP1VVFケーブルの増設と固定
天井裏でジョイントボックス内部の既存の配線から分岐させて、今回施工する天井裏穴付近までVVFケーブルをステップルで固定しながら這わせます。
穴あけを先にやった方が何処迄ケーブルを伸ばせるのか把握できるので作業がしやすいです。
- STEP2VVFケーブルの加工
穴を開けた天井裏からVVFケーブルを通して、引っ掛けシーリングのソケットに通します。この時、白と黒の差し込み穴を間違えないように注意。配線の長さにも注意して、短すぎ・長すぎる事の無いように。
- END引っ掛けしーり軍のビス止め
付属の固定ビスを使ってもいいし、コーススレッドやスリムビスでも問題ないが、重要な注意点は天井裏からビスが飛び出さない事。ビスが飛び出すと怪我の原因になるし、VVFケーブルとビスを挟んで踏んだ時に感電・漏電事故の原因になる。
- CHECK天井照明(シーリングライト)点灯チェック
シーリングライトや、ぶら下がりの照明器具を取り付けて、点灯チェックを行う。点灯した状態で少しゆすってみてぐらつきや照明のチラつきがないか確認して問題なければ施工完了。
天井に引っ掛けシーリングを固定する時の材料は?本体とケーブルが主
天井に引っ掛けシーリングを自分で初めから固定する時に必要な材料は主に、引っ掛けシーリングのソケット本体と、付属品の固定用ビス、増設用のVVFケーブルです。
今回は引っ掛けシーリングの取り付けがメインなので、VVFケーブルの配線や固定方法については詳しく触れませんが、VVFケーブルを固定するにはステップルや、配線を分岐させるために必要に応じて差し込み型コネクタ・ジョイントボックス・絶縁被覆付閉端子が必要になる場合があります。
VVFケーブルの配線の種類や接続方法に関してはこちらの記事でまとめていますので、家庭で使用されるケーブルの種類に関して詳しく知りたい方は参考になります。
元々配線されていた天井裏のVVFケーブルを分岐させるのに、差し込み型コネクタや絶縁被覆付閉端子という部品が必要ですが、部品に関する記事はこちらでまとめていますので、配線の分岐方法についての詳細は以下の記事を参考にしてください。
VVFケーブルの固定や分岐方法、必要な部品に関して他の記事で確認して頂くとして、引っ掛けシーリングで必要な部品は下記の画像の2点です。
古い照明器具を取り外して、新しく引っ掛けシーリングを取り付ける場合は、既にVVFケーブルが天井にセットされていますので、VVFケーブルは不要ですね。
その場合、必要な部品は左の角形引っ掛けシーリング本体のみという事になります。
画像に様にご覧いただくと、購入した角形引っ掛けシーリングソケットの本体の他に、取り付け用のビスが付属しています。
今回はパナソニック製の角形引っ掛けシーリングを購入しましたが、購入したい照明器具によってこの引っ掛けシーリングの形状が異なる場合がありますので、先に照明器具を購入して後から引っ掛けシーリング本体を購入する場合は、本当に角形引っ掛けシーリングで取り付け可能かチェックしましょう。
引っ掛けシーリングを天井に固定する時の実際の手順を画像付きで解説
引っ掛けシーリングを初めから取り付けるには、天井の下地に穴を開けてVVFケーブルを天井裏から通す必要がありますので、その作業について2倍材を下地材に見立てて、実際に穴あけから引っ掛けシーリングを天井に固定するまでを網羅的に解説します。
天井下地剤の穴あけに使用したのはマキタのドリルドライバーです。
余談ですが、このドリルドライバーは振動ドリルドライバーとしても使え、コンクリートの下地に穴を開ける事も可能です。
画像は木材用のビットを使用して、下地に穴あけ完了した様子で、VVFケーブルが無理なく通る穴が開いている事が分ります。
穴を開ける方向よっては、下地材のカスが引っ掛けシーリング本体に挟まり、天井照明の傾きの原因となる為、バリ取りはしっかり行いましょう。
ドリルビットの一例で、こちらは木工用で、ビットは材料によって最適な種類がありますので、木工用で金属の穴あけを行ったりしないように注意が必要です。(木工用であれば下記のビットでOKです)
本来取り付けてあるぶら下がりの古い照明器具を取り外した場合、画像の様にVVFケーブルが露出していると思います。
一度照明器具を取り外したら、ケーブルの銅線に傷が無いか確認して、傷がある場合は接触不良で火災の原因になる可能性があるので、もう一度VVFの被覆を剥きなおしましょう。
パナソニックの角形引っ掛けシーリングの在庫を使って、シーリングライト取り付けのデモを行います。
因みに、パナソニックの角形引っ掛けシーリング本体の価格は110円で、ジュース一本より安いですねw
右は、元々ナソニックのシーリングライトに取り付けられていた引っ掛けシーリングのコネクタです。
本当なら本体とセットでシーリングライトがついている所をお見せしたかったのですが、あまりに画像のおさまりが悪いので、コネクタ部分のみとしました。
一例として角形引っ掛けシーリングソケットで取り付けられる照明器具を紹介します↓
続いて引っ掛けシーリングのソケットへVVFケーブルの差し込みです。
画像を少し拡大して頂くと分かりやすいですが、ソケットの右側差し込み穴には『設置側』という記載が確認できますでしょうか?
設置側とはVVFケーブルのアース側の事で、白色の線が設置側という事になりますので、間違えて配線しないように注意しましょう。
間違えて白と黒の配線を逆にしても問題ありませんが、もし通電時に照明器具を分解して活線の向きが逆になると、意図せず感電する原因となる事があります。
VVFの被覆はカッターでもニッパーでも剥く事が可能ですが、電気工事を実際に行うときは、会社でエスコのVVFストリッパーを使っていました。
これがあれば面倒な被覆剥きも一発です!
VVFケーブルをソケットへ差し込みが完了した状態です。
本当ならもっと奥まで差し込めますが、今回はデモで適当に配線を剥いたため、奥まで入りきらずに中途半端な位置で止まってしまいました。(むき出しの配線が確認できるのは悪い状態です)
エスコのVVFストリッパーは1万以上してプロ仕様ですが、下記のような3000円前後の安価なストリッパーでも十分です。
引っ掛けシーリングのワンポイントアドバイスとして、VVFケーブルを差し込むと取り外しに悩む方がいる様ですが、その心配はありません。
写真を見るとオレンジ部分と、その下に『配線はずし穴』という記載が見え、その上にオレンジ色の突起があります。
この突起をマイナスドライバーで押しながら配線を引っ張ると簡単に抜く事が出来、抜いた後の配線は余程傷が無い限り再利用は可能です。
作業時の安全性を確保するために便利なのが検電器で、これで本当に通電していないか最終的な確認を行えます。
最後に引っ掛けシーリングをねじ止めすると施工完了ですが、ビス止め時にも注意点があり、ビスで引っ掛けシーリングを固定した時に、画像の様に下地材からネジがはみ出さない長さのネジを選択する事で事故防止になります。
当たり前ですがネジが飛び出していると、暗い天井裏ですので、ビスを踏んで怪我をする可能性があります。(職人さんによっては地下足袋で作業する方も多い)
経年劣化して錆びたビスは破傷風の可能性がある為、大変危険ですし、第一飛び出したビスとVVFケーブルが重なって踏んだら、感電+怪我で更に危険度が増しますので、自分以外の職人さんへの安全配慮も大切です。
どんな硬い下地でも180N・mのパワーがあれば十分ですし、18V 6Ahのバッテリーが2個も付属しているので、連続して充電しながら沢山の施工を行う場合に重宝するマキタのインパクトドライバーで、私も使用しています。
ここまでくると、普通の照明器具の取り付けですので問題ないと思います。
購入時に照明器具本体と画像のようなコネクタが付属していますので、しっかりと差し込んで左へ回します。
左へ一杯まで回すとコネクタがロックされて、どちらに回しても引っ掛けシーリングソケットからコネクタが外れる事は無くなります。
画像の黒いボタンはロック解除時のボタンですので、取り付けた後にロック解除ボタンを押さないように注意しましょう。
尚、引っ掛けシーリングソケットに取り付けられるのは、シーリングライトだけではありません。
下記のようなペンダントライトも取り付ける事が出来ます。
画像でも解説がありますが、コネクタを右に音がするまで回すとロックが完了して外れなくなりますので、もし引っ掛けシーリングから照明器具本体を取り外したい場合は、ロック解除スイッチを押しながら回すと取り外す事が出来ます。
以上で引っ掛けシーリングの取り付け全行程が完了しましたので、最後に『照明器具のぐらつきが無いか』『点灯するか』『点灯時にちらつきが無いか』を確認して、完全に施工完了となります。
電気工事に従事している方には珍しくもないつまらない内容だったと思いますが、取り付け方をここまで細分化して解説した記事は中々ないので、初めての方の参考になれば幸いです。
引っ掛けシーリングを取り付ける時の工事費用はどれくらい?
何もない状態から新たに引っ掛けシーリングを取り付ける場合、作業工賃は全体的に5000円から10000円前後の取り付け費用が相場と言われています。
先ほども解説した通り、既存の古い照明器具を取り換えて新たに引っ掛けシーリングにする場合、剤浪費はたった110円ですが、工事を依頼すると10000円!100倍の料金がかかる事が分ります。
株式会社IM創建さんのサイトが文字化けしていますが、タイトルに『シーリングライトの取り付けにはいくらかかる?~工事費用の相場と安く抑えるコツ~』と記載されています。
アクセスすると別ページへ飛びます。
電気工事の免許を持っていれば、この工賃を丸々節約して材料費だけに抑えることが可能なので、電気工事士の免許取得をお勧めします。
電気工事の免許は田舎暮らしで自分でDIYをするなら必須の国家資格ですので、取得しておいて損はありません。
引っ掛けシーリングの天井ソケットの種類について解説
引っ掛けシーリングの天井ソケットについて調べていると、丁度『【2024年度版】引掛けシーリング・ローゼットについて』という記事がありましたので、オリンピア照明株式会社のサイトを参考に解説させていただきました。
▼画像引用:MotoM(モトム)【オリンピア照明株式会社】様より引用
流石、照明器具の専門サイトというか、全てのオリンピア照明株式会社の運営するウェブサイトMotoMでは、引っ掛けシーリングの種類について網羅しています。
私が今回解説したものは、オリンピア照明様から引用させて頂いた画像の右上部分だけです。
重要な事は、照明器具を選んでから引っ掛けシーリングのソケットを選ぶのか、それとも引っ掛けシーリングを取り付けてから照明を選ぶのかになりますが、お気に入りの照明を取り付けたいのであれば、当然、照明器具を選んでから取り付ける引っ掛けシーリングのソケットを選ぶ事になります。
引っ掛けシーリングを天井に固定時の下地や感電の注意点を解説!
引っ掛けシーリングを天井に固定したい場合、大きく分けて注意点が二つあり、下地の種類と感電には注意して作業を行う必要があります。
下地が石膏ボードの場合は崩れやすい素材ですし、ベニヤ板のような薄い素材では全くネジが利きません。
感電にも注意する必要があり、引っ掛けシーリングの施工を行うという事は、配線がむき出しになるので、必ずブレーカーを切ってから感電に注意して作業する必要があります。
その他の注意点としては、天井裏の材質や柱の種類によってはかなり踏み抜きやすい材質になっているので注意が必要です。
特に、古民家で使われている古民家の石膏ボードはもろくなっている事が多く、天井の下地や柱が細いので、高確率で踏み抜く可能性が高いです。
感電に関する注意点は、作業時にブレーカーを落とす事は当然として、他にも引っ掛けシーリングのソケットを固定した時に、下地材から天井裏へビスがはみ出さないようにする事がポイントです。
タイムラインでも解説しましたが、天井裏にビスが飛び出すという事は、踏んで怪我をする可能性が高いですし、もし、ビスとVVFケーブルを挟んで踏んでしまった場合、感電や漏電事故の危険性があるからです。
もし、はみ出たことを確認したら、マルチツールやサンダーではみ出たビスの頭をカットしましょう。
感電の確認は、検電器でも可能ですが、定番のデジタルテスターでも確認可能です。
作業はやりっぱなしではなく、後々の事を考えて事故を未然に防ぐ施工をするのが、重要な注意点(作業ポイント)と言えます。
引っ掛けシーリングを自分で天井に取り付ける時の工具は?
引っ掛けシーリングを自分で天井に固定するには電動工具が必要です。
ドライバーでも取り付けられない事はありませんが、上を向いた無理な姿勢で長いコーススレッドをドライバーで地道に固定するのは、作業時間や効率的にもお勧めできませんので、インパクトドライバーは必須の工具です。
また、配線をカットしたり端子を取り付けるには専用のカシメ工具も必要になってきます。
引っ掛けシーリングのコネクタ部分は、むき出しのVVFケーブルを差し込むだけでロックされるので特別な配線の加工は不要です。
天井に引っ掛けシーリングの配線も固定用の穴も無く、自分で引っ掛けシーリングをイチから取り付けるには、天井下地への穴あけにドリルドライバーと、引っ掛けシーリングのビス止め時にインパクトドライバーを使用します。
配線の加工は電気工事用の専用工具がありますが、カッターやニッパーだけあれば配線の加工は可能です。
下記はマキタ最強の40Vインパクトドライバで、主にプロ用でDIY用途ではオーバースペック気味です。
引っ掛けシーリングを自分で天井に取り付ける手順と固定時の注意点まとめ
自分で天井に引っ掛けシーリングをイチから固定する、取り付けの手順や工賃相場について解説しました。
既存の照明器具を取り外し、新しいシーリングライトを取り付ける場合に引っ掛けシーリングソケットが必要となりますが、この場合の材料費はなんと110円です。
引っ掛けシーリングソケットは、どこの小規模なホームセンターでも必ず販売している住宅家電用のパーツなので、ホームセンターに寄った時にどのような物か確認してみると良いでしょう。
業者に頼んだ場合、出張料+技術料+材料費で約5000円から10000円前後が相場と言えます。
自分で最初から天井に穴あけを行い引っ掛けシーリングを固定する場合、間柱への穴あけを行った後、既存のVVFケーブルから分岐させて、目的の天井穴まで配線します。
穴あけ時の注意点として、必ず間柱に穴あけを行い、引っ掛けシーリングは間柱にビスで固定する必要があります。
石膏ボードや薄いベニヤ板ではビスが効きませんので、照明器具が落下する可能性があり危険です。
また、キッチンの天井裏の柱は薄いことが多いので、踏み抜かないように注意が必要なのと、ビスで引っ掛けシーリングソケットを固定した時に、ビスが天井裏へ飛び出さないように注意する必要があります。
作業する時はブレーカーを落とし、検電器などで電源が全く来ていないことを確認し、感電に注意して作業しましょう。
引っ掛けシーリングソケットの種類については、幾つかありますが、先にお気に入りの照明器具を選択してからソケットを選ぶのが確実ですが、角形引っ掛けシーリングソケットで殆どの照明器具が対応可能だと思います。
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