扇風機をつけっぱなしで外出すると、動作時間に比例して電気代がかかり、モーターによっては異常加熱の原因となるので、安全面からもOFFにしてから外出する事をおすすめします。
扇風機をつけっぱなしで寝ると、死亡リスクがあるという噂は都市伝説の域を出ず、科学的根拠がないため安易に信じない事をおすすめします。
但し、締め切った部屋で扇風機を使用すると、埃が循環して一時的な健康被害を起こす原因となりますし、ブラシモーターの場合、内部で発生したスパークや、過負荷による異常加熱で室内温度上昇の原因となる事が懸念されます。
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扇風機つけっぱなしで外出すると?つけっぱなしで寝ると死亡の可能性ポイント
- 扇風機は他の電化製品よりも低消費電力だが、使用時間に比例して電気料金が加算される為、つけっぱなしで外出するのはお勧めしない。
- 扇風機をつけっぱなしで寝ると死亡するというのは、韓国ではやりの都市伝説で科学的根拠がない。
- 締め切った室内で扇風機を使用すると、埃が循環して一時的な健康被害を起こす可能性があり、モーターのスパークが熱となり室内温度上昇のリスクが懸念されている。
扇風機をつけっぱなしで外出するのは危険だし電気代の無駄!必ずOFF
扇風機をつけっぱなしで外出するのは非常に勿体ない事です。
昨今の電気代の高騰からも、扇風機は低消費電力と言えども、使用していない電気は出来るだけ消してからつけっぱんしにせず外出するのが望ましいと言えます。
扇風機は内部にモーターを使用しており、微小ながらスパーク現象が起こっています。
このスパーク現象が激しくなると、モーターが熱を帯びて外出時に火災に発展する可能性もゼロではありません。
長期間外出する場合は、扇風機がつけっぱなしにならないように、タイマーを付けるなどして稼働時間に制限を設けて使用するのが適切と言えます。
続いて、扇風機をつけっぱなしにして外出した場合の電気代について解説します。
扇風機の電気代は、基本的に消費電力と使用時間に依存し、扇風機の消費電力はさほど高くないので、電気代がそれほど高くなる心配はありません。
扇風機の消費電力の確認方法は、本体の裏や取り扱い説明書・外箱に必ず記載があるはずです。
消費電力の記載がない扇風機の方が珍しいですが、万が一消費電力が記載されていない古い機種だったり、抵抗や電流が書かれている場合は、以下の記事で商品電力の確認を行う事が出来ます。
電気代は、計算するよりも電気料金チェックツールなど、コンセントに差し込んで簡単に使用できるタイプのものもおすすめ商品です。
上記の記事で解説している電気料金の計算方法をかいつまんで説明すると以下の計算式となります。
1時間あたりの電気代: 消費電力(W)÷ 1000 × 電気料金単価(円/kWh)
使用時間あたりの電気代: 1時間あたりの電気代 × 使用時間(時間)
電気料金単価は電力会社や契約プランによって異なりますが、おおよその目安としては、全国平均で31円/kWh程度です。
次に、扇風機をつけっぱなしで外出してしまったとしても、電気代を低く抑える方法について解説します。
扇風機の動力はモーターですが、モーターにはDCモーターとACモーターが存在し、DCモーターはACモーターに比べて消費電力が少なく、電気代を抑えられます。
また、常に必要な風量で扇風機を使用する事も重要で、当然のことながら風邪を強くすればするほど、風量に比例して電気代は高くなるので、常に最適な風量で扇風機を使用する事をおすすめします。
エアコンとの併用も直ぐに室温を下げる効果が期待できるのでおすすめです。
扇風機つけっぱなしで寝ると死亡や健康被害の可能性はある?都市伝説
扇風機をつけっぱなしで寝ると死亡する説については度々取り上げられますが、この死亡説は日本よりも韓国で広まっているようです。
科学的な根拠も無いと言われ、一般的に『扇風機をつけっぱなしで寝ると死亡する噂は都市伝説に過ぎない』事が多いようです。
扇風機のつけっぱなしで死亡するというのは極端な噂ですが、健康被害のリスクがゼロという訳でもないようですので、扇風機をつけっぱなしで発生する可能性のある健康リスクについても触れておきます。
扇風機のつけっぱなしで風が直接体に当たり続けると、体温が低下する可能性があります。
ただし、室温が極端に低い場合や体調が悪い場合を除いて、通常は重大な影響を及ぼすことは無いといわれています。
これは医者で無くても想像が容易につくと思いますが、扇風機のつけっぱなしで風が長時間当たると、皮膚や目、喉が乾燥することがあります。
これが不快感を引き起こす可能性がありますが、致命的ではない事位は医学の素人にも想像がつきます。
目や粘膜は体内の水分で潤っているので、扇風機をつけっぱなしで風が当たれば乾燥するのは当然です。
また、シーズンを越した扇風機を使用したり、部屋が埃で汚れて居たりすると、扇風機を点ける事で汚い空気が循環し、一時的に喘息の症状や体調不良を引き起こす事があるかもしれませんが、何れにせよ扇風機のつけっぱなしが原因で死亡する程の致命的な症状に繋がる事は無いと言えます。
以上の事を総合して考えると、扇風機の風が原因で死亡する事はありませんが、シーズン持越しで貯まった汚れが扇風機内部に貯まっていると、扇風機内部で発生したほこりが内部のスパークで発火したり、羽が変形してモーターが回転せず、異常に加熱してやけどするなどの二次災害的なリスクの方が大きいと言えます。
扇風機のカバーや羽は簡単に取り外して掃除する事が可能なので、使用前に一度ホコリがないか掃除してから使うのが良いと言えます。
締め切った部屋で扇風機つけっぱなしも効果が薄く涼しさも微妙!
締め切った部屋で扇風機をつけっぱなしにしても、温度を下げる効果はありませんので、むしろ適度に換気しながら使用する事をお勧めします。
締め切った部屋で扇風機を使用すると、室内の温度を下げる効果は期待できません。
なぜなら、扇風機は空気を循環させるだけで、冷房のように室温を下げる機能はないからです。
扇風機は風を起こすことで、体感温度を下げることができますが、室内の熱そのものを減らすわけではないため、締め切った部屋ではすぐに元の温度に戻ってしまいます。
締め切った部屋で扇風機を使用すると、湿度が上がり、かえって不快に感じる場合があります。
窓を開けて風を取り入れることで、室内の熱を排出することができますが、外気温によっては逆効果になる場合もあるので注意が必要です。
扇風機とは異なり、サーキュレーターは首振り機能が優れているため、部屋全体に空気を循環させるのに適しています。
先ほどの見出しでも触れた様に、シーズン持越しの未清掃の扇風機や、埃が溜まっている締め切った部屋で扇風機を使用すると、汚い空気が循環し、喘息やアレルギーなどの一時的な健康リスクを発症させる原因となりますので、使用前にしっかりと清掃する事をおすすめします。
もし、空気の汚い場合は、単に扇風機の機能だけではなく、フィルター機能付きの物も販売されていますので、そういった扇風機を使用すると締め切った部屋でも空気清浄効果が期待できます。
締め切った部屋でも扇風機で体感温度を下げたい場合は、ハッカ油を使用したメントールスプレーをシャツにかけると気化熱やメントールで清涼感を得る事が出来ます。
また、氷の入った袋を扇風機の前に吊るしておくのも気化熱で室温を一時的に下げる効果が期待できます。
ハッカ油を使った天然のミントスプレーは、清涼感を得られるだけではなく、虫よけにも大変効果的ですが、締め切った部屋で使用すると、場合によっては刺激臭で目が痛くなることもあります。
ハッカ油を使った天然の虫除けや、ミントスプレーの作り方については、下記の記事が参考になります。
ハッカ油スプレーは清涼感だけではなく、締め切った部屋に隠れているトコジラミにも効果的です。
ハッカ油スプレーのトコジラミの効果については下記の記事が参考になります。
扇風機のモーターが熱い!異常加熱は扇風機故障の前触れ!?
扇風機のモーターが熱い原因について、電気電子工学科で元電気関連会社に従事していた筆者が、モーターの熱の原因について解説します。
扇風機に使われているモーターは、一昔前のものだとブラシモーターが殆どです。
ブラシモーターは交流で動作する物が殆どで、このモーターの弱点が熱を発生させやすい構造にあります。
ブラシモーターは、モーターが回転する時に、回転する部分と接点を接触させて電気を流しているので、どうしてもスパークが起きやすく、モーター内部では微小ながらスパークの現象が起こっています。
ブラシが劣化し、スパークが多くなればなるほど、熱を帯びやすくなるという事です。
対して最近注目されているのが、省エネモデルのブラシレスモーターで、この扇風機は、交流を電気的に切り替えて動作しています。
最近では、リチウムイオンバッテリーの価格もだいぶ安くなってきたので、DCブラシレスモーターのメリットは、バッテリーでも駆動するモデルが多く、コードレス化で邪魔にならない所が評判です。
また、ブラシレスモーターは内部で電気的に切り替えを行っている為、ブラシモーターに比べて摩耗速度が少ない点がメリットとして挙げられます。
ブラシモーターは、使用するに従ってブラシが摩耗して必ず交換が必要になり、また、ブラシを押し付けているという構造上、モーターの回転速度にもムラが生じやすいデメリットもあります。
ブラシモーターのデメリットばかりあげてしまいましたが、扇風機程度であれば回転速度のムラを気にする必要が無いので、安価なブラシモーターが一般的なのです。
DCブラシレスモーターと書きましたが、かならずしもDCで動くモーターがブラシレスで動くという訳ではありません。
DCブラシモーターで一般的なのが、一昔前に流行ったおもちゃのミニ四駆に使われたモーターがDCブラシモーターです。
このモーターの外装を外してみると、ブラシが回転し、回転すると同時にスパークが飛んでいる様子が良く分かります。
また、モーターを無理やり手で停めると、どんどんモーターが加熱してくるのが分かります。
ブラシモーターは、内部の構造上のスパークと、無理やり停止または動作不良の過負荷による熱で異常加熱する事があります。
扇風機つけっぱなしで外出すると?つけっぱなしで寝ると死亡の可能性まとめ
扇風機をつけっぱなしで外出すると、扇風機は低消費電力ながら、電気料金は時間に依存する事で大きくかかる事がわかります。
扇風機を消し忘れてつけっぱなしで外出すると、電気料金は時間に比例して大きくなるので、なるべくタイマーを設けて外出時でもつけっぱなしにしない工夫が必要です。
扇風機をつけっぱなしにする場合でも、電気料金のやメーターをつけながら、最適な風量で使用すると電気代の節約になります。
扇風機をつけっぱなしで寝ると死亡するというのは、主に韓国で噂されている都市伝説で、扇風機をつけっぱなしで寝ると死亡するという科学的な根拠は今の所ありません。
ですが、健康被害が全くゼロかというと、そうではありません。
シーズン持越しで汚れた扇風機や、締め切った汚れた部屋で扇風機を使うと、汚れた空気が循環し、一時的な喘息や健康被害を起こす事が懸念されています。
また、扇風機を長時間つけっぱなしで使用する事で、体の粘膜が乾燥し、目や口や鼻の粘膜に一時的な不快感や健康リスクを起こす原因となる場合があります。
扇風機のモーターの種類ついても解説しました。
扇風機のモーターには主にブラシモーターとブラシレスモーターがあり、低価格な扇風機の殆どがブラシモーターで動作しています。
ブラシモーターは低価格な反面、構造上の問題から、内部でスパークが発生し易く、このスパークが異常加熱の原因となりますし、モーターは過負荷を与えたり、動きを止めるような負荷をかけると、モーター内部に大電流が流れ、モーターが焼けたりする原因になります。
スパークなどの欠点を解消し、電気的にモーターの電気回路の切り替えを行っているのがブラシレスモーターで、静音性に優れ、モーターの回転ムラや、摩耗する部分が無いのでメンテナンスが楽という特徴があります。
勿論、気になる電気代に関しても、ブラシレスモーターは低消費電力ですので、今購入するならブラシレスモーターを使用した扇風機がおすすめです。
ブラシレスモーターと、ブラシモーターの違いについては、オリエンタルモーターさんの解説がとても分かりやすく、参考にさせていただきました。
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