ホワイトガソリンの処分費用がエネオス調査では、購入時と同程度の金額がかかり、非常に勿体ない事が分ります。
揮発するまで待つ方法も、時間がかかり事故の危険性が高いので最も避けたい処分方法です。
ホワイトガソリンは、レギュラーガソリンと成分が同じナフサを使用しています。
その為、車に使用しても問題ないように思われますが、オクタン価が異なり、エンジン故障の危険性が高いのでお勧めしません。
この記事では、ホワイトガソリンの処分方法を初め、レギュラーガソリンとホワイトガソリンの違いやオクタン価について、車やバイクにホワイトガソリンを使用する事の危険性について解説しています。
その他、アウトドア用品でホワイトガソリンの代わりに、灯油が使用できるかについても解説しています。
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記事の要約とポイント
- ホワイトガソリンは、処分すると購入時と同程度の処分料がかかるので、なるべくなら使い切れる範囲で購入するのがベスト。
- ホワイトガソリンとレギュラーガソリンの違いはオクタン価が異なるので、車に代用する事は出来ない。一時的に問題なくても故障の危険性が高い。
- アウトドア用品では、レギュラーガソリンの代わりに灯油を代用する事も可能だが、緊急用途に限る。
- キャンプに行かず、ホワイトガソリンを処分する位なら、最初から車用のレギュラーガソリンが使えるキャンプ道具を選ぼう。
ホワイトガソリンの処分費用や方法。蒸発させるのは危険性が高い
ホワイトガソリンの処分方法は、いくつかの方法が考えられます。
ホワイトガソリンは揮発するからと言って、地面に撒いたり排水溝に流すのは、危険すぎるのでおすすめ出来ません。
ガソリンを撒処分は、環境負荷の観点からも適切な処分方法とは言えません。
ちなみに、ホワイトガソリンとはコールマンから発売されているような、アウトドア専用の燃料の事です。
通常は、ランタンやバーナーなどの灯や調理器具として使われます。

かといって、ガソリンタンクを開けっぱなしにしておいて揮発するまで放置するのも、何が原因で火災に発展するか分からないので、危険性が高い処分方法です。
コールマンのホワイトガソリンは、1リットルの少量から販売されているので、あまり使う用途が無い場合は、少量のみ購入してなるべく処分に困らず無駄の無いように使用する事が前提です。
ホワイトガソリンもそれなりに高価なものなので、少量であれば次回のキャンプやアウトドア用途として保管しておくのもアリです。
他社の製品はわかりませんが、少なくともコールマンのホワイトガソリンには、タンク内部にパッキンがついて居ますので、保管中にガソリンが揮発して無くなる心配もありません。
ホワイトガソリンは多くのキャンパーが使用するバーナーやランタンの燃料なので、頻繁にキャンプに出掛ける仲間がいるのであれば、『処分ではなく譲』という選択もアリです。
ガソリンを処分しないで、別の事に代用するという方法もあります。
ガソリンは、DIY用途として脱脂にも使えます。
他にも、発泡スチロールと混ぜると直ぐにドロドロに溶けて、そのドロドロに溶けたものは、プラスチック同士の接着に使えたりもします。
ただ、ホワイトガソリンもガソリンの仲間ですので、発泡スチロールと混ぜて接着剤にしても、発火のしやすさは変わりませんので、安全に注意して行ってください。
ホワイトガソリンは、廃棄タンクのあるガソリンスタンドなら大抵の場合処分してくれますが、処分費用が意外と高額ですので、処分するのは本当に勿体ないです。
エネオスでホワイトガソリンの処分料を調査した所、0.7Lで1000円以上の価格でした。
lLで1200円前後で販売しているホワイトガソリンなので、処分費用も同額程度の金額がかかる事が分ります。
いくら使わないからと言って、これでは本当に無駄金ですので、『使い切る』『他のキャンパーに譲る』『脱脂や接着剤として工夫』をして、なるべく無駄にならないように使用すると良いでしょう。
他にも、ホワイトガソリンはハクキンカイロの燃料の代用としても使う事が出来ますし、ジッポオイルの代用にもなりますので、安易に捨ててしまうのは非常に勿体ないと言えます。
ハクキンカイロって初めて聞いた方もいるかもしれませんので、解説するとプラチナとの触媒反応で繰り返し手を温められるハンドウォーマーの事です。
ホワイトガソリンの危険性が高い処分方法と注意点
撒く
排水溝に流す
他の燃料と混ぜる
上記三つのキーワードは、特に注意したいやってはいけないホワイトガソリンの危険性が高い処分方法です!
その辺に撒いたり排水口に流す行為は、環境汚染の懸念がありますし、他の燃料と混ぜるのは爆発事故の危険があり大変危険な処分方法です。
- ホワイトガソリンとは?ガソリンとの価格・成分の違いを解説
- ホワイトガソリンは車にレギュラーガソリンの代用として使える?
- ホワイトガソリンの危険性!灯油の代用で事故が起きる可能性も
ホワイトガソリンとは?ガソリンとの価格・成分の違いを解説
キャンプなどのアウトドア活動でよく耳にするホワイトガソリンとは一体何なのでしょうか。
普段、車やバイクに使用するレギュラーガソリンとは異なるものだと知ってはいても、その具体的な違いまでは知らない方も多いかもしれません。
この記事では、ホワイトガソリンとは何かという基本的な知識から解説します。
さらに、レギュラーガソリンとの成分や価格の違い、そして気になる代用の可否について詳しく掘り下げていきます。
安全にアウトドアを楽しむためにも、燃料に関する正しい知識を身につけることは非常に重要です。
ホワイトガソリンと他の燃料との違いを明確に理解し、適切な使い方をマスターしていきましょう。
まず、ホワイトガソリンの最も大きな特徴は、その純度の高さにあります。
これは精製された石油製品の一種で、ナフサと呼ばれる成分を主としています。
不純物を極限まで取り除いているため、燃焼時にススや有害な一酸化炭素が発生しにくいというメリットがあります。
そのため、テント内やタープ下などの比較的閉鎖された空間でも使用されるランタンやバーナーの燃料として最適なのです。
一方、私たちが日常的に給油するレギュラーガソリンはどうでしょうか。
こちらは自動車のエンジンを効率よく動かすために、様々な添加物が加えられています。
例えば、エンジンのノッキングを防ぐためのオクタン価向上剤や、エンジン内部をきれいに保つための洗浄剤などがその代表例です。
これらの成分は、車の性能を維持するためには不可欠なものなのです。
この成分の違いが、両者の最も根本的な違いと言えるでしょう。
ホワイトガソリンはクリーンな燃焼を目的としているのに対し、レギュラーガソリンはエンジンのための性能を追求しています。
ここで、両者の成分の違いを分かりやすく表にまとめてみましょう。
項目 | ホワイトガソリン | レギュラーガソリン |
主成分 | 高純度のナフサ | ガソリン基材 |
添加物 | ほとんど含まれない | オクタン価向上剤、酸化防止剤、洗浄剤など多数 |
特徴 | クリーンな燃焼、ススが少ない | エンジン性能向上のための調整 |
色 | 無色透明 | オレンジ系の着色 |
このように、成分構成が全く異なるため、それぞれ専用の器具で使うことが大前提となります。
次に多くの方が疑問に思うのは、価格に関する違いではないでしょうか。
一般的に、ホワイトガソリンはレギュラーガソリンよりも価格が高い傾向にあります。
例えば、レギュラーガソリンが1リットルあたり170円前後で販売されているとします。
それに対してホワイトガソリンは、1リットルあたり1,000円から1,500円程度が相場となることが多いです。
この価格差は、主に精製にかかるコストと流通量の違いから生まれます。
ホワイトガソリンは純度を高めるために特別な精製工程を必要とします。
また、需要が主にアウトドア愛好家に限定されるため、大量生産されるレギュラーガソリンに比べて流通量が少なく、結果として単価が高くなるのです。
購入場所としては、ガソリンスタンドではなく、ホームセンターや大型のアウトドア用品店が一般的です。
時には、比較的安い価格で販売されている製品を見かけることもありますが、品質が安定している有名ブランドの製品を選ぶことをお勧めします。
ここで、価格に関するよくある質問にお答えします。
Q. なぜホワイトガソリンはこんなに価格が高いのですか。
A. 主な理由は2つあります。
一つは、不純物を取り除くための高度な精製技術が必要で、製造コストがかかるためです。
もう一つは、レギュラーガソリンに比べて需要が限られているため、生産量や流通量が少なく、単位あたりの価格が高くなってしまうからです。
さて、最も気になるのが代用の問題です。
ホワイトガソリンを車やバイクに使用したり、逆にレギュラーガソリンをキャンプ用品に使ったりすることはできるのでしょうか。
結論から言うと、これは絶対にやってはいけない非常に危険な行為です。
ホワイトガソリンは、車のエンジンに必要なオクタン価が非常に低く設定されています。
これを無理に車やバイクの燃料として使用すると、異常燃焼であるノッキングを引き起こす可能性が極めて高いです。
ノッキングはエンジンに深刻なダメージを与え、最悪の場合は走行不能になる危険性すらあります。
逆に、レギュラーガソリンをキャンプ用のランタンやバーナーに代用するのも同様に危険です。
レギュラーガソリンに含まれる多くの添加物が、燃料ノズルなどの精密な部品を詰まらせる原因となります。
ノズルが詰まると、不完全燃焼を起こして大量のススや有毒な一酸化炭素が発生します。
これは器具の故障だけでなく、火災や一酸化炭素中毒といった命に関わる事故につながる恐れがあるのです。
また、灯油も全く別の燃料であり、ホワイトガソリンの代用にはなりません。
灯油は発火点や燃焼特性が異なるため、ホワイトガソリン用の器具で使うと異常燃焼や火災の原因となります。
それぞれの燃料の用途と代用の可否を再度、表で確認しておきましょう。
燃料の種類 | 主な用途 | 他の燃料での代用 |
ホワイトガソリン | キャンプ用ランタン・バーナー | 不可(危険) |
レギュラーガソリン | 自動車・バイクのエンジン | 不可(危険) |
灯油 | 石油ストーブ・石油ファンヒーター | 不可(危険) |
このように、燃料の代用は絶対に避けるべきです。
ここで、代用に関するもう一つの質問を見てみましょう。
Q. 緊急時に少しだけならレギュラーガソリンを代用しても大丈夫ですか。
A. いいえ、たとえ少量であっても絶対に代用しないでください。
レギュラーガソリンに含まれる添加物は、一度使用しただけでも器具のノズルを詰まらせる可能性があります。
故障や事故のリスクを考えると、緊急時であっても専用のホワイトガソリンを用意することが不可欠です。
最後に、ホワイトガソリンの少し変わった使い方として、洗浄目的での使用について触れておきます。
その純度の高さから、油汚れを落とすための洗浄剤として使われることがあります。
しかし、これはあくまで副次的な使い方であり、推奨されるものではありません。
ホワイトガソリンは非常に引火性が高く、静電気などのわずかな火花でも爆発的に燃え上がる危険性があります。
洗浄に使う際は、火気のない換気の良い場所で行うなど、細心の注意が必要です。
安全性を考慮すれば、専門のパーツクリーナーや洗浄剤を使用する方が賢明な選択と言えるでしょう。
ホワイトガソリンとは、アウトドアを安全で快適に楽しむための特別な燃料です。
レギュラーガソリンや灯油との明確な違いを理解し、決して代用することなく、必ず専用の器具で正しく使用してください。
ホワイトガソリンは車にレギュラーガソリンの代用として使える?
一応、ホワイトガソリンも同じガソリンなので、車やバイクのガソリンとして使っても全く動かないという事は無いと思います。
しかし、成分が全く違うので、長期的にみるとその場で動いたとしても、エンジン故障の原因となりかねませんので、おすすめしない方法です。

そもそも、ホワイトガソリンにはレギュラーガソリンと違い、車を正常に動作させる為の添加物が全く入っていません。
先ほど、ホワイトガソリンもレギュラーガソリンも同じガソリンと書きましたが、添加物こそ異なるものの、どちらもナフサを主成分としています。
因みに、ホワイトガソリンが何故ホワイトガソリンと呼ばれているのかご存じですか?
ホワイトガソリンは、別名で『青ガス』『白ガス』と呼ばれる事もありますが、ホワイトガソリンの色は綺麗なブルーです。
レギュラーガソリンは『赤ガス』、と呼ばれる事もありますが、燃料に赤色の着色料が入っています。
色による違いは、見た目では添加物の違いは分からないので、着色して混同しないよに差別化しています。
続いては、ホワイトガソリンを車に代用できるかどうかの解説です。
主成分はナフサなので動かない事がないが、添加物が入っていないので車のエンジンが故障する可能性がある事を解説しました。
このホワイトガソリンは、言うまでもなくキャンプやアウトドア用途として使われるランタンやバーナーの燃料です。
他にも、アウトドア用品は、レギュラーガソリンを使えるようにした機種も存在します。
ランタンやバーナーでは、レギュラーガソリンの添加物がノズルの詰まりの原因となる事もあります、
基本的には、どのバーナーもランタンで使用しても、基本的に大きな問題となる事はありません。
以上の解説から、ランタンやバーナーに車やバイク用のレギュラーガソリンとホワイトガソリンを適当に混ぜて使っても問題ない事が分ります。
割合としては、レギュラーガソリンよりホワイトガソリン多めでキャンプ器具に入れた方が、ノズルに優しい事は言うまでもありませんが。
レギュラーガソリンもホワイトガソリンも、スベア123rの様な自己加圧方式のストーブなら問題なく使う事が出来ます。
ホワイトガソリンを使ったスベア123rの点火方法や、生産終了の噂について書いた記事はこちら。
ホワイトガソリンを日本で購入しようとすると、どこの店舗にも大抵は置いてあるのがコールマン製品のホワイトガソリンです。
私は今までコールマン製品しか見たことが無いですし、使った事がありません。
ホワイトガソリンの危険性!灯油の代用で事故が起きる可能性も
ホワイトガソリンは、レギュラーガソリンと同じでナフサを主成分としており、揮発し易く発火点も低いので、非常に危険性の高いガソリンと言えます。
先のスベア123rの記事でも多少解説していますが、灯油をホワイトガソリンの代用として使う事も出来ます。
ですが、使用方法を誤ると危険性が高く、事故につながる可能性がありますので、注意が必要です。
キャンプ用の灯油は白灯油ともよばれ、ケロシンの事で、一例としてホワイトベアの製品が有名です。

車やバイクにホワイトガソリンを使うなら、添加物の有無でオクタン価が異なるだけなのでまだしも、これが灯油を車やバイクに入れた場合、発火点が全く異なるので完全に故障の原因になります。
車やバイクに灯油を入れる事は出来ませんが、キャンプ用品は緊急用として、ホワイトガソリンの他にレギュラーガソリンや灯油も使用する事が出来ます。
上記で書いたように、あくまで緊急用途として灯油をホワイトガソリンやレギュラーガソリンの代わりとして、アウトドア用品に使用できるという事です。
発火点の低い灯油を、ホワイトガソリン仕様のアウトドア用品に使用した場合、ホワイトガソリンより危険性は低いです。
逆に、灯油用のアウトドア用品にガソリンを入れる事は絶対にNGです。
なぜ、灯油用のアウトドア用品にレギュラーガソリンやホワイトガソリンを入れると危険性が高いのか解説すると、灯油用のアウトドア用品の圧力調整機構に問題があります。
灯油用のアウトドア用品は、ガソリンのアウトドア器具と違い、内部の圧力を外部に開放する事で圧力調整をしている製品が存在します。
つまり、これをガソリンで行った場合、引火し易い気化したガソリン蒸気が出てくるため、容易に発火・爆発して事故につながる可能性があるという事です。
最近ではアウトドア用品にも様々な燃料が使える商品が存在しますので、混同して事故に繋がらないよに注意して使用しましょう。
処分前の確認!ホワイトガソリンとガソリンの違いは?
ホワイトガソリンを処分する前に、ホワイトガソリンとガソリンの違いについて知っておくと、思わぬ利用法が見つかるかもしれません。
オクタン価は、ガソリンのノッキングの起こりにくさを示す数値で、オクタン価が高いほど、ノッキングが発生しにくくなります。
ノッキングとは、エンジン内で異常燃焼が発生することによって起こる現象で、エンジン音が大きくなったり、振動が大きくなったり、パワーが出なくなったりします。

オクタン価は、イソオクタンとn-ヘプタンという2種類の物質を混合したときの、イソオクタンの割合で表されます。
イソオクタンはノッキングが発生しにくく、n-ヘプタンはノッキングが発生しやすい物質です。
日本では、オクタン価96以上のガソリンをハイオク、オクタン価89以上のガソリンをレギュラーと呼んでいます。
他でもかいせつしていますが、実際にホワイトガソリンとガソリンをコップに入れてみると、色も明らかに異なります。

処分前に確認して欲しいガソリンとホワイトガソリンの違い
オクタン価
ノッキング
添加物
色
車に使用されているレギュラーガソリンは、オクタン価が高く添加物を含んでいるので、ノッキングを起こさずエンジンの性能を発揮できます。
また、添加物の違いは液体の色にも表れており、ガソリンは赤色・ホワイトガソリンは青色です。
- オクタン価が高いガソリンのメリット
- オクタン価が高いガソリンのデメリット
- 自分の車に合ったガソリンを選ぶ
- ホームセンターの安いホワイトガソリンはバイクの洗浄にも使える?
オクタン価が高いガソリンのメリット
オクタン価の高いガソリンも低いガソリンも主成分はナフサです。
しかし、ガソリン自体は人体に有害でも、オクタン価の高いガソリンはエンジンの燃焼室で確実に燃焼する為、排出ガスの有害物質が低く抑えられます。
オクタン価の高いガソリンは、出力の高いエンジンの燃料になります。

グーネットでは、オクタン価の低いガソリンを使用し、エンジンがノッキングを起こす様子について解説しています。

オクタン価が高いガソリンのデメリット
車に使われるオクタン価の高いガソリンは、エンジンの性能を発揮し、円滑に動作させるため、様々な添加物を含んでいます。
この添加物は鉛を含んでいるものもあり、人体には有害です。
その為、一部アウトドア用品では緊急時には使用可のなものの、ガソリンを常用するとジェネレーターのノズルが詰まる可能性があります。
添加物が多いという事は、つまり製造コストもかかり、ガソリン価格が高くなりがちです。
自分の車に合ったガソリンを選ぶ
車の取扱説明書には、推奨されるオクタン価が記載されています。
推奨されるオクタン価よりも低いガソリンを使用すると、ノッキングが発生したり、エンジン性能が低下したりする可能性がありますので、必ず推奨されるオクタン価のガソリンを使用してください。
先にも書いた通り、処分するのがもったいないからと、むやみやたらとホワイトガソリンとガソリンを混ぜたりすると、エンジンの燃調が変わってしまいます。
エンジンの燃調が変化するという事は、ノッキングが発生し、不調の原因になります。
また、ハイオク車にレギュラーガソリンを使用しても問題はありませんが、燃費が悪くなったり、パワーが出にくくなったりする可能性があります。
オクタン価の高いガソリンとエンジンの関係
上記は、ガソリンに含まれている添加物とオクタン価の関係です。
何度か解説した通り、ホワイトガソリンには添加物が全く入っていないので、オクタン価の低いガソリンという事が分かります。
つまり、ホワイトガソリンを車やバイクのメインで使用した場合、ノッキングが発生していずれ故障する可能性が高いという事です。
処分方法として、満タンのガソリンに少量混ぜる程度ならあまり影響がないかもしれませんが、大切な車やバイクにホワイトガソリンを混ぜる行為はおすすめ出来ません。
ホームセンターの安いホワイトガソリンはバイクの洗浄にも使える?
ホームセンターの燃料コーナーを訪れると、キャンプ用品として知られるホワイトガソリンが販売されています。
有名ブランド品に混じって、時折かなり安い価格の製品を見かけることもあります。
このホワイトガソリンが、バイクの油汚れを落とすための洗浄剤として使えるという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
特にチェーン周りの頑固な汚れに対して、その強力な脱脂能力が期待されるようです。
しかし、本来は燃焼器具の燃料であるホワイトガソリンを、バイクという精密機械の洗浄に用いることは本当に安全なのでしょうか。
この記事では、ホームセンターで手に入る安いホワイトガソリンをバイクの洗浄に使うことの是非について、その効果とリスクを多角的に検証していきます。
安易な代用が思わぬトラブルを招かないよう、正しい知識を身につけていきましょう。
まず、ホワイトガソリンが洗浄に効果的とされる理由はその成分にあります。
前述の通り、ホワイトガソリンとは不純物を極限まで取り除いた高純度の石油製品です。
この純度の高さが、油分を強力に溶かす「脱脂能力」につながります。
バイクのチェーンに固着した古いグリスや、エンジン周りにこびりついたオイル汚れなどは、この脱脂能力によって効果的に分解・除去できる可能性があるのです。
実際に、一部のベテラン整備士の間では、部品の最終的な脱脂作業に利用されるケースも過去にはありました。
しかし、これはあくまで専門的な知識と設備を持つプロの作業であり、一般のユーザーが安易に真似して良いものではありません。
特に、ホームセンターで見かける安い価格の製品は、有名ブランドの製品と比較して品質管理に違いがある可能性も否定できません。
わずかな成分の違いが、バイクのデリケートな部品に予期せぬ影響を与えるリスクも考慮する必要があります。
ここで、ホワイトガソリンを洗浄に使う場合と、市販のバイク専用チェーンクリーナーを使う場合の違いを比較してみましょう。
項目 | ホワイトガソリン | バイク専用チェーンクリーナー |
洗浄力(油汚れ) | 非常に強力 | 十分強力(製品による) |
パーツへの影響 | ゴム・樹脂・塗装を傷める危険性が高い | ゴム・樹脂・塗装への影響が考慮されている |
安全性(引火性) | 非常に高い(危険) | 引火性はあるが、比較的安全に配慮されている |
使いやすさ | スプレー缶などではないため、扱いにくい | スプレー式でブラシ付きなど、使いやすい製品が多い |
価格 | 1Lあたり1,000円前後 | 1本(約420ml)で1,500円前後(単価は高い) |
この表からもわかるように、洗浄力だけを見ればホワイトガソリンは魅力的かもしれません。
しかし、安全性やバイクの部品への影響を考えると、リスクが非常に大きいことがわかります。
次に、具体的なリスクについてさらに詳しく見ていきましょう。
最も懸念すべきは、その圧倒的な引火性です。
ホワイトガソリンの引火点はマイナス40℃前後と非常に低く、常温では常に引火性の高い蒸気が発生しています。
作業中に工具が擦れて火花が散ったり、静電気が発生したりするだけで、爆発的な火災につながる恐れがあります。
車庫のような閉鎖空間での作業は、このリスクをさらに高めるため絶対に避けるべきです。
また、バイクには金属部品だけでなく、ゴムや樹脂で作られたパーツも多用されています。
例えば、チェーンのOリングやXリング、燃料ホース、電装系の被膜などがそれに当たります。
ホワイトガソリンの強力な脱脂能力は、これらのゴムや樹脂部品を硬化させたり、膨潤させたり、ひび割れさせたりする原因となります。
Oリングが劣化すれば、チェーンの潤滑性能が著しく低下し、寿命を縮めることになります。
燃料ホースにダメージが及べば、ガソリン漏れという重大な危険につながるのです。
ここで、洗浄に関するよくある質問にお答えします。
Q. 灯油で洗浄するのはどうでしょうか。
ホワイトガソリンとの違いは何ですか。
A. 灯油も洗浄に使われることがありますが、ホワイトガソリンとは性質が異なります。
灯油は乾燥が遅く、油分が若干残るため、ゴム部品への攻撃性はホワイトガソリンより低いとされています。
しかし、洗浄後に灯油成分を完全に除去しないと、新しいチェーンルブがうまく定着しないというデメリットがあります。
安全性や確実性を考えれば、やはり専用クリーナーが最適です。
バイクの塗装面への影響も無視できません。
ホワイトガソリンが付着すると、クリア層を侵してシミや変色の原因となることがあります。
大切なバイクの外観を損なうリスクを冒してまで、洗浄剤として代用するメリットはないと言えるでしょう。
レギュラーガソリンでの洗浄は、添加物が多いためさらに危険であり、論外です。
では、各パーツの洗浄において、どのような洗浄剤が適しているのかを簡単にまとめてみます。
洗浄対象パーツ | 推奨される洗浄剤 | 避けるべきもの |
シールチェーン(Oリング等) | シールチェーン対応の専用クリーナー | ホワイトガソリン、パーツクリーナー(非対応品) |
エンジン外部(金属部) | バイク用シャンプー、エンジンクリーナー | 強アルカリ性の洗剤、ホワイトガソリン |
塗装面(カウル等) | バイク用シャンプー、ワックス | 研磨剤の強いコンパウンド、各種溶剤 |
ホイール | ホイールクリーナー、中性洗剤 | 酸性の強いクリーナー(塗装やメッキを傷める) |
このように、バイクの各部位にはそれぞれ適したケミカル製品が存在します。
価格が安いという理由だけでホワイトガソリンを選択することは、結果的に高額な修理費用につながる可能性があるのです。
最後に、もう一つ質問にお答えします。
Q. もしホワイトガソリンで洗浄してしまった場合、どうすれば良いですか。
A. すぐに大量の水で洗い流し、完全に乾燥させてください。
その後、ゴムや樹脂部品にひび割れや硬化などの異常がないかを入念にチェックします。
特にシールチェーンの場合は、Oリングの状態を確認し、ダメージが見られるようであれば安全のためにチェーン交換を検討することをお勧めします。
結論として、ホームセンターで販売されている安いホワイトガソリンをバイクの洗浄に使うことは、極めてリスクが高いため推奨できません。
一時的なコスト削減のために、愛車の寿命を縮めたり、自身の安全を危険に晒したりするのは本末転倒です。
バイクの洗浄には、必ずその用途に合わせて開発された専用のクリーナーを使用してください。
それが、あなたのバイクを長く大切に乗り続けるための最良の選択です。
ホワイトガソリンの処分。ガソリンと違いや車に使う事の危険性を解説まとめ
ホワイトガソリンを処分する位なら、友達に譲る・次のアウトドアの時の為に保管する・脱脂や接着剤としてDIY用途に使う方が良いです。
解説した通り、ホワイトガソリンを処分するにも、購入時と同程度の金額がかかる可能性があるからです。
自然に揮発するのを待つ方法もありますが、何が原因で火災が発生するかわからない危険性の高い液体なので、この方法は最もお勧めしない処分方法です。
レギュラーガソリンとガソリンの違いは、主にオクタン価の違いで、オクタン価とはガソリンに含まれる車やバイクのエンジンノッキングの発生を抑制するための添加物です。
お勧めしない処分方法についても解説しました。
アウトドアで使うホワイトガソリンは、このオクタン価に相当する成分が全く含まれていないません。
その為、レギュラーガソリンの代用として車やバイクに使用すると、故障の原因になる可能性があります。
ただ、成分自体はレギュラーガソリンもホワイトガソリンもどちらも主成分がナフサなので、満タンの燃料に少量混ぜる程度なら一時的な影響は少ないと思われます。
しかし、先の理由から、あまりおすすめできません。
ホワイトガソリンは、アウトドア用のバーナーやランタンに、灯油を代用として使う事も出来ます。
火力の調整が難しく、自己加圧式のストーブでは点火しても不安定で煤が多く出るので、こちらもあまりおすすめできる使用法ではない事も解説しました。
現在の殆どのアウトドア用品では、ホワイトガソリンの代わりに添加物の混じったレギュラーガソリンを使用しても対応機種であれば問題ありません。
しかし、アウトドア用の火器類は、ノズルが詰まる原因になる為、なるべくならホワイトガソリンを使用する事をお勧めします。
参考
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