電子工作の要、半田ごて(はんだごて)のおすすめの商品は?プロ用の高価なものからダイソーで販売している安価なものまで半田ごてには様々な商品が存在します。
電子工作や電子部品を接続する方法は様々な方法があり、最も簡単な方法が、線同士をよじって接触させる方法ですが、半田ごてを使ってハンダで接続する事で、部品同士をしっかりと接続させることが出来ます。
今回の記事では工場で半田付けの資格を取り、半田付け歴30年以上の筆者が、使い方や仕組み温度管理の方法も含めて紹介します。
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半田ごてのおすすめは?ダイソーでOK!使い方や仕組みとポイント
- 電子工作入門なら半田ごて(はんだごて)はダイソーの商品でも十分つかえる。(使えないなんてことはないが長持ちはしないと感じます)
- 半田ごて売り場は大抵のホームセンターにもあるので、ダイソーや100均のものと比較してみると良い。
- 半田ごての代用でグルーガンはお勧めしない。なぜなら温度が低すぎるから上手くハンダが溶けないし、最悪ボンドの出口が詰まる!
- 半田ごての使い方はどれも基本的に一緒でコンセントを差し込めば勝手に温度が上がる。
半田ごての使い方と簡単な工作ではダイソーの半田ごてでも問題ない理由!
電子工作にかかせない道具の一つ、半田ごてについて解説します。
皆さんも中学校・小学校の授業で一度は半田ごてを使った半田付けをしたことがあるかもしれませんが、半田ごてはトランジスタ・抵抗・コンデンサ・コイル等の部品を基板に取り付ける時に使う道具で、半田を熱で溶かして銅板にくっつけます。
トランジスタ・抵抗・コンデンサ・コイルなどの各素子の詳細については、こちらの記事で解説していますので、部品に関する知識に興味のある方は是非ご覧ください。
半田ごてにも種類がいくつかありますが、電子回路を組み立てるのであれば40W-60W位のものがおススメです。
温度調整機能のついてない半田ごてでも問題ありませんが、ダイヤル調整機能がついていて温度が可変できるものがおススメです。
自分が何十年とやってきた経験からすると、半田ごては電子部品でも60W位の高温で、さっと溶かして直ぐに取り付けを終えるのが最も良い気がします。
あまり温度に神経質になりすぎて、低温すぎるとコテを入れる時間が長、、逆に部品を傷める原因となるからです。
半田を水の様に溶かし、富士山の様に部品同士を接合するのが最も良いとされています。
部品のリード上に水玉のように乗った半田をイモ半田といい、接合が不十分な証拠で、イモ半田は、ハンダ吸い取り線やハンダ吸い取り器を用いて吸い取ります。
電子部品の記事でも少し触れましたが、ハンダ吸い取り線は半田ごてを購入すると付属している事が多いですが、正直あまりお勧めはしません。
非常に狭く隣接している電子部品同士の半田付けですので、ハンダ吸い取り線でハンダを取ろうとしても、うまく隙間に入らないことが殆どです。
ハンダ吸い取り線は銅のより線なので、これでハンダを取ろうとするとハンダ吸い取り線も良く温めなければハンダが絡んでくれません。
この良く温めないと絡まないというのも曲者で、ハンダ吸い取り線は長いまま使うと線が放熱の役目をしてしまい、いつまでたってもハンダがしみ込まないという事が起きますし、不要なまでに加熱した部分は、他のデリケートな電子部品に影響しかねません。
ですので、特別な理由がない限りはハンダ吸い取り線は使わず、ハンダ吸い取り器を購入して使うようにするのがおすすめです。
ハンダ吸い取り器もそんなに高価なものではないので、1000円位で購入できるものが多く、ハンダ吸い取り線に比べ電子部品を傷める事が少ないので、一つ持っておくことをおすすめします。
半田ごては、電子工作や修理作業などで不可欠なツールであり、初心者でも安全かつ効果的に使えるようになるためにはいくつかの基本的なポイントを押さえておく必要がありますので、初心者向けの半田ごての使い方を詳しく説明します。
電子工作の一例ですが、上記のように部品二つでで出来るラジオは電子工作の定番と言っていい回路なので、是非チャレンジしてみる事をおすすめします。
ハンダ付けや半田ごての使い方だけではなく、電子工作を通して部品の使い方について知る良い機会になる事間違いなしです。
イモ半田にならないはんだ付けの手順
半田付けには作業手順があり、半田付けの資格もあるくらいなので、興味のある方は調べてみると良いでしょう。(どんな資格か忘れましたが、私は会社で取りました。筆記試験と実技試験があります)
ハンダ付けをする前に、電子部品の下処理を行うとハンダが上手く乗りやすいので、部品と銅板を荒めのサンドペーパーで擦りましょう。
取り外して古くなった部品は、大抵油汚れや酸化でリード部分が汚れているので、ハンダが上手く乗りません。(下処理が不十分なリードや銅板は、ハンダののりが悪くハンダを弾いてしまい、いくら加熱してもハンダが流れていきません)
- 半田コテの電源を入れて最高温度までコテ先が過熱されるまで十分に時間を置く。(加熱されていればハンダが溶けます)
- 試験でコテ先に当てた溶けたハンダを水を含んだスポンジでクリーニングします。
- 電子部品を基板にセットしたら、半田コテを数秒当てて部品を加熱します。
- 半田コテ先と電子部品の端子の間にハンダを当てて流し込みます。(この時、水の様に流れていきますので、富士山のようになったら即ハンダを離します)
- 十分に半田が端子や基盤の銅板にいきわたったことを確認したら半田コテを最後に離します。
最後に出来上がった半田付けの状態を確認します。
きちんと接合できていれば富士山のような形をしていますが、玉のようになった半田付けはイモハンダと呼ばれ、部品同士が接合されていません。
イモハンダになる原因の多くが、ハンダコテの当て方よりも、経験上、下処理にあると思います。
上記にも書いた通り、半田付けをする前には電子部品のリード部分と、取り付ける基盤部分をサンドペーパーでしっかり擦って綺麗な酸化していない金属部分を露出させます。
半田ごてやハンダの操作が上手くても、この下処理を行っていないと、いくら熱を当ててもハンダはリードや銅板には流れていきません。
富士山のようになり見た目がくっついているように見えても、リード線をゆすると銅板の部分の下処理が外れてしまったなんて事もあります。
中途半端な接続は高電圧回路においてはスパークの原因になりますし、無駄な電気抵抗を発生させて時には過熱して火災の原因にもなりかねませんので、注意が必要です。
半田付け後、しっかりと確認して部品同士が接合されているかチェックしましょう。
うまくハンダが流れていれば富士山のような外見と同時に、銀色に輝くつやつやした表面です。(ハンダの種類にもよりますが)
半田ごてを使った中級者向けの工作として、テスラコイルで高電圧のプラズマを発生させる実験はとても有名です。
テスラコイルはプラズマを発生させるだけではなく、プラズマでマッチに火を着けたり、蛍光灯やネオン管等の放電管を点灯させることも出来るので、とても面白い実験です。
テスラコイルでは、放電管単体で簡易的に点灯させる事が出来ますが、他にも検波用のダイオードをつかってテスラコイルで発生した電波を整流すると、LEDを点灯させることも出来ます。
その基礎的な回路構成や、電波受信の仕組みについても解説していますので、是非併せてチャレンジしてみてください。
半田付けや半田ごて取り扱いの注意事項!半田ごては火災に注意
- 火気にはくれぐれも注意しましょう。作業中は燃えやすいものを近くに置かないようにし、注意深く作業しましょう。
- 作業後は電源を切り、半田ごてを安全な場所に置いて冷ますようにしましょう。
初めて半田ごてを使う際は、簡単な実験から始め、慣れてきたら少しずつ複雑な作業に挑戦してみてください。
ダイソーなどで手に入る手頃な半田ごては、初心者にとって手軽で使いやすい道具です。
半田ごてや周辺工具も紹介!これだけあれば電子工作では十分!
最初はダイソーや100均で十分だった工具類も工作の経験や知識が上達すると増えてきますので、筆者が持っている半田付けに必要な工具類の一例を紹介します。
半田ごて用工具箱(工具をひとまとめにするのに必須)
半田付けをするにあたって必要なのが工具ですが、最初は少ない工具でも徐々に増えてくると何れひとまとめにして片づける時が来ると思います。
大体これくらいの規模の工具箱があれば十分と覚えておいてください。
半田ごて台とハンダクリーナーは作業性や事故防止に必須
これは半田ごての作業には必須道具です。半田ごてのままでも使えなくはないですが、コードがふいに引っかかったり、コードの癖で半田ごて単体では安定しないからです。やけどなどの事故防止の観点からも、丈夫なものをおすすめします。使用する際は、水でスポンジを湿らせて使用します。
ヤニ入りハンダ(リールタイプ)
ハンダ本体。ホームセンターでも売っていますが、秋葉原などでは電子工作用に最適な細いタイプのハンダが沢山販売されていますので、一度見てみると良いでしょう。最初はダイソーなどの安価なもので十分ですが、ヤニ入りのハンダを選んでください。
ハンダ吸い取り器はポンプタイプがお勧め
ハンダを間違えて付けてしまった時に吸い取る道具が必要です。ハンダ吸い取り線等もありますが、熱で部品を傷めやすいのでお勧めしません。ハンダ吸い取り器は画像のような簡易的なものもありますが、ポンプタイプのモノがおすすめです。
水の入った小さなボトル
良く洗ったボトルならペットボトルでも何でも構いません。半田ごて台に付属しているスポンジにしみこませる水です。他にもたわしのようなものが入っている水の要らないクリーナーもあります。但し、場合によってはこて先を傷めるので、電子工作にはスポンジタイプのクリーナーをおすすめします。
ピンセット類 精密な配線用に
ピンセット類もかなり使用頻度が高い工具です。電子工作や半田付けは細かい作業が多く、温めている最中の部品は高温になるので素手では保持できません。ピンセットを使う事になります。
ニッパーとラジオペンチ類
ラジオペンチやニッパーも電子工作に必須工具です。ホームセンターで専門の物を買うとかなり高いので最初はダイソーや100均のもので十分ですが、やはり切れ味や制度に難がありますので、何回も使っていると直ぐに刃こぼれします。
ニッパーやラジオペンチは材料を固定出来ませんが、場合によってはバイスクランプが非常に便利な事もあります。
バイスクランプも持っていると良いおすすめの工具の一つです。バイスクランプに関しては専門の記事を用意しましたので、ご覧ください。
配線のカット工具(ワイヤーストリッパー付き)
カット工具付きのワイヤーストリッパーです。自分は主に下記のワイヤーストリッパーで対応できないVVFケーブルのカットや被覆をむく場合に使用しています。細い配線材も被覆をむくことが出ますが、それなら下記のワイヤーストリッパーで十分です。
ワイヤーストリッパー 細い配線材料向き(信号線など)
電子工作歴の長い筆者でも、かなりの工具を100円均一の商品で済ませています。このワイヤーストリッパーもその一つです。もう何年も使っています。細い信号線等の被覆をむく場合には便利な道具です。
ハンドニブラー(プラスチック・金属の穴あけ用)
ハンドニブラーは主に、金属に穴を開けメーターやスイッチ類を取り付ける時に使います。最初は裸のままの配線も何れはケースやパネルに取り付けたいと思う事が出てきます。よくあるのが、お弁当箱を加工した事例です。
100円ライター ターボライターでも可能
100円ライターもたまに使用する事があります。熱収縮スリーブというものがあります。熱で収縮させて半田付けした部分を絶縁するスリーブを使用する時に使います。ターボライターでも構いませんが、あまり熱を与え過ぎるとスリーブは勿論、配線材の被覆を傷めます。
部品取り外し用補助具
半田付けをして間違えて部品を取り外したい時に使う道具です。ハンダ吸い取り器で吸い取った後、部品の隙間にひっかけて熱をかけながら浮かすと外れるという仕組みです。てこの原理で部品を外します。このツールは故障した家電製品の部品を取るときに重宝しています。
半田付け補助 部品固定用のクランプ台
今は販売しているかは分かりませんが、当時どこかの100均で買った記憶があります。簡易的な物でも電子工作をするには十分です。先で紹介したバイスクランプなども似たような工具ですが持っていると便利です。
如何だったでしょうか?電子工作歴の長い筆者ですら、100円均一の工具を多用しており、それでも問題ないです。
必要に応じて道具はアップグレードしていけばよいです。電子工作を始めると、他にもオシロスコープや電源等100円均一ではどうしようない高価な道具も出てきます。
工具など抑えられる費用は最小限にしたいものです。
半田ごてのおすすめは?ダイソーでOK!使い方や仕組みも解説まとめ
- 最初はダイソーの半田ごてで十分です。(温度管理の出来るものをおすすめ)
- ニッパーやラジオペンチの周辺工具に至ってもダイソーなどの100均で十分。
- 半田ごて台に関しては安全性の観点からしっかりしたものを選ぼう。
- 半田ごては高温になるので、作業の前後は可燃物に注意して作業しよう。
冒頭でも解説しましたが、半田ごては100均のものでも構いませんが、できるだけ温度管理の出来る半田ごてをおすすめします。
また、ニッパーやラジオペンチも100均のものでも対応可能ですが、切れ味が非常に悪くさびやすいので、使い捨てと考えて購入しましょう。
半田ごて台は、高温の半田ごてを置いておく台なので、なるべくしっかりした専用のものを選びましょう。
半田付けの基本は、村田製作所など電子部品を製造開発している専門会社でも解説があるので、より詳しい半田付けの方法を知りたい方は下記のリンクを参考にしてください。
半田ごてを使うには、道具だけではなく部品の知識も必要ですので、電子工作で使用する部品について興味のある方は、こちらの記事が参考になりますので、是非ご覧ください。
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