おしゃれな片流れ屋根の小屋をDIY出来たら楽しいですし何かと便利です。ホームセンターによくある2×4材を使えば簡単に骨組みを作り、斜め屋根を自作する事が出来ます。今回の片流れ屋根の作業小屋は全て近隣のホームセンターで揃えてDIYしました。誰でも基本的な考え方が分かるように、初心者向けに本当に基本の最低限の知識だけをまとめた製作事例を紹介します。
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片流れ屋根の小屋をDIYする。2×4で作る骨組みで斜め屋根を自作ポイント
- 片流れ屋根の骨組み作りはDIYでも全然難しくない。材料も全てホームセンターで気軽に調達できる。
- 片流れ屋根の骨組みの基本は三角関数だけど、三角関数なんて意味も計算も分からなくたって大丈夫!底辺と斜辺から柱の高さを求めるだけ。方法はスマホの関数電卓で公式通りに入力すればOK。
- このレベルの小屋ならだれの手も借りずに一人でイチから制作可能。1人作業なら気楽だし、全て自分の経験になる。
作業小屋のDIYをした時の記録みたいなものを残します。これくらいは自分で作れると工賃も浮きますし、勉強にもなります。何より、自分はDIYが好きなので楽しいですね。機会があればまた作りたいと思います。
家は古い古民家に住んでいるのですが、物置などがありませんでした。何か作業小屋とセットで使えそうな物置を自分で作りたいと思い、ホームセンターを物色しているとやはりどこのホームセンターも2×材は充実しています。2018年頃は緊急事態宣言もウッドショックも国家間の問題もまだだったので、価格も安かったです。加えて在来工法などよりも面で支える2倍工法は特別な技術が無くても簡単にDIY可能な事もあり、この工法で建築することにしました。
作業に当たり、ポイントをまとめます。CAD等を使用し、設計する事も出来なくはないですが単なる片流れ屋根ですので、三角関数を利用して計算しました。
尚、今回の記事では全て2×4工法で作成しています。
片流れ屋根トラス設計ポイント
- 使用する屋根材・地域によって勾配を決める
今回は屋根にオンデュリン社の屋根を利用しました。施工も簡単で重量も軽いので初心者にも扱いやすいです。屋根を作るときは材料によって勾配も決まってきます。
最大で90度まで対応するそうですが、、90度??まぁそこはさておき、屋根勾配 12°~17.5°の場合 26本、17.5°~30°の場合 26本、30°以上の場合 23本と支持材の本数も変わってきます。
この辺は公式サイトに詳細が乗っているので設計の参考にするとよいでしょう。
豪雪地帯の山形や新潟等では川根本町のように4寸勾配という訳にはいかないので3寸勾配でのトラスの設計を推奨します。
- 屋根のトラスの作り
三角関数を利用します。屋根の底辺は2×4材が2本で3640mです。4寸勾配で屋根を作りたいので角度は21.8度です。4寸勾配角度などで検索すればすぐに角度が出てきます。角度と底辺がわかればおのずと斜辺と高さは求まります。
数学のテストではないので、自分のわかる確実に求められる方法で計算するとよいでしょう。工業高校の方ならポケコンや関数電卓を使った方が早いですし、それがないなら計算サイトもあります。ウインドウズの電卓にも関数電卓機能が付いています。iPhoneでも関数電卓機能がありますので、何でもよいので間違えない確実な方法で計算するのがよいでしょう。
画像の公式を作り間違えてしまったのですが、b=a×tanθが正解ですので間違えないようにお願いします。
小屋建築の様子を画像で説明
では、画像を見ながらどのように作業小屋建築が進められたのかポイントをまとめてご説明します。
[1] まずは整地から初めて床の部分を2×4材で作ります。
OSB合板とはこういった製品です。リンク先に詳しい仕様がのっています。
[2] トラス部分は先の計算式で設計
[3] 2×4 6F 2本で3640m ドア面の長さは1820m
[4] 合板は厚さ9mmのものを加工
[5] 骨組みは基本2倍4で作りました。固定は全てインパクトドライバでコーススレッドです。
インパクトドライバは必ず揃えておきましょう。
インパクトで打ったネジがたまに舐めってしまい取り外せない事があります。そんな時はネジ頭を掴めるバイスプライヤーやネジザウルスのような道具があると便利です。
記事についてはこちらが参考になります。
[6] 屋根のトラスが出来てようやく屋根貼りを開始した所
[7] 軒先部分です。屋根の部分の広小舞は入れませんでした。ブルーシートの一時的な固定にはスプリングクランプを使用しています。あると便利なでっかい洗濯ばさみのようなもの。
[8] 破風板部分ですがやはりある程度張り出しが無いとかっこ悪いですね
[9] 窓は内付け窓を買いました
[10] トラス部分の小さな小窓部分のようなものは、後で取り付けるダクト部分です
[11] 壁の柱の本数が少ないのは、壁に乗せているからです。土台と上に張り出しがあるのでその部分にうまく乗せています。室内の作業には電工ドラムで丸鋸を使用しています。
[12] とりあえず防水シートを張ってみたものの、ハンマータッカーの使い方が難しすぎてなかなか狙ったところに当たらない。普通のタッカーにすればよかった。
[13] Pカラーは防水シートで一般的な材料ですが素材がアスファルトなのでとても重量がありました。
[14] ようやく屋根にPカラーをタッカーでとめて固定したところ。一安心です。
[15] 側面に防水シートを貼りますが、ハンマータッカーは抑えたまま出来ないのでグタグタな仕上がりになってしまいましたw
[16] アルミドアを固定しました。固定ははめてコーススレッドで指定箇所固定するだけです。説明書もついているので取り付けに迷う事は無いでしょう。
[17] オンデュリン屋根を専用のビスカバーを使い固定します。
[18] この後フローリングを貼るのにドアの取り付け高さをミスりました。まぁ、内側が低いよりはいいでしょう。
[19] これはガラリという名称で検索すれば購入できます。内側の通気口は下記リンクと同じものを仕様しています。
[20] 役物の加工はなかなか難易度が高いです。何回か練習してようやくこのレベルです。板金の加工には専用の板金ハサミを使用します。
[21] 角波トタンは薄くて加工しやすいです。自分はディスクグラインダーで微調整しながらカットしました。丸鋸でも刃を交換すればイケると思います。
作業効率を考えると直線を切るのにわざわざフリーハンドのディスクグラインダーを使う意味はあまりなかったなと感じています。
[22] 役物のコーナー部分と単管パイプに防水シートを固定できる黄色い部品。単管パッチン・パッチンクリップ等の名称で販売しています。コスパよくてなかなか便利です。
[23] オリジナリティあふれる色々突っ込みどころ満載の小屋ですが、倉庫っぽくなってきました。作業には2倍材で作った馬に合板を載せて作業すると便利です。簡易的な机のようなものです。
[24] ちなみにまるのこはリョービを利用していますが、工具は基本ハイコーキかマキタがおススメです。初心者ならスライド丸鋸が角度もしっかり出せて間違えないのでおススメです。
[25] スタイロフォームを張り付けますが、暑くてなかなか作業が進みません。
[26] なかなかお気に入りの収納。ちょくちょくこういうのが余るので収納に流用したりしています。
[27] 換気扇用の穴はサイズが共通規格で決まっています。家庭の汚れた換気扇も素人でも簡単に交換できるので自分でやってみたらいいと思います。
[28] 換気扇とコンセントを取り付けてみました。この辺の施工はぴったり上出来でしたw
コンセントの取り付けは未来工業のパネルボックスを使用しています。後付けにお勧めです。
パネルボックスを合板に挟んでインパクトで固定するだけでがっちり固定されます。
[29] 照明はレトロかつインダストリアルなLED証明です。
[30] 小屋を作るに当たり、水平を確認する水準器や、下げふり。さしがね等も必要です。
私は持ってませんがレーザー水平器があるとより便利ですね。
[31] 作業小屋なので外の防水コンセントも欲しいですね。
[32] コーキングして最終的にはこのような形になります。
[33] 外の部分は設置したスペーサ部分に水が入らないようにしっかりコーキングします。
[34] 差し込み型コネクタは銅線をしっかりおくまで差し込みましょう。途中まで差し込まないと画像のようになり、漏電や火災の原因になります。
[35] 今の所用途は決めていませんが、外と室内で何かの配線を出し入れする必要が出てきたことを想定してケーブルを通せる穴を開けました。
[36] 角波板金に防水コンセント用のスペーサーを廃材で作りました。
[37] 電工ナイフをなくしたのでカッターを使っていますが、コントロールしにくいです。
[38] コンセントなどを施工するときにどれくらいケーブルの被覆をむいたらよいか迷ったときは、ケースの裏側等を見てみてください。差し込み型コネクタなどもそうですが、間違えないように親切に実際の差し込み長さが書かれています。長さはそのままなのであてがって切るだけです。
ワイヤーストリッパーなどの工具があると便利です。
[39] ストリップゲージにあてがって実際に被覆をカットした様子。後はこのまま差し込むだけロックされます。電気工事士の免許を持っている方なら当然知っている内容です。
[40] ちなみに現場はかなり適当です。差し込み型コネクタの収納にジョイントボックスが無く素のままだったり、工場などでは一部機械の電源が切れないので活線のまま作業したりしますwww
電気配線を施工するときは電源を切るのは当たり前ですが、このような事がまかり通っていますw
[41] ヤフオクで格安で落札したオーデリックの防犯灯。蛍光灯はなくなる一方なのでなんとなく寂しいです。蛍光灯が買えなくなったら、LED仕様に改造する予定です。
[42] 画像が前後しますが単管パイプで屋根を作っています。単管パイプをコメリから運ぶのが大変でした。
[43] 単管パイプを垂木クランプで2×4材を固定して屋根を作りました。
[44] 室内の装飾周りをなんとなく整えてみた。こういうおしゃれな吊り金具は何気に高い!
[45] 雨降ってきたよ。ちゃんと雨が川の方へ流れていますが、こっちにも雨樋が欲しい所です。
[46] 単管パイプに防犯灯を固定するのに、専用の固定金具がありますが、ホースバンドが安くて便利という事がわかった。
[47] さすがに外の配線は水にぬれると怖いので、ジョイントボックスでカバーしました。防水仕様のは高いので、一番安いやつを傘代わりにしましたw
[48] クランプ類もかなり使用頻度高めなのでそろえておいたほうが良いですね。
[49] レトロインダストリアルな照明器具かっこいい。
[50] 箱が潰れてフレームが変形した激安のLEDベースライト。よく覚えて無いけど1000円位で買えた気がする。多少フレームが曲がっていても必要最低限の機能があればよい。ただ、野外での作業にはちょっと手元が暗い。
野外で作業するならペンタゴンなどのような異常な明るさの作業灯が便利w
[51] 点灯試験。イイ感じ。もう生産していないからメンテナンスしながら大事に使おう。
ちなみに、脚立は二脚あると便利。丈夫な板を渡せば高い所の作業も楽ちんです。
[52] 雨樋の施工は我ながら完璧でした。割と急こう配で取り付けたので、全く水がとどまることなくスムーズに排水されます。
[53] 室内が大体できました。フローリングを貼り終えたところですね。
[54] フローリング貼り中。専用のフローリング用ビスがあるので、ねじ止めしながらはめ込みます。
[55] カインズで安くて内装にマッチしそうなフローリングを選びました。ビス止めしたら、端材の2倍材を当ててフローリングが傷つかないようにゲンノウで叩き、フローリングを隙間なくはめ込みます。
[56] 本当はフローリングは接着剤を床に塗ってからビス止めしますが、自分は材料費をケチってそのまま貼りましたww
歩くとミシミシ音がするのは仕方ありませんw
[57] コーナー部分は巾木がいらないんじゃないかと思うくらいぴったりな施工。付けますけどね。最後の一枚をはめた時は気持ちよかったwwww
[58] 切る面を間違えると毛羽立ちますので、注意してください。最後のコーナー部分のフローリングをかんながけして微調整。
[59] ドア部分の最後のピースをはめこむ。はめたのはいいが、設計ミスで段差が出来てしまったw
だけど、ここは巾木をうまく利用してごまかす。予定・・・( ^ω^)・・・
[60] 隙間が多少目立つのでここはウッドシールでごまかしましょうwまずは養生から。
[61] 施工前のフロアの隙間。数ミリカットミス。結構目立ちますねー。
[62] うん。まぁこれなら許容範囲wwそれよりも左の2倍材のカット後の適当さが目立つ。
[63] 壁のステンレスダクトです。下の通気用に取り付けました。ダクトにもいろんな種類や大きさがあるのでお好みに合わせて選んでください。取り付けにはVUパイプが必要です。
VUは肉薄の排水・排気専用の塩ビ管です。
[64] 本当は真ん中にもう一本入れたいところですが、丁度材料が切れてしまったのと人が乗るわけではないのでこれくらいでも十分です。
[65] VU管に吊りバンドというもので固定しています。下はエンドキャップに穴あけして水たまりを防止しています。
総評として今回ミスったなと思うのが、壁際にうまく固定して作ったので材料費が浮いたものの室内の湿度が高くなった事と、土台の束柱に2×4材を利用した為、心細くなり鋼製束で補強しました。
片流れ屋根の小屋をDIYする。2×4で作る骨組みで斜め屋根を自作まとめ
DIYで片流れ屋根の骨組みを作る場合は、2×4材がおススメです。
最近のウッドショックでまだまだ木材の価格は高いままですが、2×4材ならどこのローカルホームセンターにも必ず販売している商品ですので、材料は入手しやすいです。
私もこの小屋は基本コメリで足りないものをカインズで購入して作りました。
片流れ屋根の制作には、メモ程度の設計図でも十分に行う事が出来ます。
一番難しいトラス部分の制作は、三角関数を使用すれば底辺と使用する屋根材の勾配から柱の高さを求める事が出来ます。
三角関数の計算方法なんて知らなくても、忘れていても最低限底辺と角度から高さを求めるにはどうすればよいかという事が分かっていればネット上にも公式はありますし、計算なんてできなくてもスマホの関数電卓で求める事が出来ます。
このトラス部分の制作さえクリアしてイメージ出来れば、後は単に四角の組合せなので、単純です。
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