塩ビ管を使用し接続する時の、DV(DrainVent)継手やTS(TaperSized)継手とは違いは何でしょう。
DV継手は主に、排水・排気用の継手でVU等の肉薄の塩ビ管に使用され、TS継手は圧力のかかる水道配管の継手として使用されています。
VP管やVU管に接続する時の種類と違いや、継手の寸法やカタログについて解説します。
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DV継手とは?違いやVU塩ビ管に使えるカタログと寸法表ポイント
- DV継手は塩ビ管のVU管を接続する時に使用する専用の継手の事でDrainVentの略称である。
- TS継手は高圧のかかる水道配管流体が流れる塩ビ管のVP管に接続する時に使用する専用の継手の事でTaperSizedの略称である。
- DV継手もTS継手も地中に埋設して使用する事は可能だが、より強度の高いVD継手という地中埋設専用の高強度な鋳物製で防食処理された配管もある。
DV継手とは?TS継手との違い
DV継手とTS継手の違いは冒頭でも少し紹介した通りですが、DV継手はVU-DV継手とも言われており、薄肉排水・排気塩ビ配管で使用される継手です。
TS継手は高圧力がかかる水道配管などの継手として使用され、VP-TS継手とも呼ばれています。
使用するパイプの種類や、ストッパー部分の高さの違いがDV継手とTS継手では異なります。
ストッパーの位置や高さがTS継手とDV継手では異なるので、もしなんらかの方法で別の継手に変換してしまった場合、排水が上手くされなかったり、圧力に耐えられず破裂するリスクが懸念されます。
TS継手は商品によって、内部にテーパーネジが切られているものがあり、この接続部分には、エスロンではなくシールテープを巻いて施工します。
今回主に紹介するのはDV継手ですが、参考までにTS継手の代表バルブソケットとは下記のような商品です。
VD継手って何?VD継手というものも存在する
DV継手について調査していると、少数ですがVD継手というDV継手と勘違いしそうな紛らわしい継手も存在します。
VD継手はかなり特殊な用途で使用されています。
その躯体も鋳物製で鉄で出来たものを防食処理した特殊な管端防食継手です。
実は私はこれまでVD継手の存在を知りませんでしたが、しらべたところによるとどうやら埋設用途の水道配管として使用されるようです。
通常の塩ビ管であるVPも勿論埋設して使用されますが、鋳物製ですので埋設後高負荷のかかる場所や、埋設深度が高い場所に使用される特殊な配管継手のようです。
VD継手に関する詳細は宮脇鋼管株式会社さんのHPが参考になりました。
水道配管全般に関する知識や施工方法の基本はこちらの記事でもまとめていますので、併せてご覧ください。
配管時に必要な道具や材料についても詳細に解説しています。
こちらの記事では、雨樋のパイプと塩ビ管を接続して使用できるのかを実際に接続して検証しています。
見た目は悪いですが、余った塩ビ管:VU管と雨樋は実際に混ぜて使用する事が出来ます。
DV継手の種類と規格寸法表にカタログの紹介
下記にDV継手のサンプル画像と説明に規格寸法やカタログについて紹介します。
チーズは配管の分岐に使用する継手
流体が流れる方向が刻印してありますので、流体の流れ通りに配管すると分かりやすいです。
チーズと呼ばれる継手で配管を分岐したい時に使用します。
例えば上からはトイレの排水で右からはお風呂の排水が流れて合流しながら左に流れていくといった具合です。
エルボー30°は微妙な角度を付けたい場合に使用する継手
エルボーの継手の一種ですが、角度が30°と微妙な角度ですが何に使用するのかというと、土手などの多少の勾配がついた場所への配管に使用する事が多いです。
土手などは勾配が微妙で直角という訳ではないのが殆どなので、30°どのエルボーを使って配管します。
塩ビ管エンドキャップは使用しない配管に蓋をしたい時に使用する
施工途中で一時的にゴミが入らないようにするためのエンドキャップです。
しかし、建物の施工では主に養生テープで塞がれる事が多いようです。
私は今は使わないけど、将来的に使う用途のある場合、とりあえずこのエンドキャップで蓋をしています。
何もエスロンでがっちり接着する必要はありませんので、かぶせておくだけでOKです。
塩ビ管掃除口はチーズなどで分岐した上で配管の途中に取り付ける
自分の場合、この掃除口は配管が長くなりがちな雨樋の清掃用に使用しています。
各所に取り付けてもし屋根から落ちてきたゴミが詰まった場合でもすぐに取れるようにしています。
この掃除口のキャップには、パッキンがついていますので、シールテープを巻いて施工する必要はありません。
私はこの掃除口を使用して、水撃ポンプのチャンパー部分を接続したのですが、付属のパッキンだけでも非常に気密性が高く、本来気密性を確保する用途ではないですが、とても優秀なパッキンだと感じます。
VU管に使用する掃除口を使用した、水撃ポンプのチャンパーの制作はこちらの記事で詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
エルボーは配管の角度を変えたい時の基本継手
水道配管の基本継手のエルボーです。
建物のコーナー部分を始め、角度を付けたい場合の配管に使用します。
長さが足りない場合などの継手はストレート継ぎ手で接続
切断した塩ビ管同士を接続する場合や、規定の長さ以上に必要な場合に使用します。ストレート継手です。
DV継手の規格寸法を表で確認
下記にDV継手の規格寸法表とカタログを載せますので、施工の際の参考にしてください。
テーブルは横スクロール可能です。
呼び径 | D | d | t | Z | L | L1 | L2 | R | S | θ | a |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20 | 26.7 | 18.8 | 2.0 | 16 | 31.5 | 14.5 | 17 | 10 | 4 | 90°10′ | 4 |
25 | 32.5 | 23.0 | 2.5 | 18 | 37.5 | 16.5 | 21 | 11.5 | 5 | 90°10′ | 5 |
30 | 38.0 | 28.0 | 3.0 | 20 | 43.0 | 18.5 | 24.5 | 13 | 6 | 90°10′ | 6 |
40 | 50.0 | 36.0 | 4.0 | 25 | 55.0 | 23.5 | 31.5 | 16 | 8 | 90°10′ | 8 |
50 | 63.0 | 47.0 | 5.0 | 30 | 70.0 | 28.5 | 41.5 | 19 | 10 | 90°10′ | 10 |
65 | 76.1 | 56.7 | 6.5 | 35 | 85.0 | 33.5 | 51.5 | 22 | 12 | 90°10′ | 12 |
80 | 90.0 | 67.0 | 8.0 | 40 | 100.0 | 38.5 | 61.5 | 25 | 14 | 90°10′ | 14 |
100 | 110.0 | 83.0 | 10.0 | 45 | 125.0 | 43.5 | 81.5 | 28 | 16 | 90°10′ | 16 |
125 | 135.0 | 102.0 | 12.5 | 50 | 150.0 | 48.5 | 101.5 | 32 | 18 | 90°10′ | 18 |
150 | 160.0 | 123.0 | 15.0 | 55 | 175.0 | 53.5 | 121.5 | 35 | 20 | 90°10′ |
No | 説明 | 内容 |
1 | 備考 | 上記の寸法はJIS K 6739に基づいています。 |
D、d、t、Z、L、L1、L2、R、S、θ、aは、図1の記号に従います。 | ||
寸法はmm単位です。 | ||
許容差については、JIS K 6739を参照してください。 | ||
2 | 記号 | D: 外径 |
d: 内径 | ||
t: 肉厚 | ||
Z: ソケット挿入長さ | ||
L: 全長 | ||
L1: ソケット先端から曲り部中心までの距離 | ||
L2: 曲り部中心から管端までの距離 | ||
R: 曲り部半径 | ||
S: ソケット壁厚 | ||
θ: 曲り角度 | ||
a: ソケット先端からフランジ面までの距離 |
この情報は参考用であり、正確性や完全性を保証するものではありません。
DV継手のカタログはクボタケミックスさんがカタログとCADも出されているので参考になりました。
メーカーのHPからCADデータとカタログをダウンロードしてください。
DV継手:水道配管はどこで買う?ホームセンター・工務店・ネット
ホームセンターでもDV継手・VU管などの塩ビ管を購入する事が出来ますが、ホームセンターで購入するとかなり割高なので、まずはお近くの工務店さんに相談して種類や在庫状況・価格などを確認してホームセンターと比べてみると良いでしょう。
大抵の場合、ホームセンターより安価に入手する事が出来ます。
工務店や水道関係の業者であれば、種類も豊かですし場合によってはホームセンターでは取り扱っていないような商品を購入する事が出来ます。
一般的に、工務店やホームセンターで取り扱っている商品は、メーカーのものが多いので、海外製のものや、更に多くの種類を一気に確認したい場合はやはりウェブサイトがお勧めです。
モノタロウ等の本のカタログでじっくり見る事も出来ますが、やはりアクセスのしやすさと種類の多さはインターネットに軍配が上がります。
DV継手とは?違いやVU塩ビ管に使えるカタログと寸法表まとめ
今回の記事でDV継手とTS継手の違いについて理解できたと思いますので、最後にまとめます。
DV継手は薄肉配管で、主に排水や排気用として使用される塩ビ管の継手ですので、圧力のかかる用途の配管には向きませんが、基本的に大口径ですので沢山の排水や気体を排出するのに大変便利な配管継手です。
TS継手はVP管に利用される継手で主に高圧力のかかる水道配管に使用されます。
DV継手やTS継手の他にもVD継手もあり、こちらは埋設水道配管用途としてつくられた高強度な鋳物製の配管で、錆が起きないよにコーティング処理されています。
DV継手とTS継手は基本用途が異なる為、混ぜて使ってしまうと圧力に耐えられないばかりか、排水や排気と混ぜてしまった場合は配管が途中で詰まる、ひっかかって上手く流れない等のリスクが懸念されますので、混ぜて使わないようにしましょう。
最後になりますが、塩ビ管を施工するのに塩ビ管カッターがあると本当に作業が楽でスムーズですので、塩ビ管のDIYをするなら絶対一本は用意しておきましょう。
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