網戸に虫除けは効果なしなばかりか、網戸を劣化させる原因になります。
その理由として、成分に含まれるケロシンが挙げられ、ケロシンは網戸のプラスチックに溶剤のように働くので、網戸を溶かし劣化を加速させます。
更に、水に溶けにくピレスロイド系薬剤やケロシンは、ガラスにかかるとベトベトして落ちず、放置するとほこりやごみで汚れやすくなります。
含まれる薬剤も単一で効果が薄いばかりか、中途半端に殺虫された害虫は、薬剤耐性のある個体を生み出す原因になります。
この記事では、虫こないアースの『網戸・ガラス窓に』という製品を実際に購入して、本当に網戸に虫除けは効果なしなのか?検証した結果を解説します。
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網戸に虫除けは効果なし!網戸に虫よけスプレー薬剤が付着しないワケポイント
- 網戸に虫除けスプレーが効果なしの原因は薬剤が単一成分で網戸もプラスチックの為薬剤がしみ込まず定着しにくい。
- 網戸・ガラス用の虫除けスプレーは、成分に水に溶解しにくいケロシンやピレスロイド系薬剤を使用している為、使用後の掃除の手間がとても大変。
- 網戸用の虫除けスプレーは単一での効果期待できず、他の薬剤や虫よけ製品と併用して使用する事をおすすめ。
網戸に虫除けスプレーが効果なしの理由はプラスチックで目が粗いから
網戸に虫除けスプレーは効果なしどころか、あまりお勧めしたくない方法なので、その理由を解説します。
まず、第一に網戸に虫除けスプレーを噴射しても、網戸は網戸の目が粗いですし、網戸の繊維が細く、プラスチックなので薬剤が浸透しない事が挙げられます。
実際、網戸に虫除けスプレーを噴射してみると分かりますが、薬剤が殆ど拡散してしまい、網戸に付着しておらず、”見た目的にも効果なし”という感じがします。
薬剤がかかる面積が少ないという事は、網戸に虫除けスプレーを噴射しても虫除け効果がすくなくなる原因です。
他にも網戸に虫除けスプレーをおすすめしたくない原因として、網戸を外してからスプレーしないと、ガラスが汚れたり曇ったりする原因になるからです。
これ、アース製薬の『虫こないアース 網戸・窓ガラスに』っていう製品の成分をみるとその理由がわかるのですが、なんと、窓ガラスに付着させる製品にもかかわらず、成分の一部に石油由来の『ケロシン』が使われているのです!
いやぁ、これじゃあ網戸だけじゃなく、窓ガラスがべったべたになるのも無理ありません。
オマケに、成分のもう一つに虫除け成分では典型的なピレスロイド系薬剤が使われているのですが、このピレスロイド系薬剤は水に溶解しにくい性質があるので、水ぶきではなかなか落ちません。
この、アース製薬で販売されている虫こないアースを使うのであれば、使用後の掃除の手間を覚悟の上で使わないといけません。
因みに、この成分(ピレスロイド・ケロシン)を綺麗に除去するにはエタノールが一番ですが、高価ですし窓ふきにエタノールを使うのはちょっともったい無いです。
おそらく多くのユーザーはこの事実について知らず、窓ガラスや網戸にスプレーして放置していると思いますが、そうすると更に別の問題が発生します。
網戸にケロシンを吹きかけると、虫来ないアースに含まれるケロシンがプラスチックに溶剤の様な役割を果たし、網戸が通常より速いスピードで劣化します。
それだけではありません!油でベッタベタになった網戸やガラスを想像してください。
窓や網戸は外に取り付けられているものなので、吹きかけたところに埃やごみがくっつき易くなり、めちゃくちゃ汚れます。
こうした理由から、網戸に吹きかけるだけ!手間いらずのようなキャッチーなフレーズで販売されている製品ですが、実際は『防虫効果が低いばかりか、網戸を通常より早いスピードで劣化させ、掃除も大変!ゴミも付きまくる』という、費用対効果があまりにも低い虫除けスプレーである事がわかります。
このスプレーを使う位なら、窓際にベープか蚊取り線香を置いた方がまだ効果が高いのではないか?と、感じてしまう位です。
私も、ブログネタに一本買ってみましたが、虫除け効果はあまりにも低く夜中には照明に寄せられた虫が網戸に貼りつく始末です。
この記事はアース製薬の全ての商品を否定するつもりはありませんが、虫こないアースに関しては、上記の理由から網戸や窓にスプレーする位なら、外壁やコンクリート周りに噴射した方が薬剤の防水効果も期待でき、効果が高いのでは?と、感じています。
この薬剤を外壁にスプレーするメリットは、多孔質のコンクリート内部に浸透して防水効果が期待出来るのと、外壁に登ってくる危険なムカデやそのほかの害虫の侵入を防止できる点です。
私はこのスプレーを試しに一回使い、後は外壁にスプレーするようにして使っています。
虫除け成分で安全性が高いものにハッカ油があります。
ピレスロイド系薬剤の様に殺虫効果は期待できませんが、その分ペットや子供のいる家庭でも使う事が出来ます。
正直、吹きかけるならガラスや網戸ではなく、コンクリート基礎の方がメリットが大きいと感じる。
最大の弱点は、網戸では薬剤がつきにくく、最大限の効果を期待できない点にある。
前述した通り網戸なら判り難いですが、ガラスにかかると石油由来のケロシンは、ガラスがべったべたになります。
因みに、ケロシンは航空機の燃料にもつかわれている可燃性の高い物質です。
ここまで解説した、網戸に虫除けスプレーは効果なし!の理由を簡単にまとめます。
まず、効果なしと言われる理由については、目の粗い網戸にそもそも薬剤が付きにくいという事です。
次に、ついたとしても、中に含まれているケロシンがいつまでも残り、網戸がべたべたしてほこりや汚れが付着しやすくなります。
おまけに、灯油はプラスチックに対し溶剤としての役割を果たすため、網戸の劣化速度を速める原因となります。
網戸を汚す原因は、ケロシンだけではありません。
水に溶解しにくいという油のような性質をもった、ピレスロイド系薬剤も曲者で、また油とは異なるべとつきを網戸に与えます。
全く効果がないとは言い切りませんが、ほかのアース製品に比べ、素人目にもあきらかに効果がなし!という事が言えます。
もし、噴霧するなら網戸よりコンクリート基礎のほうが良い理由についても解説しました。
アース網戸に虫除けが効果なしの理由
汚れが付着
薬剤効果が弱い
べたつき
劣化
灯油臭い
今回、網戸に虫除けが効果なしか検証する商品は、アース製薬から発売されている商品をもとにしています。
- 網戸に虫除けスプレーをするなら斜めからすると薬剤がかかりやすい
網戸に虫除けスプレーをするなら斜めからすると薬剤がかかりやすい
虫こないアースの網戸用のスプレーは他のアース製薬で販売している殺虫スプレーに比べ、特に効果が弱く感じます。
実際、このアース製薬で販売されている網戸用の殺虫スプレーを直接ハエやゴキブリに吹きかけても、全く死ぬことはありません。
ピレスロイド系薬剤にも関わらず、殺虫出来ないとは致命的な欠点のように感じます。
このスプレーをどうしても網戸に使いたい場合、弱い効果を最大限高める為に、網戸に対して斜めからスプレーする事で、正面からスプレーするよりも薬剤を効率よく網戸に付着させる事が出来ます。
もし、私の様に網戸やガラスに吹きかけるのに抵抗がある場合、コンクリート基礎にかける事へのメリットをもう少し詳しくお話しします。
虫こないアースの網戸用スプレーに使われているシフルトリンは様々な害虫に対して効果がある薬剤で、水に溶けにくい性質のある薬剤です。
一緒に含まれているケロシンと相互作用して、より水をはじく性質が強化されます。
従って、多孔質で水がしみ込みやすく湿気の原因となりやすいコンクリート基礎にスプレーする事で、多少の防水効果が期待できます。
更に、このシフルトリンは、地を這う害虫で特に危険な『ムカデ』や、不快害虫である『ゴキブリ』にも効果がある点です。
直接吹きかけても殺虫する事の難しい製品ですが、忌避効果は期待できるので、より害虫の侵入を防ぐ効果が期待できます。
網戸に貼るタイプの虫除けは効果なしか?他薬剤と併用がおすすめ
一方、網戸にスプレーするタイプより手間いらずで、効果が高く長持ちし易い製品がアース製薬から販売されているアース虫除けネットです。
両面テープがついており、網戸に張り付けるだけですので手間もいりませんし、簡単に剥がせるのでスプレータイプのように、ケロシンで網戸を劣化させる心配もありません。
ただ、一つデメリットを上げるとコスパが高い点です。
イチオシしたい点が、虫こないアースの網戸用スプレーに比べて、殺虫成分が多い点で、プロフルトリン、エムペントリン、トランスフルトリンが配合されており、この配合はアースオリジナルの処方と公式サイトで宣伝しています。
薬剤の成分が多いという事は、それだけ殺虫能力や忌避効果が高く、一つの成分では中途半端な耐性害虫を生み出す可能性もありますが、確実に殺虫する事で耐性害虫の発生を防止できます。
網戸用の製品は製品仕様上、どうしても他の製品に比べて殺虫効果が低くなりがちですが、他の殺虫グッツと併用する事で、高い殺虫効果や忌避効果が期待できます。
その具体的な方法として、アースノーマットや蚊取り線香と併用する事でより高い殺虫効果が期待できます。
アースノーマットや蚊取り線香は熱で直接薬剤を揮発させているので、自然に揮発するタイプのアース虫除けネットはどうしても仕組み上効果が劣ります。
暑い夏の夜に網戸だけで寝たい気持ちも分かりますが、害虫は意外にも網戸の小さな隙間からも簡単に侵入してくるものですので、確実に害虫の侵入を防止するのであれば、結局のところ窓を閉めて害虫の侵入を防ぐのが最も効果的な対策と言えます。
- 窓に虫を寄せ付けない方法!夜は窓付近の照明を消すのが一番効果的
窓に虫を寄せ付けない方法!夜は窓付近の照明を消すのが一番効果的
窓に虫を寄せ付けない一番確実な方法が、夜は網戸や窓付近の照明を消すのが一番です。
電撃ラケットの記事でも解説しましたが、虫は主に光から発生した電磁波の一種である紫外線(UV)に引き寄せられてきます。
上記の記事で書いてある事を少し要約すると、虫が集まりやすい照明の代表は蛍光灯や水銀灯、白熱電球です。
なぜ、これらの照明に虫が引き寄せられるのかという事を物理的に解説すると、蛍光灯や水銀灯に代表される放電管内部では、電子を蒸発した水銀にぶつけ、その水銀から発生した紫外線を蛍光塗料にぶつけて励起から基底状態に戻るときのエネルギーを光としています。
このステップで照明の放電管は点灯しているので、どうしても光に紫外線が含まれてしまうのです。
対して新しい照明であるLEDは、放電管とは発光原理が全く異なり、PN接合半導体を貼り合わせて電気を流すと、半導体の境界付近で電子が再結合した時のエネルギーを光としています。
LEDの詳しい発光原理に関しては下記の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
早い話が、虫が寄ってこない照明が欲しいならなるべくLEDを選べって事ですが、LEDも完ぺきではありません。
蛍光灯や水銀灯に比べれば虫が寄り付く量は少ないですが、それでも全ての害虫を防ぐことは出来ません。
因みに、この性質を逆に利用したのが電撃殺虫器(電撃殺虫灯)で、虫が寄り付きやすい紫外線をあえて出して、寄ってきた虫を電撃で殺虫します。
電撃殺虫器から出るのは紫外線ですが、この蛍光ランプの表面に蛍光物質を塗布すると、普段私たちが照明として利用している蛍光灯が出来ます。
ただし、紫外線に代表されるUV光は目や皮膚には非常に有害な電磁波ですので、長時間見続けると目の角膜を損傷しますので、注意が必要です。
他にも、ちょっとした光に対する豆知識として、LEDで選択的に紫外線を発生させる事が出来、LEDは他の電撃殺虫器に比べて低消費電力で高効率なデバイスなので、常時の殺虫にはもちろんの事、電池で動くポータブル向きな電撃殺虫器にも使われます。
あ、後もう一つ!網戸ってプラスチックで出来ていますよね?プラスチック製品は一般的に紫外線に弱い事で知られています。
特に、放置して劣化した網戸がグズグズに崩れていくのは紫外線での劣化が原因です。
洗濯ばさみですら、日に当てっぱなしにするとボロボロになって粉になって崩れるのと同じです。
つまり、選択的に紫外線を出している電撃殺虫器を網戸のそばに置くと、網戸を劣化させる原因になるってことです!
網戸に虫除けは効果なし!網戸に虫よけスプレー薬剤が付着しないワケまとめ
これまで、網戸に虫除けは殆ど効果なし!な一方、デメリットが多い事について解説しました。
今回私が効果検証の為に購入した『虫こないアース 網戸・窓ガラスに』という製品ですが、網戸や窓ガラスに使えると書いてあるにもかかわらず、使用されている成分には石油由来のケロシンが使われ、ケロシンはプラスチックである網戸の繊維を溶かし、劣化を加速させ、寿命を極端に低下させます。
他にも、ケロシンは石油由来なので使った後の掃除が大変です!油でベタベタになるのは勿論、水でふき取っても取れないので、エタノールを使うか、しつこい場合はアルカリ性洗剤で溶かして掃除するしかありません。
網戸に吹きかけるのは一瞬ですが、使用後の手間があまりもデカすぎる製品と言えます。
他にも、この製品には殺虫成分が一種類しか含まれておらず、殺虫効果が弱く実際の所忌避効果しか期待できません。
ピレスロイド系薬剤が入っているのに殺虫効果が弱いなんて、人にも環境にも致命的ですね。
網戸に虫を寄せ付けないようにしたいなら、この製品だけでは効果が弱すぎるので、他のアース製品と併用がお勧めで、アースノーマット等の製品と併用する事で高い防虫・殺虫効果が期待できます。
網戸に虫を寄せ付けたくないなら、他の方法もあります。
電気を消して網戸付近を暗くするか、紫外線を出して虫を寄せ付ける電撃殺虫器を使うと虫が網戸に寄り付きにくくなるので効果的です。
但し、紫外線もプラスチックを劣化させる電磁波ですので、今回の商品に含まれるケロシンで網戸を溶かし、更に紫外線で劣化させると網戸にはかなりのダメージを受けると思うので、この二つは網戸付近の防虫で併用しない事がポイントです。
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