アラジンストーブをメンテナンスしようと思っても、分解清掃が面倒!壊したらどうしよう?難しくないの?
そんなことは全くありません!今回この記事を読むだけで、アラジンストーブの日常メンテナンスから、困った時の対処方法までわかりやすく画像を交えながら全てを網羅して解説しています。
この記事を読みながらメンテナンスを進めて行けば、あなたのアラジンストーブが新品同様の青い炎が美しいブルーフレームに完全復活できます。
アラジンストーブは、工具なしでメンテナンス可能な仕組みになっているので、初めての方でも怪我をしない様に交換パーツとゴム手袋だけあれば、清掃や分解が可能です。
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アラジンストーブのメンテナンス方法はたったの4つだけ抑えておけばOKのポイント
- アラジンストーブのメンテナンスの基本は、芯の清掃から始め、それでもだめなら内炎板と外炎板のメンテナンスをすると、ブルーフレームが復活する場合が多い。
- 余程芯を出し過ぎたりしなければ、アラジンストーブの芯を交換しなくても基本何シーズンも持つことが多い。
- 意外と見落としがちな劣化灯油についても注意しよう。(何シーズンも持ち越した灯油は水分を含んでおり、不完全燃焼の原因になる)
アラジンストーブの日常メンテナンスは大きく分けて4つあり、芯のメンテナンス・内炎板のメンテナンス・外炎板のメンテナンス・芯の交換と別れています。
手順もこの順番通りに行えば、ばっちりアラジンブルーフレームが復活します!
- STEP1芯のメンテナンス
専用のクリーナーを使用して芯のでっぱりを平らにならす。(芯の先端が平らではいと炎の高さが均一にならない)
- STEP2内炎板のメンテナンス
内炎版にはタンク下方からの大きな上昇気流を取り込むため、一番埃を吸い込みやすい部分です。
- STEP3外炎板のメンテナンス
内炎板に比べると空気の流量は少ないですが、長期間メンテナンスしないとこちらも埃がたまり不完全燃焼の原因となります。
- STEP4芯の交換
専用クリーナーで芯を清掃して内・外炎板を清掃してもだめならいよいよ芯の交換です。(前シーズンの劣化灯油を使うと水分を含んでいてメンテナンスを適切に行っても完全燃焼しない場合があります)
アラジンストーブの仕組みから不完全燃焼の原因を解説
アラジン石油ストーブをブルーフレームにする為に必要な事は、日常メンテナンスが大切ですが、お手入れの前にまずはざっとアラジン石油ストーブの仕組みを知る事で、不完全燃焼時(ブルーフレームでない黄色い炎がまじる燃焼)の問題の切り分けがしやすくなりますので、修理やメンテナンスを行う前に仕組みについて簡単に解説します。
アラジン石油ストーブは、電源もいらずマッチだけでブルーフレームに燃焼するストーブです。
燃料タンクに入った灯油を円筒形の芯だけで自然に吸い上げ、燃料がしみ込んだ芯に点火する事でブルーフレームを実現しています。
ティッシュペーパーに、灯油をしみ込ませて火を付けているのと基本的な仕組みは変わりませんが、実際にこのようにしただけでは、空気と燃料が混合していないので、黄色い炎で燃焼するだけです。
アラジンストーブがブルーフレームで燃焼するには、芯の形状や燃焼部分が鍵を握っています。
燃料タンクは、ドーナッツ状に穴が開いており、そこに円筒形状の芯を付けることで、下からの上昇気流を発生させます。
さらにサイドにも空気の取り込み口があり、内側と外側から熱による上昇気流で自然に空気を吸い込み完全燃焼させています。
簡単にまとめると、内炎板・外炎板には空気取り込み口には細かい穴が開いており、この部分に埃が詰まると空気を効率よく供給できないので、不完全燃焼の原因となるわけです。
更に、芯に不純物が付いていたり、芯の高さが均一でないと炎の高さが違ったり、これも不完全燃焼の原因になるという訳です。
アラジンストーブをブルーフレームに復活させる4つの具体的な方法
一番最初に芯の高さを専用のクリーナーで整えます。
それでダメなら、内炎板の埃とり・外炎板の埃とりを行い、埃とり等の基本的なメンテナンスを行ってもだめなら、いよいよ芯の交換です。
順を追って解説しているので、それぞれの具体的な方法をそのまま真似してメンテナンスを進めるだけでOKです。
アラジンストーブの芯のメンテナンス-1step
まずは芯のメンテナンスをする前に、燃焼状態を比べてみましょう。
左が不完全燃焼で、右が4ステップでメンテナンスが完了した完全燃焼時のブルーフレームです。
不完全燃焼の原因は、空気穴に貯まったゴミは勿論のこと、芯の引っ込めすぎや、芯に食品カス等の異物が少しでも付着していると、それだけでオレンジ色の炎の原因になります。
食品カスや、埃が原因の場合は上記の様に全体がオレンジ色の炎になる訳ではなく、一部分だけ、部分的にオレンジ色の炎になる事が多いです。
それでは、火を付ける時と同様の状態に、アラジンストーブを開きます。
開くと内炎板と外炎板が見えます。
アラジンストーブの芯のメンテナンスをするには、この状態から内炎板を取り外す必要があります。
下の画像でも触れていますが、内炎板はかぶせてあるだけなので、上に持ち上げれば外れますが、この内炎板はかなり鋭利なので、手を切らないように注意して作業してください。
外した状態で、芯を目いっぱい上に出しましょう。
上記の画像の様に、芯を目いっぱい出した状態で、専用のクリーナーをかぶせて矢印の方向へゴリゴリ削ります。
削った後は芯の毛羽立ちを抑える為に、指で芯の上部をなぞって平らにします。
芯を削ると、外炎板内の溝に、カーボンが貯まってしまい、これも空気の流れを妨げる原因となるので、芯を削った後は必ず外して清掃する事をおすすめします。
アラジンストーブの内炎板のメンテナンス-2step
続いて、内炎板を取り外しますが、これは単にはまっている(かぶせてある)だけですので、ネジなどを切っていません。上の方につまんで持ち上げれば普通に外れます。
右が取り外した内炎板です。
燃焼時に発生した上昇気流を取り込み、この小さな穴から噴射しています。
この下からの上昇気流と一緒になって、床の埃を吸い込みますので、内炎板を掃除しましょう。
掃除方法は、洗剤を付けて水洗いすればOKです!外して内炎板の内側を観察すると、吸い込んだほこりや、カーボンスラッジが付着してべとべとになっている事が良く分かります。
中性洗剤で良く洗ったら、取り付ける前にしっかりと乾燥させましょう。
しっかり乾燥させずにそのまま濡れた状態で装着すると、水分が原因でオレンジ色の炎になる事があるので、良く乾燥させてから取り付けます。
アラジンストーブ外炎板のメンテナンス-3step
外炎板のメンテナンスは長く行わないと、パッキンが劣化している可能性があり、外すのに少々力がいります。
外炎板の淵はご覧のとおり鋭いので、手を切らないように必ずゴム手袋や軍手を着用の上で作業しましょう。
また、外炎板を外した後は、タンク内部が直接見える状態になるので、この中に異物を落としたりすると、取り出したり除去するのが大変です!
内炎板がある時よりも、灯油もこぼれ易くなっていますので、野外で作業する事や、新聞紙を敷いてから作業するなどの工夫が必要です。
外炎板はネジが切ってあるので、力の入りやすいゴム手袋を着用した上で左に回すと直ぐに外れます。
長い間メンテナンスしておらず、保管してある場合はパッキンが劣化している可能性がありますので、そういった場合は取り換えましょう。
劣化したパッキンを取り外して、液状ガスケットを付ける方法もありますがここでは触れません。
外炎板は、殆ど軽い力で取り外す事が出来ますが、固着しているからと言って、無理な力で外そうとすると、外炎板は真鍮製で、意外と変形し易いので注意が必要です。
物理的に外炎板が変形すると、パッキンとタンクが密着せず、灯油がこぼれたりする原因になります。
アラジンストーブ本体も、内炎板同様に外側から上昇気流を取り込みますので、ゴミを巻き込みやすいです。
また、天板で餅やするめを直接焼いたりした場合は、カスがこの外炎板の内側に貯まりやすいです。
しっかり洗剤で洗って気になるならピカールで磨くのも良いでしょう。
内炎板と外炎板を取り外し、アラジンストーブの燃焼塔を上からのぞいてみます。
タンクには、ドーナツ状の穴が開いており、下から空気を取り込み上昇気流を発生させています。
空気取り込みは、エアフィルターなどをかましていないので、灯油受けに貯まった埃はかなり吸い込みます。
分解すると、積年の汚れが随所に貯まっている事が分ります。
上記の清掃を試して、一旦全てのパーツを元に戻して再点火して青い炎が復活していれば、その時点で清掃は完了ですが、それでもまだ青い炎が復活しない場合は、そろそろ芯の寿命を疑うべきです。
アラジンストーブ芯の交換-4step
上記の清掃方法を試しても、ブルーフレームが復活しない場合があります。
メンテナンスしてもブルーフレームが復活しない場合は、いよいよ芯の交換が必要となりますが、その前に、前シーズンの劣化灯油を使用していないか確認してください。
折角芯を交換するのに、前シーズンの劣化灯油や、持ち越し灯油が入っていると、劣化した灯油には水分や不純物を含んでおり、不純物や水分が原因で黄色い炎になる事があるからです。
万が一多量の灯油をこぼしてしまったり、服や手についた場合の対処方法についても、こちらの記事でまとめていますので、是非ご覧ください。
灯油は引火点の低い燃料なので、こぼしたとしても灯油単体で燃焼する事はありませんが、可燃物と一緒になると非常に燃えやすく危険ですので、こぼした場合は適切な処理が必要です。
アラジンストーブの芯を交換します。
芯はネットでも売っていますが、カインズやえんちょーなどのホームセンターで購入した場合は、芯が店頭に置いてありますし、おいてない場合は取り寄せてくれます。
上記の画像を参考に内炎板と外炎板を取り外し、芯だけの状態にします。
ネジなどは取り外すと無くしやすいので、必ず別にして作業が終わるまで無くさないようにしましょう!
アラジンストーブのネジには、マイナスの溝が切ってありますが、手で回せる程緩いので、余程固着したりしていない限りは、ドライバーや工具で外す必要はありません。
炎調整つまみの両端にねじがありますので、ネジを外してカバーを取り外してください。
ネジを外した後は、カバーを手前にひけば簡単に外れます。
カバーを外すと、芯の量を調整する為のクラッチ機構が露出します。
クラッチの状態を見ると、数字の書いてある黒いつまみを下にひくと外れる事が分かりますので、この状態で右へ一杯空転するまで回します。(炎調整つまみも一緒に回します)
クラッチを切って、炎調整つまみと一緒に空転するまで右に回して劣化芯を限界まで上げた状態です。
この状態になると、上に持ち上げるだけで外せますが、芯はかなり灯油を含んでいるので、ゴム手袋での作業は必須です!
また、持ち上げて移動する時に床に灯油が垂れる可能性もありますので、床には新聞紙やブルーシートを敷いて作業する事をおすすめします。
劣化芯をホルダーから外すときに分かりますが、アラジンストーブの芯はこの爪でホルダーの溝にはまっているだけです。
芯を少し変形させながら押し込めば、溝にパチッとはまります。
画像右の三角の赤い矢印は、外炎板のかみ合わせ調整位置で、無い円盤にも同じ印がしてありますが、特に気にしなくても大丈夫です。
最後の手順も同様です。
クラッチを切った状態で、炎調整つまみと一緒に左へ回して芯が下がらなくなる状態になったら、つまみをそれ以上回せなくなりますので、これでセットが完了です。
後は、同様の手順で外炎板と内炎板を戻したら芯の交換は完了です。
ポイントは、芯を上げる時と下げる時はクラッチを切った状態で行う事ですが、これさえ覚えておけばアラジンストーブの芯の交換で難儀する事はありません。
アラジンストーブの修理が必要な時の対応方法は?
アラジンストーブを使っているユーザーは、使用時における手間(メンテナンス)を楽しむ傾向にありますが、ネット上を見ると、アラジンストーブの良さや性質を理解せずに、見た目だけで購入し、『手間が面倒・燃料がなくなっても勝手に消えない・煤で真っ黒』等のクレームが見受けられます。
アラジンストーブは、良く調べて手間を楽しめる方だけ購入してほしいと記入するのも販売店に気の毒ですが、アラジンストーブは見た目がおしゃれで、インテリアの一部として購入した方もいると思います。
そんな方は、今後のアラジンライフの為にも、メンテンスをアラジン社が指定する業者に依頼するのも手です。
以下、アラジンストーブが指定する修理業者一覧となります。
アラジンストーブは、古民家や田舎暮らしでは非常に重宝する物です。
電池や電源なしに動作しますし、緊急時には暖を取る以外にも、天板に鍋を置けば煮物などを作る事も出来ます。
値段も高価ですが、ちゃんとメンテナンスして使えば何世代にわたって使用できる可能性を秘めた、おしゃれなストーブです。
どこの部屋にもマッチするインテリア性もさることながら、電気を使用する他ストーブは災害時に電気が止まればストーブが使えなくなりますが、アラジンストーブは灯油とライターかマッチさえあればいつでも部屋を暖めてくれます。
アラジンストーブはおしゃれで部屋も温まりますが、もっと手軽に暖を取りたいときにお勧めなのが、灯油ではなくベンジンをつかったハクキンカイロです。
ポータブルサイズでポケットにねじ込めるので、外出先などで手を温めたい時に最適です。
アラジンストーブを楽しみながら、囲炉裏で料理をするのも楽しいものです。
田舎暮らしでは相性抜群の囲炉裏の使い方や、料理方法について詳細に記載している記事はこちらをご覧ください。
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