蛍光灯の製造中止メーカー一覧は生産終了でどうなる?なぜ製造中止?

蛍光の製造中止メーカー一覧 電気電子・情報工学
蛍光灯の製造中止は、パナソニックを除いてほぼ全てのメーカーで生産終了

蛍光灯の製造中止メーカー一覧は、パナソニックを除いて、殆どのメーカーが製造終了している状況で、蛍光灯の照明器具本体に至っては、全てのメーカーが生産終了しています。

生産終了でどうなるか不安になりますが、直ぐに焦る必要は無く、古い照明器具を付けたままで、蛍光灯ランプからLEDランプを交換するだけで、使用する事が出来ます。(回路が故障した場合はバイパス工事が必要)

なぜ、蛍光灯が製造中止されたのかは、蛍光灯ランプを製造する過程のエネルギー負荷や、蛍光灯ランプ自体に水銀や鉛など環境負荷の高い汚染物質が含まれているからです。

蛍光灯ランプは2027年まで製造されると言われていますが、環境負荷の高さから、その後は法律で完全禁止になる可能性もゼロではありません。

この記事では、蛍光灯の製造現場で製造と生産技術課を数年経験した筆者が、蛍光灯製造現場の過酷さや環境負荷について解説します。

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蛍光灯の製造中止メーカー一覧は生産終了でどうなる?なぜ製造中止?ポイント

  • 蛍光灯の製造中止メーカー一覧はパナソニックを除いてオーデリック等の有名メーカーが生産終了した。
  • 蛍光灯の製造中止でどうなるか?LED蛍光灯にランプの交換だけで対応可能。(但し回路が故障するまで)
  • 蛍光灯がなぜ製造中止されたのかは、水銀や鉛、PCB等の環境負荷の高い化学物質が原因。
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蛍光灯の製造中止メーカー一覧は?照明器具の製造は完全終了!

蛍光ランプの製造は2027年末まで継続される予定ですが、その後は製造が禁止される可能性があります。

蛍光灯の生産終了
全メーカーでは蛍光灯ランプの照明器具の製造が終了

現状としては、各社蛍光灯製造の有名メーカーが、蛍光灯照明器具の製造は完全に終了しており、蛍光灯ランプは一部のメーカーでのみ製造を継続しています。

蛍光灯の代替品としては、LED照明がおすすめで、LED照明は、蛍光灯よりも省エネで長寿命、そして安全にも関わらず、近年では価格も下がってきており、蛍光灯よりも安価で購入できる場合もあります。

2024年7月2日現在、蛍光灯の製造を中止しているメーカーは以下の通りです。

  • パナソニック:2019年3月に蛍光灯器具の生産を終了しました。ただし、蛍光ランプ単体の製造は継続しています。
    panasonic.jp Panasonic 蛍光灯
  • 東芝ライテック:2019年3月に蛍光灯器具の生産を終了しました。
    東芝ライテック 東芝ライテック 蛍光灯
  • 日立:2019年3月に蛍光灯器具の生産を終了しました。
    adwecs.jp 日立 蛍光灯
  • 三菱電機:2019年3月に蛍光灯器具の生産を終了しました。
    www.mitsubishielectric.co.jp 三菱電機 蛍光灯
  • アイリスオーヤマ:2020年3月に蛍光灯器具の生産を終了しました。
    アイリスオーヤマ アイリスオーヤマ 蛍光灯
  • シャープ:2020年3月に蛍光灯器具の生産を終了しました。
    シャープ シャープ 蛍光灯
  • コイズミ照明:2020年3月に蛍光灯器具の生産を終了しました。
    コイズミ照明 コイズミ照明 蛍光灯
  • オーデリック:2020年3月に蛍光灯器具の生産を終了しました。
    オーデリック オーデリック 蛍光灯
  • 松下電工:2021年3月に蛍光灯器具の生産を終了しました。

蛍光灯生産終了でどうなる?照明器具はそのまま使える?

蛍光灯が生産終了して、蛍光灯ランプのみが手に入らなくなるとどうなるか心配ですが、直ぐに買い替える必要はありません。

ここでは、蛍光灯ランプが手に入らなくなった場合について、どうなるかや代替案について解説します。

蛍光灯の生産終了でどうなる?
古い照明器具はそのままLED蛍光灯を使用する事が出来る

蛍光灯には安定器タイプとインバータータイプの点灯方式の違いがありますが、双方使えるLED蛍光灯のタイプが異なるので、インバータータイプのLED蛍光灯に、安定器が取り付けられている照明器具に取り付けると、最悪火災などの重大な事故につながる可能性があるので注意が必要です。

こちらの記事でも同様の事が解説されており、丸型蛍光灯に特化した内容ですが、直管の蛍光灯も仕組みは同じです。

丸型蛍光灯をLEDに交換するにはどうする?基本的にはランプの交換だけでOK!

蛍光灯が生産終了したとしても、照明器具本体は使用する事が出来ますので、ここでは、上記の記事の補足的な事について詳しく解説します。

上記の記事でも解説していますが、蛍光灯の点灯方式は主に電子制御のインバーター方式と、従来からある安定器タイプのモノですが、そのどちらでも丸型、直管を問わずに、LEDランプの交換だけでそのまま使用する事が可能です。

LEDの点灯回路に蛍光灯の点灯回路は不要なものなので、本来は取り外すべきですが、そのままでも使用する事が出来ます。

ただし、安定器やインバーターは内部的に抵抗として働くので、一部が負荷となり、熱になって電力を無駄に消費します。

LED蛍光灯のタイプ安定器タイプインバータータイプバイパス工事済
安定器用LED蛍光灯×
インバーター用LED蛍光灯×
蛍光灯照明器具とLED蛍光灯の関係

蛍光灯照明器具は、古いものは意外と人気で、ヤフオクでも高額で落札されることが多い商品です。

改造次第では無駄な回路を取り外し、完全にLED化する事も可能ですので、古い照明器具は捨てずにオークションで販売すると、意外と売れる事があります。

蛍光灯の製造中止はなぜですか?環境負荷や消費電力の高さが問題

なぜ、蛍光灯の製造中止されるのか、主な理由は環境負荷と消費電力にあり、蛍光灯には放電の過程で人体に有毒な化学物質(水銀や鉛)を沢山使用するので、環境を保護する目的で各メーカーで製造中止がされました。

私は一時放電管の製造現場の生産技術にいたことがあるので、その理由について詳しくお話しします。

なぜ蛍光灯の製造中止?
鉛、水銀、PCB等環境負荷の高さが原因

製造の観点から蛍光灯の製造中止の理由を解説

蛍光灯の製造工場にいた現場の人間の経験から、まずは製造時における蛍光灯のエネルギーコストについてお話しします。

蛍光灯は、製造するのにかなりのエネルギーを消費し、大変危険な薬品を沢山使用します。

蛍光灯はガラス管なので、ガラスを溶かすためのエネルギーであるガスを大量に消費しますし、それらの装置を動かす為の電気代もかなりのコストが掛かります。

一方LEDでは、蛍光灯の様に製造にガスを大量に使う事は無いので、製造コストが蛍光灯より安価に抑える事が出来ます。

ガスや電気を大量に使う事から、既に環境負荷が高い事が何となく想像できるかと思いますが、加えて蛍光灯の製造現場では、『シラン』『鉛や亜鉛の粉末』『ニトロセルロース』等の危険な薬品を使いますので、それぞれについて解説します。

蛍光灯の製造現場はとにかく熱いです!冬でも一部の作業場は60℃近いなんて事は、珍しくありませんでした。(ガラスを溶かしたり成形するので当然ですね)

そんな中で上記の様な危険なガスや薬品を使うのですから、かなり過酷な作業環境だったと言えます。

シランは可燃性の水素に似た酸化性のあるガスで、吸い込めば肺がやられますし、漏れ出せば爆発します。

蛍光灯の製造現場は常に火器ととなり合わせなので、かなり危険な環境での作業でした。

更に、蛍光塗料に混ぜる材料として、亜鉛や鉛の粉末を使用するので、室内には危険な金属粉末が常に充満していました。

更に恐ろしい事に、当時は運ばれてきたニトロセルロースが、段ボールに山積みになっていました。

ニトロセルロースは、早い話が火薬なので、こんな危険なものが、何の防爆処理もされないまま段ボールに山積みになっているなんて恐ろしい事です。

上記の理由から、蛍光灯の製造現場から見ても、蛍光灯の製造はとても大変であり、環境負荷だけではなく、人にも健康被害が起こりうる危険な作業現場という事が分かります。

蛍光灯は環境負荷が高い薬品が多く入っている

先ほどの蛍光灯の製造現場の件で触れましたが、なぜ蛍光灯が製造中止されたのかを放電現象と環境負荷の観点から解説します。

当サイトのブログでもよく題材に挙げる蛍光灯ですが、この蛍光灯内部には、鉛や水銀が入っています。

鉛粉末は蛍光体の材料の一部として混ぜられ、水銀は放電をしやすくする目的と、紫外線を出す目的で封入されています。

蛍光灯をONにするとヒーターが加熱され、固まりの水銀が蒸発し、蒸発した水銀に電子がぶつかると、紫外線が発生します。

発生した紫外線が蛍光塗料に当たって蛍光灯が点灯します。

このように、水銀や鉛は環境負荷の高い物質ですが、放電という観点から見ると、蛍光灯には必要な物質で、放電をし易くする為に封入されているので、無くてはならない物質です。


LEDは環境負荷が少ない
環境負荷は少ないがLEDも製造過程では様々な化学物質を使う事も確か

実は、環境負荷が高いのは蛍光灯ランプだけではなく、蛍光灯を点灯する安定器にもあります。

安定器は、蛍光灯点灯時に一瞬高い電圧を与え、蛍光灯の放電を開始する為の電圧を与えるものですが、内容は銅線をぐるぐる巻いたタダのコイルです。

このコイルの製造には、PCB等の汚染物質が使われている場合があり、劣化した安定器はこのPCBが漏れ出し、環境を汚染する可能性があるからです。

PCBとはポリ塩化ビフェニルの事で、人工的に作られた油状の物質ですが、安定性、耐熱性が非常に高く、安定器内部を冷却する役割を担っています。

発がん性があり、他にも生殖毒性や免疫毒性を示し、人体には非常に危険で有害な化学物質です。

PCBが入った安定器は主に水銀灯に使用されることが多いですが、このような事からも放電管は、ランプ本体だけではなく、照明器具にも環境負荷の高い化学物質を使用している事がわかります。

蛍光灯の製造中止メーカー一覧は生産終了でどうなる?なぜ製造中止?まとめ

これまで蛍光灯の製造中止メーカー一覧は、パナソニックを除いてほぼすべてのメーカーで、蛍光灯ランプの製造が製造中止または生産終了した事が分りました。

蛍光灯は2027年までは製造されるそうですが、元々蛍光灯の製造現場にいた私ですら、今後の先行きはどうなるかは分かりませんが、おそらく医療現場や研究目的を除いて、一般家庭で普及している蛍光灯は全て生産終了する事が予想されます。

紫外線UVを出す特殊な蛍光灯ランプですら、LEDで代用可能なので、環境負荷の高い物質を使用している以上、全ての蛍光灯ランプが製造中止される可能性もあります。

蛍光灯はなぜ、生産終了してしまったのかというと、製造過程の過酷さや、製造時における危険な化学物質もさることながら、完成した蛍光灯ランプ本体にも、非常に環境負荷の高い物質が使われており、一部の蛍光灯点灯回路に使われる安定器にも、環境負荷の高い物質が使われています。

蛍光灯ランプで使用される環境負荷の高い物質は主に、水銀、鉛、PCBである事についても解説しました。

世界的に問題になっている水銀は、人体への毒性が高く、取り込まれると腎臓病や神経系の異常を引き起こしますし、PCBは放熱の目的で安定器に使用される油状の物質ですが、発がん性が指摘されています。

鉛に至っては鉛中毒で有名ですね。

製造過程では、酸化性の高いシランや、ニトロセルロース等一部、爆発物や火薬を扱っている事にも触れました。

このように、蛍光灯の製造から完成した製品まで、蛍光灯が完成するまでにはかなりのエネルギーや環境負荷を初め、製造している私たち人間も、危険性の高い環境で作業しなければならない事がわかります。

ぶら下がりの古い照明器具を交換する方法については、下記の記事で解説していますので、蛍光灯署名器具本体を交換したい方は、こちらの記事が参考になります。

ぶら下がりの古い照明器具本体を交換するには?手順や資格について解説!

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